遊戯王5D's  第59話

第59話「孤高の光 セイヴァー・デモン・ドラゴン」



カーリー戦、決着。



アバンはカーリーの子供時代エピソード。

頑張っている人を応援するのが自分の幸せだと語る少女カーリー。

これからの展開を予想すると、もう、これだけで切なくなってくる・・・・。



ジャックが眼鏡を手に、カーリーに呼びかける。

前回最後にジャックが発動したトラップ、チェンジ・デステニーの効果で、

相手LPにダメージを与えるか、自分LPを回復させるか、その選択をカーリーに迫る。

残りLPわずかのジャック。もしカーリーが前者を選べば、敗北と死が。

それでもジャックはカーリーを信じていた。



自分に運命を委ねたのだと確信したダークカーリーが選択を宣言する直前、

一瞬、ジャックと目が合う。その真剣な眼差しに、迷いが・・・・。

結果、自分LPの回復を選択してしまう。

カーリー、正気に戻った!



ジャックのチェンジ・デステニー発動は、本当に命がけだったのか。

カーリーを取り戻せないのなら、自分も死ぬ覚悟で。

その想い、ちゃんと届いたんだな。



正気のカーリーは自分の行いを詫び、この戦いは自分が望んだものではないと告げる。

ジャック「ああ、お前は決して人を傷つけるよな事をする奴じゃない。

     俺は誰よりも、その事を分かっている。」

その時、闇が現れ、カーリーを乗っ取り、デュエルを続行させるのだった。



ジャックの残り少ないLPを削ってくるカーリー。

レッドデーモンズを召喚し、LPを回復するジャック。

遂に現れる地縛神アスラ・ピスク。

もはや、カーリーを取り戻す事は出来ないのか??



ジャックがその想いを語る。



「カーリー聞いてくれ!



 俺はかつて、他人を思いやることなどない人間だった。

 仲間を裏切り、傷つけることをいとわず、

 己の欲望の為にあらゆるものを犠牲にしてきた男だ。



 だが俺は、お前によって教えられた。

 傷つき病んだ心も、真に思いやる心によって救われるのだと。



 俺は今、心の全てをかけて願う。

 真に愛する者、お前を救いたい!!」



その想いに答えるかのように、シグナー達のアザが再び集まり、ジャックの背に。

光りの中、ジャックはカーリーと再会する。

このデュエルを終わらせて欲しいと望むカーリー。

その想いに答え、ジャックは辛い決断を。



デッキの一番上で輝くそのカードこそ、救世竜セイヴァー・ドラゴン。

ここからセイヴァー・デモン・ドラゴンをシンクロ召喚

鬼柳戦の時のセイヴァー・スター・ドラゴンと同様、地縛神の効果を無効にする。

さらにその攻撃力を吸収。

これでアスラ・ピスクを攻撃か?とおもいきや。



ジャックは相打ちを狙っていた。

トラップ発動で、カーリーと自分のLPを同時に0にしようと。

ジャック・アトラスが選んだ運命、お前と共に果てるのなら悔いはない。

その時。

カーリーがジャックより先にトラップを発動させる。

まるでジャックの選択を知っていたかのように。

トラップ、地縛解放の発動で自らの死を選んだのだった。



「私の本当の願いは、

 あなたが全ての人に愛され、みんなに幸せを与えられる

 本物のキングになる事。



 あなたならきっとなれるわ!ジャック・アトラス!!」



愛する人の腕の中で、塵となって消えてゆくカーリー。

しかし、その顔には、涙ではなく、笑顔が。



「ジャック、必ず世界を救ってね。

 私、応援しちゃうんだから。」



一人残され、立ちつくすジャックが辛い。

天を睨み、この宿命を背負わせたダークシグナーを、邪神を恨んだのだろうか。



遊星パート。

三途の川で父親に会う遊星。

その言葉に導かれ、現世に戻ってくる。

ハチドリの地上絵が消え、残る封印はあと一つ。

ジャックの勝利を知り、狭霧さんも大喜び。

でもカーリーの死を彼女が知ったら、どう思うかな・・・。







”愛する者”とはっきり言いましたね。

ジャックはカーリーをどう思っているのか。

恋愛感情はないのか、それとも自覚がないだけなのか?

どちらかだろうと思ってましたが。

まさか後者でしたか。(笑)

愛する人に危機が迫らないと、自分の本当の気持ちにも気づけないとは。

不器用なのか、バカなのか。



もうちょっと早くその本心に自分で気づいていればな。

最初の遊星vs鬼柳戦後、カーリーと別れる時に、

「愛しているから」無事でいて欲しい、終わったら必ず戻ってくると、正直にそう言えていれば。

カーリーが焦せる事も無かったし、AMに潜入して殺されるような事も無かったのに。



あーもー全部ジャックが悪いよ。(笑)

相手に気を持たせて振り回したお前が悪い。

反省しよろ、こら。



さて、カーリーを失ったジャック。

この後、大丈夫だろうか?

立ち直りは早そうだけど。

きっとまた強がって、悲しみは人に見せないんだろうな・・・。



カーリーはやはり、独りよがりな幸せや愛を押しつけるような、そんな子じゃなかった。

ただ純粋に、相手の幸せを願う、優しい心。

その優しさに救われ、惹かれたんだろうな、ジャックも。

最後は自分の幸せを望ます、その真心だけをジャックに残していきました。

いい子なだけに、その死が一層切ない。



〜なんだから〜!とか言いながら、いつも笑いと笑顔を振りまく、良きムードメーカーとして、

そしてジャックの良き相方として、生きていて欲しかった。

狭霧さんをヤキモキさせて、このコンビのコントももっと見たかったし。(笑)



最期、笑顔でジャックの腕の中で逝けたから、これで良かったのかな。

ジャックの真実の言葉で、彼女の魂は救われたのだと信じたいです。

彼の心の中で生き続けるよ、きっと。

ちゃんと〜なんだから!の語尾でお別れを言ってくれたのが個人的には嬉しかった。



遊戯王名物、”悲恋”が発動しましたね。

冥界へ帰る王様に想いを伝えられなかった杏子も、

死して精霊となってセトを守るキサラも、

十代に想いを伝えられないまま卒業して別れてしまった明日香も切なかったけど。

やっぱり、カーリーも切なかった。(泣)

どんだけ悲恋が好きなんだ、遊戯王

せめてアキさんは幸せにしてあげてね。(笑)



苦悩するジャックの表情と、カーリーの笑顔、良かったです。

作監:こかいゆうじ)