遊戯王VRAINS  第41話

第41話「欺かれた事実」

Playmakerとリボルバーのデュエルが始まる。

瓦礫の舞う風の中でのスピードデュエルは常に危険と隣り合わせだった。

後攻のリボルバーはモンスターを出しただけでターンを終了する。

伏せカードはあのミラーフォースだと見抜いたPlaymakerは対策と立てた上で攻撃を仕掛けるが、

ミラーフォースの発動を防げず、場のモンスターを全て失う。

リボルバーはマズルフラッシュ・ドラゴンをリンク召喚し、ダイレクトアタック。

もう一体のモンスターの攻撃を受けてもPlaymakerのLPはギリギリ100残るはずだが、

攻撃力を上げてきた為、Playmakerはピンチに。

このまま敗北してしまうのか?





「そのイグニスは管理ID IGN006。六番目の被験者とリンクした人工知能

 つまり、お前をモデルにして作られたAIなのだ。」

「誘拐された六人の子供達がVRでデュエルを強要されている時、

 裏では繰り広げられたそのデュエルを学習して意志を持つ六体のAIが創造されていた。」



ロスト事件、別名ハノイプロジェクトの真相が遂に明らかに。

誘拐された子供達のデュエルを学習させてAIを育成する計画だった。

幼い遊作がデュエルで苦しんでいる時、その姿を観察する目の存在、

或いはそれらが集合した神経ネットワークのようなもの、

はこれまでも度々描かれていたので、この辺りは予想していた通りです。

遊作をモデルに育ったAIがイグニス。

いわばイグニスにとって遊作は父親も同然か。



しかし、なぜ子供達を監禁する必要があったのか?余計なものを学ばせない為?

被験者は子供である必要性があったのか?純粋かつ成長期にあるから学習対象として最適だった?

その子供達はどうやって選ばれたのか?などまだ疑問が残ります。



第1話の冒頭に登場したイグニスの仲間も5体いるっぽいので、

AIの数とロスト事件の被害者数との一致も指摘されていた通りです。

他の被害者、草薙の弟ジンとスペクターから育ったAIもいる訳ですね。

どんな性格のAIに育ったんだろう?



イグニスの真意。

サイバース世界とはイグニスが作りだした自分達AIの為の世界。

それをイグニスは隠してしまった。

イグニスが狙われた理由は、イグニスだけが急速に成長し、「嘘をつけるAI」になったから。

「AIが意志を持つ事の本当の意味」と鴻上博士が言っていたのは、この事かな。



嘘をつけるAIがいかに危険か?は、遊作を欺いていたAiを見れば分かる気がします。

人間に対して嘘を付き、信用させ、利用する。己の利益を優先するようになる。

AIが力と影響力を持てば持つほど、それは恐ろしい存在になり得る。



イグニスはサイバースを隠す事で「仲間のAIを守ろうとしている」とも言われています。

その仲間思いな所は、あの声に励まされ続けた遊作を学習したからこそ、なのかな。



イグニスが記憶を失っているのも嘘だと、リボルバーにバラされてます。

Aiが慌てて必死に弁明しようとする所も、何だか人間ぽいですね。



遊作の元にイグニスが来たのは、果たして偶然だったのか?

Aiが言うのは「あの時は追われていて必死で」「信じていいのか分からなかった」と言ってますが。

これも多分嘘かな?

第1話で遊作に捕獲される以前からPlaymakerの活躍を明らかに観察してましたよね。

最初から遊作を利用するつもりだったのでは?



Aiの事を「こいつとの間には何も無い」「仲間と思った事はない」

「友情を感じた事など一度もない」「ただの人質だ」と言う遊作。

それを聞いてガッカリな表情のAi。

冷酷な物言いと、それに落ち込む姿が、

何だか人間の反応とAiの反応が逆で、面白いです。

果たして遊作のこの言葉は本心なのか?それとも強がりなのか?

意志を持ち喜怒哀楽を見せるAIを直感で「信用できない」と判断したのか?

前回のリボルバー戦で消えかかったAiに呼びかける場面もあったから、

全く情がないって訳ではなさそうですが。



真実が判明した所で、ここでリボルバーを倒し世界の危機を救い、復讐が果たせたとして。

Aiは危険だと分かったら自らの手で消去したりするのかな?

それともやはり情が移って消去出来ないかもしれません。



全ての事件が解決し、目的を果たして、これで本当に遊作は前に進めるようになるのか?

燃え尽き症候群になったり、或いはトラウマから解放されずに苦しみが続いたりしないか?

物語の雰囲気からして万事解決とは行かず、この先も苦悩が続きそうな気がします。



(脚本:武上純希

作画監督:Lee Sung-jin・Kang Hyeon-guk)