劇場版遊戯王の感想 2




劇場版『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』感想の続きです。

(感想の1はこちら



ストーリーや、その他細かい所。

(パンフレット等未読なので、よく理解出来ていない所があります。)






藍神



彼の目的は、ファラオの復活を阻止する事。

それは、師の教えに従い、高次の世界を目指す、彼らプラナの民の為。

しかし、精神的な高次元を目指すハズなのに、復讐という、忌まわしき低次元の感情に囚われてた所、

ある意味、人間らしい、人間くさいと思えました。



これで復讐を果たしてしまうのか??と思いましたが・・・。

獏良の涙を見て、動揺してしまう。

冷酷になりきれないんですね。本当は優しい人なのでしょう。

そんな優しい彼では、最初から復讐なんて無理だったんだ・・・。



仮に復讐を果たした所で、彼の魂が救われたかどうか・・・。

そんな事で、高次の世界に行く事など出来るのか??




プラナ達の結末



結局、藍神達プラナは高次の世界には行けなかった。

予言は全て的中してしまった。

けどそれは死を意味するのでは無く、遊戯が藍神の誘いを断ったように、

醜くもイビツなこの世界で共に生きる決意をした、のだと思います。



この世界に「縛られ」、高次の世界へは行けなくなる、と予言では表現されていましたが。

精神の高みばかりに拘り、厳しい現実から逃げていてはいけないし。

ここで地に足を着け、過酷な現実を受け入れながら、仲間同士手を取り合って、

共に生きていく、というのも、大事な生き方です。



復讐心に囚われたり、冷酷になりきれずに復讐を成し遂げられなかったり、

兄妹や仲間の情を捨てきれなかったり。

そういう所、愛憎や人間らしさを捨てられない彼は、

所詮、高次の世界には行けななったのではいか?

彼らはこれで良かったんだと思います。




高次の世界?



精神には様々な段階があり、人々はより高次の精神世界を目指すべきである。

というような思想を、宗教などでよく見かけます。

プラナもそう言った思想だったのかな。



より高次の魂の世界を目指す・・・というような世界設定は、ZEXALのものに似てますね。

魂のランクアップを目指すあまり、カオスの魂の世界、バリアンを消滅させようとしたり、

その強引さで自ら滅びの危機を招いた、アストラル世界を思い出させます。



ZEXALにおいても、カオスを認め、受け入れていく事で滅びの危機を免れたように、

プラナ達の生き方も、高次の世界を目指す事だけが正解じゃない、という気がしました。




人々の争い



回想で、なぜ人は争うのか?と問う幼い藍神。

傷つけ合わなくても、仲良く暮らせるはずなのに・・と。

藍神は優しい子なんですね。



一方で、次世代デュエルディスクを披露する大会の、海馬の演説。

争う事で人は進化し続けるのだと、肯定しています。



この辺り、考え方の違いが対称的だな・・・と思いました。




獏良



獏良にあんな過去があったとは・・・!

遊戯達に出会う、もっと以前から、千年リングに取り込まれていたのか。

あの時、こっそり父の後を追ってきてしまったばかりに、巻き込まれ。

千年リングに選ばれてしまった不運。

或いは、これがバクラの魂の器としての宿命だったのか?



真実を知った獏良が泣きながら藍神に謝罪していました。

表の器の獏良は、優しい子です。



原作でも、ここでも、ひたすら運命に翻弄されて・・・。

何だか、可哀相ですね。




シャーディー



まさか、映画にシャーディーが登場するとは、思ってもみませんでした!!

藍神達の言う「シン様」とは一体・・・?と思ってたら。

シャーディーの事だったのか!



文庫版で高橋先生が、

シャーディーというキャラクターも謎めいていて、

生きているのかさえ疑わしい描き方をしてしまったので読者には伝わりづらかったのかもしれない」

と書いていらしたので、先生もシャーディーについては気にしていたのかもしれません。

その伝わりづらかった所を、もう一度ここで描いてくれたんですね。



あの神出鬼没さも、プラナという特殊な存在だったから。

そして、彼には彼の役割があった。

遊戯の前に突如現れたり、また姿を消したのも、理由があった。



遊戯の前に現れたのは、バクラに殺された後、て事でいいのかな?



それと、とても嬉しかったのが、シャーディー役の声優が、アニメDMと同じ、佐々木望さんだった事!

ストーリー的には、この劇場版は原作の続きであり、

DMの続きではないのですが。

それでもDMを観た者としては、この声のイメージが強いので、同じ声優さんで嬉しかったです。




八つ目の千年アイテム



隠されていた八つ目の千年アイテムと、それにまつわる物語でした。

やや後付け感はありますが、七つの千年アイテムとは違った役割が、このアイテムにはあったようです。




ディープアイズ・ホワイト・ドラゴン



このドラゴンの名前に、驚かされました。



劇場版を鑑賞する前日にツイッターでこんな話題をみかけました。



新宿バルト9のカフェで、 薬師寺 一彦さん(@Kazuhiko_Yaku) の作品、『深愛白龍』が展示されている。

この作品タイトルは高橋和希先生が命名



実物は見ていないのですが、ツイッターの写真を見ると、

羽を広げたブルーアイズの中に、キサラの姿があります!

(このイメージが書き下ろしのキサラと同じになったのは、意図したものではなく、

イメージが偶然一致した結果だそうです。)



そして、このタイトル。

深愛

深い愛。

ディープ愛。

ディープアイズ・・・!



言葉を掛けてる!!

あの彫刻は、このドラゴンだったのか!と。



映画にはキサラの登場はありませんでしたが、

このドラゴンのネーミングに、キサラとの強い絆を感じました!




多次元世界?



冒頭に、いくつもの球体の中に宇宙があって、

この描写は、やはり多次元世界の意味だったのかな?と。

今のアニメシリーズとの繫がりの有無の説明なのかもしれない、と思いました。




海馬コーポレーション



もはや一企業というより、国家並みの財力と支配力ですね。

冒頭に登場した軌道エレベーターに驚きました。(笑)



海馬は全ての住人をディスクに登録するよう義務づけているらしく。

これもある意味、海馬の狂気ですが。(笑)

でもお陰で、紛れ込んでいる藍神達の存在に気づけました。

恐るべし、KC!




犬の凡骨



序盤で、城之内が犬の着ぐるみを着てバイトしてました。

リマスター版再放送を観て、思い出しました。

御伽のエピソードの時に、城之内が犬の着ぐるみを着せられたエピソードがありましたよね!



校門を閉めていたのは、原作に登場した刈田先生かな??



他にも、いろいろ小ネタが仕込まれているらしいのですが、

一回観ただけじゃ分からないです。

もう一度観て確認したいです。




遊戯と杏子



遊戯の片思いはどうなったのかな・・・というのが、少し気になってました。



登校は、杏子が迎えに来るんじゃなくて、待ち合わせ、に変化してます。

杏子が肩で遊戯を突いたり、とても親しげ。

遊戯の夢を杏子だけが知っていたり。

・・・という事は、遊戯は杏子だけに自分の夢を語っていたのか。

二人の仲の親密さをうかがわせます。



最後、杏子とハイタッチして、笑顔で見送る遊戯。

多分、その思いは告げていないのでしょう。ちょっと切ないですね。



杏子も、恐らく初恋だった闇遊戯(アテム)との別れを経験したばかりで、

笑顔で過ごしてはいますが、内心は辛かったはず。



このまま幼馴染みで、大事な仲間という関係のままなのかな・・・?

もしも二人の関係が進展するとしても、それはもう少し時間を置いてから・・・なのだと思います。




凝った演出・効果



藍神は自在に人の存在を消したり、また自分達自身も消されそうになるのですが、

体が粒子状に消えていく描写は、ZEXALのバリアンの消失時に似てるな〜と思いました。

城之内が見上げた、上空に渦巻く赤黒い空間も粒子が渦巻いているようで。

この辺り、すこしZEXALを思い出させます。



デュエル中のLP、攻撃力守備力表示は、よりデジタルっぽくでカッコ良く。

仮想空間に浮かび上がるような演出も、ZEXALに似てますね。



劇場版の監督はZEXALと同じ桑原智さんなので、

ZEXALでの演出手法を上手く取り入れたんだな、と。




難解だった、映画の設定・・・



他者の認識が、記憶が無ければ、消滅してしまう・・とか。

藍神達が目指す高次の世界とは、一体何なのか?とか。

八つ目の千年アイテムの役目。シャーディーの使命。



その辺り、作中で何度も言葉を換えて説明されていはいるのですが、

やはり難解でした。(汗)

もう何回か鑑賞して確認していきたいです。



次元領域デュエルのルールや、藍神の操る方界モンスターの効果も、難しくて。



劇場版のパンフレットも入手したし、おそらくそこに詳しい解説もありそうなので、

じっくり読んで、もう少し予習してから、もう一度鑑賞したいですね。



その他の関連書籍も、映画公開前はネタバレを避ける為に封印していたので、

これからいろいろ読んでいきたいと思います。




BGMと、気になったメロディー



DMのメロディーを新たにアレンジしたものが度々流れます。

やっぱり、遊戯王と言えば、このBGM!「熱き決闘者たち」!

このメロディが流れると、気持ちが高揚します!



ただ、気になった事が一つだけ、

海馬がデュエルするシーンで、聞き覚えのあるメロディーが。

それはDMのものじゃなくて、ZEXALの曲で。

同一曲ではないのですが、メロディーがよく似ていて。

(ドラムが印象的な曲です。)



最後のエンディングテロップで確認した所、音楽に中村和弘さんが参加されてました。

ZEXALのBGMにも参加されていた方なので、メロディーが似てしまったのかな?