遊戯王ARC-V  第92話

第92話「悲運の再会」



四体のドラゴンが揃い、目を光らせ、暴走状態の遊矢達。

そこに、柚子が駆けつけ、ブレスレットの閃光と共に、

ユーゴとユーリは消えてしまう。



遊矢はセレナと柚子を守るため、バレットとデュエルを再開する。

バレットの攻撃が続き、遊矢のLPはさらに削られ、二体のドラゴンの攻撃力も遂にゼロに。

遊矢の手に残されているのは、マジック、スマイル・ワールドのみ。



そこにセルゲイが乱入し、フィールド魔法、地縛牢で柚子を閉じ込めてしまう。

さらに、地縛囚人ストーン・スィーパーとライン・ウォーカーを召喚し、

マジックを使い、シンクロ召喚融合召喚を同時に行う。

シンクロモンスター、地縛戒隷 ジオグリフォンと、

融合モンスター、地縛戒隷 ジオクラーケンが現れる。



セルゲイがバレットの場の二体の融合モンスターをバトルで破壊するが、

自身の効果により、融合素材を墓地から蘇らせるバレット。

その特殊召喚された素材も、ジオクラーケンの効果で全て破壊され、

効果ダメージを受けて、バレットは敗北してしまう。



負けたバレットはセレナを連れて融合次元へと消えてしまう。

柚子を守るため、遊矢はセルゲイ相手にデュエルを続ける。



マジックを使い、柚子を閉じ込めていた地縛牢を破壊する遊矢。

自らダメージを受ける事を承知で、柚子を救おうとしたのだ。

遊矢のマジックを無効にするトラップを伏せてありながら、

予想外の遊矢の選択にエラーを起こし、発動するタイミングを逃してしまったセルゲイ。



遊矢は相生と相克のペンデュラム効果を使い、

オッドアイズ・リベリオン・ドラゴンをエクシーズ召喚し、ジオグリフォンをバトルで破壊するが、

ジオグリフォンの効果でオッドアイズ・リベリオンも破壊されてしまう。

場のモンスターを失った遊矢が、ジオクラーケンのダイレクトアタックを受け、敗北してしまう。



セルゲイはジェットを使い、猛烈な勢いで柚子を浚っていった。







さらに大変な事態になってます。

ユーゴとユーリは去りましたが。

バレットと遊矢のデュエルの決着は付かず。

セルゲイに敗北したバレットが、どさくさに紛れてセレナを連れ去ってしまう。

さらに、遊矢の敗北と、セルゲイによって奪われてしまった柚子・・・。

という、とんでもない展開になってしまいました。



暴走した遊矢・ユーゴ・ユーリ、そして遊矢の中のユートまでもが、

奇妙な事を口走る。



 遊矢 「こ・・・このときを・・・。」

 遊矢・ユート 「このときを待っていた。」

 ユーゴ 「今こそ・・・今こそが復活のとき・・・。復活の・・・。」

 ユーリ 「我らが、ひとつに・・・。我らが、ひとつに・・・。」



この台詞から考えると・・・。

元は一つの存在だった何かが、四つに分けられたのが、遊矢・ユート・ユーゴ・ユーリで。

四人が揃い、統合されると、元の一つの存在が復活する?



遊矢似達が互いを引き寄せ合ってしまうのも、元は一つの存在だったから・・・。



その元の存在とは、最初のユートとユーゴの暴走の時、二人が口走ったように、

「全てを破壊し、全てを焼き尽くし」「全てを消滅させる」

ような凶暴で破壊的な存在、なのか?



ミエルが言っていた、遊矢の中にある二つの心を覆い尽くすかのような恐ろしい存在、

とは、この事?

遊矢が度々逆鱗化するのは、その存在の力が覚醒した時なのか?



そう考えると、柚子のブレスレットが遊矢似の接近を知らせ、

それを引き離すかのように相手を飛ばすのは、

その存在が復活しようとするのを阻止する為、かな。

いわば、安全装置のような役割がありそうです。



だとしたら、柚子似達はその危険な存在の復活を阻止する為に、

各次元の遊矢似達の側に存在するよう仕組まれていたのかも。



プロフェッサーの野望、四つの次元の統合には、四人の遊矢の集結と、元の存在の復活が必要で。

だから、復活を阻止する柚子似達を引き離そうと、リンと瑠璃、柚子を浚わせ。

復活を阻止するセレナの力がユーリに及ばないように、セレナをユーリに近づかせず、隔離した。

プロフェッサーの狙い通りなら、柚子達を遊矢達から引き離せば、

互いを引き寄せ合う力で遊矢達は必ず出会い、

その存在が復活してしまう?



以前も今回も、遊矢達の暴走を止めたのは、それを引き離した柚子のブレスレットでした。

柚子似達に復活を阻止する役目があるとすると、

プロフェッサーの野望を阻止する鍵も、柚子達にありそうです。

或いは、遊矢達同様、柚子達も元は一つの存在で、彼女達も一つに統合される事がありうるのか?



凶暴で邪悪な存在だったから、四つに分けられ、遊矢の中に封印され。

その復活を阻止する為に柚子達がその側に配置されていたのだとしたら。

各次元の遊矢と柚子達が互いに惹かれ合うのも運命であり。

遊矢達も柚子達も、最終的には一つに統合されてしまうのかな・・・。

遊矢と柚子を残して、他の六人が消えてしまうという結末は、

あまりにも悲しいので、避けてもらいたい所です。



暴走状態の遊矢達。

咆哮する四体のドラゴン。

空にも異常な渦が。

点滅を繰り返す柚子とセレナのブレスレット。



ブレスレットの反応を頼りに、遊矢の元に辿り着いた柚子。

やはり、ブレスレットが光り、ドラゴンと共にユーゴとユーリが消えてしまいました。

これにより、遊矢の暴走も止まり。

やはり、柚子には暴走を止める役目がある?



遊矢に駆け寄る柚子。やっと二人が再会できた!

けど、再会を喜び合うような状況じゃありません。

本当なら、泣いて喜んで抱きしめ合って欲しい位なのに。



もはやデュエルする必要もないと、バレットは柚子とセレナを連れて行こうとするが、

遊矢は勇敢に立ち上がり、二人とも渡さない!と、立ちはだかる。

その勇気を評し、デュエルでの決着を付けると言うバレット。



心配する柚子に遊矢は言う。



「相手はアカデミアだ! 

 俺は、柚子もセレナもアカデミアには絶対に渡さないと誓った。

 だから、下がっててくれ、柚子。」



この時の遊矢の真剣な表情、この力強い声、遊矢は本当に逞しくなった。

久しぶりにみた幼馴染みのこの変化を見て、柚子はどう思ったかな。



バレット相手に、手も足も出ない遊矢。

ここでセルゲイの乱入、と、またもデュエルを邪魔されてしまう。

なかなか思うようにデュエルさせてもらえませんね、この二人。



OPにも暗示されていた、バレットとセルゲイの対決が、遂に実現。

できれば今回のように途中からの乱入ではなく、最初からガチでデュエルして欲しかった。



セルゲイのみせたシンクロと融合召喚

ロジェが編み出した、二つの次元の召喚法を「ハイブリッドした、新たな戦術」。

ロジェがセルゲイの力に自信を持っていたのは、この戦術があったからですね。



セルゲイが今回召喚した、地縛囚人と地縛戒隷。

名前に「地縛」が入っており、デザインを見ても、

5D'sで登場したあの地縛神からの派生ですね。

ストーン・スィーパーとライン・ウォーカーという名前も、

ナスカの地上絵を思わせます。

なんだかちょっと懐かしいです。



セルゲイ「貴様、俺を倒すと言ったな?それは・・・。」

ロジェ「どうかな?」



定番の台詞、それはどうかな?を、セルゲイとロジェが言ってます。

この二人がこの台詞を言う時が来ようとは!



セルゲイとのデュエルを続ける遊矢が、お前を絶対に許さない!と言ってました。

セルゲイが大会で、柚子をデュエルレーンから突き飛ばした事を、しっかり覚えてます。

柚子を傷つけた事が許せないと。

柚子への思いをうかがわせるシーンです。



柚子は、ここで遊矢に「お願い!怒りに囚われないで!」と言っています。

さっきのような遊矢は、もう見たくない、と。

怒りに囚われたデュエルは、本来の遊矢が目指すデュエルではない事も、柚子は理解していたのかな。



しかし、その言葉も、追い詰められた今の遊矢は受け入れる事は出来なかった。

皆を笑顔に出来なくても、たった一人なら笑顔に出来る。

遊矢が選択したのは、スマイル・ワールドを墓地に送り、自分がダメージを受ける事を承知で、

柚子を閉じ込めていたフィールド魔法を破壊する事。

確かに、地縛牢が消失した直後、一瞬柚子に笑顔が戻ります。

遊矢の僅かな願いは、叶えられた。ですが・・・。



両親の思いが込められたスマイル・ワールドを墓地に送る、という行為自体が、

遊矢がエンタメを諦めた事を象徴しています。



そして、遊矢、久しぶりの敗北です。

この展開に、少しデニスのデュエルを思い出しました。

黒咲戦で、仮面を剥がされ、エンタメを捨てた時、運にも見放されて、敗北したデニス。

遊矢も、エンタメを諦めてしまった事が、敗因だったのかもしれません。



セルゲイが柚子を確保する際、

猛烈な勢いで、月影、素良をも突き飛ばし、片手で柚子を掴んで飛び去ってしまうシーンが、

凄かったです。



運良くセレナの側に吹き飛ばされたお陰で、次元移動装置を起動させ、

身動きの取れないセレナを共に連れ帰る事が出来たバレット。

デュエルには敗北したものの、結局その使命を果たしてしまいました。



これで、キーとなる、リン、瑠璃、セレナの三人がプロフェッサーの元に揃ってしまい。

残りは柚子一人。

その柚子が、今はロジェの手に。

柚子を奪いに、アカデミアはさらに兵士を送り込んでくるのか?

それとも、その前に遊矢達の手で柚子を取り戻す事ができるのか?



ブレスレットに飛ばされたユーリとユーゴは、その後どうなったのか?

自分達の身に起きた異変に気付き、何か行動を起こすかな?

ユーリは、このまま何の疑問も持たずに、プロフェッサーに従い続け、柚子を奪いに来るのか?

この後、フレンドシップカップは、どうなってしまうのか・・・。





この回、放送直後は少し評判が悪かったらしいのですが。

多分、どの対決も決着付かずに終わった事への不満かな?

闇雲に決着を先送りにし、無駄に話を引き延ばしてるように見えた人もいたようですが、

そういう事はないと思います。

キッチリと先の展開まで構成した上での、ここでの消化不良な展開なので、

心配する程の事ではないと思うのですが。





作監:白石悟・飯飼一幸)

(脚本:上代務