遊戯王ARC-V  第89話

第89話「強襲!オベリスク・フォース」



段々面白くなってきました。

仲間達がすぐに集結できない、このもどかしさが、上手く物語りを盛り上げてます。



今回も、ユーリに与えられた任務は、柚子の確保。

セレナの確保は命じられてない様子です。

オベリスクフォースには、柚子とセレナ、両方の確保を目指しています。



このプロフェッサーの命令を見るに、

やはり、赤馬零王はユーリとセレナを引き合わさないようしている?

長い間同じアカデミアに居ながら、セレナは隔離され、ユーリとはお互い面識がありませんでした。



遊矢と柚子、ユーゴとリンは幼馴染みで、とても仲が良く。

ユートと瑠璃も、恐らく仲はとても良かったはずです。

この三組と同様に、ユーリとセレナも、出会っていれば、仲良くなっていた可能性があります。

各次元の遊矢似と柚子似は、互いに惹かれ合う運命があるのかもしれません。

しかし零王は、ユーリとセレナが惹かれ合う事を望んでいない?

それは零王の野望にとって、不都合な事なのか?



通信が妨害されているから、合図は信号弾で、と打ち合わせをするオベリスクフォース。

そう言えば、シンクロ次元編冒頭で、そんな設定があったのを思い出しました。



議事堂の議員達と零児。

オベリスクフォースの襲来に対し、私達を守ってくれるのでしょう?と

零児に全て任せる気でいます。

零児は、守りに来たのではなく、協力する為に来たのだと、釘を刺します。



相変わらず議員達が呑気です。

零児達に守ってもらう事しか考えていない。

流石の零児も表情を変えずに、内心呆れています。



呑気なのは議員達だけではなく。

上空からハングライダーで現れたオベリスクフォースを、

司会のメリッサはイベントのパフォーマーだと思い込み、TVで紹介する。

市民は、敵の襲撃を受けている事にすら気づいていません。

黒咲とデニスのデュエルを、みんな見ていたはずなのに・・・。



これを機会に、シンクロ次元が共に戦える仲間になり得るか、

見極めようと零児は考えていた。

慣れないライディングデュエルにも関わらず、この次元における大会で、

ランサーズが容易く優勝してしまえる程度の力しかシンクロ次元は持っていない、

のだとしたら。

或いは、保身しか考えず、共に戦う意志がシンクロ次元に無いのなら。

協力するだけ無駄だし、見限ってしまうのも手かもしれません。



ランサーズに匹敵する力を持ち、共に戦ってくれそうなデュエリストも、

今の所、いない気がします。

ジャックは次元戦争に興味はなく、彼自身が戦う時が来るとしたら、それはシンクロ次元が襲撃を受け、

この次元を守る時、かな。

クロウやシンジも、自分達の次元を守る事を選ぶだろうし。

ユーゴなら、同じ目的で戦ってくれそうですが。



零児は、この状況で、ランサーズが自ら動くだろうと、予測しています。

誰かが地下へ行き、オベリスクフォースの襲来を伝えれば・・・。



それ以前に、議員達は地下のランサーズを解放するなど、出来る事はないのか?

「じゃが、殆どのメンバーが地下施設に送られてしまった今、

ランサーズは当てにならんと言う事かな。」とホワイト議長は言ってますが。

ランサーズの出方をうかがうかのような、この余裕は一体?

窮地に立たされているのは自分達の方なのに、終始穏やかな笑みを浮かべている、

この議長は、何を考えているのか?

何事にも動じない、肝の据わった人物なのか?

それとも、本心を隠して、とぼけてみせる狸なのか?

もしかしたら、いざとなったら自分達だけ助かる手段でもあるのか?



ユーゴと会話するユーリが、コロコロと表情を変えて、面白い。

いつも不気味な笑みを浮かべている印象でしたが、こんな表情も出来たんですね。



常に余裕を持ち、ふざけてユーゴをからかうユーリと、

すぐにムキになるユーゴとの会話は、楽しいです。

もしもユーリが遊矢達の仲間になったら、ユーゴとは面白いコンビになるかもしれません。



「フフッ 誰だっけ?キミ」と、わざととぼけて見せるユーリ。

この、ニタニタとふざけた表情が、憎たらしい。(笑)



 ユーゴ 「俺はユーゴだ!」

 ユーリ 「へえ〜、キミも融合使うんだ。」

いつものユーゴの聞き間違いとは逆のパターンですね。



 ユーゴ 「融合じゃねえ!ユーゴだ!」

ユーゴがムキになって訂正するのを最初から知ってて、

わざとからかってる所が、ユーリらしい。

その反応を見て、「面白いね、キミ。」と、お腹抱えて笑ってる。

笑うユーリの仕草が、意外とかわいいです。



さっきまでデュエルしていた気がするけど、相手はキミ?と問うユーリ。

デュエルしていた誰かの意識と繋がっていた事は、二人とも自覚出来ている様子。



リンの所へ連れて行くのと引き替えに、柊柚子の居場所を教えろとユーリは言う。

仮に柚子の無事をユーゴが知っていたとしても、

大事な友達の居場所を易々を教えるハズはないと思いますが。



柚子の死を思い出し、涙を堪えて親指で自分の胸を指し、

「柚子は・・・柚子はな、ここにいる!!」と答えるユーゴ。

友達思いのいい奴なんだけど、笑えるシーンです。



「は?バカにしてんの?」と呆れるユーリ。

ここの、キョトンとした表情が、かわいいです。

言われてみれば、確かにネコみたいな表情ですね。

バカにしてんの?とは、つい先程、ユーゴが言った台詞でもあります。

この辺りの言葉遊びも、面白い。



柚子は俺の心の中に生きているからな!という、本来なら感動的な台詞なのですが。

ユーリは感動する所が、呆れてます。

柚子が死んだと聞かされても、ユーリはそれを信じないんですね。

デニスがアカデミアに戻ったのは、柚子とセルゲイ戦の前です。

セルゲイ戦で柚子がクラッシュした事を、アカデミアは知らない。

ユーゴの、あの本気の涙をみたら、驚いてくれても良さそうですが。

柚子は死んでいない、必ず生きているという確証が、ユーリ達にはあるのかな?

仮に、ホントに柚子が死んでいたとしも、ユーリには興味がない?



「ふぅん・・じゃ、リンもキミの心の中でいきてるんじゃない?」

と、酷い事言いますね、ユーリ。(笑)

マジック、ヴァイオレット・フラッシュで閃光と共に姿を消すユーリ。

リンを浚った時にユーゴの前で使ったのと、同じカードです。



この後、ユーリはどう動くのか?

オベリスクフォースと合流するのか?

以前のようにデニスの手引きはないし。

デニスから素良の情報が伝わっているなら、素良を探すかな?



動けないセレナ達の所にも、ついにオベリスクフォースが。

自分がオベリスクフォースを足止めする隙に、

地下の仲間達に知らせるよう、月影を先に行かせる零羅。

体力の限界にも関わらず、一人で戦う零羅が、健気です。



信号弾が放たれ、遂にセレナの居場所がオベリスクフォース達に知られてしまう。

逆に、この合図をたよりに素良や遊矢が駆けつけてくれる可能性がある?



地下施設へ向かう月影が、追っ手を振り払う為に、三人のオベリスクフォースとデュエルをはじめる。



月影がモンスターで攻撃を仕掛けるが、トラップにより、

融合モンスター以外の攻撃は全て阻止されてしまう。

融合を持っていない月影では、手も足も出ない??

融合召喚がメジャーではない他次元を攻める時、

このトラップを使えばオベリスクフォースは圧勝ですね。



更に、このトラップの効果で、

二体のトリプルバイト・ハウンドドッグのダイレクトアタックを受けてしまう月影。

LPは残り僅か。

このピンチに現れたのは、素良だった。



乱入ペナルティが発生してしまうのは、

零児の手が入ったディスクで月影がデュエルしてるから、かな?



オベリスクフォースは、素良の事を当然知っている。

ここで素良がオベリスクフォースに刃向かい、月影に加勢する、という事は・・・・。

素良がアカデミアを裏切る事になり、アカデミアから完全に離反する覚悟が、

ようやく素良にできたって事かな?



親友の遊矢と柚子さえ助かればそれでいいと、以前はアカデミアへの離反を渋っていた素良が、

ようやく決意してくれたようです。

ここまで来たら、もうアカデミアには戻れない。



離反を渋っていた理由は、

自分はアカデミアでしか生きていけないと思い込んでいるから、だと思いますが。

アカデミアがなくても生きていける事を、遊矢と柚子が教えてくれると信じています。



乱入した素良が、デストーイ・マッド・キマイラとシザー・タイガーを融合召喚

シザー・タイガーは、相手の場のトラップを破壊し、デストーイの数に応じて攻撃力を上げる。

月影がトラップを発動し、三回攻撃できるトリプルバイト・ハウンドドッグの効果を、

マッド・キマイラに与える。

バトルで破壊したモンスターを自分の場に召喚し、デストーイ扱いとする事で、

攻撃する度に攻撃力を上げていくマッド・キマイラ。

最後に奪った相手のモンスターで攻撃し、三人のLPをゼロにしてしまう。



「これで君のお兄さんをカード化した事が許されるなんて思ってないけど・・・。」

この台詞で、素良が月影に対し、今も罪悪感を背負っている事が分かります。



以前は敵として戦った者同士が仲間になる、という展開はありがちですが、

そういうとき、過去の事を悔やむ台詞があると、やっぱり嬉しいですね。

(逆に、その台詞がなく、過去の罪を本人が忘れて、無かった事にされてしまうと、

底の浅いキャラに思えてしまって、悲しいです。)



素良の言葉を聞いて、目を閉じて少し間を置き、

「恨み言は繰り返さぬ。」と言った月影。

この時、何を思ったかな?

感謝を述べ、素良を受け入れてくれたのが、嬉しいです。

潔いですね。



セレナを守り、一人でオベリスクフォースに立ち向かう零羅。

三人倒した所で、まあ新手が。

きりがない・・と、焦る表情。

脳裏によぎる、かつての戦場での記憶。

このシーンが、辛い。

人が最も恐れるのは、目の前の危機ではなく、過去の記憶の中の恐怖だったりします。



零羅は過去の記憶を、どの程度覚えているのかな?

日美香達の手によって記憶の改ざんを受けていると思いますが。

議員達との会食での会話をみる限り、零児と血の繋がらない兄弟である事は、理解している?



このピンチに駆けつけてくれたのは、遊矢!

こうして、仲間や家族との絆が、

いつか零羅の過去の呪縛から解き放ってくれると信じています。



倒されたオベリスクフォースは、そのまま光の粒子になって消えてしまいます。

アカデミアに強制送還されるのかな?

敵に囚われて、情報を聞き出されるのを防ぐ為か?



議事堂前で迎撃するセルゲイが三人倒してます。

月影の回想で、零羅が三人。

月影が去った後に更に三人。

素良が月影に加勢して三人。

今回だけで合計12人くらい倒した?

襲来したのが20人だとすると、残り8人くらいかな?





前半Aパートが原さん、後半Bパートが蛯名さん、かな?



キャラもモンスターもキレのあるアクションがかっこいい。

いつものっぺりとした作画の月影も、陰影がしっかりあって、イケメン。



回転しながら袖を突き破り現れるセルゲイのデュエルディスク

ビルの上を走り抜ける月影の機敏な動き。

忍法朧分身の術発動時、カードが空中でクルクル回転したり。

オベリスクフォースがアンティークギア・ハウンドドッグのアゴ下をナデナデして、

ハウンドドッグもそれに応えて頭ユサユサする仕草。

オベリスクフォースを1,2,3,と指さしで数える素良。

細かな演技や仕草が凝ってて、面白い回でした。



弱っているセレナが、少し色っぽい。

いつも強気な表情だけど、ここは少し悲しげにも見えます。





作監:蛯名秀和・原憲一)

(脚本:広田光毅