遊戯王ARC-V  第87話

第87話「野獣の記憶」





デュエルパレスでは準決勝第一試合、クロウ対遊矢のデュエルが始まる。



クロウは遊矢からロジェの企みを聞かされ、それを阻止するべく、

協力する事に。



先攻のクロウが黒槍のブラストを召喚。

後攻の遊矢は速攻魔法、超カバーカーニバルを発動。

クロウもトラップを使い、

フィールドではヒッポとカバートークン、BFトークン達が賑やかに踊り出す。



ハイウェイコースが評議会ビルの側を通りかかった所で、

遊矢がコースから飛び降り、仲間を助けに評議会ビルへと向かうはずだったが。



その時、遊矢に異変が。

遊矢を操るための脳への改造手術が出来なくなったロジェは、

遊矢のヘルメットに細工を施していた。

脳内のある部位に強い電気ショックを流す事で、凶暴性を引き出したのだ。

凶暴化した遊矢によってデュエルを大いに盛り上げ、市民の目を逸らそうと企んでいた。



凶暴化した遊矢が、オッドイアズをペンデュラム召喚。

相生のペンデュラム効果で、黒槍のブラストのレベルを7にし、オッドアイズで攻撃。

レベルが5以上になった事で、オッドアイズの効果でクロウのダメージは二倍になる。



遊矢の裏切りに、クロウも反撃にでる。

ライキリをシンクロ召喚し、その効果でオッドアイズを破壊。

ライキリのダイレクトアタックで、遊矢に大ダメージを与える。



遊矢は再びペンデュラム召喚でオッドアイズを呼び、素材を揃え、

ダークリベリオンをエクシーズ召喚。



遊矢を救出しようと評議会ビルに向かった素良。

捕らわれているはずの遊矢が試合に出ると知り、異変を察知して、

中継ヘリに掴まり、上空から遊矢のデュエルを見守る。

そこで、遊矢にユートを見た素良は・・・。





デュエル開始前、クロウと遊矢の会話。

今もクロウは遊矢とトップスの繫がりを疑っているのか?と思いましたが。

黒咲戦で、考えが変わったようです。

故郷の子供達の為に真剣に戦う黒咲の姿を見て、

ランサーズの言葉に偽りはないと、理解してくれました。



一方の遊矢は、シティの支配を目論むロジェの陰謀を、クロウに伝える。

コモンズを目の敵にする治安維持局の局長がシティを支配する事は、

クロウにとっても好ましくない状況。

遊矢の提案にのり、協力してくれる事に。



試合の放棄は、残念ではありますが。

自ら望んで出場した訳では無いクロウからすれば、大会には特に執着はなく。

シンジの意志を受け継ぎ、社会を変えるためにジャックを倒すにしても、

その前にこのシティの異変を何とかしなくてはいけない。

そう考えれば、今ココで遊矢との勝負に拘る必要はないんですね。

だから、あっさりと協力を引き受けてくれた。

遊矢との真剣勝負は、全部片付いてから、と約束してくれたのが、嬉しいです。



しかし、暴走しだした遊矢に、はめられた!と、また誤解してしまう。

何度も誤解されてしまう遊矢が、不憫です。

この誤解は、ちゃんと解けるのか?

予告をみるに、素良が手助けしてくれそう?



ふと思ったのですが。

ロジェが評議会ビルを包囲して、シティが混乱状態にある今なら、

コモンズが蜂起して革命を起こす絶好の機会ではありますね。

革命の先頭に立つシンジが、今はここに居ないので無理ですが。

もしも今、シンジが地上に戻ってきたら、やはり革命を実行するのかな?



観衆を引きつける為の賑やかなデュエル。

遊矢、久しぶりのエンタメモードです。

必ず勝たなければならない、というプレッシャーのないデュエルなら、

割と簡単にエンタメできるんですね。



ヒッポやカバーダンサーズの出番も、久しぶりです。

シリアスなデュエルだと、ヒッポの出番が少ないのが寂しい所。

物語の当初から登場し、遊矢のエンタメを象徴するモンスターなので、

もっと出番が増えるといいな。



脳内に電気ショックを与える事で、凶暴化した遊矢。

この凶暴化は、逆鱗化にも似ています。

黒いオーラを纏い、恐ろしい表情。

勝鬨戦やオベリスクフォース相手の時と同じ状態です。

あの時は、勝利への執着、残酷なアカデミアへの怒りが引き金になってましたが。

今回のような方法で強制的に呼び出す事もできたのか。



あの遊矢の赤い瞳。

遊矢の中に眠る、もう一人の遊矢。

怒りに突き動かされ、勝利に執着し、とても凶暴な、遊矢の本性。

最近は本人の強い意志で制御も出来ましたが。



物理的な刺激によって引き起こされた今の遊矢の凶暴化は、

本人の意志では制御出来そうにありません。

本来の遊矢を呼び戻す方法はあるのか?

それを呼びかけてくれる者はいるのか?

以前は遊矢の中のユートが、その役目をしていた時期もありましたが。

そのユートさえも凶暴化にシンクロしてしまっているとなると・・・。



そして、気になるのが、四人の遊矢似達のシンクロ。



ユーゴとユーリの目が光ってます。(通称・目からLED状態。)

この光る目は、ユートvsユーゴ戦以来ですね。

あの時は、二人のドラゴンの共鳴?のような現象が引き金でした。

今回は凶暴化した遊矢とのシンクロが引き金になってます。



そして、ユーゴとユーリの、遊矢へのシンクロ現象。

それぞれが、遊矢と同時にドローし、モンスター召喚を宣言する。

今まではユーゴに対して遊矢だけがシンクロしていましたが、

今回は逆に遊矢に対してユーゴとユーリが同調してます。

遊矢のデュエルにユーゴは同調せず、ユーゴとセレナのデュエルでもユーリが同調する事はありません。



目の光、シンクロ、凶暴化。

いずれも遊矢達の持つドラゴンが影響している様です。

遊矢似同士の接近と共鳴、遊矢の中で起きた異変に関係あるようですが、

これらの現象が起きる条件は、特に厳密には決まってはいないように思えます。



もしかしたら、引き起こされるこれらの現象には、

それぞれのドラゴンの意志が働いてるのかな?



ユーゴを異次元に飛ばしたクリアウィングは、浚われたリンを探す為、というより、

ドラゴン同士が引き寄せ合う効果で、ユーゴをユーリやユート、遊矢と出会わせる為?



ユーゴと遊矢のシンクロは、オッドアイズがデュエルに悩む遊矢に、

デュエルを楽しむユーゴのデュエルを体感させようと?

今起こっているシンクロ現象も、遊矢の危機を、他の遊矢似達に伝えようとした?



遊矢とユートのデュエルでは暴走が起こらず、

ユートとユーゴのデュエルでは暴走が起きたのも、それぞれのドラゴンの意志?

ダークリベリオンオッドアイズと敵対する意志はないけど、クリアウィングには敵意があった?



さらに、光り出したセレナと柚子のブレスレット。



セレナのブレスレットが光り、点滅するのは、今回が初めてですね。

今までずっと光る事が無かった所からすると、セレナのブレスレットは、

同じ融合次元出身のユーリと、他の遊矢似との接近を知らせるから、かな?

(バトルロイヤルの時に光らなかったのは、ユーリと遊矢の接近時にセレナが側に居なかったから?)

もしくは、ユーリに起きた異変を知らせているのか?



柚子のブレスレットが点滅する事はこれまでも度々ありましたが、それは遊矢似同士の接近の時。

今回は遊矢の異変に反応したのか?

柚子はそう感じ取ったようですが。

もしかしたら、三人の遊矢似の接近を知らせている?



地下施設に身を隠す子供達と柚子。

それぞれつなぎを着て、リサイクル施設で分別作業をしています。

まだランサーズとは合流出来ていない様子。

フードを被った柚子ちゃんの赤いつなぎ姿が、かわいい。



遊矢と同時に召喚口上を口にするユート、ユーゴ、ユーリ。

この三人はペンデュラム召喚をした事はないですね。

ユーゴとユーリは、エクシーズ召喚もした事が多分ない。

四つの召喚法を使えるのは、四人の中で遊矢だけですが、

いつか他の三人も、様々な召喚法を使って活躍して欲しいです。



ユートがダークリベリオンの口上を言うのも、久しぶりです。

今度、ユートが元に戻ってデュエルする事は、もう無いのかな・・・。

ユートのテーマ、幻影騎士団もOCG化したのに、本編での本人の活躍がないのは寂しいですね。



ヘリに掴まりデュエルを見ていた素良が、遊矢の異変に気付く。

遊矢のドロー時、一瞬、ユートが見えた、と。



沢渡とユーゴのデュエルを見ていた柚子が、

ユーゴにシンクロする遊矢を感じ取った事がありました。

このシンクロ現象を見抜けるのは、柚子だけの能力なのかと思ったのですが。

今回は素良も、その能力をみせてます。

シンクロ現象を見抜けるのは特別な力という訳じゃなくて、

遊矢と親しい者なら誰でも分かるのかな??



ユートの姿が見えたこの現象を、素良はどう解釈したんだろう?

そう言えば、素良はユートとデュエルした後、ユートがその後どうなったのかを知らない?





ユーリ役は遊矢と同じ、小野賢章さんですが、

遊矢とユーリでちゃんと演じ分けてるのが面白いです。

同じ暴走状態でも、遊矢は荒々しく、ユーリは上品な感じ。



上代務さんの脚本回は、モンスター達を踊らせる事が多いですね。

(14話の修造戦、83話の素良と柚子のタッグ)

他の方の回だと、セキュリティに遊矢達が包囲された時(56話)、

大エンタメデュエル大会(62話)なんかでも踊ってます。

ARC-Vはモンスターがよく踊る。

モンスター達のダンスシーンは、遊矢が目指すエンタメデュエルの

賑やかさ、華やかさ、楽しさ、の象徴なのかもしれません。



陰影濃いめ。力強い感じの作画。



作監:門智昭・小島えり・馬場一樹)

(脚本:上代務