遊戯王ARC-V  第86話

第86話「怯まぬ決意」



セレナとのデュエルを終えたユーゴは、屋根の上から見つめるユーリみて、

それがリンを浚った相手だと気付き、Dホイールで後を追うが、逃げられてしまう。



ロジェがセレナの確保を指示する。

地下に送られようとしていたセレナを、セキュリティが襲う。

神経ガスを嗅がされ、意識はあっても身動きがとれない状態に。



その時、彼らの前に立ちふさがったのは、零羅だった。

議事堂の包囲するセキュリティは、零児により倒され、議員達は解放される。

零児はセレナを救出するこのタイミングを待っていたのだ。

零児の命を受け、セレナを守ると決意を語る零羅。



攻撃を受ければ相手だけを破壊できるフィルム・マジシャンを零羅が召喚し、守りを固める。

三人のセキュリティが、それぞれゴヨウ・カタパルトで効果ダメージを与え、

零羅はLPを削られていく。



ダメージを受けながらも健気に立ち上がり、カードをドロー。

引き当てたCC 隻眼のパスト・アイと、永続魔法、悪夢のパスト・ループを使い、

相手の場のゴヨウ・カタパルトを利用して、CCC 武融化身 ロック・ソードを融合召喚

その効果で攻撃力を上げ、一体目のゴヨウ・カタパルトを破壊。

ロック・ソードをリリースしてパスト・アイを呼び戻し、

またも相手の場のゴヨウ・カタパルトを利用して、CCC 撃調化身  ロック・シューターをシンクロ召喚

二体目をバトルで破壊する。

さらに、ロック・シューターをリリースして、CCC 鎧重化身 ロック・アーマーをエクシーズ召喚。

最後の一体を破壊し、零羅が三人のセキュリティ相手に勝利する。



議事堂の包囲が零児によって解かれ、セレナの確保に失敗した事を知ったロジェは、

セキュリティとセルゲイに評議会ビルを包囲させ、議員と零児の抹殺を企てる。

同時に、市民の関心を逸らすため、準決勝をこれから行うよう指示を出す。

遊矢とクロウのデュエルが始まろうとしていた。





ユーリが、トラックの上に立ちながら、考え事をしているのが何だかシュールです。

ユーリはリンを浚った時、ユーゴに出会った事をちゃんと覚えていた。



ユーリが手にして見つめているのは、

「スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン」のカード。

紫枠の融合モンスター。

遊矢達と同じく、互いを引き寄せ合うドラゴンを、ユーリも持っていた。

まだその姿は映されませんでしたが。

「君が引き合わせたの?」とカードに語りかける所をみると、

ユーリも自分のドラゴンを大事にしている様子です。



追いかけてきたユーゴを、「めんどくさいな。」と言って逃げるユーリ。

セレナを追わない様子からして、ユーリがここに来た目的は、柚子なのか?

ユーゴともやりあう気は無さそうです。

ドラゴン同士が引き寄せ合っている事に気付き、自分を同じ顔の男がいる事も知っていながら、

ユーリはユーゴには興味がない?



独房の中で遊矢は、自分の意識がユーゴと繋がっていた事に気付く。

自分のオッドイアズ、そしてユートとユーゴのドラゴンの共鳴。

ユートが遊矢の中に入った事、

そしてユーゴの意識と自分の意識が繋がった事。

これらの現象に、ドラゴンが関係している?



地下送りにされるセレナは、全く動じず。

「あれが地獄の入り口か。」と軽口を叩き、怯える様子を見せません。

収容所で遊矢達と引き離された時も「大丈夫だ、騒ぐな」と言い。

いつでも戦士らしく、堂々としている、そんなセレナですが、

今回は神経ガスで身動き出来ない中で、必死に零羅の身を案じ、「やめろ!」と訴えていました。

自身の危険よりも、幼い零羅を心配してくれてます。

正義感が強いんですね。



セキュリティに襲われた直後、すぐに自分のデュエルディスクを取り戻した、

セレナのこの行動の素早さも、戦士だからでしょうか。



零羅が健気に、戦います。

乱入ペナルティまでキッチリ受けて・・・。



セキュリティは零羅の事を、

シンジやクロウのデュエルに影響を受けたコモンズだと思い込んでます。

実際はコモンズではないし、零羅に影響を与えたのは、ジャック・アトラスですね。



零羅の回想だと、零児はあの場で六人のセキュリティを相手にデュエルしたのか。

零羅にセレナをロジェから守れと言い、セキュリティを引き受けた零児。



零羅が特殊召喚をする度に、その右目がパスト・アイを重なる描写が、かっこいい。

モンスターと一体となって戦っているように見えます。



最後の一人を倒す時、「待たせたね。最後は、君だ!」と、零羅が強気の台詞を。

以前の零羅には見られなかった程の、逞しさです。

こうした強さを、今までずっと内に秘めていたのか。

零児は、零羅のこの成長も予測していたのかな?

零羅の秘めたるデュエルでの強さ、だけでなく、

怯えていても、本当は強くなりたいと願っていたその本心をも、零児は見抜いていたのでしょうか?



零羅が特殊召喚したCCCモンスター。

融合モンスターは「融」の字をとって、武融化身、

シンクロモンスターは「シンクロ=同調」の「調」の文字をとって、撃調化身、

エクシーズモンスターは「オーバーレイ=重ねる」の「重」の字から、鎧重化身。

と、それぞれ召喚法にちなんだ名前が凝ってます。



三つの召喚法を駆使して勇敢に戦った零羅に驚くセレナに、月影が言う。

零羅殿は変わられた、もう守られるだけの存在ではない、と。



零児に助けられた評議会議員達。

助けられたなら礼くらい言えばいいものを、感謝する様子は彼らにはありません。

もっと早く助けてくれればいいものを、と言い。

零児とロジェとの駆け引きを見守る姿勢です。

まだ議員達は零児を信用できないと言うのか?



ロジェの慌てぶりから、零羅がセレナの保護に成功した事を知る零児。

実際は柚子を確保出来てはないにも関わらず、

「柊柚子もセレナも渡さない」と言って鎌を掛けてます。

見事に、ロジェは柚子を確保出来ていない事をバラしてしまう。

この駆け引きの上手さは、零児ならでは。



柚子が死んでいない事に零児は気付いていたんですね。

遊矢を取り込み、ジャックを倒させて新しいキングに仕立てるというロジェの計画も

見抜いてる。

しかし、遊矢の人格改造を企んでいた事までは、知らなかっただろうな。



零児はロジェが欲しがっている二つの駒が自分の手に揃った、と思っています。

焦るロジェは自分達の抹殺を企む事も、分かっている様子です。

この状況、セルゲイ達の突入に、零児はどう対応するのか?



ちょっと気になったのは、セレナと柚子を

「ロジェが欲しがっている駒」と表現した事。

しかし、零児本人は彼女達を駒だとは思っていない・・・と思いたい。

月影の言葉が本当なら、セレナの事も、仲間だと思ってくれているはずです。

零羅にセレナを救出させたのも、

駒ではなく、ただの切り札でもなく、大事な仲間だから・・・?



零児のこの行動により、予定されていた遊矢の人格改造術は回避された模様。

良かった・・・。

そして、いよいよ遊矢とクロウのデュエルですが。

クロウはまだ、遊矢を疑ったまま?

デュエルで遊矢は誤解を解く事ができるかな?

サムの誤解も解けるとよいのですが。





作監:川村裕哉)

(脚本:上代務