遊戯王ARC-V  第79話

第79話「覚醒する魔導剣士」



シンジと遊矢のデュエルが続く。



シンジは、弱小モンスター、必中のピンと、蘇ったアズサでシンクロ召喚

B・F(ビー・フォース)  降魔弓のハマが現れる。

遊矢のシルバークロウと刻剣の魔術師はバトルで破壊されてしまう。

手札のモンスター効果で敗北は免れたが、大きくLPを削られてしまった。



遊矢のターン、マジックを使い、カードをドロー。

ペンデュラムカードを引き当てれば、今セットされているカードのペンデュラム効果で、

シンジに与える効果ダメージを増幅できるはずだったが。

遊矢が引き当てたのは、サムから託されたカード、調律の魔術師。

特殊召喚された調律の魔術師の効果により、

遊矢はダメージを受け、シンジはLPを回復してしまう。



降魔弓のハマにより調律の魔術師は破壊されてしまうが、

二度目の攻撃と効果ダメージを、ペンデュラム効果とアクションカードで凌ぐ遊矢。

しかし、シンジの発動した永続トラップにより、遊矢がモンスターを召喚する度に、

降魔弓のハマの攻撃力が上がってしまう事に。



遊矢がドローしたのは、死者蘇生。

そこから逆転の方程式を見いだした遊矢が、ダメージを承知で調律の魔術師を蘇らせる。

これでシンジのLPは3600、遊矢は100に。

ペンデュラム召喚で揃えた二体と共に、シンクロ召喚

エンライトメント・パラディンが現れる。



その効果で墓地のマジックを使い、お互いのLPの差、

3500の半分をエンライトメント・パラディンの攻撃力に加える。

調律の魔術師で自身のLPを削り、相手を回復させたのは、この効果の為。

これでトラップで上がった降魔弓のハマの攻撃力を上回った!



降魔弓のハマをバトルで破壊し、さらに効果ダメージで、遊矢は勝利する。







今のシンジは、革命を起こす事ばかりに囚われ、

この一進一退のデュエルでの攻防を楽しむ余裕は無さそうです。

革命がしたいなら余所でやれ、とも思いますが。

このシティではデュエル以外に人に訴える手段がない。

しかし、デュエルを革命を起こすための道具にしてしまっている事を、

シンジはどう思っているのかな・・・。



コモンズの感情に訴えかけ、怒りでコモンズの心を一つにまとめた所をみると、

デュエルで観衆を惹きつけるテクニックは上手いように思えます。

革命を目指さないシンジのデュエルも、いつか観れる日が来るといいな。



見守るロジェは、どうせ革命など出来はしないと、全く警戒する様子をみせません。

果たして、革命は起きてしまうのか?



憎しみ合ってるだけじゃダメだ、みんなを笑顔にしなければ!という遊矢の訴えは

シンジには届きません。

辛い境遇で生きてきたシンジには、遊矢の言葉はきれい事に聞こえててしまうかな。



見守るクロウも「革命だけが唯一の方法だとは思わない」と呟いてます。

力に任せた暴力的な革命が最善ではない事は、分かっているでしょうね。

だからこそ、ジャックに希望を託した、と。



「あいつなら、何かを変えてくれると思った。

 だが、あいつは何もしなかった。」



クロウは直接ジャックとは面識はないのかな?

ジャックを罵る他のコモンズ同様、

キングにのし上がったジャックがこの社会を変えてくれると、

勝手に期待して、勝手に失望したパターンでしょう?

ジャックが「この社会を変えてみせる」と公言していないのなら、

それは自分達の理想と期待をジャックに押しつけているだけのように見えます。



ジャックのこれまでの言動をみると、

この格差社会を変える為にキングになった訳では無さそうです。

だからと言って、コモンズを見下している訳ではなく。

大会を見守る間も、ジャックに対する観客の対立や、シンジに扇動される観客の様子、

デニス戦でみせた次元戦争の影にも、動揺をみせません。

蔑まれ、罵られても、ジャックはそれを気にすることはない。

ジャックが興味を示すのは、何かを伝えようとする柚子のデュエル、

何かを伝えようとして、それを伝えきれない未熟な遊矢のデュエル、

事情は知らないが何かを成し遂げようとしている零児たちの強い意志。



ジャックは、社会そのものを変えようというのではなく、

トップスもコモンズも問わず、

そこに生きる一人一人の生き方、考え方を変えようとしているのかな?

と思えました。



遊矢は、サムから託された調律の魔術師をデッキに入れていたんですね。

使える場面が想定できていないにも関わらず。

わざわざデッキに入れなくても、勝ち上がればジャックに返す事はできたハズなのに。



ピンチの場面で登場した調律の魔術師が、緊迫した中で笑顔を振りまいているのが、

何だかシュールですが、とてもかわいいです。

遊矢に無言で自分の可能性を語りかけるシーンの時は、真剣な表情になるのも、かわいいですね。



ジャックは、遊矢があのカードを持っている理由に、気付いたかな?

サムは、このカードをジャックが渡した本当の意味に、気付けたかな?

ジャックの運命を変えたカードが、この調律の魔術師だとしたら、

ジャックはこのカードを手にした時、何を感じたのか?



「どんなカードにも役割はある!」

「思いを受け止めれば、必ずカードは答えてくれる!」

遊矢はカードの可能性を信じてくれてます。

この世に不要なカードなんてない、と言う、5D'sの遊星の言葉を思い出しますね。



遊矢がカードの可能性を口にした時、ジャックの口角が僅かに上がる。

何だか、嬉しそうです。

ジャックがこのカードを手にした時感じた事、サムに伝えたかった事とは、

もしかしたら、これなんじゃないかな?



遊矢の初シンクロ召喚

これで遊矢は融合、エクシーズ、シンクロと、四大召喚を全て使いこなせるようになり、

零児と並んだ事になります。

遊矢が新しい召喚を手に入れる切っ掛けは、零児戦での遊矢の言葉によれば、

それぞれ、人との絆から生まれた、と。

今回は、カードに託されたジャックとサムの思いが、シンクロを呼び出したのかな?



勝利した遊矢に、なにやら興味を示すロジェ、何を企んでいるのか?



シンジの勝利を期待していたコモンズ達も、いつの間にか遊矢の勝利に沸いています。

遊矢の今回のデュエル、逆転勝利で盛り上げたという点では、エンタメ出来た、と言えるかな?

強く勝利を追い求める気持ちに飲み込まれたり、煽ってくる対戦者の言葉に気を取られたり、

なかなか上手くエンタメ出来ず、まだまだ未熟で不安定な遊矢ですが、

少しずつ何かを学んで、成長しているようです。





エンライトメント・パラディン、デザイン的には時読みの魔術師に似ています。

時読みの進化系なのかな?



降魔弓のハマのバトルシーン、

第1話で使われたドラマチックなバトルBGMが久しぶりに流れて、何だかテンションが上がります。



エンライトメント・パラディンの攻撃時のアクションも凝ってて面白い。





作監:Lee Sung-jin・Lee Seok-yun)

(脚本:福嶋幸典)