遊戯王ARC-V  第77話

第77話「破壊の美学」





セルゲイと柚子のデュエルが始まる。



後攻のセルゲイは、攻撃力ゼロのソーン・プリズナー ヴァンを攻撃表示で召喚する。

柚子はトラップを使い、場にカノン、ソロ、モーツァルトと三体の幻奏を揃え、

攻撃を仕掛けるが、セルゲイは攻撃力ゼロのソーン・プリズナー ダーリを特殊召喚し、

自分のライフを削りながら、三体の攻撃を凌いでしまう。



続いてセルゲイがソーン・オブザーバー ズーマをシンクロ召喚

茨カウンターで柚子の場の三体の攻撃を封じる。

融合を引き当てた柚子が、幻奏の華歌聖 ブルーム・プリマを融合召喚

エンドフェイスに茨カウンターで受けるダメージを回避する。



プリマの攻撃を受けつつ、茨カウンターの効果で、自らのライフを削り、

場にヴァン、ダーリ、ズーマと攻撃力ゼロのモンスター三体を揃えたセルゲイ。



セルゲイの残りライフはたったの200。

まるで自滅しようとしているかのように見えたが。



セルゲイが融合を発動、ソーン・オブザーバー ヴァン・ダーリ・ズーマが現れ、

ライフの差の二倍の攻撃力、4800で柚子のプリマを破壊。

同時に、アクションカードを取りに行った柚子に体当たりを仕掛ける!

柚子はDホイールごとレーンの外に飛ばされ、ビルに激突!

デュエルはセルゲイの勝利で終わったが、果たして、柚子は無事なのか!?







遊矢の手紙を受け、彼の決意を知り、

柚子もまた、次元戦争の恐ろしさを訴えたいと望み、

その為にもこのデュエルに勝たなければ!と決意を新たにする。



前回の徳松戦では、遊矢へメッセージを伝えたい思いでデュエルしていた柚子ですが、

そのメッセージがちゃんと遊矢に届き、遊矢が元気を取り戻した今、

この大会に出場した本来の目的を果たそうとしています。



ランサーズの事、赤馬零児の目的を、今の柚子は知りません。

柚子はランサーズではありませんが、零児が実力を認めた柚子が勝ち上がる事は、

スタンダード次元のデュエリストの実力を示す事に繫がり、

最終的には次元戦争の脅威を認めさせ、手を結ぶ切っ掛けになる・・・はずでしたが。

ロジェに乗っ取られた今、その目的を果たすには、ジャックを倒すしか無さそうです。



勝ち上がらないと言葉を聞いて貰えない、というのは、

厳しい競争社会のシンクロ次元だから、なんでしょうね。

スタンダード次元ならば、そこまでしなくても、良さそうな気がします。



スタジアムのコースが破損した為、今回からデュエルパレスの外、

シティのデュエルレーンが使われる事に。

観客の前から離れて、デュエルレーンの特性を活かしたデュエルなんかもあるのかな?



真澄戦の時も、徳松戦の時も、柚子は自然と無理なくエンタメできる子だと思ったのですが、

今回は流石にそうはいかなかったようです。

セルゲイ相手では仕方がありません。

なにせ、相手が不気味なデュエルを仕掛けてくる。

駆け引きや演出で盛り上げるような場面もなく。

いつものような笑顔は少なく、しかし、慎重に真剣にデュエルに挑んでいるのが分かります。



セルゲイの不気味さ。異常さ。

何と言うか、「変態」と呼びたくなる。

やたらと「美しい」と意味不明な発言を繰り返し。

茨カウンターで縛られる幻奏をみて「ムフフッ」と不気味に笑ったり。

自分のライフを削って喜ぶ。

流石のメリッサもセルゲイのデュエルにドン引きしてます。



セルゲイがアクションカードを取りに行ったように見えましたが。

あれは自らわざと攻撃を受けたのかな??

怪我をしたセルゲイに思わず、「大丈夫ですか?」と声をかけてしまう柚子。

優しい子ですね。

しかし、そんな柚子の優しさにも、「美しい」と意味不明な言動のセルゲイ。

少女の優しさに絆されるような、そういう心は、この男にはもはやない・・・。



勝利を確信した柚子が、セルゲイの怪我を心配し、

デュエルの中止を呼びかける。

だが、観客もメリッサも、最後まで勝負をつけろと煽り、

大会の間違いやアカデミアの脅威を訴える柚子の言葉を聞き入れない。

やはりこの次元では、勝ち上がらなければ、言葉を聞いて貰えないのか?



勝ったと確信した顔をぶっ潰すのが「最高に美しい」などと言い出すセルゲイ。

「耐えた、耐えた、耐えた!」と繰り返し。

リミッターが飛んだ途端、弾け出す。



ビルに激突した柚子。

あのビルのフロアは、Dホイールの展示場かな?

ビルを突き抜けた先で、爆発炎上。Dホイールすら見えません・・・。



その様子を見て、「美しい・・。」と呟く異常なセルゲイ。

こんなのが柚子の対戦相手だなんて、酷い・・・。

せめて、クロウやシンジ、隼など逞しいデュエリストが相手なら

良かったのに・・・と思ってしまします。



セルゲイの操るモンスター、ソーン・プリズナーは、

茨で縛られ、拷問を受けているモンスター。

ここにも彼の残忍性が現れています。

可憐な柚子の幻奏達が茨で縛られ、苦しむ姿が痛々しい。



今回は柚子もセルゲイも、胸の前で手を合わせる融合召喚のポーズをとってくれました。

これは、アカデミア仕込み、なのかな?

Dホイールに乗りながらだと、なかなか危険なポーズですが。



柚子を見守る面々。

遊矢もユーゴも応援しています。

ユーゴは観戦しながら、相当食べてますね。(笑)

テーブルの上の空の器が増えてます。

柚子優勢の時も、隼だけは表情が硬く、笑顔がありません。

セルゲイの動きを警戒しつつ、柚子の心配をしてくれてるのかな?

柚子が観衆に訴える場面では、随分と驚いた表情をしていました。



ロジェは、柚子を対アカデミアの切り札とする為、倒して連れてこいと命じたはずですが、

最終的に暴走してしまったセルゲイによって、柚子が酷い事に・・・。

セルゲイのあの異常性がロジェによる人格操作の影響なら、自分の不手際が招いた結果とも言えます。

セルゲイの制御がちゃんとできていれば、こんな事態にはならなかったのに!



柚子 「ボロボロになった人に無理矢理デュエルさせるなんて、間違ってる。

    そんなに誰かが地下送りにされるのが楽しいの?」



柚子のこの台詞に、彼女の優しさが表れてます。

人が傷つく所を見たくないんですね。

平和な次元で育った柚子だからこそ、なのかもしれません。



セルゲイの異常さを引き立たせる、この台詞と、セルゲイ役の声優さんの演技が、見事でした。





作監:宍倉敏)

(脚本:広田光毅