遊戯王ARC-V  第74話

第74話「道化師の仮面」



1回戦最後のデュエルは、黒咲とデニスの対戦。



地下デュエル場での対戦で、実践的なテクニックを見せたデニスを疑う黒咲は、

このデュエルでデニスの正体を暴こうと考えていた。

デニスも疑われているのを承知の上で、今度はちゃんと潰しておかないと、と。



本当の仲間かどうか、このデュエルで見極めてやると宣言し、

先攻を取った黒咲が、RR(レイド・ラプターズ)デビル・イーグルをシンクロ召喚

モンスター効果を使い、デニスに大ダメージを与える。



デニスは黒咲の手札にRUM(ランク・アップ・マジック)があると言い当て、

次のターン、上級モンスターを召喚しようとしていると言う。



後攻のデニスは、マジックで引き当てたペンデュラムカードで、

ペンデュラム召喚を成功させ、合計五体のEm(エンタメイジ)を場に揃える。

デニスのエースモンスター、Em トラピーズ・マジシャンをエクシーズ召喚。

さらに、Em 影絵師シャドー・メイカーを三体揃え、

うち二体はトラピーズ・マジシャンの効果で二回の攻撃を可能に。

全ての攻撃を受ければ、黒咲は敗北してしまう。



黒咲のデビル・イーグルは破壊されるが、同時に、永続トラップ、

RR-ターゲット・フラッグを発動。その対象となったトラピーズ・マジシャンが破壊された時、

デニスは手札を公開しなければならない。

これでデニスの正体を暴くという黒咲。



さらに、RUMを使い、墓地のデビル・イーグルを蘇らせ、ランクアップ、

RR-レヴォリューション・ファルコンを召喚。

その効果でトラピーズ・マジシャンの破壊を仕掛けるが、

デニスは手札のEmの効果を使い、対象を変更させ、

トラピーズ・マジシャンを守ってターンを終了する。



黒咲のターン、その効果で全てのモンスターに攻撃を可能にした

レヴォリューション・ファルコンがトラピーズ・マジシャンにバトルを仕掛けるが、

デニスはアクションカードでバトルの相手を変更し、またも阻止されてしまう。

しかし、次の攻撃で、遂にトラピーズ・マジシャンは破壊されてしまう。



破壊される間際、トラピーズ・マジシャンが渡したアクションカードにより、

ダメージを免れたデニスだが、

ついにターゲット・フラッグの効果により、デニスの手札の融合のカードが公開される。

同時に、不気味な雰囲気を漂わせるデニス。



デニスがマジックを使って、融合に必要な素材を特殊召喚

場に現れたのは、アンティーク・ギアと名の付く四体のモンスター。

それは、アカデミアのオベリスクフォース達が使っていたカード。

四体を素材に、融合召喚で、アンティーク・ギア カオス・ジャイアントが現れる。



カオス・ジャイアントのその巨大な姿は、かつてハートランドを襲ったアカデミアのモンスター。

デニスがアカデミアだと知り、動揺する評議会。

零児は、仲間の中にアカデミアが紛れ込んでいる事も想定済みだと言う。

そして、評議会の方はどうなのか?と問い、ロジェの存在を暗に示した。







サブタイトル通り、デニスの道化師の仮面が剥がされた回でした。

急に声と表情が変わるデニスが、怖いです。



デニスの本性を見て、仲間達はどう思っただろう?

特に遊矢は、逆鱗化しかけた所を救われた事もあり、デニスを信じていただろうし。

仲間の中に裏切り者が居た事にショックを受け、傷ついていないといいのですが・・・。

遊矢と出会った時、遊勝のファンだと言っていたあのデニスの言葉も、嘘だったのかな・・・?



二人の登場時の観客の反応が面白い。

地下デュエル場で人気実力ともナンバーワンだった黒咲。

その噂が地上にも及んでいるのか、ここでも多くの歓声が上がる。

TVで放送された事で、セントラルパークでの大道芸デュエルが話題になり、

既に人気者になっているデニス。

女性の声援も聞こえます。

ここだけ見ると、人気者同士の対決に見えますが。



デニスが黒咲の手札のRUMを言い当てたのは、

黒咲の言う通り、自分の優位な態勢に持ち込む為のデニスの戦術なのか?

エンタメならサプライズが必要などと言い、RUMの使用を阻止しているようにも聞こえます。

言い当てられたままにRUMを使うのは、黒咲にしてみれば癪な事です。

そういう心理を上手く突いてくる所も、デニスの嫌らしさかもしれません。



黒咲の嫌味に「それって褒めてるの?」などと言い、とぼけ続けるデニス。

狡猾でもあり、まさに道化師。



デニスの扱うモンスターが、仮面が剥がれる前は、ユニークで楽しそうなデザインのEmなのに対し、

仮面が剥がれた後に登場したモンスターは、恐ろしい兵器のような形です。

この対称性が、彼の二面性を象徴しているように見えます。



デニスはトラピーズ・マジシャンを「僕のショーのシンボル」だと言い、

黒咲の攻撃から守ります。

デュエル前にデニスが打ち上げた花火も、トラピーズ・マジシャンの形をしていました。

トラピーズが最後にデニスに渡したアクションカードが、デニスを守り・・・。

トラピーズの破壊と同時に、不気味な本性を現したデニス。



トラピーズ・マジシャンは、デニスにとって、表の顔、道化師の仮面の象徴だったのかもしれません。

エースモンスターを大事にし、モンスターとの絆を見せてくれたのが、嬉しいです。

楽しそうに笑顔でデュエルし、トラピーズを大事にしていたデニス。

それは、無理して演じていた訳ではなく、デニスの持つ二面性の片側だったのかな、とも思います。



作監:Lee Sung-jin・Lee Seok-yoon)

(脚本:田村竜)