遊戯王ARC-V  第72話

第72話「ドラゴン征伐!!ユーゴvs沢渡」



大会二日目の第二戦は沢渡とユーゴの対戦。



先攻の沢渡がビッグ・スターとサッシー・ルーキーをペンデュラム召喚。

後攻のユーゴも早速、素材を揃えてクリアウィングをシンクロ召喚する。

沢渡にダメージを与え、更に二枚の永続トラップを使い、沢渡のペンデュラム召喚を封じ、

クリアウィングを戦闘破壊から守る。



その頃、落ち込む遊矢の傍らで、デッキの中のオッドアイズのカードが輝きだす。



鉄壁のユーゴに対し、沢渡はプリティヒロインを召喚。

相手モンスターを手札に戻させる事が出来るビッグ・スターだが、

その効果はクリアウィングにより無効化され、破壊されてしまう。



永続魔法ニゲ馬車の効果で魔界劇団を戦闘破壊から守り、プリティヒロインの効果を使い、

受けたダメージ分、クリアウィングの攻撃力を下げる沢渡。

これにより、ペンデュラム封じを破り、ビッグ・スターを呼び戻し、

攻撃力を上げたサッシー・ルーキーの攻撃で、ユーゴに大ダメージ。

さらにプリティヒロインの効果でクリアウィングの攻撃力はゼロに。



だが、アクションカードでプリティヒロインの攻撃に持ちこたえ、ターンを凌いだユーゴ。

ハイスピードロイド マッハゴー・イーターをシンクロ召喚し、これをリリースして、

マジックの効果と合わせ、双方のフィールド上の全てのモンスターのレベルが6に。

これにより、プリティヒロインとサッシー・ルーキーはクリアウィングの効果で破壊され、

攻撃力を上げたクリアウィングのダイレクトアタックが決まり、ユーゴが勝利する。







前回は思うようにデュエル出来ずに落ち込む遊矢の暗い雰囲気で終わりましたが、

今回は打って変わって、沢渡とユーゴの爽快なデュエルでした。



沢渡とユーゴ、二人ともやんちゃなキャラですが、今回の対決だと、

ハイテンションではしゃいでいるのは沢渡の方で、

一方のユーゴは声も台詞も表情も、やや落ち着いた雰囲気。

遊矢との同調があったから、かな?

デュエル後の呑気な発言をみると、そう思えます。

いつものユーゴなら、もっと元気にデュエルしますよね。



爽快なデュエルの一方で、遊矢とユーゴの、このシンクロ現象の謎。

無意識に意識を同調させています。



この同調が、双方に影響を与え。

遊矢は、した事のないシンクロ召喚を決めてみせ、

ユーゴの方は、初めてのアクションフィールドにも関わらず、アクションカードを使いこなし、

さらに、「お楽しみはこれからだ!」の台詞まで言ってしまう。



この現象は、二人の持つドラゴンのカードが引き起こしたのか?

他次元の遊矢同士には、様々な事がこれまでも起こっています。

ドラゴン同士の共鳴、暴走、デュエルで敗北後の吸収、そして今回は、意識のシンクロ・・・。

遊矢達の間に、一体何があるのか?彼らの存在と関係は一体・・・。



ユートはデュエルでの敗北後、遊矢に吸収され、遊矢の中で生き続け、彼の精神を支えています。

それはあたかも、墓地には行かずに効果発動のコストとなる、

エクシーズモンスターのオーバーレイユニットの様です。

今回の遊矢とユーゴの意識の同調は、まさにシンクロ。

それぞれの住む次元の召喚法と、彼らの存在は、どこか似ている気がします。



今後もユーゴは遊矢とシンクロしていくのか?

各次元の召喚法と遊矢達に関連があるなら、融合次元のユーリは、遊矢と融合する可能性がある?

それなら、遊矢本人は? 

自らがペンデュラムとなり、各次元の遊矢達を特殊召喚するのか??



対戦者発表を聞いて、「なんでまたシンゴなんだよ!!」と、

自分の名が呼ばれた事に気づかずにイラつく沢渡。(笑)



デュエル前に意気込みを語るユーゴ。

リンの捜索は後回しで、今は大会に集中するユーゴは、あまりリンを気にかけていないのかな・・・、

と、時々不安になりますが。

「見てろよ、リン。ぜってえ優勝して、お前との約束を果たしてやるからな。」

と言ってくれました。

忘れた訳じゃなく、でも、側に居なくてもきっと無事でいて、自分を信じて見守ってくれていると、

信じる事ができる程に、強い絆があるんでしょうね。

割り切って今出来ること、目の前の事だけに集中しているけど、薄情な訳ではないと思います。



そして、「柚子の代わりに次元戦争の事も言っといてやんねえとな」と、

柚子の事も忘れていません。

優しいですね。

柚子のデュエルも一喜一憂しながら見守ってくれてました。



自称「フレンドシップカップの主役」沢渡の登場に、

「誰だお前!」「何が主役だ!」の観客のツッコミに笑った。

確かにユーゴも沢渡もシティでは無名なのですが。

この沢渡の無自覚にふざけた自己アピールが面白くて、

それが返って観客の心を掴んでしまうのも、

彼の天性の才能と言えるのかもしれません。



Dホイールの扱いならユーゴの方が断然上のはずなのに、先攻を取ってしまう初心者の沢渡。

アクセルの回し方に慣れていないから、つい急加速してしまい、その反動で体を後に持っていかれ、

意図せずにウィリーになってしまった、という感じでしょうか?



沢渡の「エンタメ劇場」が楽しい。

ユニークなモンスターの魔界劇団達。

対戦相手を悪役に見立てて、勝手にストーリー仕立てにしたり。



クリアウィングは「レベル5以上のモンスターの効果」と

「レベル5以上のモンスターを対象に発動した効果」の両方を無効化し、破壊できる。

それを上手く使い、相手のモンスターのレベルを操作する事でピンチを切り抜けた

ユーゴの戦術が面白いです。

対する沢渡も、魔界劇団のモンスター効果を使って「レベル5」という制約を上手くくぐり抜け、

ユーゴを追い詰める戦術が巧みです。



ユーゴの意識に同調してしまった遊矢が、もし敗北したら沢渡は…と心配する場面が。

完全に意識が一体化している訳では無く、同調しながらもお互いに影響を与え合っている様に見えます。

遊矢の影響を受けたユーゴは、アクションカードを使いこなし、「お楽しみはこれからだ」と言ってしまい。

ユーゴの影響を受けた遊矢は、した事のないシンクロ召喚を同調した意識の中で成功させてしまう。



ユーゴの対戦を見守る柚子は、一瞬、その姿が遊矢に重なるのを見る。

柚子だからこそ気づけたのか?柚子だけに分かる現象なのか?

観戦していた零児も、何かに気づいた様子ですが。



敗北して悔しがる沢渡ですが、観客の声援を受けて、あっと言う間に上機嫌に。

観客の声に応えて、丁寧にお辞儀をする沢渡は、とてもエンターテイナーらしく見えます。

そういえば、お芝居の後に観客の前でお辞儀するのは、役者の礼儀作法ですよね。

自身のデュエルを「エンタメ劇場」と自称するとおり、

沢渡は「役者」的なキャラなんだと思いました。



歓声を浴びている時の沢渡の表情は、本当に嬉しそうで、活き活きしてます。

そういう所も、役者気質なのかな?



ヘルメットの影響もあるのか、ユーゴをみた観客は、その顔が遊矢に似ている事に気づいていません。

デュエル後、ヘルメットを脱いだユーゴの素顔を見て、ようやく沢渡が気づく。

そっくりだな、と言われて「なんか、そうらしいな」と返すユーゴも台詞が、彼らしい。

柚子に似ていると言われていたから、今更驚かないんですね。





沢渡のコミカルな表情がかわいい。

カードセットや効果発動時などの、大胆な腕の振りのアクションとカメラの引き。

反撃を開始したユーゴの、ダブルヨーヨー召喚時のアクション。

マッハゴー・イーターの効果を受けたプリティヒロインとサッシー・ルーキーが、

驚いて顔を見合わせたりする、モンスター達の演技も楽しい。







作監:蛯名秀和)

(脚本:福嶋幸典)