遊戯王ARC-V  第71話

第71話「白銀の剣」



遊矢と227のデュエル。



会場に現れた遊矢に、会場からはブーイング。

ジャックにたてつき、敗北した事で、観客の遊矢に対する印象は悪い様子。



メリッサのデュエル開始の合図を制止し、観客に呼びかけ始める遊矢。

敗者が地下の強制労働施設に送られ、二度と出てこれないという真実を観客に伝えるが。

観客からは何の反応もなく。

それを代弁するかのように、メリッサが言う。

「う〜ん、それの何がいけないのかな?」

「負けた者が落ちるのは当たり前じゃない?」

遊矢の抗議を無視し、メリッサの合図で、デュエルが始まってしまう。



先攻の227が早速、ゴヨウ・プレデターシンクロ召喚

対する遊矢もペンデュラム召喚で、二体のモンスターを召喚。

EM(エンタメイト)ボットアイズ・リザードは、オッドアイズ・ドラゴンとなり、

Pカードの効果で攻撃力を上げ、ゴヨウ・プレデターを破壊する。



227は死者蘇生で蘇ったゴヨウ・プレデターで、

ボットアイズ・リザードを奪い、遊矢にダメージを与える。



続く遊矢はペンデュラム召喚でオッドアイズ・ペンデュラムドラゴンとホタルクスを召喚。

ここで攻撃すれば遊矢の勝ちが決まるはず、だったが。

熱狂し、遊矢の声を聞き入れない観客達。

敗北した227も地下へ送られる事を思うと、攻撃に踏み切れずにいた。

その隙に227はアクションカードを手に入れ、

オッドイアズの攻撃を阻止し、このターンを凌いでしまう。



融合のカードを引き当てた227が、長官から渡されたカード、

ゴヨウ・エンペラーを融合召喚する。

ゴヨウ・エンペラーで破壊したオッドアイズ・ペンデュラムドラゴンとホタルクスの

コントロールを奪われてしまった遊矢。



これでダイレクトアタックを受ければ、遊矢は敗北してしまう。

その時、遊矢に異変が。

Pカードの効果でダイレクトアタックを凌ぎ、

オッドアイズ・セイバー・ドラゴンを召喚。

その効果でゴヨウ・エンペラーを破壊し、コントロールを取り戻した

オッドアイズ・ペンデュラムドラゴンのダイレクトアタックを受け、227は敗北する。



デュエルを終えた遊矢は、歓声を浴びながら、

俺の信じるデュエルはこんなんじゃない!と苦悩する。

敗北し、227が地下へと運ばれるのを阻止する事も出来ず・・。







スクリーンに映る227を見ても、ユーゴはそれが以前対戦した

デュエルチェイサーズだと気づいていません。

なんだか、227が可哀相ですね。



地下での強制労働の事実に、驚かない観客達。

評議会の一人は遊矢を「競争社会というものを理解していない」と言います。

競争社会はそういうものだ、という価値観が定着しているようです。



これは相当根強い。

彼らの意識や価値観を変えさせ、

このシティを変革するのは、容易い事ではありません。

多分、遊矢達が大会の中で呼びかけただけでは、変わらないでしょう。

この社会が変わるには、そうとう時間がかかるはずです。

もしも劇的に変わる切っ掛けがあるとしたら、シンジの言うコモンズの一斉蜂起によるクーデターか。

もしくは、他次元からの侵略を受け、

トップスとコモンズが協力しなければ立ち向かえない状況に追い込まれるか・・・。



遊矢、零児、零羅、徳松以外のメンバーが、地下の強制労働施設の事を初めて知りました。

敗北した仲間の行方を心配しつつ、明日は我が身だと思い知らされ、

デュエルに対する緊張感がいっそう増します。



呑気なユーゴも、柚子を大会に巻き込んだ事を後悔したりしないかな?

その事実を知りながら大会に仲間達を出場させた赤馬零児を、ランサーズはどう思うだろう?



デュエルは誰かを不幸にする為にやってはいけないんだ!という遊矢の言葉は、観客に届かない。

それを見て、ジャックは言う。

「意見も考えも、勝者が発すればこそ皆、耳を貸す。

 それを戦いもせず、声高に叫ぶなど・・・。

 だからお前は独りよがりだと言うんだ。」



ジャックの言葉ももっともですね。

演説ではなくて、デュエルでその思いを伝えなきゃいけない。

しかし、今回の遊矢のデュエルは、それが出来ていません。

序盤こそエンタメモードでしたが、劣勢に追い込まれた時、

もう一人の強力で残酷な遊矢が顔を出してしまう。



一瞬、瞳が、逆鱗遊矢のそれに変わり。

声も恐ろしい気迫のものに。

正気は保っているようですが、逆鱗の力が発動したのかな?

これでは、勝鬨戦の二の舞。

勝負を焦ると、エンタメ出来ない、この遊矢の悪い癖は、今後どうなるのか?



227の融合召喚をみて、この次元にネズミが紛れ込んでいると言う零児。

シンクロ召喚が一般的なこの次元で、融合召喚を使うのは、かなり異例の事。

ロジェ長官は、柚子の融合召喚に興味を示し、

セレナが特殊な教育を受けていると見破り、

そして227に融合モンスターのカードを与えています。

零児の読み通りなら、ロジェが融合次元の手先なのか?

それを評議会は知っているのか?



この次元にはアカデミアがまだ侵攻していないのも、訳があっての事なのか?

手先を送り込み、既に侵攻の準備を整えている?

シンクロ次元がアカデミア側に付く可能性もあるのか?

だとすると、シンクロ次元と手を結ぶという零児の計画は、もはや不可能?

これはただのデュエル大会編では済みそうにない展開です。





作監:飯飼一幸・白石悟)

(脚本:広田光毅