遊戯王ARC-V  第49話

第49話「デュエルで笑顔を」



スタジアムではジュニアの決勝戦が行われていた。

零羅がエクシーズ召喚したモンスターでタツヤに逆転勝利。

ジュニアクラスを制し、優勝したのは零羅だった。



「優勝おめでとう。三つの召喚法を使いこなすなんて、赤馬零児みたいだね。」

タツヤの言葉に視線を逸らして「・・・ありがとう。」と答える零羅。

少しはにかんでいるように見えます。



優勝した事よりも、「零児みたいだ」と言われた事の方が嬉しいのかな?

零羅が兄・零児に憧れている様子が伺えます。



オベリスクフォースとのデュエルに乱入し、セレナ達に加勢する沢渡。

ペンデュラム召喚したビッグスターでオベリスクフォースの反撃コンボを阻止しようとするが。

トラップにより、アルティメット・ハウンドドッグが特殊召喚され、その効果で

沢渡達のLPは半減してしまう。



続く権現坂が乱入ペナルティーを受けながら参戦する。



勢いよく参戦したものの、返って全員がダメージを受けてしまい、

足を引っ張っている所が沢渡らしいです。(笑)

今回の沢渡は魔界劇団を使ってます。

デュエルする度にデッキのテーマが変わる沢渡ですが、今後も変わるのかな?

以前の妖仙獣もなかなかカッコイイテーマだったのに、出番がなくて残念です。



素良と遊矢のデュエル。

素良が早速、シザー・ベアーを融合召喚

対する遊矢もペンデュラム召喚でオッドアイズを召喚する。

「思い出せ!俺達が初めてデュエルした時の事を!」



オッドアイズの攻撃を、アクションマジックで軽減しようとするが、

遊矢の星読みのP効果で無効に。

さらにアクションマジックで攻撃力を上げたオッドアイズの攻撃を、

融合解除で凌ぐ素良。



柚子から受け取ったPカードを手にし、権現坂のターンが始まる。

ペンデュラム召喚した超重武者 ヌスー10の効果で、沢渡の場の二枚のPカードを手札に。



 沢渡 「使い方、間違ってねえか?

     その効果がありゃ敵のコンボを打ち破れんだろうが!」

 権現坂 「いや、これでいいのだ。」



さらにヒキャQの効果で、二枚のPカードを黒咲隼へと渡す。



 黒咲 「なぜ、Pカードを俺に・・・。」

 権現坂 「お前が決めるんだ。」



二枚のPカードを受け取った隼は、果たして・・・。



デュエルは戦いだと言う素良に、

「俺達はもう、友達じゃないって言うのか!?」と問う遊矢。

「ないね。」即答する素良。

「僕には友情よりも大事な事がある!」



素良の言う、「友情よりも大事な事」とは一体・・・?

プロフェッサーが掲げる次元統一という理念の事か?

アカデミアの戦士としてのプライドか?

なぜそこまで「勝つ」事に拘るのか?

素良の言動は、アカデミアの思想教育の影響のように思えますが。

それとも、素良が戦う理由や事情が他にあるのかな・・・?



遊矢との友情を否定する発言をしていますが、それは本意なのか?

少なくとも、最初から騙して裏切る目的で遊矢達に近づいたようには思えません。

柚子に融合を教えたり、塾の子供達と一緒にはしゃいだり。

大会では遊矢のマネをしてみせたりと、遊矢の事は相当気に入っていたはずです。



遊矢との友情と、アカデミアとしてのプライドとの間で、まだ揺れているのかもしれません。

アカデミアの洗脳を解き、頑な素良の心を開かせる事が、果たして遊矢に出来るのか・・・?



Pカードを権現坂から託された隼のターンがいよいよ始まる。

負傷し苦しげな隼の、気迫のドロー。

隼を守り、庇おうと奮闘したセレナ、月影、ミッチー、大漁旗の勇姿が脳裏に蘇る。

そして権現坂の「お前が決めるんだ」の言葉・・・。

「くだらん。」と呟く隼。



託されたPカードを使ってペンデュラム召喚したRR-ワイルド・ヴァルチャー三体を使い、

RR-レヴォリューション・ファルコンをエクシーズ召喚する。

その効果で相手モンスターの攻撃力守備力をゼロにし、相手の場の全てのモンスターへの攻撃を可能にして、

三人のオベリスクフォースを一気に倒した。



オベリスクフォースの永続トラップ三枚による強力な反撃コンボ。

「古代の機械蘇生」で破壊されたアンティークギアを墓地から呼び戻し、攻撃力200アップ。

「古代の機械閃光弾」で、復活したモンスターの攻撃力の半分のダメージを相手に与え、

「古代の機械増幅器」で、効果ダメージを倍にする。

これを打ち破るには、一度に三人のLPをゼロにするしかない。



隼と素良のデュエルを権現坂が見ていたとしたら、これを狙って隼にPカードを託したのかな?

「くだらん」と言いながらも、しっかり彼らの期待に応えてます。

権現坂達に絆されたようです。

今まで強情だった隼も、共闘できる程に心を開いてくれたなら、

このまま仲間になってくれたらいいな。



続く素良と遊矢のデュエル。

場に二体のファーニマルを揃え、さらに三枚ドローを可能にし、手札を補う素良。

デストーイ・シザー・タイガーを融合召喚する。



柚子に融合召喚を教えたのは友情からじゃなかったのか?という遊矢に、素良は言う。

「あれは余計だった。融合召喚はもっと尊いものだ。世界を一つにする為の力だ。」



この台詞を見ると、やはり素良は次元統一の理念を信じている?

余計だった、と言う割には、大会で弟子の柚子の勝利を信じていたり。

単なる師弟ごっこ、友情ごっこだと、本気で思っていた・・・とは思えません。



シザー・タイガーによりオッドアイズは破壊され、

攻撃力を上げたシザー・タイガーのダイレクトアタックを受け、大幅にLPを削られる遊矢。



遊矢はダーク・リベリオンをエクシーズ召喚し、攻撃を仕掛けるが、

素良はトラップでダーク・リベリオンの効果を無効にし、デストーイ・サーベル・タイガーを召喚、

さらに墓地のシザー・ベアーを復活させ、三体のモンスターを揃えた。

互いの効果で攻撃力を上げるデストーイ。



本当のお前を思い出せ!という遊矢と、これが本当の僕だって言ってるだろ!という素良。

二人の攻防が続く。



対する遊矢は、オッドアイズをペンデュラム召喚し、相生と相克の魔術師のP効果を使い、

ダーク・リベリオンオッドアイズでエクシーズ召喚。

オッドアイズ・リベリオン・ドラゴンが現れる。



 遊矢 「(ユート、いるんだろ?

     俺は、お前を信じる。

     デュエルで笑顔をと言ったお前を。)」



ここでも遊矢がユートを思い出してくれています。

ユートの肉体は消えてしまっていますが、遊矢はその志を受け継ぎ、魂を受け入れてくれている。

ユートはまだ完全に消えていないのだと、感じさせます。



前回のオッドアイズ・リベリオン・ドラゴンの召喚時は、オベリスクフォース相手に逆鱗化していましたが。

今の遊矢は正気を保ったまま、オッドアイズ・リベリオンを操っています。

前回の逆鱗化の兆候を、ユートの言葉を思い出す事で制御した事を考えると、

やはり逆鱗化の原因はユートやダークリベリオンではないように思えます・・・。



オッドアイズ・リベリオンの効果で素良の場の二体のデストーイを破壊。

トラップで効果ダメージを回避する素良。

そこに権現坂達が駆けつける。



意外なモンスターの出現に、追い詰められながらも、遊矢とのデュエルはワクワクすると言う素良。

だから、争うのは止めるんだ!と訴える遊矢。



攻撃回数を増やしたオッドアイズ・リベリオンでサーベル・タイガーに攻撃宣言。

二人はアクションマジックを目指して手を伸ばす。

その時、バトルロイヤル終了のブザー音と共に、アクションカードとフィールドが消滅。



呆気に取られる二人。

遊矢が権現坂達に気づき、セレナを見て「柚子!」と呼びかけるが。

気を取り戻したミエルの言葉に「私は柚子ではない。」と答えるセレナ。

柚子を探したけど見つからなかったというデニスに言葉に、まさか!?と遊矢は素良を見るが。

素良は咄嗟にディスクの装置を使い、姿を消してしまう。



さらにその場に零児が現れ。

沢渡によって、この大会はデュエル戦士・ランサーズ選抜の為の試験だった事が明かされる。





セレナは果たして、この場でどう行動し、何を言うのか?

柚子の言葉が本当だったと、理解してくれたのか?

だとしたら、これからどうする?アカデミアと決別するのか、それとも戻るのか?

素良の言っていた友情より大事な使命が理解出来ずにいる遊矢に、同じ思想教育を受けたセレナは何て言うかな・・・。



柚子の行方を知らない遊矢達は、これからどうするのか?



零児はこの場で、遊矢達に何を語るのか?

この大会の真の目的を明かせば、遊矢達の怒りと不信を買う事は分かっているはずです。

むしろ、わざと怒りを買い、デュエルを挑ませ、実力で彼らを屈服させる事で、

自分の力を誇示し、ランサーズの指揮官として認めさせる・・・というような事を企んでいるのかもしれません。



ここで力を合わせてアカデミアに立ち向かっていく、と言うなら、

零児が今まで隠してきた事(真澄達の記憶改ざん、ユートのデュエルディスク回収、

アカデミアのボスが自分の父である事、月影に指令を出していたのは自分である事、など)を全て打ち明け、

そうまでした理由、この街を、次元を守りたいという思いや覚悟を見せてくれないと、

納得してもらえないと思うのですが。



今の素良が本来の姿なのに、遊矢はそれを否定している、という意見もありましたが。

素良自身、今は揺れ動いていると思うので、あれが本来の姿ではないように思えました。

少なくとも、遊矢達と一緒にいた頃の素良は友情を演じていた訳ではなく。

遊矢のデュエルにワクワクしたり、エンタメに惹かれてマネしたり。

お楽しみはこれからだ!と遊矢の決め台詞を言ってしまう位に遊矢の事が好きだったはず。

あれは偽りの笑顔ではなかったと思えます。





零羅について、「君はお兄さんが好きなんだね」というような、直接台詞で説明せずに、

「赤馬零児みたいだね」の言葉への反応で、それを間接的にみせる、この台詞と描写が上手いと思う。



権現坂からPカードを託された時の隼の戸惑いの表情。

隼の顔が少しかわいい感じ。

アクションの格好良さは、コンテが小野監督だからかな。





作監:川村裕哉)

(脚本:田村竜)