遊戯王ARC-V  第48話

第48話「手負いの隼」



スタジアムではタツヤと零羅の決勝戦が始まろうとしていた。



以前と同じように、対戦相手と目を合わせず、不安げな様子の零羅。

日美香を一目見て、表情を変える・・・。

別に日美香に怯えている訳ではなさそうです。

むしろ、母親に見守られて勇気を出したのかな?



素良に敗北し、階段を転げ落ち怪我を負った隼に、セレナが駆け寄り。

カードの効果で周囲を闇で覆い、隼を救出する。

素良はデュエルディスクを一目見て、彼女が柚子ではなくセレナだと気づく。



セレナは隼を見て、どう思っただろう?

この次元に来た当初の目的は、エクシーズの残党を倒し、自分の実力を示す事。

その残党こそが隼なのですが。

素良に無残に倒された隼を見て、バレットの時のように放置せず、助けに入った所をみると、

柚子の言葉を真摯に受け止め、信じてくれていてる様子です。



怪我の痛みでうずくまる隼に、大丈夫か?と声をかけるセレナ。

北斗を無情にもカード化したり、敗北したバレットを放置したりと、

セレナは冷酷な子なのかと思ったのですが。

それはアカデミアの思想教育の為であって、本当は優しい子なのかもしれません。



走れない隼とセレナに、素良が追いつき。

そこに風魔忍者の日影と月影が現れる。



 素良 「邪魔なんだけど。」

 日影 「邪魔しに参った。」



日影が素良を足止めし、月影がセレナと隼を誘導する。

なぜ私を助ける?という問いに、

「ひとたび引き受けた任務は命をかけて完遂する。

それが我ら風魔一族の掟。」と月影は答える。



その任務を与えたのは、やはり赤馬零児。

「セレナはアカデミアとの交渉時に必要となる存在だ。何としても守り抜いてもらわねば。」

と零児は言っていますが・・・。



それならば、なぜバレット戦の後にセレナを力尽くで拘束しなかったのか?

と疑問に思っている人が結構多いようです。



多分零児は、そういう無粋な真似なしない人のような気がします。

三年間自由を奪われたセレナは、拘束される事を嫌がるだろうし。

セレナに「私と組む気はないか?」と提案した所を見ると、

自発的にセレナを味方につけたい様子です。

もしかしたら、3年前のあの出会いに、何か思う所があるのかもしれません・・・。



アカデミアとの交渉、という言葉も気になりますが。

セレナを引き渡す代わりに、スタンダードへの侵攻を諦めてもらうという事か?

もしも、零王からそうした提案があった場合、零児は大人しくセレナを引き渡すのか?

あれ程セレナに対して執着を見せた零王相手なら、

セレナを人質にするのが手っ取り早いはずですが、

無理に拘束しない所からすると、人質にするつもりはないのかな・・・?



中継カメラを警戒するデニスは、自らは動かず、オベリスクフォースにセレナ捕獲を指示。

セレナ、隼、月影の前に、三人のオベリスクフォースが立ちはだかる。

「連れ戻すなら、力尽くでやるがいい。」と戦う気満々のセレナだが。

それを片手で制し、前に立つ隼と月影。



セレナに大人しく助けられている隼は、何を思っているのか?

セレナを見ても柚子の時のように取り乱さない所をみると、妹と同じ顔の人間がいる事を理解し、

警戒しているのかもしれません。



この場面、オベリスクフォースの目的はセレナですから、

本来隼には関係がなく、隼が戦う理由はないはずですが。

セレナを制して割って入ったのは、相手が憎きアカデミアだから?

それとも、自分を助けたセレナに恩義を感じたのか?



三対三のデュエルが始まる。



オベリスクフォースはアンティーク・ギア・トリプルバイト・ハウンドドッグを融合召喚

月影はトラップ、マジックを使い、自身のLPを削ってダメージを防ぎ、守りを固める。

敵三人の攻撃を一巡し、場を守り抜いた月影は、全て作戦通りだと言う。

続いてセレナがキャットダンサーを融合召喚し、攻撃を仕掛けるが、逆にダメージを受けてしまう。

オベリスクフォースはセレナのデッキを把握していたのだ。



セレナの融合召喚を見て驚く隼。

自分を救った少女が憎き融合使い、というのは、どういう心境だろう・・・。

しかし、即座にセレナを敵視する様子はみられません。

憎むべきは融合使いではなく、アカデミアだと分かってくれたかな?



素良の元に駆けつけた遊矢と権現坂。

「もうやめろ!」という遊矢の声を振り払い、

素良は日影をデュエルで倒し、カード化しようとしていた。

さらに、そのすぐ側でセレナ達がオベリスクフォースに囲まれている事に気づく。

この時、セレナを見た遊矢は柚子だと思っていたが。



セレナ達のピンチに現れたのは、ミッチーと大漁旗だった。

仲間を救おう!と意気込むミッチーに対し、大漁旗は乗り気ではない様子ですが、

結局はやれやれという感じで協力してくれています。

自分の利益しか考えていないように見えた大漁旗にも、いい所あるんですね。



乱入ペナルティでLPにダメージを受けながら、大漁旗は伝説のフィッシャーマン三世の効果で、

三体のトリプルバイト・ハウンドドッグ全てを除外し、

ミッチーのロイヤル・クックメイトとトラップの効果を合わせ、

オベリスクフォース三人のLPに2000のダメージを与えた。



だが、オベリスクフォースは伏せていたトラップ三枚を発動させ、

トリプルバイト・ハウンドドッグが復活し、

効果ダメージを受けてLP0になったミッチーと大漁旗はカード化されてしまう。

更に、素良に敗北した日影もカード化され。

その光景を目の当たりにした遊矢に、再び逆鱗化の兆しが。



大漁旗の召喚した「伝説のフィッシャーマン」はDMで梶木漁太が使用したカードですね。



三人目が発動したトラップの効果ダメージが、月影を襲おうとした、その時。

「ちょっと待ったぁ!」

沢渡が現れ、アクションマジックで効果ダメージを無効化し、月影のピンチを救う。

赤馬零児から事情を聞いて来たという沢渡がデュエルに参戦する。

カッコ良く登場しておきながら、早速乱入ペナルティーを受けるオチが沢渡らしくて楽しいです。(笑)



遂に逆鱗化してしまった遊矢が、素良の前に立ちはだかる。

「お前・・・間違ってる!」

その時、遊矢の心に思い浮かんだのは、ユートの言葉。

君の力で、みんなの未来に、笑顔を・・・。

その瞬間、遊矢が元に戻る。

「素良、俺とデュエルだ。」

デュエルでお前の笑顔を取り戻してやる!という遊矢。

二人のデュエルが始まる。





遊矢が初めて、逆鱗化の暴走を自分の意志で食い止めました。

その切っ掛けが、ユートのあの言葉・・・。

今までは、逆鱗化の原因はユートなのか?と思われましたが。

逆鱗化の切っ掛けとなる、遊矢の怒りや憎しみ・悲しみを、押しとどめたのが、ユートの言葉だったのを考えると、

遊矢の中にあるユートの存在が悪い影響を与えていた訳ではなさそうです。

多分、ユートは悪くない・・・。



果たして、遊矢は素良に笑顔を取り戻させる事が出来るのか?

素良は、遊矢の呼びかけに、どう反応するだろう・・・。



沢渡の活躍も楽しみ。

シリアスな今展開で、唯一、コミカルな場面を提供し、場を和ませてくれる、良いキャラクターです。





作監:Lee Sung-jin)

(脚本:田村竜)