遊戯王ARC-V  第46話

第46話「反逆の覇王黒竜



ジャングルエリアの茂古田未知夫のデュエル。

茂古田のRCM(ロイヤル・クックメイト)の効果で、ハリルとオルガのモンスターは破壊され、

茂古田がデュエルに勝利。

大漁旗が二枚のペンデュラムカードを手に入れる。



会場では他のエリアのデュエルをみせろ!とブーイングが。

洋子はデニスやハリルのデュエルもみたいとはしゃいでますが・・・。



中継が見れないなら直接見に行こうと、子供達と修造がスタジアムを出ようとするが、係員に止められてしまう。

なんと、バトルロイヤル中は外出禁止だという。

観客は家に帰ることすら許されない?



抗議する一行の前に日美香が現れ。

デュエル会場以外でのリアルソリッドビジョンの本格使用は初めてなので、安全を考慮しての措置だと説明する。

ジュニアクラスで決勝に残ったタツヤに、勝つのはうちの零羅だといい、日美香は去って行く。

修造は日美香の「全て計画通りに」の言葉が引っかかる様子。



ユースクラスでもベスト8の戦いが今現在行われていると日美香は説明していましたが。

実際はLDS所属のベスト8はオベリスクフォースと交戦中。

この事実を隠す為にも、会場の観客をスタジアムに閉じ込め、アクションフィールド内への立ち入りを禁止しているのか。



緊迫した事態の中、動揺を微塵もみせない日美香も、相当に度胸のある人だと思います。

観客が家にも帰れないというのは、異常ですが、

異世界からの侵略者との交戦を一般人にみせないよう、完全に情報を統制しようとしているのが分かります。



古代遺跡エリアの、遊矢とオベリスクフォース三人とのデュエル。

LPを削られ残り200にまで追い込まれた遊矢だが、異様なその表情は変わらず。

それを見た権現坂は「あれは本当に遊矢なのか?」と戸惑う。



遊矢はペンデュラム召喚でオッドアイズを呼び、場に二体のドラゴンが揃う。

相克の魔術師のP効果でレベルを持たないエクシーズモンスターのダークリベリオンにレベルを与え、

相生の魔術師のP効果でダークリベリオンのレベルを7に。

レベルを揃えたダークリベリオンオッドアイズをオーバーレイ。

エクシーズ召喚で覇王黒龍 オッドアイズ・リベリオン・ドラゴンが降臨する。



その効果で、オベリスクフォースの場のモンスターを全て破壊し、三回の攻撃を可能に。

三人それぞれにオッドアイズ・リベリオン・ドラゴンのダイレクトアタックが炸裂。遊矢が勝利する。



三人を倒した遊矢の異様な様子は変わらず。

そのまま黒咲のいる神殿を目指し、歩き出すが、その時、側の石柱が遊矢の上に倒れかかり。

権現坂が身を挺して遊矢を庇い、ミエルは助けを呼びに駆け出す。



その頃、氷山エリアに、ユーゴが現れる。

周囲を見渡し。

「ここは・・・氷河期か? 

 こいつが光った瞬間、

 また訳のわからねえ場所に来ちまったようだが・・・。」

クリアウィングのカードを見つめるユーゴ。



どうやら、また飛ばされてきたようです。

ユーゴが飛ばされる時は、いつもクリアウィングのカードが光るのか?

以前ユーゴが言っていた、ドラゴンの導き?

クリアウィングはなぜ、度々ユーゴをユートや遊矢のいる場所へと飛ばすのか?

ドラゴン同士が呼び合っているのか??



「まさか、今度は時間も越えた?

 何千年後かの人類が滅んだ世界・・・。」



リアルソリッドビジョンで凍り付いた街を見て、

「氷河期」だとか「時間を越えた」とか思ってしまう、ユーゴのその発想が面白い。(笑)

度々次元を越えてきたせいかもしれませんが、

タイムトラベルなどのSF的な現象も普通に受け入れてます。

もしかしたら、ユーゴのいた次元は科学の発達が進んでいるのかもしれません。



そこに梁山泊塾の竹田と梅杉をみつけ、ユーゴが声をかけるが。

ユーゴを見た二人は「榊遊矢!?」と見間違え。

「なっ!いきなり名前間違えてんじゃねえ!俺はユーゴだ!」



いつもの調子で名前を宣言してます。(笑)

今はかなり複雑でシリアスな状況ですが、ユーゴの登場とこの言動に和みます。

遊矢達の仲間になったら、いいムードメーカーになりそうです。



どうやら二人にデュエルを挑まれたらしく。

ユーゴが返り討ちにするも、デュエルの衝撃のせいか、竹田と梅杉は気絶して倒れたまま。

この場所の情報を二人から聞き出したかったユーゴは途方に暮れてしまう。



ジャングルエリアでオルガとハリルを倒した茂古田の元にやってきたミエル。

ここで一般人のフィールドへの侵入を理由に中継が中断され、スタジアムの観客から不満の声が。

一瞬画面に映ったミエルを見て、遊矢の身に何かあったのではと心配する洋子。



デュエル管制室では、高レベルのシンクロ召喚反応を検知しながらも、ユーゴの姿はまだ捉えてはいなかった。

シンクロ次元のデュエリストなら、融合の手先かもしれないと警戒する零児。



以前のユーゴとユートのデュエルは、監視カメラ付きの街灯が倒された事で、

零児達はまだユーゴの姿を知りません。

もしユーゴの姿を見た時、その顔が遊矢に似ていると知ったら、零児達はどう思うのか?



ジャングルエリアに移動させられた遊矢は、権現坂、茂古田、大漁旗に押さえつけられながらも、

叫び、暴れていた。



遊矢に噛みつかれ殴られる大漁旗は、なんでこんな友達でもないやつに・・・と愚痴るが。

茂古田は、大漁旗の願いを聞き入れ、仲間になった。

今度は君が僕の願いを聞く番だ。僕と一緒に遊矢君を助けてくれ、と。



茂古田と遊矢がデュエルしたのは一度だけですが、茂古田自身は強く友情を感じていたようです。

遊矢とのデュエルが、完璧を求めるだけではいけないと気づかさせてくれたから、かな。

意外と情に厚い、いい奴ですね。

大漁旗もずる賢く、調子のいいやつですが、茂古田の言葉を聞き入れた所もみると、

そんなに悪い奴ではなさそうです。



暴れる遊矢を、ミエルがリンゴ型の水晶を使い、ダーリンに取り憑いているものの正体を確かめると言い出す。

ミエルは、ダーリンの中に二つの心があるといい、

その奥にまるで二つの心を覆い尽くすかのような何か恐ろしい存在がある、と。



このミエルの言葉は・・・??

もし真実だとすれば、遊矢の中にある二つの心とは、遊矢とユートの心なのか?

二つの心を覆い尽くす恐ろしい存在とは、一体??

遊矢の暴走(逆鱗化)は、ユートが原因、と言うよりも、

ユートと遊矢の心が反応した結果、なのかな?



暴れた末に遂に気を失ってしまう遊矢。



意識を取り戻した遊矢は、元の遊矢に戻っていた。

権現坂達から状況を説明され、戸惑う遊矢。

あの時は、また訳が分からなくなった、と言う。

逆鱗化していた間の記憶があまりないらしい。

ミエルは、今のダーリンには、さっき見えていたもう一つの心が見えないと言う。



もう一つの心とは、ユートの事なのか?

遊矢が見た、逃げ惑う人々がカード化されるイメージは、ユートが見せたもの?

「もしかして・・・ユート?そうなのか?俺の中にお前が?」

「お前の怒りが俺を・・・。でも・・・。

 デュエルで、笑顔を。そう言って俺にこのカードを託したお前が、なぜ・・・?」



氷山エリアに、風魔忍者により救出されたセレナと柚子が到着。

報告を聞く零児がセレナの名を呟く。

この街で騒乱を起こすなら見過ごす訳にはいかない、と零児は以前に言っていましたが。

やはりセレナの事が心配なのかな?



月影に二人を託し、兄者(火影?)は偵察に。

柚子にあの時現れた者達について聞かれ、月影は融合次元のアカデミアだと聞かされていると答える。



・・・という事は、やはり風魔忍者の二人は零児の命で動いていたのか。

融合次元やアカデミアの存在も伝えられているようです。



あなたは瑠璃なの?と柚子に問われ、「私はセレナだ、瑠璃などという名ではない」と名乗る。

セレナは瑠璃の事は知らないのか?

アカデミアに囚われているであろう瑠璃とは、面識もない?



奴らは自分を捕らえる為にアカデミアから来た追っ手だと、セレナは説明する。



 「アカデミアは、プロフェッサーの命令こそ至上のもの。

  それに逆らう事はあってはならない。

  だが、私は私の力を認めさせる為に、あえてその掟に逆らった!

  このスタンダード次元にいるエクシーズの残党を討ち果たせば、

  プロフェッサーも私を最前線に出さなかった事を悔やむに違いない!」



 「私の仲間は皆、エクシーズ次元へ行き、華々しく活躍した。

  だが、私一人、プロフェッサーの命令で残され・・・。」



柚子は隼が対素良戦で語ったエクシーズ次元の惨状をセレナに語って聞かせる。

柚子は隼の話をよく聞いていて、信じてくれているんですね。



しかし、セレナは柚子の話をくだらないと鼻で笑う。

 「ゲームの様に笑いながら?

  アカデミアのデュエリストが戦地でそんなバカな真似などするはずがない。」



どうも、セレナが思い描いているアカデミアの戦士像は、実際のものと食い違っているようです。

アカデミアを出たことがないセレナは、実際の戦場を知らない。

戦士達が笑いながら敗者を狩るような事はしないと思っているのは、

そうプロフェッサーに教えられてきたからなのか?



 「アカデミアには崇高な目的がある。

  この世界を一つにするという目的が。」



エクシーズ次元に侵攻したのも、その目的の為。

いずれはシンクロ次元も、スタンダード次元も吸収し、世界を統一するという。



 「その崇高なる目的の為に鍛え上げられたのが、我らアカデミアのデュエリストだ。

  誇りある戦士が、そんな事をするはずがない。」



零王が言っていたあの野望は、アカデミアの者達は皆知っていて、

それが「崇高な目的」とされているようです。

他次元への侵攻が正当化されるよう、思想教育がなされているのか。

今のセレナも、他次元への侵攻が正しい事だと信じている様子。



以前からセレナの言動は冷酷なように感じていました。

零児とのデュエルに敗れたバレットを放置してその場を去ろうとしたり。

デュエルに敗北したデニスに接近したのも、恐らくデニスを北斗と同じようにカード化する為?

敗者を何の躊躇もなくカード化してしまえるのも、セレナの恐ろしい所ですが・・・。



それらの行動が全て、戦士として育てられ、特殊な思想教育の為だとしたら。

アカデミアの戦士は崇高な目的の為に戦っていると、本気で信じているとしたら。

本当は、セレナは根は真面目で真っ直ぐないい子なのかもしれません。



セレナが真実を知った時、今まで信じていたものが崩れ、落胆し、酷く落ち込むかもしれません。

でもそれを乗り越える事が出来れば、柚子達とも仲良くなれそうな気がします。



敗北して悲しむ必要がどこにある?

誇りがあるなら、その結果を潔く受け入れるべきと言うセレナに、

「家族を失っても黙って受け入れろって言うの!?」と詰め寄る柚子。



 柚子 「アカデミアはエクシーズのデュエリストだけじゃなく、

     その家族や仲間達も悲しませた!」



 セレナ 「家族とは、デュエリストではないのか!?」



この台詞に驚きました。

セレナがおかしな事を言っています。

もしかしたら、彼女は家族を知らない??

家族という言葉と意味は知っていても、家族は当然デュエリストだと思っているのか?



幼い頃からアカデミアに閉じ込められていたとしたら、

両親と暮らした記憶がないとしたら、それも頷けます。

あまりにも世間と隔絶された環境で育った為か、常識がなく、かなり世間知らずな子のようです。



家族の温かさ、愛情、仲間とはまた違った形での絆などを知らずに育ったのかと思うと、

少し可哀相に思えます・・・。

これから先、彼女はそれを知っていく事になるのかな。そうあって欲しいです。



柚子はセレナに語って聞かせる。

セレナが狙っているエクシーズの残党、それが黒咲隼。

黒咲とユートは、妹の瑠璃を取り戻すために戦っている。

私の言っている事が信じられないと言うなら、黒咲に直接会って確かめればいい、と。



アカデミアを激しく憎む隼に、直接セレナを会わせるのは危険な気がしますが・・・。

最悪、セレナを人質に取ろうとするかもしれないし。

柚子は黒咲も話せば分かる人間だと思ってるのかな。



セレナは柚子の言葉を聞き入れ、黒咲に会って確かめると言う。

そこで、柚子が提案したのが、服の交換。

お互いの顔が似ている事を逆手に取り、

柚子がセレナの服を着て、アカデミアの追っ手を引きつけている間に、

柚子の服を着たセレナが黒咲に会いに行けば良い、と。



それを聞いていきなりその場で服を脱ごうとするセレナと、慌てる柚子。

側には月影もいるのに。(笑)

男性の前で服を着替える事に、セレナは羞恥心を感じないようです。

いくら世間知らずとは言え、ここまでとは。

アカデミアで、一体どんな教育を受けてきたのやら。

いろいろと、先が思いやられます。(笑)



この様子だと、セレナは恋愛や男女の事にはとことん疎い子のように思えて、

そこもまた面白いです。

戦士として育てられただけで、冷酷な子ではなさそうだし。

柚子達との交流を通して、そういった事にも興味関心を持って、

戸惑いながらもいろいろな知識や経験を積んで、少しずつ変わっていって欲しいな。



柚子はセレナを岩陰に連れて行き。

柚子「いい??着替えるからね!!」

月影は表情変えずに「承知」と言って顔を背ける。(笑)



柚子は用心しつつも「覗かないでね」とは言わない所が、気が利くし、

月影も動じず、覗かずにいてくれました。



デニスも見てはいないようですが。

街中に設置された監視カメラは大丈夫かな?



髪型は変えず、服だけ交換した柚子とセレナ。

柚子は鼻歌交じりでご機嫌です。

こうした露出の少ない衣装の柚子は新鮮ですね。

ノースリーブにミニスカのセレナも、似合っていてかわいい。



柚子とセレナが別れて駆け出したその時。

二人の会話を影で聞いているデニスの前に閃光が。

デニス「なんだよ、君か。待ちくたびれたよ、ユーリ。」







これは・・・!!

遂にスタンダードに現れたユーリ。

しかも、デニスと手を組んでいる??

デニスはアカデミアの手先だったのか??



エクシーズの残党という言葉にも異常を感じず。

セレナの前で融合を使わなかったのも、正体を隠す為?

じゃあ、榊遊勝のファンだと言ったあの言葉も嘘なのか?

それとも、そこだけは本当だったのか?

遊矢の逆鱗化を寸前で止めたのは?

遊矢の逆鱗化の現象もその理由も、デニスは知っていたのか?

「大丈夫、リラックスだよ、遊矢。」

「僕とトラピーズ・マジシャンがついてる。」

と言った、あの優しい言葉も、嘘だったのか・・・?

出来れば、そうは思いたくありませんが・・・。



ユーリが今になって姿を現したのは、デニスを使って柚子の様子を探らせていたから?

スタンダードから帰還した素良の記憶を調べた零王達は、

柚子のブレスレットの効果も把握している。

遊矢とユートを遠ざけたその効果は、ユーリにも及ぶかもしれない。

だから先に密偵を送り、柚子が遊矢から離れるチャンスを伺っていた・・・。

とも考えられます。



今回、柚子とセレナがじっくり会話して、分かり合えそうな雰囲気で良かったです。

セレナも根はいい子だと思うので、柚子達と仲良くなって欲しい。

しかし、ユーリの登場に、不穏な気配を感じます・・・。



柚子はユーリにさらわれてしまうのか?

セレナは無事、黒咲に会い、真実を確かめる事が出来るのか?

真実を知った時、セレナはどう思うのか・・・。

今回は進展のなかった素良と隼のデュエルの行方は?

隼が勝ったら、今度こそ素良を容赦なくカード化してしまうのか?

素良は・・・勝っても負けても、アカデミアの戦士としてのそのプライドと執着を捨てられない限り、

以前の様な笑顔で遊矢達の元に戻る事はなさそうです。

素良はこのまま勝負に拘り続けるのか?それとも・・・。

素良が変わる切っ掛けがあるとしたら、それは柚子との師弟の絆なのか、遊矢との友情なのか?

遊勝塾での楽しかった日々と仲間達の事を、思い出してくれる日がくるといいのですが・・・。



風魔忍者の月影と火影。

助けたセレナに「覆面忍者」呼ばわりされたり、酷い扱いです。

柚子とセレナの会話の邪魔をせず。

着替えも覗かず(笑)、紳士でいてくれました。

影に徹して指令を全うする二人も、なかなかいい奴です。



アニメでキャラの衣装が替わるのは見ていて楽しいし、

今回の服を交換する柚子とセレナのエピソードも可愛くて良かった。



柚子とセレナの会話。

二人とも同じ声優さん(稲村優奈さん)ですね。

一人二役を、声の高低を使い上手く演じ分けしています。



作監:宍倉敏)

(脚本:上代務