遊戯王ARC-V  第41話

第41話「野望の地 デュエルアカデミア」



謎の少女、セレナに、赤馬零児は語りかける。

 「そう、キミはセレナ。柊柚子ではない。」

 「柊柚子?」

 「キミによく似たこの世界の住人だ。」



セレナは柚子の存在も、この世界にセレナに似た人間がいる事も知らない様子。



 「が、キミと彼女がなぜそっくりなのかはひとまず置いておこう。その前に。」



零児自身も、なぜ各次元に遊矢や柚子と似た者がいるのか、その理由は知らないらしい。



セレナに名を問われて、零児は名を名乗る。赤馬零王の息子だと。



 「覚えていないか?私は以前、キミと会っている。融合次元のアカデミアで。

  そこでキミは赤馬零王に最も目をかけられているデュエリストだった。

  そのキミが、我々の世界に現れた。

  何を目的に?赤馬零王にその腕を見込まれ、侵略の尖兵として送り込まれたか?」



 「赤馬零王など関係無い!私は自分の意志でこの世界に来た。

  誰の命令も受けずに。

  お前の事は覚えている。

  三年前、次元を超え、お前は我々の世界にやってきた。

  私は、多くの仲間達が次々に前線に赴き活躍するなか、

  あの窮屈な館の中で息が詰まるような生活を強いられてきた。

  お前が現れた三年前からずっーとだ!」



三年前の回想シーン。

円筒状の謎の装置から姿を現す少年時代の零児。

そこで追われる少女をみつける。

影から少女と追っ手のデュエルを見守り、デュエルの衝撃が実体化する事に驚く。



追っ手は「プロフェッサーの命」だといい、少女を「セレナ様」と呼んでいます。

様付けで呼ばれる程に丁寧な扱いを受けているようですが・・・。

「私は自分の力を試したいのだ!」「私は私の意志で外へ出る!邪魔立てする者は容赦しない!」

といい、追っ手に抗うセレナ。



セレナのデュエルディスクは、フィールドの部分が剣の形になってます。

彼女専用のディスクなのかな?

この時から既に、セレナの右手首には例のブレスレットがあります。



セレナが召喚したのは、ムーンライト ブルームキャット。

女の子らしいかわいいモンスターです。

今回のデュエル描写はこれだけですが、今後の彼女のデュエルでの活躍にも期待したいです。



エンターテイメントを目指す遊矢が、サーカスの動物達のような賑やかでユニークなエンタメイト。

誰も傷つけたくないといい、誰かを守ろうとするその性格に相応しい、

騎士の名を持つユートの幻影騎士団(ファントムナイツ)。

やんちゃなその性格を現すかのような、ベーゴマやヨーヨーなどの模したユーゴのスピードロイド。

遊矢に似た者達が使うデッキのテーマが、それぞれの性格に合わせてあります。



そして、柚子は音楽をテーマにした幻奏の音姫

そうなるとセレナも、それと対をなすようなテーマなのかな?

まだ登場していませんが、柚子に似ていると言われている黒咲瑠璃もデュエリストなら、

どんなテーマを使うんだろう?



一方、追っ手が使うモンスターが、アンティークギアゴーレム。

GXのクロノス先生が使っていたテーマです。

5D'sでもアキの通うアカデミアの教師が使っていました。

この辺り、各シリーズの共通の設定の様で、歴代作品を観ている者には少し嬉しい要素です。



アクションフィールド中でもないのに、質量が発生するこのデュエルに、零児が驚いてます。

隼やユートのデュエルでも、同様の現象が起きてますが。

この現象は一体・・・?

この技術は融合次元が発祥なのか?なぜそんな事が可能なのか?



セレナのデュエルを影から見ていた零児が、突然立ち上がり。

DDケルベロスを召喚して加勢し、三対一で戦うセレナのピンチを救う。



ここで零児が使用したDDケルベロス

前回のバレット戦でも零児は使用しています。

バレット戦をよーく見返すと、零児がDDケルベロスを召喚した瞬間、

デュエルを見守るセレナの表情に、一瞬驚く様子が。

この時、既にセレナはこの男が三年前のあの少年だと、気づいていたのかな??



セレナに手を差し出し「こっちだ!」と言い、引き上げたセレナの手を取って駆け出す零児。



「放せ!貴様、アカデミアの者ではないな!?船はどこだ!?」



そう、アカデミアは海の中の孤島。

これはGXのデュエルアカデミアと同じです。

セレナは零児が船で外から来た者だと思っている様子。



 零王 「キミの未来は、ここにある。」



手下と共に現れたプロフェッサーに、零児は呼びかける。



 「父さん!!」



やはり、アカデミアのプロフェッサーとは、赤馬零児の父、赤馬零王だったのか。



 「セレナ、キミの力は誰よりもこの私がよく分かっている。」



零児の事を無視して、セレナに語りかける零王。



 「ならば、なぜ私をこの島に閉じ込めておく!?

  なぜ私の力を使わない!?」



 「今はまだその時ではない。」



 「だったらいつ?エクシーズを滅ぼす時か?それともシンクロか?」



この時点で、エクシーズ次元やシンクロ次元への侵攻は決まっていたのか。

そうなると、エクシーズ次元が侵略を受けたのは、ここ三年以内?



セレナは噂でエクシーズ次元への侵攻が始まる事を知ったという。

何も知らない零児は、セレナの言葉に驚き、戸惑う。

私の力を認めているのなら、部隊に加えて先陣をきらせろ、と言うセレナ。

だが、零王はそれを許さず。

 「キミにはキミのやるべき事がある。」



零王がセレナの望み通り、部隊に加えないのは、なぜだろう。

セレナをこの島に閉じ込めているのは、何か別の目的の為で、

セレナの実力を認めていると言ったのも、強気な性格のセレナを納得させる為?

零王の言う、「キミのやるべき事」とは、一体何なのか?

この事件の後、セレナの監視が強まったのは、セレナが逃げ出さないようにする為か?



 零児 「ちょっと待てよ!侵攻とか滅ぼすとかって、何言ってるんだ!?

     ここはどこなんだ?アカデミアって何!?



     僕や母さんに何を知らせず、会社まで放りだして、

     一体何をやってるんだ!?父さん!!」



零児はここに来るまで、全く何も知らなかったようです。

さらに驚いたのは、零王は会社も家族も放り出していた事。

息子の零児や妻の日美香にさえ、何も伝えていなかった事。



恐らく零児は、父の行方を追っていく内に、次元移動装置を発見したのだと思いますが。

(この装置を使って零王は融合次元に来たのか?)

何も知らせずに姿を消した父に、次元を超えてようやく再会してみれば、

侵攻だとか滅ぼすなどという、物騒な話。

しかも、次元を超えて追ってきた息子を無視し、今はセレナと言う名の少女の方に関心をしめしている。



この時の零児の気持ちを思うと、何ともやりきれない気持ちになります。

ここで再会するまでは、零児も父の事を尊敬し、憧れていたはず。

だから、ここまで追ってきたのに・・・。

実の父から蔑ろにされて、辛かったのではないでしょうか。



零児が、遊矢の父である遊勝を尊敬している理由も気になります。

父親と対立する決意をした零児は、今も父への尊敬と憧れを持ち続ける遊矢を、どう思ったのかな・・・。

羨ましく感じていたのでは?



セレナと零児を部下に捕らえさせる零王。



 「セレナ、キミがどこへ逃げようと私はキミを捜し出す。

  そして、絶対に連れ戻す。絶対にだ。」



そこまでして零王がセレナに執着するのは、何故か?

零王が探し求めていた「第四のピース」が柚子なら、

他の三つのピースの一つが、セレナ?

なら、柚子と似ているという黒咲瑠璃も、ピースの一つ?

四つの次元にそれぞれ存在するらしい柚子に似た少女達を集めて、零王は何をするつもりなのか?



説明しろ!と言う零児に、零王は手短に説明する。

「ここは融合次元、アカデミアは私の計画を遂行する為の前線基地。」

計画って何だ!?との問いに「いずれ分かる」とだけ答える。



それでも零児は問いただす。

侵攻って何?滅ぼすって??

去り際に零王は一言だけ言う。

「全ては、世界を一つにするために。」



計画の詳細を語らないのは、邪魔されない為なのか、それとも家族を巻き込みたくないからなのか?

「世界を一つにする」とは一体?

GXのユベルが企んでいたような、多次元をすべて融合し一つにする、というような事なのか??



零児が使ったゲートは封鎖され、使用後に自己破壊する小型次元移動装置で元の次元に戻される零児。



 零児 「私はこの三年間、赤馬零王の野望を打ち砕くための準備をしてきた。」



この三年前の事件を切っ掛けに、零児達が変わっていたのだと推測されます。

スタンダードに戻された直後、ここでの出来事を母、日美香に語り。

二人で零王の野望を阻止する決意をする。

零児は最年少でプロ資格取得、LEOコーポレーションOCEへ就任。

「この世界の隅々にまでLDSの組織網を張り巡らせ、

最高の技術、最高の力を持ったデュエリストを数多く育て上げる」という日美香語った計画も、

全てはこの為に。

零羅に対する二人の厳しい態度も、来たるべき戦いに備える為。

そう考えると、これまでの全ての行動も納得できます。



だた、13歳の少年が、親子の情を捨てて父と対立する決意をし、

その瞬間から子供ではいられない厳しい状況に自らを置いたのだと思うと、

やはり悲しいものを感じます。

誰にも甘えず頼らず生きてきたのか。

零王との戦いに決着がついたとき、果たして親子は和解できるのか?

もしも和解できないままだったとしら、零児の中には空しさだけが残り、

やがてOCEを辞任して、一人旅に出てしまったりしそうです。



零児はこの街を守る為だと語る。

そして、セレナにある提案を。

「私と組む気はないか?」



だが、セレナは「くだらない」と零児の提案を一蹴する。



セレナがここに来たのは、エクシーズの残党がいると聞いたから。

アカデミアからの潜入者(素良)を倒すとは、相当な手練れ、とセレナはみている。

そいつを倒せば、赤馬零王に自分の力を認めさせる事が出来る。



セレナの最終的な目標は、零王に認められる事。

それは、自由を得るため、なのか?

それとも、保護者である零王に認められたい愛されたいという欲求なのか?



最初に狙った相手は期待外れだったといい、カード化された志島北斗を零児に投げ渡す。

やはり北斗はカードに封印されていた。



このデュエルで敗北した相手をカードに封印する技術は、アカデミアだけでは無く、

今は隼達レジスタンスも持っている様子ですが、封印された人間を元に戻す方法は果たしてあるのか?

隼と零児が手を組んだ今、隼によってカード化されたマルコ先生達は元に戻されているのか?

元に戻す技術はアカデミアだけが持ち、隼達が持っていないとすると、

北斗は当分の間、このまま・・・?



エクシーズの残党はどこにいる?という問いに、零児は知らないフリをする。

その頃、隼は試合でナイト・オブ・デュエルズのシュルルに勝利していた。

なら自力で探すといい、去ろうとするセレナに、零児は釘を刺す。

もしもこの街で騒乱を起こすなら見過ごす訳にはいかない、

私と組み気がないのなら敵とみなす、と。



その時、倒れていたバレットが、デュエルディスクの装置を作動させ、

自分達の位置をアカデミアに知らせ、一人強制送還される。

セレナは言う。

やがてアカデミアの追っ手が私を連れ戻しに大挙して現れるだろう。

そうなれば、騒乱などというレベルではなくなる。



舞網チャンピオンシップ二回戦の模様を伝えるデュエルニュースを、

遊勝塾で仲間達と見る遊矢。

柚子が紹介され、はしゃぐ修造に、柚子のハリセンが炸裂。(笑)

ここまで来たらライバルね、といい、遊矢と握手を交わす柚子。

遊矢はもう勝鬨戦のようなデュエルはしないと、決意を新たにする。



柚子と遊矢の、互いにデュエルで切磋琢磨し励まし合う関係が、とても素敵です。



その頃、素良は零王からある指令を受けていた。

もう一度スタンダードに行き、エクシーズの残党を狩るという願いを叶える事と引き替えに、

オベリスクフォースと呼ばれる兵士達を連れ、セレナを連れ戻せ、と。

セレナを画像を見せられた素良は柚子!?と叫ぶ。



どうやら、素良がセレナの姿を見るのは、これが初めてのようです。

同じアカデミアに居ながら、素良はセレナを知らなかった?

セレナの存在はアカデミアの中でも秘密にされていたのか?

二人は顔見知りではなかったようです。



素良は柚子とセレナが似ている事を、どう思ったかな。

遊矢とユートが似ている事も知っているから、それぞれの次元に遊矢と柚子に似た者が存在する事に、

疑問を感じるかもしれません。

セレナを連れ戻すこの作戦に、柚子とセレナが似てる事を利用しようと考えたりするかな?



デュエルニュースで紹介された、ベスト16に残った選手。

Hikage

Umesugi

Takada

T sukikage

Tairyobata

Halil

Dennis

Olga

Carl

Mokota

Ashley

Bram

Gongenzaka

Sakaki

Kurosaki

Hiiragi



当日、試合形式は街全体を使ったバトルロイヤルだと発表され、驚く参加者達。

他次元からの侵略に街がパニックを起こさぬよう、

バトルロイヤルに紛れて侵略者を討つという、零児の策略だった。



実際に迎撃するのは、ユースクラスでベスト8に残ったLDS所属の実力者達。

桜樹ユウ含むこの8人には、異次元からの侵略者の事も、この世界の危機の事も知らされている様です。



その場にいる黒咲は、スタジアムにいる15名の中から来る有事に備えて結成される

ランサーズに相応しい者を見いだすよう、零児から指示を受ける。



26話の「我々の世界の為に戦う槍となれるのか」という零児の台詞は、

このランサーズの事を言っていたのか。

ユースクラスでベスト8は、このランサーズには入らないのかな?

敗退してしまった沢渡は、ランサーズに選ばれる事はないのか・・・。



隼が命じられたのは、スタジアムにいる15名の実力を見極める事で、敵との交戦は許可されていません。

隼は約束は出来ない、と言ってますが。

目の前にアカデミアの戦士が現れた時、隼が黙って見過ごせるとは思えない。



セレナに関する情報を与えられていない隼が、このバトルロイヤルでセレナと出会ってしまった時、

また瑠璃と間違って取り乱さないか心配です。

柚子の例もあるし、異次元に瑠璃に似た者が居ると理解した今なら、瑠璃に似たセレナを見ても

もう少し慎重に対応してくれるとは思いますが・・・。(汗)

そうした事態を避ける為にも、零児は隼にセレナの事を教えるべきなのでは??



隼がここまで大人しく零児の指示に従っているのも、意外です。

「ここは俺の戦場だ!」と言っていたあの激しさも、今はみられません。

口ではああ言っていても、零児を仲間として認めているのか?

瑠璃を救い出す方法が他に無いからと、諦めて従っているのか?

それとも、何か企みがあるのか?

零児が隼に、ユートの行方についてもセレナの存在の事も教えていない所をみると、

隼が一方的に利用されているように見えます。

今後の状況によっては、零児と再び敵対する可能性もあるかもしれません。



会場ではニコによるルール説明が続く。

街には予めレオコーポレーション社製のペンデュラムカードが隠されている。

参加者は街に出て、ペンデュラムカードを二枚以上見つけてからデュエルすること。

勝負は、ペンデュラムカードを賭けたアンティルール。

勝者は敗者から賭けた枚数を受け取り、その枚数を競う。

制限時間は24時間。

街には四つのエリアを持つフィールド魔法、ワンダー・カルテッドが発動。



デュエルスタートの合図と共に駆け出す遊矢達。







さあ、大変な事になってきました!!

街中がアクションフィールドと化し、あちこちでデュエルがはじまる。

一体、誰と誰がデュエルするのか?



セレナは誰と出会うのか?隼を見つけ出す事が出来るのか?

それとも、素良達にみつかり、連れ戻されてしまうのか?

セレナが柚子や遊矢と出会ったら、それぞれどんな反応をするのか?

遊矢がセレナを柚子と見間違ったり、

或いはセレナが、遊矢を遊矢と似た誰か(ユーリ?)と見間違ったりするのか?

柚子とセレナが対面したら、自分に似たお互いを、どう思うのか?

隼は、大人しくこのまま指示に従うのか?

それとも、素良達と遭遇して交戦するのか?

隼が遊矢や柚子と出会ったら、どうするのか?

何も知らずに瑠璃に似たセレナと出会ったしまったら??

素良はセレナを見つけ出す事が果たしてできるのか?

見つけ出したとして、そのまま大人しく連れ戻すのか?

それとも、ユートや隼を探してリベンジを仕掛けるのか?

今後の展開が読めない、複雑でワクワクする展開です。



今回のこの三年前の零児とセレナの出会いに、ボーイ・ミーツ・ガール的なロマンスを少し感じました。

かつて自分が助けた、助けられた少年少女の再会。

会ったのは三年前の一度きりの様ですが。

再会した二人はお互いをどう思ったのかな?



ただ、セレナは零児との出会いを切っ掛けに監視が強まり、不自由な生活を強いられたと、

零児を恨むような台詞があり。

零児の方も、自分達に協力せずに街を騒乱に巻き込むなら容赦しないと言い。

二人とも敵対宣言をしていて、どうもロマンチックな展開にはならなさそうです。



そうは言いつつも、セレナは零児をこの場でデュエルで倒してカード化しようとはせず。

零児の方も、力尽くでセレナを拘束する事が可能なはずなのに、今はそれをしません。

協力はしないし、馴れ合うつもりもない、けど相手を傷つけるつもりもなく。

お互いに、思う所があるんだろうな・・・と思うのですが。



三年前にセレナに出会った後、セレナに似た柊柚子を初めて見た時、零児はどう思ったのかな。

同じ顔を持つ者の存在に疑問を感じつつ、セレナの事を思い出していたのか?



三年前・・・という時系列もいろいろ気になる所です。

遊勝が姿を消したのも三年前。

零児がジュニアユース選手権で初優勝したのも、三年前の13歳の時?

初優勝した時は、この事件の後だったのかな?





ちなみに、桜樹ユウは原さんデザイン、

他ユースの七人は蛯名秀和さんのデザインだそうです。(twitter情報。)

モブなのに髪型も衣装も個性を感じさせるデザインでかっこいいです。



デュエルディスク装着シーン、権現坂の所だけ動きとエフェクトがかっこいい。



作監:川村裕哉)

(脚本:上代務