遊戯王ARC-V  第39話

第39話「逆鱗の覚醒」



ビックリ塾の種賀島有蔵に勝利する権現坂。

権現坂がハチマキで目隠しするのと、

トリックに惑わされないようにする事と、デュエルに何の関係があるのかは不明ですが。(笑)



いよいよ遊矢と勝鬨(かちどき)勇雄のデュエルが始まる。



梁山泊塾について修造が説明しています。

デュエルに笑顔は禁物。それが武闘派梁山泊の流儀。

彼らにとっては勝つ事が全て。。

梁山泊塾長、郷田川梁山は強引で手荒なデュエルスタイルを批判されてきたが、

その批判をはね除けるように多くのプロタイトルを制してきた。

全寮制で、プロになるまで親との接触も禁止される厳しさにも関わらず、

業界二位のプロ輩出率を誇ることから、入塾希望者は後を絶たないという。



フィールド魔法、仙界竹林が発動。

お前のデュエルを認めないと言う遊矢の言葉には応えず、戦いの殿堂に集いしの口上を始める勝鬨



先攻の遊矢はシルバークロウを召喚。

その背に乗って駆け出すが、よそ見してる間に竹林に突っ込み、早速観客の笑いを取ってしまう。

勝鬨は召喚した地翔星ハヤテでシルバークロウを攻撃。

シルバークロウの破壊を回避する為にアクションカードを求める遊矢の行く手を、勝鬨が妨害。

アクションカードを奪われた遊矢は、ハヤテの攻撃でシルバークロウを失う。



妨害なんて汚い、とフトシが言っていますが。

アクションデュエルではアクションカードの奪い合いも立派な1つの戦略、のはず。

ただ、武器や道具を使ったり、直接リアルファイトで阻止する、というのは流石に酷く思えます。



遊矢は次のターン、オッドアイズをペンデュラム召喚。

オッドアイズの攻撃はハヤテの効果で無効になるが、それも遊矢の想定内だった。

ペンデュラムゾーンのトランプウィッチの効果を使い、ビーストアイズを融合召喚する。



その時、勝鬨の脳裏に、ある記憶が蘇る。

両親の元を離れ、塾長に連れられて梁山泊塾に入塾する幼い日の勝鬨

川原で、楽しそうにデュエルする榊親子を見かける。

だが、塾長は言う。

デュエルが楽しいなどと思うな。

お前の行く道はそんな甘ったれたものではない。

プロになるまで、お前はひたすら暗い闇の道を歩き続けるのだ、と。



お前とデュエルする事になったのは、あの日から運命づけられていたのかもしれない、という勝鬨

何も知らない遊矢には、その言葉の意味が分からない。

川原で勝鬨が見かけただけだから、遊矢の記憶になくて当然ですが。

いつかその言葉の意味を遊矢が知る時は来るのかな?



ビーストアイズの攻撃を、アクションカードで回避した勝鬨が、続くターンで、

覇勝星イダテンを融合召喚

イダテンにはビーストアイズの攻撃力をゼロにする効果があった。

攻撃を回避しようと、アクションカードを求めて走り出す遊矢を、勝鬨は竹を投げてまたも妨害。

さらに装備魔法を使い、先回りして手に入れたアクションカードを次々と墓地に送る事で、イダテンの攻撃力を上げていく。

イダテンの攻撃力は遂に3600。もう一枚アクションカードを墓地に送られたら、

残りLP3700の遊矢はイダテンの攻撃で敗北してしまう。



最後の一枚を巡って必死に手を伸ばす遊矢。

その腕をふみつけられながらも、何とかカードを手にするが。

効果を発動する間もなく、勝鬨の攻撃宣言で、ビーストアイズは破壊され、遊矢のLPは残り100に。



勝鬨は言う。

お前は今まで、影ひとつない明るい道をぬくぬくと歩き続けてきたのだろう。

自分はひたすら暗い闇の道だけを歩んできた。

お前のような者には負けない!必ず自分が勝利する!



回想シーンで、川原の榊親子をみた時、幼い勝鬨が微笑んでいたのをみると、

本当は勝ちに拘るデュエルではなくて、遊勝や遊矢のように楽しいデュエルがしたかったのでは・・・。

両親の元で、楽しくデュエルを学んできた遊矢を、羨んでいるように思えます。



「首の皮一枚でつながったが、お前の闇はすぐそこだ。

 ひたすら暗い闇の中に落ちるがいい。」



その時、遊矢に異変が。

闇の中で、手を伸ばすユートの姿が遊矢と重なる。

赤い瞳で、髪が逆立つ、鬼神のような遊矢の姿が現れる。



遊矢はマジックを使い、自分の場のカード全てをデッキに戻し、

手札のEM(エンタメイト)で新たにペンデュラムスケールをセッティング。

エクストラデッキからラクダウンとシルバークロウをペンデュラム召喚し、

レベル4の二体で、オーバーレイネットワークを構築。

ダークリベリオンをエクシーズ召喚する。



遊矢は2つのORUを使い、イダテンの攻撃力を下げ、ダークリベリオンの攻撃力を上げて攻撃。

イダテンには、レベル10以下のモンスターとのバトルで相手モンスターの攻撃力をゼロにする効果があるが。



 遊矢 「エクシーズモンスターはレベルを持たない。よって効果は無効。」

 勝鬨 「何?レベルを持たないならレベルゼロではないのか!?」



遊矢の勝利でデュエルが終わり、会場は静まりかえったまま。

正気を取り戻した遊矢は立ち上がろうとする勝鬨の元に駆け寄り、

助け起こそうと伸ばしたその手は払いのけられ、睨まれてしまう。

会場の雰囲気に、戸惑う遊矢。



「何なんだ・・・この感じは・・・?」







遊矢に、デュエル中の記憶は、一応あるのかな?

正気では無かった自分に、ただ戸惑っているのか?

会場の異様な雰囲気の原因は自分にあると、分かっているのか?



今回の、この遊矢の異変は・・・一体・・・?



過去のキャラ達の異変と比べると。

第一話で突然ペンデュラム召喚を始めた時の遊矢は、一時的に記憶を失うなどして、

正気では無かったように見えました。

今回も一時的に正気を失っているように見えますが、あの時とは様子が全く違います。

胸のペンデュラムが光る様子も無かったし。

ミエル戦で初めてルーンアイズを融合召喚した時は、正気を保っていたように思えます。

ユートvsユーゴ戦での二人の暴走は、瞳が消え、目全体が光り、滅びと破壊を口にするという異常状態でしたが、

それも今回のとは違う様子。



一体、何が原因で、遊矢をこんなにしてしてしまったのか?



勝鬨の言葉は、確かに遊矢を闇へと誘ったようにも見えますが。

勝鬨の驚きようを見ると、勝鬨がこの異変を仕組んだ訳ではなさそう。



デッキに入っていた、あのダークリベリオンのせいなのか?

ダークリベリオンのカードには、持ち主を乗っ取る邪悪な力があるのか?

しかし、そんなカードをユートが持っていたとも思えません。



それとも、姿を消したユートが、遊矢を操っているのか?

みんなを笑顔に・・・と言い残したユートが、そんな事をするとは思えませんが。

ならば、闇の中で二人の姿が重なるあの幻影は、何を意味するのか・・・?



新しい力に目覚める時、遊矢の中にあるもう一人の自分が、その象徴としてユートの姿で現れた、とも解釈出来ます。



追い詰められた時、心が闇に落ち、別人格の自分が出現する。

何となく、GX3期の、覇王十代の出現を思わせる展開です。



エクシーズを使いこなし、デュエルで相手を叩きのめす、

非情で冷酷な、闇人格の遊矢、と考えればいいのかな?

今回の闇人格の出現は一時的でしたが。

今後の遊矢は、外の敵だけではなく、自分自身の中に潜む、

この闇人格とも戦っていかなくてはならない、のかもしれません。



勝鬨は・・・この後どうなるんだろう?

結局、遊矢は勝鬨を笑顔には出来なかったし、いつものエンタメも出来なかった。

勝鬨の道は、闇に閉ざされたまま。

本当は、遊矢とのデュエルでデュエルの楽しさを思い出して、暗闇から抜け出して欲しかったのに。

これから先も、勝鬨は遊矢を羨み、憎み続けるのかな・・・?

勝鬨のこれまでの努力も苦しみも報われないのが、見ていて辛いです。

またいつか再登場して、遊矢と再びデュエルして、今度こそ笑顔を取り戻す事が出来たらいいなと思います。





エクシーズモンスターはレベルを持たない。

故に、レベルによる効果を受け付けない、というのはOCGでは常識ですが。

「レベルを持たないならレベルゼロではないのか!?」の、

この勝鬨の台詞がOCGプレーヤーの間でネタにされているようです。(笑)



いつもとは違った感じのカードの持ち方。

勝鬨のカンフーっぽいポーズも楽しい。



作監:宍倉敏)

(脚本:田村竜)