遊戯王ARC-V  第38話

第38話「4つの次元」



遊矢は二日も目を覚まさずにいた。素良も見つからず。

心配する柚子を、洋子が励ます。



一番遊矢を心配しているであろう洋子の前で、

「このままずっと遊矢が目覚めなかったら」なんて弱音は軽々しく言ってはいけない事くらい、

柚子なら分かっていそうですが。

それでも言わずにいられない程、柚子も思い詰めていたのだろうし、

普段から仲の良い洋子相手だからこそ、思わず弱音が出てしまうのかもしれません。



洋子自身が抱えている不安を柚子が代弁してくれているから、かな。

柚子の不安を受け止め、温かく見守ってくれてます。洋子さん、素敵な大人ですね。



そこにミエルが現れる。

遊矢が寝込んでいると知り、駆けつけたのだ。

占いとおまじないで遊矢を助ける!と意気込むミエルに圧倒され振り回される柚子と洋子。

試合を放りだしてきたと言うミエルに、今は試合に行くべきだと説得する二人。

それが遊矢の為だと言われ、ミエルは会場へと向かう。



遊矢よりも今はデュエル!と言い出す柚子と洋子に、一瞬、二人とも意外とデュエル脳なのかと思いましたが。

かなり無茶苦茶なミエルを、どう追い払おうか手をこまねいていた所で、

上手い口実を見つけて、ここぞとばかりに二人揃ってミエルを説得して追い出す所に笑いました。

こういう時に口に出さずとも意思疎通して連携できる柚子と洋子は、普段から仲が良いのでしょうね。



ミエルの対戦相手は、風魔デュエル塾の月影選手。

会場に現れたミエルは、デュエル前に勝利宣言。



復活して「サンキューミエル!」と言う、ミエルの妄想の中の遊矢に笑った。

アゴが伸びで少女漫画風です。(笑)

ミエルの恋する乙女フィルターを介すると、遊矢はこういうふうに見えてるのかな。



その頃、遊矢がようやく目も覚ました。

遊矢に大会の事を聞かれ、確認した柚子が、ミエルの敗北を知る。

月影にワンターンキルされたらしい。



フトシはLDSの零羅に敗北。

零羅は前回の融合に続き、今回はシンクロ召喚を使ったという。



話し込む二人を残して、そっと立ち上がり部屋を後にする洋子。

二人への気遣いと、後は任せて大丈夫という洋子の柚子に対する信頼感を感じます。



遊矢は、あの夜の出来事を柚子に話す。

ユートと会った事。

四つの次元の存在。

融合次元に強制送還された素良。

ユーゴの出現。



そして、遊矢を庇い、ダークリベリオンのカードを遊矢に託し、消えていったユート・・・。

その後ユートがどうなったのか、なぜ自分にカードを託したのか、分からないと悩む遊矢。

それを聞いた柚子が、ブレスレットを辛そうに見つめる・・・。



あんな形で出会った遊矢とユートですが、二人とも分かり合えていた。

誰も傷つけたくない、デュエルは人を笑顔にする為のもの、という思いは、同じだった。

柚子も、ユートのその優しさや戦う理由を理解してくれている。

一緒に過ごした時間は短くとも、遊矢も柚子もユートの事を分かってくれて、心配してくれているのが、

何だか嬉しいです。

ユートがもしも無事なら、きっと仲良くなれるはず。

そんな日が来ると良いのですが・・・・。



ユートとユーゴ、自分に似ている者がなぜ二人いるのか?

そして、同じ疑問が柚子にも。

浚われた黒咲隼の妹、瑠璃と柚子はなぜ似ているのか?

黒咲なら何か知っているかもと、二人は隼に会いに出かける。



その頃、融合次元のアカデミアでは、

目覚めた素良が、もう一度僕をスタンダードに戻してくれと訴えていた。

それを部屋の外で聞いているポニーテールの少女。



早速出かける元気な遊矢を見送り、益々あなたに似てきたかもね、と遊勝の写真を見つめる洋子。

洋子は、遊勝が姿を消した理由を知っているのかな・・・。

だとしたら、異次元の存在や、遊矢にそっくりな男達の事も、もしかしたら何か知っているのでは?



会場で、次々とエクシーズ召喚を決め、歓声を浴びる北斗。

その姿を町中のモニターで見つめる、フード姿の二人。

背の高い男と、もう一人は、先程のポニーテールの少女??かな?

その姿を見かけたアユは、瞬柚子と一見間違う。



この少女が、柚子に似ているという、黒咲瑠璃なのか?

それとも・・・。



シンクロ、エクシーズのそれぞれの次元に遊矢に似た男がいるなら、

各次元に柚子に似た人物もいるのか?

エクシーズ次元の柚子が瑠璃なら、融合次元、シンクロ次元にも柚子に似た者がいる?

奪われたユーゴの「大事なもの」がシンクロ次元にも柚子?

このポニーテールの少女、髪色は融合を象徴する紫色なので、彼女が融合世界の柚子?かな?



会場で、遊矢の無事を泣いて喜ぶ権現坂。

アユ達三人も到着し。だが、素良の行方が今も分からないと落ち込む一同。

敗北した事を謝るフトシを、遊矢は次があるさと励ます一方で、「次なんてない!」と言う素良の事が頭をよぎる。



目覚めた遊矢を見て喜び抱きつこうとするミエルを無視し(笑)、北斗達に歩み寄る遊矢。

黒咲に会わせて欲しいと申し出るが、黒咲さんは滅多に人に会わないと言う。



その頃、隼は零児との面会を求めるが、断られてしまう。

あれ以来連絡が取れないユートの身を案じていた。



中島がユートのデュエルディスクを回収し、解析されている様子ですが。

この事は隼には知らされていない?

残されたデュエルディスクの事を知れば、隼が行動を起こし、自分達の計画に支障がでると判断したのか?



刃の試合を観戦する遊矢達。

対戦相手は、前年度準優勝の、梁山泊塾の勝鬨(かちどき)勇雄。

その試合は、観客の想像を絶するものだった・・・。



この試合、詳しいデュエルの内容は省かれ。

ひたすらリアルファイトで打ちのめされる刃の痛々しい姿が。

何が起こっているのか、さっぱりです。(汗)

以前、武闘派デュエリストの総本山と紹介されていた梁山泊塾のデュエルとは一体?



二回戦の対戦相手が発表される。

権現坂はビックリ塾の種賀島有蔵。

柚子はデュエルッコクラブの斜芽美伎代。

そして、遊矢の二回戦の対戦相手が、この勝鬨勇雄だと判明する。

ユートの思いの応える為にも、自分のデュエルをすると決意する。

俺のデュエルでお前の笑顔を取り戻してみせる、と・・・。



対沢渡戦で、ようやく自分の目指すべきデュエルの形が見え始めた矢先に、

ユートと素良、そしてユーゴの、互いを傷つけるデュエルを目の当たりにし。

こんなのデュエルじゃない!と心痛めていた遊矢。

同じく、人を傷つける勝鬨の残酷なデュエルに、どう立ち向かっていくのか?

武闘派(?)相手に、遊矢は自分のエンタメを発揮できるのか?





ユートが本当に伝えたかった事が何なのかは分からないけど、と言いながらも、

ユートの思いに応えたいと言う遊矢。

何度もユートの最後の言葉を思い出しています。

目の前でユートが消えた事が、遊矢の心に重くのし掛かっているようにも思えます。



デュエルでエンタメを目指す遊矢が、エンタメなどない、デュエルを楽しむ事を許されない、

異次元を巻き込んだ厳しい戦いに巻き込まれる、というのは、

残酷な展開にも思えます。

果たして、本当のエンタメが何なのかを、遊矢は見いだす事が出来るのか?

かつてのシリーズ主人公達のように、激しい戦いの中で、いつしか笑顔を忘れてしまったりしないか?

少し心配です。





作監:Noh Gil-bo)

(脚本:上代務