遊戯王ARC-V  第20話

第20話「難問!?アタックデュエルクイズ!!」



権現坂は今日も一人修行中。

何でもありなこの世界で、もはやデュエリストが滝行を行っていても驚きません。(笑)

デュエルの修行と言うより、肉体と精神を鍛える修行のようです。

自分にはまだ何かが足りないと、悩んでいる様子。



続く九庵堂とのデュエル。

新たなフィールド、クイズ・フロンティア・エクストラ・ステージが姿を現す。



遊矢と九庵堂はトロッコに乗り、それぞれのレール上の五枚のアクショントラップのクイズに答えていく。

アタックデュエルクイズはデュエルに関するクイズ。

デュエルの事なら分かるハズと意気込む遊矢だが、悉く不正解に。

クイズに外れる度にLPを削られ、電撃、回転、くすぐり、泥の中にドボン、氷漬けと、散々な目にあう遊矢。

一方の九庵堂は全問正解し、LPを更に増やしていた。



観戦する塾生達には、不正解続きの遊矢が受けたらしく、笑いながらもいつしか歓声が起きるように。

それに嫉妬する九庵堂。

勢い付いた遊矢がデュエルで反撃にでる。



笑わせるのと笑われるのでは、天と地ほども違う!とは第一話での権現坂の台詞ですが。

今回は笑われつつも、その無様な姿が自然と観客の心を掴んだようです。

コメディアンなら大げさにダメージを受ける演技もありますが、

演出を計算せず、素のままのリアクションで観客を引きつけたのなら、

それはエンターテイナーとしての天性の才能なのかもしれません。



遊矢はマジックて手札を入れ替え、ペンデュラム召喚へと繋ぐ。

ペンデュラム召喚した三体のモンスターで攻撃すれば、

九庵堂のクイズーモンキーと永続トラップ「ですが」のコンボを打ち破れるはず。

だが、九庵堂はスフィンクイズーの効果を発動させる。

フィールド上で最もレベルの高いモンスターを答えさせ、

正解なら遊矢のオッドアイズは破壊、その攻撃力分のダメージを受けて敗北。

不正解ならこのバトルは強制終了させられる。

遊矢にはわざと間違う選択しか無かった。



これでクイズーモンキーのクイズにも不正解となり、結局オッドアイズは破壊されてしまう。

リザードローの効果で手札を増やし、ターンエンドした遊矢はゴーグルを装着、

アクションカードに望みを託し、走り出す。



駆け出す遊矢にクイズーモンスターで攻撃を仕掛ける九庵堂。

遊矢はトラップを使い、バトルダメージを回避して、破壊された二体のモンスターを手札に。

九庵堂は速攻魔法でもう一度攻撃を可能にし、遊矢に止めを刺そうとする。

遊矢が手に入れたクイズアクションは、よりによって遊矢が苦手な数学の上級問題。

正解すれば5000のLPを回復できるが、不正解なら即敗北する事に。



遊矢はこのクイズに「わかりません」と言い、解答を放棄する。

自爆かと思われたが。

遊矢はトラップを発動し、5000の効果ダメージを九庵堂に跳ね返した。

不正解を逆手に取った遊矢の戦術に、観客達も驚嘆する。



「お楽しみはこれからだ!」のいつもの台詞から遊矢のエンタメモードが始まる。

ペンデュラム召喚で四体のモンスターを呼び出す遊矢に、九庵堂がトラップを発動。

またもクイズを仕掛け、不正解なら遊矢の場のモンスターは全て破壊される事に。

バトル開始時のモンスター数を問うクイズに遊矢が答えた直後、もう一枚のトラップを発動させ、

モンスターを手札に戻して遊矢を不正解に陥れる。

だが、遊矢の場にはオッドアイズが。

遊矢がトラップを使い、オッドアイズを破壊から守ったのだ。

さらにオッドアイズに対するモンスター効果やトラップを無効化し、

オッドアイズの攻撃でスフィンクイズーは破壊され、九庵堂は敗北する。



遊矢のデュエルを賞賛する塾長とニコ。

二人の健闘を讃え、会場から拍手が起きる。



このデュエルの勝者はどちらでしょう?と九庵堂を真似て、

逆にクイズを出してみせる遊矢の演出も面白いです。



その頃、素良は四勝目。

今度はチェスデュエル。

強力な融合召喚の反応を感知したという報告を聞き、「彼も順調に勝ち進んでいるようだな。」と呟く零児。

零児はこの強力な融合召喚の反応の原因が誰なのかを既に把握しているようです。

素良のデュエルを零児は見たことがないハズですが、素良がただ者では無い事がバレている?

零児は素良をどうするつもりなのか?





今回はクイズシーンを省略し、デュエルでの見せ場がしっかりあって、

前回のようなテンポの悪さもあまり感じません。

前回ほどの評判の悪さもなく。

二話構成だと、こうした差が出てきてしまうのかもしれません。



デュエルはコミュニケーションツールだと塾長が締めくくってましたが。

これで本当に遊矢が、デュエルでのコミュニケーションを学べたかどうかは少し疑問です。



デュエルでのコミュニケーションに関して、特に気になるのが、

人によっては主人公の独りよがりに見えてしまう、遊矢のあのデュエル中のエンタメショー。

これから本当の意味でのエンターテイメントを学び、成長していく為に、

あえて今はまだ未熟なエンタメの描写をしているのかもしれません。



クイズの問題はカードイラストに関するもの。

OCGプレイヤーにはお馴染みのカードが登場するのも楽しい仕掛けです。



フェルマーの最終定理を証明せよ、というのは、クイズの域を超えてます。(笑)

フェルマーの大定理を知らなくても、ネットで何でも調べられる時代ですから、

こういうマニアックな小ネタも活きてくるのかもしれません。



冒頭のニコ・スマイリーの「また、お会いしましたね!」は、

今は亡き有名な映画評論家、淀川長治さんの名フレーズですね。

声優さんも抑揚を上手く真似てくれてます。





作監:藤田正幸・岡昭彦・坪田慎太郎・佐藤道雄)

(脚本:広田光毅