遊戯王ARC-V  第18話

第18話「反逆の2つの影」



中島から、公式戦での遊矢勝利の報告を受ける赤馬零児。

遊矢のジュニアユース選手権特別枠への出場を許可したのも零児だった。

零児はデュエル協会にも影響力を持つのか?

特別枠での出場を断った遊矢を「流石はペンデュラムの始祖」と言い、褒めてます。



これまで度々登場した、市内の召喚反応を検知する場所は、「デュエル管制室」という場所らしい。

遊矢のペンデュラム召喚反応に変化がないと聞き、「では、まだ彼は・・・。」と言いかける零児。

対遊矢戦で「ペンデュラム召喚の更なる進化の可能性」を見たと言っていた零児ですが、

遊矢が自らの力でその進化を見いだす事を期待していたのかな。



中島は遊矢に関する事以外で、もう一つ気になる事があるという。

最近、舞網市内で強い融合召喚の反応があると。

それはLDSの生徒のものとは検出されるエネルギーの強さが違う、という・・・。



デュエル管制室では、デュエルで使われた召喚形式だけではなく、

その召喚が発するエネルギーも計測しているらしく。

召喚のエネルギー、とは一体?

デュエルの戦術的な強さとは別に、デュエリストの精神状態や個人の特殊な能力などが関係するのか?



例の倉庫前で、素良と融合の特訓をする柚子。

柚子が手札からマジック、融合を発動したものの、召喚に失敗。

なんと、融合モンスターをエクストラデッキではなくメインデッキに入れていたという、初歩的なミスだった。



その様子を影から見守る黒マスクの男。

腕組みをしながら、目をつむり、一体何を思っているのか・・・?

柚子の事が心配でここに居るのか、それとも素良の動向をうかがっているのか。



呆れる素良が、「またあいつの事考えてたんでしょ?」と、柚子の気持ちを言い当てる。

だからデュエルも上の空なんだ、と。

一瞬頬染めして目を逸らす柚子が、かわいい。



マスクの男について素良の質問に次々と答える柚子。



 素良 「それで心を奪われちゃったわけだ。」

 柚子 「なっ! あ、私はそんな!」



慌てる柚子の様子からすると、図星のようです。



あいつとデュエルしたかったと言う素良に、あの男とのデュエルは危険だと柚子は言う。

リアル・ソリッドビジョン・システムが作動しているアクションフィールド内ではないのに、

本物の爆風が生じた、あのデュエルの謎。



そして、男の「もう、君を傷つけたくない」の台詞を繰り返し思い出す柚子。

「なんで私にあんなこと・・・。」



それを影から聞いていたマスクの男は、何かを思い出していた。

そこは荒廃した世界。

「俺は・・・俺は・・もう誰も・・・誰も傷つけたくない。」



そこにバイクが現れ。

白いライディングスーツに、白いヘルメット。

ヘルメットに覆われていて、その素顔や髪型は確認できない。

このバイク、デュエルディスクが内臓されてる?

そして、このバイクの駆動音は、聞き覚えのある懐かしい音。

もしかして・・・5D'sに登場したDホイールなのか?????



バイクの男をにらみ付け、デュエルディスクを構えるマスク。

バイクは高所から飛び降り、マスクに向かってくる。

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンを召喚するマスク。

バイクの男も光輝くドラゴンらしきモンスターを召喚。

二体のドラゴンが衝突する!



そこにあの赤マスクが駆けつけ、バイクの男は舌打ちして去って行く。

赤マスクは「ルリは?」と問うが、黒マスクは無言で首を振るだけ。

回想が終わり、黒マスクは呟く。「ルリ・・・。」



ルリとは一体??

この回想を見る限り、黒マスクと赤マスクは仲間らしく。

バイクの男とは、その「ルリ」を巡って対立している?



この回、字幕を表示させると、

黒マスクが「ユート」、バイクの男が「ユーゴ」と表示されてます。

作中ではまだ名前が公表されてないにも関わらず、字幕で名前がバレてしまった事が

放送直後に騒がれていたようです。

(EDテロップで名前が明かされてしまう事も過去作にはありましたが。)



黒マスクの回想シーンの、あの荒廃した世界。建物に見覚えが・・・。

あのファンタジーな不思議な造形の建造物は、ゼアルの舞台、ハートランドのもの!

放送後、早速比較画像を作っている方がいました。確かに建物が同じです。



という事は、黒マスク達のいた場所は、ハートランド!?

これは遊矢達のいるこの世界とは違う世界?

何より、遊馬達が命がけで戦い守ってきたあの世界が、あんなに荒廃してしまっているのが、悲しい・・・。



ハートランドに一体、何があったのか?

あのバイクがDホイールだといしたら、遊馬達の世界にはシンクロはないハズですから、そこも矛盾しています。

黒マスクが以前発した「アカデミア」というものもゼアルの世界には存在しません。

と考えると、この荒廃は異世界からの侵攻の結果?



黒マスクが柚子を影から見守りながらルリという人物を想っている。

柚子はルリと何か関係があるのか?



黒マスクの言う「君を傷つけたくない」「誰も傷つけたくない」とは一体?

5D'sの十六夜アキのような、デュエルの衝撃を実体化させるサイコデュエリストで、

その力で誰かを傷つけてしまったのか?



その時、当然柚子のブレスレットが輝きだし。

直後に柚子達の前に遊矢が現れる。

物陰から見ていた黒マスクは姿を消し。

気がつくと、黒マスクはLDSのビルの近くにいた。

「また飛ばされた。」



近くに黒マスクが居た事を知らない柚子(素良はもしかしたら気配に気づいていたかもしれませんが)

からみると、遊矢が近づいてくるとブレスレットが光るように思えたかもしれません。

また飛ばされた、という事は、ブレスレットが光るたびに毎回黒マスクは別の場所に飛ばされていたのか。

この現象はこれで三度目ですが、「ブレスレットが光る」「遊矢が柚子の前にやって来る」

「柚子の近くに居た黒マスクが別の場所に飛ばされる」という三つの事が同時に起きるようです。



この現象の意味は一体・・・?

黒マスクはその理由を知っているのか?

この現象が続く限り、黒マスクは柚子の前で自分にそっくりなと遊矢に会う事は永遠にない?

遊矢と黒マスクが出会う事はないのか?

あの柚子のブレスレットは、二人を会わせない為の役割があるのか?

それは、なぜ?



謎は深まるばかりです。



LDS近くに飛ばされた黒マスクが爆音を聞き駆けつけると、そこでは赤マスクとティオがデュエルをしていた  。

赤マスクの男を見て、黒マスクが呟く。

「隼(しゅん)・・・。」



榊家の夕食に素良がちゃっかりいます。ここでも洋子を「お姉さん」などと呼び、媚びを売る素良。(笑)

明日のデュエルは頭脳戦になるからと、洋子が用意した夕飯は頭が良くなるミッチーのレシピ料理。

素良はイワシ料理にチョコソースを、さらにご飯に赤いソース(イチゴジャム??)をかけて食べ出す。

いくら甘党だからって、これは。(笑)

もしかして、素良は味覚がおかしいのかな。



遊矢が近づくとブレスレットが光るという柚子の話を、そんな事あるわけないと、遊矢は信じていません。

素良はまるで遊矢を見つけるセンサーみたいだ、と言っていますが・・・。

素良はこの不思議な現象の理由に何か心当たりがあるのか?



次の対戦相手に興味無いという素良は自信満々。

足下をすくわれるぞと忠告する遊矢に。

「遊矢こそ、あんまり余裕かましてたら柚子を他の誰かに取られちゃうかもよ。」



柚子がマスクの男に心奪われそうなのを知っている素良からの忠告。

素良は一応、遊矢と柚子の仲を応援してるのかな?



対する遊矢は。

「他の誰かって・・・。

 別にあいつ、俺の彼女じゃないし。」



柚子が心奪われる相手に心当たりがないから、危機感がないのかな?

黒マスクとの接触がない故に、柚子の置かれている複雑な状況や心境を、遊矢が理解できていないのが気になります。

柚子が他の誰かと仲良くする場面を目の当たりにしても、果たして遊矢は同じ事が言えるのか?

そういう場面に出会わないと、遊矢は自分の柚子への気持ちを自覚する事が出来ないのかもしれません。

いつも一緒に居るのが当たり前だから、自分にとってどれだけ大切な存在なのか気づきにくい。



この先、もしも遊矢が黒マスクと対面した時、

柚子の黒マスクへの気持ちを知ったとき、

柚子の気持ちが他の誰かに奪われてしまった時、

遊矢はどう反応し、柚子との関係がどう変化していくのか?

注目したい所です。



一方の柊家。

ブレスレットについて問いただす柚子に、修造は「お前が生まれたときから」していたものだと説明。

「どこの世界にブレスレットをはめて生まれてくる赤ちゃんがいるのよ!」と柚子は納得せず。

「いや、腕にはめてた訳じゃないけど。」とたじろぐ修造。

どうも修造の説明は歯切れが悪い。

何か隠している、と思われても仕方がありません。



修造は何を知っているのか?

ブレスレットの本当の由来は?

母親に聞けば分かりそうな気がしますが、今の所柚子の母親は登場していません。

母親のいない父子家庭なのかな?



異世界からきた黒マスクに「ルリ」という人物を思い出させる柚子。

もしかしたら柚子自身も、この世界の人間ではない可能性がある?

だとしたら、修造との血の繫がりはない?



素良に融合召喚を習うなら、なぜうちの遊勝塾でやらないのか?と問う修造。

「俺の熱血指導じゃ不満なのか?」

部屋に篭もってしまった柚子はそれに答えず。



「あーもう!なんであいつの顔がチラチラするのよ。」

「一日も早く融合召喚をマスターして強くならなきゃいけないのに。

 こんなんじゃ私・・・いつまでたっても遊勝塾の足手まとい。」



一度はブレスレットを投げ捨てようとするも、出来ず。

「どうしちゃったの?私・・・。」



柚子の焦り。

私が遊勝塾を守らなきゃ!と気負い過ぎているようにも見えます。

沢渡の時も、今度は私が遊矢を守る!と一人でアジトに乗り込んでいったり。

誰かを、何かを守ろうとするあまり、無茶をしてしまう性格のように思えます。



前作ゼアルのヒロインの小鳥や璃緒は、

誰かに守られる事を素直に受け入れられる子でしたが、柚子は違う様子。

守られるだけの存在になりたくない、足手まといは嫌、

自分も一緒に戦いたい、大切な人を自分の手で守りたい、と思う子のようです。

性格的には妹タイプではなく姉タイプなのかな?



柚子の心境が気になります。

「君を傷つけたくない」の言葉を繰り返し思い出し。

これまでは、ただ戸惑っている様にみえましたが。

今回ははっきりと、黒マスクを強く意識しているのが分かります!



「君を傷つけたくない」という言葉、身を挺して爆風から守ったその行動。

女の子ならドキドキしてもおかしくないシチュエーションです。

以前の素良の「遊矢の彼女」発言で照れる仕草をみると、今までは遊矢だけを意識していたように見えますが。

黒マスクの登場で、柚子の心もペンデュラムのように大きく揺れ動いている。



少年向けのアニメである遊戯王で、こうしたヒロインの心の揺れが描かれる事は珍しいですね。

普通なら、作中で出会ったヒロインもしくは幼馴染みは主人公一筋というのが定番です。

それが危うくなるという、恋愛方面で意外な展開を持ってきたアークファイブは、なかなか侮れません。

柚子の気持ちがどう変わっていくのか、今後が気になります。



レオ・コーポレーションでも事件が。

スクールに届いた差出人不明の封書。中にはLDSのエースデュエリスト、ティオとマルコの姿が入ったカードが。

市内で強いエクシーズの召喚反応を感知した直後に、このカードが届いた事から、

ティオはカードに封印されたのだと零児は言う。



私もこの事例を実際に目にしたのは初めて、と零児は言っていますが。

他にも生きたまま人間がカードに封印された事例があったのか?

しかも、今の零児達にはティオを救う方法がないと言う。



さらに零児はある事に気づく。

エクシーズ絡みの事件は三度起きているのに、沢渡襲撃事件では誰もカードに封印されていない。

つまり、エクシーズ使いは二人いると推測していた。

情報を整理して推測する、零児の推理力はアストラル並みですね。



零児と日美香が会話している所に、沢渡シンゴの父、沢渡議員が乱入。

沢渡襲撃の犯人が遊矢だと今も信じている沢渡議員は、はやく遊矢を捕らえろと零児に迫る。



被害者のシンゴ自身は勿論、零児も遊矢が犯人ではないと今は理解しているのだが。

シンゴは父親にその事を話していない様子。

退院してから息子に会ってないと言うから、普段からコミュニケーションが取れている親子ではなさそう。

シンゴは都合のいい時だけ父に泣きついて利用するのかな。



真犯人は必ず我々が捕まえると、零児は沢渡議員を説得。

零児の気迫に圧され、渋々退散する議員。

これはかなり厄介な事になってきました。



ティオとマルコのカードの分析を中島に指示する零児が言う。

「二人を・・・いや、全てのデュエリストを救う手立てを見つける為に。」

全てのデュエリストを救う、とは一体?

そもそも、なぜLDSだけが狙われるのか?

狙われる理由に、零児と日美香は心当たりがある?

8話で日美香が言っていた「私たちの敵」と関係があるのか?



その頃、遊矢は次のデュエルに向けて移動中。

朝までクイズ番組を見て寝不足の様子。

LSDエリートの制服組をせっつく沢渡議員が、

偶然通りかかった遊矢を早く捕らえろと無茶を言い出し。

仕方なしに遊矢を追いかける制服組。

訳も分からず逃げる遊矢が逃げ込んだ路地裏には、あの赤マスクの男が。



制服組のLDSのバッチを見て、敵と認識した赤マスクが、デュエルディスクを構える。

場に三体のレイドラプターズ・バニシング・レイニアスを揃え、エクシーズ召喚。

召喚の衝撃で吹き飛ばされ、気を失う遊矢。

沢渡議員は目の前でカードに封印された制服組を見て、その場から逃げ出す。



遊矢がニコに起こされた時、そこには誰もいなかった。

夢だったのか?と疑問に思いながらデュエルへと向かう。



これまた厄介な事態に。

沢渡議員からみたら、遊矢はエクシーズ事件の犯人の仲間に見えたはず。

沢渡議員がこの事を零児達に報告したら、零児はどう思うのか?

カードに封印された制服組三人のカードは風に舞ってどこかへいってしまいましたが、

誰かにちゃんと回収されたのかな?



そして遊矢。

これまで沢渡事件の犯人だと疑われたり。

柚子の様子がおかしかったり。

今回は直接事件を目の当たりにしているのに、本人は夢だと思っている。

一連のLDS襲撃事件とも関連はあるはずなのに、遊矢自身にはその自覚がありません。

ジュニアユース選手権出場を目指してデュエルに集中するべき時期ではあるのですが。

その間に遊矢の周囲では異世界をも巻き込んだ深刻な事態が進行している事に、気づいていない。

このままで大丈夫なのかな・・・?





作監:岩井優器・Noh Gil-bo)

(脚本:上代務