遊戯王ARC-V  第6話

第6話「無邪気な融合玩具(おもちゃ)デストーイ・シザー・ベアー」



続く素良と遊矢のデュエル。



素良が融合召喚したデストーイ・シザー・ベアーが、ヒッポを破壊。

シザー・ベアーは、破壊したモンスターを装備し攻撃力を上げるという、恐るべき効果を持っていた。



遊矢はソードフィッシュの効果を使い、シザー・ベアーの攻撃力を下げ、

オッドアイズでバトルを仕掛ける。

素良のトラップ、びっくり箱の発動は、時読みの魔術師の効果で防がれるが、

何と、素良は同じトラップをもう1枚伏せていた!



前回の沢渡とのデュエルを見ていた素良は、時読みの魔術師のペンデュラム効果を知っていて、

その対策を打ってきたのか。



二枚目のびっくり箱の効果で、アメンボードは墓地へ、オッドアイズの攻撃力は下がり、

バトルは無効にされてしまう。

さらに素良のターン、マジック、トイ・パレード効果で、

シザー・ベアーは装備モンスターの数だけ攻撃できるようになり。

破壊したモンスターを装備するシザー・ベアーの効果を合わせて、

シザー・ベアーは三回の連続攻撃を可能にしてしまう。

このコンボが決まれば、遊矢は敗北してしまう・・・。



コンボを阻止する為、遊矢はアクションカードを求めて走り出す。

だが、素良は軽々とした身のこなしで、アクションカードを遊矢より先に手に入れる。

遊矢はトラップでバトルを回避しようとするが、素良は手に入れたアクションカードで、このトラップを無効に。

バトルは成立し、オッドアイズは破壊されてしまう。



デュエルで追い詰められた時は、アクションカードが重要な役割を担うようです。

同時に、騎乗するモンスターの移動能力が、このアクションカードの奪取に関わる様子。

そうなると、デュエル序盤にどんなモンスターを召喚するかも大事な戦術になりそう。

ヒッポの俊敏さと、アクションカードを捜し出すのが得意という遊矢の長所を考えると、

遊矢はもともとアクションカードに頼る戦術なのかな。



オッドアイズが破壊され、酷く落ち込む遊矢。

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンは、

「遊矢が勇気ある一歩を踏み出した証、遊矢が生み出したペンデュラム召喚の象徴」だった。

ゴーグルを装着して、泣き顔を隠す遊矢。



胸のペンデュラムを握りしめ、遊矢が思い出したのは、父の言葉。

目尻に涙を湛えたまま、ゴーグルを外し、遊矢は笑い出す。



「(そうだ、心まで守備表示になってたら、楽しいデュエルなんかできるはずない!

 俺のモットーは、明るく楽しくエンタメるデュエル。

 俺が楽しくないデュエルで、人を楽しませる事なんかできない!)」



その時、デュエルディスクに反応が。

空のハズのエクストラには、なんとオッドアイズが!

破壊されたペンデュラムモンスターは、墓地には行かず、エクストラデッキに行くのだ。



予想外の展開に「面白い!面白いよ師匠!」と言い、はしゃぐ素良。

墓地にいないオッドアイズを、シザー・ベアは装備出来ず、コンボは不発に終わりターンエンド。



お楽しみはこれからだ!

遊矢がようやく笑顔に。



遊矢は、EMチアモールと、エクストラのオッドアイズをペンデュラム召喚。

ソードフィッシュの効果を使ってオッドアイズでシザー・ベアを破壊しても素良のLPを削りきれない。だが。

「それはどおっかな〜?」

おどけた遊矢の「それはどうかな」が発動。(笑)



チアモールの効果で、シザー・ベアの攻撃力はさらに下げられ、

ダメージを二倍にするオッドアイズの効果を合わせ、素良のLPは0に。



勝利した遊矢に、約束通り「師匠」呼びを止めた素良は、

今度は「遊矢」と名前呼びで、遊矢の友達になると言い出す。

遊勝塾に新たな仲間が加わった。







いろいろ分かってきて、面白くなってきました。



ひとつは、この世界における融合召喚の扱い。

シンクロ・エクシーズに並ぶ普通の召喚、ではなく、

今回の様子だと、とても珍しい召喚方法、という扱いのようです。

LDSのカリキュラムにある位だから、一般的なものだと思ってました。



素良が融合召喚しただけで、修造や柚子達の、あの驚きよう。

修造の言葉だと、最近LDSで教えるようになった、という位だから、

融合召喚の存在は知られているけど、一般的なデュエル塾ではあまり教えられてない、

かなりマイナーな召喚、という事かな?



さらに、素良が以前住んでいた所では融合召喚はマイナーではなく、「みんな普通にやってた」?

4話で遊矢に最初に挨拶した時も、「こっちに来てから」と素良は言ってましたが。

一体、どこから来たのか??



もしも今作で過去作との繫がりがあるとしたら、

素良がいた世界は、GXと関係のある世界なのかな?

この辺りの世界設定、いろいろ気になります。



今回のデュエルで見せた、素良の素早い身のこなし。

遊矢と初対面の時、沢渡達を気絶させた早技。

この辺りもただ者じゃない。

前回、アクションカードを取ろうとしてもたつき、遊矢に奪われるシーンがありましたが、

アレは演技だったのか???

遊矢を油断させる為に??



素良の性格も段々分かってきました。

前回は馴れ馴れしく、猫を被っているのかと思いましたが。

イヤミを言って相手を笑顔で煽ったり。

デュエルではやや残酷な言動も見られますが、本人は至って無邪気。

今の所、特に演技して騙しているという感じではありません。



それより驚いたのが、遊矢の反撃に対して、悔しがらず、楽しんでいる事。

ここで悔しがれば、イジワルな悪役と同じですが。

仕掛けたコンボが不発に終わっても「師匠、次のターン、楽しませてよね!」と言える辺り。

もしかしたら、「デュエルを楽しむ」才能は、遊矢よりも上かもしれません。

逆境でもデュエルを純粋に楽しめる所をみると、悪い子ではないように思えました。



敗北後も、落ち込む事なく。

遊矢への馴れ馴れしい態度は変わらず。

何となく憎めない感じがします。



融合召喚使いで、逆境でもデュエルを楽しめる所、少しGXの十代を思わせる要素です。



一方で、気になったのが、今回の遊矢。

素良にデュエルで押されただけで、表情が真剣になり、かなり余裕がない様子。

オッドアイズを破壊されてからは、泣いてしまったり。

特に仲間を人質に取られている訳でもなく、相手から酷く侮辱された訳でもなく。

エースモンスターが破壊され、デュエルで惨敗しそうになっただけで泣いてしまうとは。

これまでの主人公に比べると、かなり弱気な子のようです・・・・。



しかし、父の言葉を胸に、今回も自力で立ち上がってくれました。

自分がデュエルを楽しまなくては!という事にも、気付いてくれた様子。

これまでの遊矢の言動で、気になっていた部分です。

無理して泣くのを堪えて笑っても、遊矢本人がデュエルを楽しめなくては、人を楽しませる事など出来ない。

そこに気付いてくれて良かった。



遊矢の勝利を信じて「負けるな!遊矢兄ちゃん!」と声援を送ってくれたフトシの声にこそ、

遊矢は勇気をもらい、その声に真摯に応えなくてはならない。

真のエンターテイナーを目指すなら、そうなって欲しいと思いました。



観戦しているタツヤやフトシのやり取りが、上手く効果の説明になっていて、初心者にも親切な解説。

「破壊されたペンデュラムモンスターは、墓地には行かず、エクストラデッキに行く」という、

新ルールも、ここでお披露目。

これにより、オッドアイズは何度でも蘇るという事も判明しました。



予告の「ネオ沢渡」にツッコミが多かったようです。(笑)

アフレコ現場でも、この「ネオ沢渡」に総ツッコミをくらったとか。(アユ役の明坂聡美さんのツイッターより。)





終わり方も爽やかで、前作から続投の脚本家さんらしい気がしました。

「心まで守備表示」という表現が面白い。

修造の熱血の使い方もしっくりくる展開です。(笑)



遊矢の目が涼しい感じ。

手のアップでの演出。

チアモールの表情と仕草がかわいい。







作監:宍倉敏)

(脚本:雑破業