遊戯王ZEXAL II  第142話

第142話「最後の希望(さいごのきぼう)!!我は「ビヨンド」」



フィールドに七体のオーバーハンドレットを揃えたナッシュが、

これを素材に、CX(カオスエクシーズ) 冀望皇(きぼうおう)バリアンを召喚。

これこそ、真の七皇の力。



七皇の力を合わせ、バリアンの未来を導く。

その叶えられなかった夢を果たす為のデュエル。

冀望皇バリアンの七つのCORU(カオス・オーバーレイユニット)に、七皇の姿が重なる。



冀望皇バリアンの攻撃力は、CORUの数掛ける千ポイント。

遊馬はトラップを使い、七枚のカードをドロー。



冀望皇バリアンは、CORUを使用もしくはLPを400払い、

CORUとなっているCNo.(カオス・ナンバーズ)の効果を使える。

ただし、同じターンに二度同じ効果を選ぶ事は出来ない。

遊馬達はこのターン、七皇全てのカオス・オーバーハンドレットの効果を受けきらなければならない。



まずはCNo.107 ネオ・ギャラクシーアイズ・タキオン・ドラゴンの効果を使い、

全ての効果を無効化し、ターン開始時の状態に戻す、タイムタイラントで、

ホープの効果は無効化される。



次にCNo.102 ノーブル・デーモンの効果で、ホープの攻撃力はゼロ。

続いてCNo.103 ラグナ・インフィニティの効果で、ホープの変化した数値分の効果ダメージが。

遊馬は手札の永続トラップで、ダメージを防ぎ、冀望皇バリアンの攻撃を封じる。



ネオタキオンが「ターン開始時の状態に戻す」のはフィールド上だけで、

遊馬がトラップで既に引いた七枚の手札は戻さずそのまま、でよい様子。

その効果は手札にまでは及ばないというのは、カイトも利用した超時空龍の唯一の弱点ですね。



だが今度はCNo.106 ジャイアント・ハンド・レッドの効果で、遊馬の永続トラップは無効化。

CNo.105 カエストスの効果で、ホープは破壊されてしまう。

フィールのモンスターを失った遊馬を、冀望皇バリアンのダイレクトアタックが襲う。



遊馬は手札のガガガガーディアンを特殊召喚し、防ごうとするが、

ナッシュは更にCNo.104 アンブラルの効果を使って、ガガガガーディアンの特殊召喚を無効化、

遊馬は手札一枚を失い、LPを半減させられてしまう。



再び場がガラ空きとなった遊馬に、もう一度冀望皇バリアンのダイレクトアタック。

墓地の虹クリボーの効果で、これを防ぐ遊馬。

七皇の効果を何とか凌ぎきった遊馬だが、ナッシュはマジックでフィールドのマジック・トラップを全て破壊。

破壊したカードの枚数分、ドローする。



アストラルは、ナッシュがその効果を使う際、CORUを使わずに自らのライフを削る事に疑問を感じる。

冀望皇バリアンの攻撃力は維持できたが、その代償に払ったLPは大きい。

遊馬は、ナッシュの気持ちが分かる気がすると言う。

ナッシュは、CORUにある七皇の魂を、みんなとの絆を、必死に守ろうとしたのだ。

あいつはこのデュエルを、みんなと一緒に戦っているのだ、と。



 カオスの力を強力に使う奴らは、どこかその力に取り込まれちまってた。

 けど、あいつのカオスは全然違う。

 エナが言ってた。

 誰かを守りたい、誰かの為に生きていきたい。

 それはきっと、生きる力そのものなんだ。



その思いが、ナッシュにカオスの力を制御させている。

今の彼こそが、カオスの持つ最大限の可能性、だとアストラルは理解する。



バリアン世界を滅ぼす事に迷いを感じるアストラルに、

遊馬はどっちかひとつだけなんてあり得ねえ!と、

新たな可能性を模索する事を誓う。



意を決した二人がオーバーレイ!ゼアルとなる。

ナッシュとゼアルの闘志がぶつかり合ったその時、周囲に異変が。

デュエルの力が増大した事で、

バリアン世界と融合した地上と、アストラル世界の引き寄せ合う力が強まったのだ。

このままでは、デュエルの勝敗が決する前に、二つの世界が衝突し、全てが滅んでしまう?



その頃、世界の危機に怯える人々に、ハルトが呼びかける。

兄さんが命を賭けて未来を託した仲間が、今必死で戦っている。

だから、希望を、未来を諦めちゃダメだ!と。



ハルトの背後で、息子を静かに見守るフェイカーも、同じ思いでしょうか。

ハルトの隣には、オボミちゃんが。

オービタルの死を受け止め、ここに駆けつけたのかな。

委員長とキャットちゃんも、遊馬達を信じてます。



そして、人間界にいるトロンと、アストラル世界の一馬が通信を。



 トロン「一馬・・・一馬、聞こえるかい?」



 一馬「その声は、バイロンか!?」



 トロン「久しぶりだね。」



 一馬「ああ。あんたには礼を言う。

    君達家族が、遊馬を成長させてくれた。」



 トロン「それはこっちの台詞さ。

     遊馬のおかげで、僕は家族を取り戻せた。

     時間が無い、要点だけ言う。

     今、僕の息子達が希望を託した遊馬に、危機が迫っている。」



 一馬「分かっている。」



 トロン「三つの世界は今、同化しつつある。しかし、僕達ならば・・・・。」



 一馬「バイロン!」



 トロン「最後の力。遊馬達の為に使いたい。」



地上世界から飛び立ったトロンと、アストラル世界から飛び立った一馬が、

それぞれの世界の接近を押しとどめる。



 一馬「ここは俺達が食い止める!」



 トロン「見届けさせてもらうよ!君達の運命を!」



因縁のあるトロンと一馬。

二人が再び会話するとしたら、どんな事を話すのか?

気になっていました。



トロンにとって一馬は、フェイカーへの復讐を邪魔した遊馬の父親、ですが。

それが今は、一馬に感謝を述べている。



遊馬の危機、という事で一馬と力を合わせるトロン。

この戦いで犠牲になった息子達の事は、どう思っているんだろう・・・。

やっと取り戻した家族を再び失った事で、悲しんでいるはずなのに・・・・。

それでも、遊馬のせいで息子達が犠牲に!とは思っていないようです。

今のトロン(バイロン)は、憎しみから完全に解放されているんだな。



もしかしたら・・・。

息子達が元に戻る可能性があって、その事をトロンは知っているのかな??



ここで力を使う事で、トロンと一馬はどうなってしまうのか?

明言はされていませんが・・・。

トロンは「最後の力」と言っていますが、

これまでも最後と言いつつ、何度もその力を使っているので、信用ならず。

しかし、一馬の驚く様子をみると、やはりそれなりに代償を払う事になりそうです。

その代償とは、やはり二人の命もしくは魂、なのか?



三兄弟の活躍ばかりで、父親のトロンのその後が気になってましたが。

今回のトロン再登場は嬉しかったです。

一馬も、この非常時に、ただ傍観する事なく、ちゃんと息子のサポートをしてくれました。

一馬のこれまでの行動には、まだ謎が多いのですが。

無責任に息子に世界の命運を任せている訳ではないと思います。



デュエルを再開するゼアルが、シャイニング・ドロー。

マジックで、墓地のホープ特殊召喚

さらに、冀望皇バリアンから、ホープのランク分四つのCORUを取り除く。

しかし、ナッシュはトラップを使い、CORUを取り除く効果を無効化。

カードを一枚ドローし、LPを回復する。

これにより、ホープの攻撃力はゼロに。

CORUを守ったナッシュ。



ここで、ゼアルがRUM-アストラル・フォースを発動。

それは、エリファスから託されたカードだった。

ランクアップ・エクシーズチェンジで、No.39 希望皇ビヨンド・ザ・ホープが現れる!



相手のカード効果を受け付けないビヨンド・ザ・ホープで、冀望皇バリアンに攻撃。

攻撃中、冀望皇バリアンの攻撃力はゼロとなる。

しかし、ナッシュはトラップでこの攻撃を無効にしてしまう。

その効果の代償に、大ダメージを受けるナッシュ。

そうまでして、冀望皇バリアンを守ろうとするのか・・・。



ナッシュは冀望皇バリアンでホープに攻撃を仕掛ける。

遊馬はトラップで、ホープの攻撃力を上げるが、ナッシュはLPを払い、

ラグナ・インフィニティの効果で効果ダメージを狙う。

またも遊馬のトラップが効果ダメージを防ぎ、さらにホープの攻撃力を上げ。

遂に、冀望皇バリアンを破壊する。



冀望皇バリアンを打ち砕かれたナッシュが、叫ぶ。



 「どこまでも俺の・・・。

  俺達の夢を打ち砕く気かーーー!!

  遊馬!!アストラル!!」





このデュエル、ナッシュはただ勝つ為ではなく、七皇の仲間を守る為のデュエル、なんですね・・・。

最後、冀望皇バリアンを破壊された時のナッシュの叫びが、悲痛で切ない・・・。



身を削って七皇のオーバーハンドレットの効果を使うナッシュ。

各効果宣言時に、七皇それぞれの声と重なるのが、見ていて嬉しかったです。



余談ですが、この冀望皇バリアンの効果宣言時、他の七皇とナッシュの声が重なるシーン。

アフレコでは、ナッシュ以外の声を先に収録し、

後からナッシュ役の増田さんがそれに合わせて演技する形でアフレコが行われたようです。

(アリト役の比上さんのツイートより。)



5D'sでもクライマックスで、チームの仲間と一緒に召喚口上を叫ぶシーンがあったのを思い出します。

あれは嬉しかったな。

ゼアルの時に遊馬とアストラルの声が重なる時も、一緒に戦っている!と感じさせてくれて、

この演出は好きです。



ナッシュが守ろうとする、七皇の絆の中に、あれほど仲の悪かったベクターがちゃんと居ます。

前世でも今世でも敵対し、仲間を殺され、騙されて、散々酷い目に遭わされたのに、

それでもベクターは、ナッシュにとって七皇の仲間、なんだな・・・。

ベクターのあの最期を見届けたからこそ、仲間として受け入れる事ができたのでしょうか。



オーバーハンドレットが勢揃いし、さらに全員の効果が使われ、

まるでオーバーハンドレット祭り。

一方の遊馬も、歴代の五体のホープを束ねて、エリファスから託された力を使い、

新たな六体目のホープを呼ぶ。

という、デュエル的にも胸の熱くなる展開です。



CGでのモンスター達の動きや演出も、今回は特に見応えがあって、カッコ良かった。



ゼアルの反撃が始まるシーンのBGM、

SOUND DUEL4の「魂のデュエル」(通称アトランタルのテーマ)が流れて、盛り上がる。



作監:Lee Seok-in)

(脚本:吉田伸)