遊戯王ZEXAL II  第141話

第141話「混沌終焉 必殺のファイナル・ホープ剣・スラッシュ!!」



アビスとヌメロン・ドラゴンの効果が使用出来るようになったホープ

ドン・サウザンドの場には攻撃力10万のヌメロニアス・ヌメロニア。



まずはヌメロン・ドラゴンの効果を発動。

フィールド上のランクの合計分、ホープの攻撃力をアップ。

次にアビスの効果を使い、攻撃力を四倍に。

ホープの攻撃力がヌメロニアス・ヌメロニアを上回る。



しかし、ドン・サウザンドはヌメロニアス・ヌメロニアの効果を使い、

ホープの攻撃を無効にし、その攻撃力分LPを回復てしまう。

だが、ゼアルは諦めていない・・・・。



 ドン・サウザンド「分かったか?貴様等が何をしようが、神の力には及ばない。」



 ゼアル「それはどうかな。」



 ドン・サウザンド「何!?」 



 ゼアル「俺達の希望の光は、まだ消えちゃいない。」



ゼアルが速攻魔法。ダブル・アップ・チャンスを発動!

攻撃力20万4千となったホープの、必殺のファイナル・ホープ剣・スラッシュが

遂にヌメロニアス・ヌメロニアを打ち破り、ドン・サウザンドに勝利する。



ようやくドン・サウザンド戦に決着が。



ヌメロン・ドラゴンの効果発動宣言時、遊馬とカイトの声が重なり、

アビスの効果発動宣言は、遊馬とナッシュの声が重なり。

最後のホープの攻撃宣言は、三勇士とアストラル、四人の声が重なり。

四人が共に戦っている感じが出ていて、熱くなります。



「それはどうかな?」の台詞が!遂に発動した!

バトル無効化で、この台詞がきた時、もしや・・・と思いましたが。

伏せられていたのは、あのお馴染みのカード、ダブルアップ・チャンス!!

ここからの逆転劇は、懐かしいBGMも相まって、爽快でした。



勝利後、微笑みながら消えるカイトの姿。

死してなお、その魂は遊馬達と共に戦ってくれていた。

生きて、生身のままこの場に居ない事が悔やまれます。

その体は今も月にあるはずですが・・・・。

カイトはもう生きて帰ってくる事はないのかな・・・。



アストラル世界への次元の扉が閉じていく。

これでアストラル世界の危機は回避できたのか?



地上とバリアン世界の融合が止まる。

融合が「止まった」だけで、元には戻っていないのかな?

バリアン世界と地上世界を繋ぐ光の柱の一部として吸収された、

徳之助やアンナ達の魂は、解放されていない?

融合が止まっただけだとしたら、元に戻す方法はあるのか?



敗北したドン・サウザンドは笑いながら言う。



 我が滅びようと、まだ本当の呪いは解けていない。

 お前達はすぐにそれを知る事になる。

 カオスこそが、命の源。

 カオスは無限なのだ。



 ナッシュ、分かっておろうな?



意味深な言葉を残し、消え去るドン・サウザンド。

この言葉の意味は一体・・・。

ドン・サウザンドから飛び出したナンバーズは、ナッシュに吸収されていく。



ナッシュは、このナンバーズ、渡すわけにはいかない、と言う・・・。



異空間へと飛ばされる遊馬達。

目覚めると、そこはアストラル世界と、バリアン世界と融合した地上世界との狭間だった。



シャークの姿となったナッシュが現れ、説明する。

地上は完全にバリアン世界と融合した、と。



世界は救われていなかった。

やはりドン・サウザンドを倒しただけでは、融合は解けなかったのか。



ナッシュが言うには、今二つの世界は引き合っている。

このまま放っておけば、やがて二つの世界はぶつかり、

アストラル世界は滅びる、と。



シャークは、ドン・サウザンドの力を受け継いだのだ。

俺はバリアンの戦士、お前らの敵だと言うシャーク。



 全ての宇宙の魂がランクアップを目指して作られたのがアストラル世界。

 だが、その過程で出来の悪いものが切り捨てられてゆく。

 それがカオスであり、その力がバリアン世界を大きくしていった。



 言わば、俺達の世界は落ちこぼれの集まりさ。

 だがよ、俺はバリアン世界を見捨てる事はできねえ。



 あの世界にも、俺の仲間がいる。

 かけがいのない仲間が。



今更ですが、カオスとは、結局何なのか?

ドン・サウザンドは「カオスこそが命の源」だといい、

シャークは「出来の悪い」魂だといい。

エナは「誰かを守りたい」と願う心もカオスにに含まれていたと。

「自分の為に生きる欲望の力」だとも説明されていました。



「欲望の力」と考えればいいのかな?

悲しい死を遂げた七皇がバリアンに転生したのをみると、

恨みや憎しみ、悲しみもカオスの力、のように思えます。

エリファスから見ると、遊馬の友を思う心もカオスだと。



かつてのアストラル世界は、魂のランクアップの為に、

生きようとする欲望の力、恨みや憎しみの感情と共に、

友を思う心、誰かを守りたいという思いも、全て捨てようとしていた、

という事になります。



全ての執着を捨てる、という考え方は仏教的かな。

しかし、家族や友を思う心まで無くしてしまっては、人間的ではなくなってしまうように思えます。

だから遊馬は、カオスと戦い、共存する事を選んだのかな。



アストラルの使命は、バリアン世界を滅ぼすこと。

遊馬は、二つの世界が一緒に生き残る道だってきっとある!と言う。

だが、アストラルとシャークによれば、それはあり得ない、と。

二つの世界が一緒になれば、力の弱くなったアストラル世界は、消滅してしまう。

もはや、どちらかが生き残る道しか残されてない。



アストラル世界とバリアン世界、二つの世界が共存出来る可能性はないのか?

或いは、ヌメロン・コードの力を使う事が出来れば・・・。

と、考えていたのですが。それは出来ない??



今、二つの世界は引き合っている。これを止める事は出来ないのか?

25話の総集編回で、Dr.フェイカーは、二つの世界が近付きつつある、と言っていました。

二つの世界が引き寄せ合う現象は、WDC前から起こっていたのかもしれません。



ヌメロン・コードで、二つの世界が引き合うのを止める事さえ出来れば・・・と思うのですが、

過去・現在を書き換えずに、今起こっている現象だけを変えるような、

都合のいい使い方は出来ないのかもしれません。



シャークとの対立を拒む遊馬は、

シャークはまだドン・サウザンドの呪いが解けてないだけだ!と言うが。



 確かに、奴の呪いかもしれない。

 だが、この呪いは絶対解けない!



 ドン・サウザンドは七皇の人生に干渉し、その記憶を改ざんした。

 だが、俺には何もしなかった。

 それは、俺に関わる人間を操作して、俺自身の意志でバリアンの道を歩むように仕向けたからだ。



 俺が自分の意志で選んだ道なら、俺は絶対にその道を突き進む。

 例え、お前達との友情が立ちはだかろうと、決してバリアンを見捨てない!



 奴が言った、本当の呪い、

 それは、俺の存在そのものなんだよ。



冒頭で敗北したドン・サウザンドが言っていた、

「我が滅びようと、まだ本当の呪いは解けていない。お前達はすぐにそれを知る事になる。」

とは、この事だったのか・・・・。



七皇それぞれの人生に干渉し、記憶を改ざんしたのに、

ナッシュにだけはそれが無かった、というのは衝撃の事実でした。

ナッシュ自身が自分でその道を選択するように仕向けた、とは・・・。



いつか呪いが解け、真実を知った七皇が寝返るリスクを考慮し、

最も力の強いナッシュにのみは干渉も改ざんもせず、

何があっても寝返る事がないように仕組んだのは、ドン・サウザンドの見事な策略だと思えます。



自分の意志で選んだ道なら、絶対にその道を突き進む、その意志の強さ。

仲間を見捨てられない優しさ。

そういったナッシュの性格も、ドン・サウザンドは利用したのでしょう。



強制的に押しつけるんのではなく、相手に自由に選ばせておいて、

実際は相手の思考・性格を全て把握した上で、

特定のルートを自分で選ぶよう仕向ける、この方法は本当に上手いと思いました。



全てドン・サウザンドの手の上で踊らされていた事を知った時のナッシュの気持ちを思うと、

何ともやりきれない気持ちになります。



もしもナッシュにも干渉と改ざんがあったなら、ここでのシャークの選択も違っていた。

もしかしたら、ドン・サウザンドは自分が敗北する可能性も見越していた、のかもしれません・・・。



決着をつけよう、と言うシャーク。

戸惑う遊馬に、デュエルの中で答えを見つけ出すのだ、とアストラルは説得する。

遂に、遊馬とシャークのデュエルが始まる。



先攻のナッシュが、早速ダーク・ナイトを召喚。

さらに召喚したドッペル・シャークをダーク・ナイトへと変え、

毎ターン、ダイレクトアタックを可能にする。

マジックを使い、場の二体のダーク・ナイトを攻撃と破壊から守る、鉄壁の体勢。



このデュエルで本当に答えを見つけ出す事が出来るのか?

迷う遊馬に、アストラルが一つの可能性を伝える。



 遊馬、全ての問題を解決する方法がある。

 ヌメロン・コードだ。



 このデュエルの勝者は、過去も未来も、全て書き換える事が出来る

 ヌメロン・コードの所有者となる。



今まで起こった事を全て無に戻して、全部の歴史を書き換える事が出来ると言う。

だが、遊馬はそれを否定した。



 確かに、ヌメロン・コードの力を使えば、

 この戦いで散っていった仲間を救う事が出来るかもしれねえ。



 でも、アストラル、それって俺達の本当の未来なのかな?

 どんなに辛くても苦しくても、逃げ出さずに必死になって戦ってきた、

 その一瞬一瞬の積み重ねに、俺達の未来があるんじゃねえのか?



 そうだよ、そんなものは、

 俺達が戦って掴んできた未来じゃねえ!



アストラルは遊馬のその言葉を聞き、同意する。

そんなものには何の価値もない、と。



予想通り、ヌメロン・コードには全てを解決する力があるようです。

ですが、その為には、目前のシャークをデュエルで倒し、ナンバーズを回収しなければならない。

敗北したシャークは、死んでしまうのか?

そうなると、一度死んで、ヌメロン・コードで書き換えた世界でもう一度生きる事に?

さらに、全てを解決する事は、今まで起こった事を全て無に戻す事と引き替えになる。

これは遊馬の言う通り、それまでの積み重ねも全て否定する事になってしまう・・・。



この選択も難しいな・・・。

犠牲になった仲間達を蘇らせる事は出来るが、これまでの記憶や絆を失うか?

死んでいった仲間達は戻らないが、自分の中にある仲間達との記憶と絆を大事にして生き続けるか?

遊馬は、後者を選んだようです。



今まで起こった事を全て無に戻す、という選択は、

もしかしたらアストラルとの出会いさえも無くなってしまうのか?

そうなると、アストラルと友情を育み、一緒に成長してきた自分をも否定する事になる?



遊馬は、ヌメロン・コードによる過去の書き換えによる解決を、否定しました。

安易な書き換えに頼らない、その選択も見事だと思います。



昔プレイしたゲームに、世界の危機を救う事は出来たが、

その代償に、時間が巻き戻され、一緒に戦ってきた仲間との記憶を失う、という結末がありました。

仲間達が生きていてくれるなら、たとえ記憶や絆を失っても、また新しい絆を最初から築いていけばいい。

それは、今の絆とは違う形になるかもしれませんが。

遊馬とは逆の、そういう選択があってもいいかなと、個人的には思いました。



以前の私なら迷わずヌメロン・コードを使っただろう、

しかし、今の私には、分からないのだ、と言うアストラル。

アストラルも、やはり迷っている?

このデュエルで答えを見つけ出す事ができるハズだと言うアストラルの言葉に、

遊馬も意を決する。



遊馬はNo.11 ビッグアイを召喚し、その効果でダーク・ナイトのコントロールを奪い、

ナッシュの場に残るもう一体のダーク・ナイトを自身のCORUに変える。

場のモンスターを失ったナッシュに、ダーク・ナイトのダイレクトアタックが決まる。



だが、遊馬の戦術を見通していたナッシュ。

これは、七皇のナンバーズを揃える為の痛み、だと言う。



ナッシュはトラップを発動させ、

CNo.102 ノーブル・デーモンとCNo.103 ラグナ・インフィニティを特殊召喚

ナッシュのターン、バトルで遊馬の場のビッグアイとダーク・ナイトを破壊し、

ナッシュの場に、ダーク・ナイトが復活、LPを回復する。

ダーク・ナイトのダイレクトアタックを、手札のガガガガードナーで凌ぐ遊馬。



遊馬はホープを召喚し、装備魔法の効果と合わせて、

シャークの場の三体のオーバーハンドレットを破壊する。

しかし、それすら想定内だというナッシュ。



ナッシュはトラップで、破壊された三体のオーバーハンドレットを復活させ、

さらに、遊馬の場に三体のオーバーハンドレット、

CNo.104 アンブラル、CNo.105 カエストス、CNo.106 ジャイアント・ハンド・レッド

特殊召喚する。



さらにナッシュのターン、マジックで更なるオーバーハンドレットを召喚。

CNo.107 ネオ・ギャラクシーアイズ・タキオン・ドラゴンが現れる。

これで、両者のフィールドを合わせて、七皇全てのオーバーハンドレットが揃う事に。

ナッシュは、何をしようとしているのか?



トラップ、七皇の双璧のイラストが、ノーブル・デーモンとラグナ・インフィニティ。

攻撃宣言前に、ドルベとメラグの名を口にしたり。

ナッシュにとって、特にこの二人との絆の強かった事を物語っています。



ことごとく、遊馬の戦術を見通していたかのようなナッシュの発言。

そういった所に、昔のシャークのデュエルを思い出させます。



本当は、遊馬もアストラルも、ナッシュとのデュエルを望んではいない。

それなのに、この対決を回避する方法がなく、デュエルせざるを得ない。

残酷な展開です。

だが、二人とも迷い、悩みながら、このデュエルで答えを見いだそうとしています。

いつだったデュエルか彼らを導いてきた。



時空竜はヌメロン・ドラゴンの為に消えたのかと思ってましたが、

今回の登場を見ると、失われた訳ではなかったのか。

ミザエルがドン・サウザンドとのデュエルで時空竜を使わなかったのは、

自らの意志でドン・サウザンドの呪いである時空竜と決別したから、かな?



この二人のデュエルで、三つの世界と仲間達の為に、三人それぞれがどんな答えを見いだし、選択するのか?

全てを解決する方法は果たしてあるのか?

全く結末が予想出来ません。



代償に大切なものを失うという扉との契約、

遊馬の両親、一馬と未来の事、

この世界にシンクロ召喚が存在しない理由、

他にもまだまだ明かされてない謎が多い。

残り話数はわずかですが、最終回までに全ての謎が明かされるのか?

そんな事も気になりました。





遊馬の顔が眉間が広めで、特徴的。

翻り渦を巻くナッシュのマント。

デュエル中の大きいアクション。



作監:宍倉敏)

(脚本:吉田伸)