遊戯王ZEXAL II  第131話

第131話「ベクターの嘲笑 引き裂かれた七皇(ななこう)!!」



ナッシュはどこかに捕らえられていた。

その目の前に、ベクターとドルベ、メラグが映し出される。



こうして捕らわれたままのナッシュも、ベクターとドン・サウザンドの陰謀に気付くんですね。

しかし、捕らえたナッシュに、なぜこの映像を見せ、真実を明かしてしまうのか?

ナッシュももう用済み?



ベクターがドン・サウザンドを自分の中に蘇らせていた。

ベクターの中から現れたドン・サウザンドは言う。

我の僕よ、時は来た。今こそ我が糧となり、我が力となるがよい。

それを聞いたドルベが問う。

あなたがバリアンの神ならば、なぜ我らを??と。

バリアン世界の神であるドン・サウザンドに、まだ敬意を持っているかのような口調です。



それがそなたらのさだめだからだ、

我が復活するための力となるために選ばれた魂。それが七皇。



真実を知らされ、驚愕するドルベとメラグ。

ベクターだけは、ドン・サウザンドと一体となり、他の七皇とは違うと。

「俺は・・・神だ!」とまで言い出す。



ベクターは自分だけは特別だと思い込んでいるようですが。

本当にそうなのか?ベクターもドン・サウザンドに利用されているだけではないのか?

他の七皇の力を吸収した後、ベクターも同じようにドン・サウザンドの力の糧にされてしまうのでは?

そうなった時、ベクターはどうするのか?



ここは私に任せて逃げろ!とメラグを促すドルベ。

いつもの物腰からしてそうですが、紳士ですね。



この事態を他の仲間に知らせるんだ!とドルベは言うが。

復活してからのアリトとギラグは、ずっとベクターの手駒だったことが明かされる。

そして、アリトの寝返りも。



となると、メラグ達は、ギラグを頼れない。

ミザエルは月に向かっている。

ナッシュと連絡を取るか、

遊馬側に寝返ったアリトと合流して協力を頼むか・・・・?



遊馬とアリトがバリアン世界に向かっているという。

それを知ったナッシュは、何を思うのか??

遊馬との友情を切り捨て、IVをその手で葬ってまで戦ってきたのに、

全てドン・サウザンドに利用されていたと分かったら・・・・。

こんな悲惨な事はない。

この状況で、今更、ドン・サウザンドを倒す為に遊馬達と協力する、という訳にもいきません。



バリアン世界の魂を背負う者として覚悟を決め、遊馬を裏切ったのに。

もしも、バリアン世界の魂を背負うよう仕向けたのも、全部ドン・サウザンドの仕業だったとしたら・・・?

前世からドン・サウザンドに翻弄され続けたナッシュと凌牙の人生が、悲惨に思えます・・・。



ナッシュが今どこに居るのかについては、ベクターは二人に明かしていません。

これも何か思惑があっての事なのか?



バリアンの姿となったベクターと、ドルベ、メラグのデュエルが始まる。



ドルベとメラグがタッグを組む、という状況は、意外でした。

今まであまり絡む事のなかった二人ですが。

ナッシュの為、バリアン世界の為、という思いは共通しています。

タッグデュエルでは、タッグを組む二人の絆と連携が試される。

二人はどんな連携を見せるのか?



バトルロイヤル形式でデュエルが始まる。

この場合、ハンデは無しでいいのかな?



  「ふははははっー!きちゃったぜー!お楽しみのカードがなあ!!」



ベクターのハイテンションな台詞が、相変わらず面白い。



ベクターはドローした永続魔法、ドン・サウザンドの玉座を、なんと自分に装備するという。

頭部以外形状が、ドン・サウザンドの様に変わっています。

背中の翼の形は残っていますが、

胸にはドン・サウザンドと同じ大きな一つ目。手足から生える触手も異様です。



ベクターが召喚したのは、なんとNo.96 ブラック・ミスト。

その真の姿を見せつけ、これが一度はアストラルを葬ったNo.96だと言う。

メラグは璃緒として、ベクターの遺跡でNo.96に一度会ってますね。

ドルベは初対面か。



アストラルと差し違えたNo.96の力をベクターは吸収していた。

今のNo.96は、黒いアストラルに似た姿ですが、文字通り、まるで操り人形のようです。

もう以前のような自我は残っていないのか?

もしもベクターに敗北し、食わてしまったら、二人もこの姿になってしまうのか?



メラグはNo.103 神葬零嬢 ラグナ・ゼロを召喚。



それをみたベクター

「う〜ん。早速かわいこちゃんのお出ましか!」などと煽ります。

このベクターのふざけ具合が憎たらしくも楽しい。(笑)



ドルベはNo.102 光天使(ホーリーライトニング)グローリアス・ヘイローを召喚。

その効果でブラック・ミストの効果を無効化し、攻撃力を下げ、

同時にメラグがラグナ・ゼロの効果を発動し、ブラック・ミストを破壊する。

さらに、ドルベは速攻魔法で、ベクターにダメージを与える。



二人のナンバーズに、こんな連携できる効果があったとは。

デッキ的にも、二人の性格的にも、相性が良いのでしょうか。

バトルロイヤル形式だから、二人で同時に効果を発動する連携が見られるのも、楽しい。



ドルベのターン終了宣言間際、ベクターがトラップを発動し、

墓地からNo.45 魂魄傀儡鬼ソウル・マリオネッターを召喚し、墓地のブラック・ミストを装備。

そしてここで、ドン・サウザンドの玉座の効果が発動し、ダメージを受けたターン、

ベクターのLPが回復してしまう。

これでは、ベクターは不死身に?



それと同時に、囚われのナッシュが苦しむ。

  ベクター「(ナッシュ、ごちそうさま〜。)」

ベクターはナッシュのエネルギーを吸収しし、自分のLPを回復していた。



その事実を、ドルベとメラグは知らない・・・。

知らせれば、攻撃をためらわせ、ベクターに有利な気がしますが。

なぜベクターはナッシュの事を明かさない?

ナッシュの力を吸収し、弱らせている?

先にナッシュの力を吸収して、二人を倒す力を得ようという事か?



ソウル・マリオネッターはベクターが回復したLP分だけ攻撃力を上げ、

さらに、その数値分のダメージを相手に与える。

自分にダメージを与えたメラグに、仕返しするベクター

メラグはダメージを受けながらも、気丈にも立ち上がる。



ベクターは攻撃力の低いソウル・マリオネッターでグローリアス・ヘイローに攻撃を仕掛ける。

ナンバーズを装備したソウル・マリオネッターはバトルでは破壊されず。

さらに速攻魔法で自分自身に追加ダメージを与える。

再びドン・サウザンドの玉座とソウル・マリオネッターの効果を使い、

ベクターはナッシュのエネルギーを吸収してLPを回復。

ソウル・マリオネッターはさらに攻撃力を上げ、

またメラグへと大ダメージを与える。



ダメージを与える相手はベクターがドルベとメラグ、どちらも自由に選べるようですが。

あえて続けてメラグにダメージを与え、メラグの苦しむ姿を見て喜ぶベクター



 「いいザマだぁ〜!いつもお高くとまってるお前が、ズタボロだぁ〜!」



メラグの高慢な態度が、ベクターは気に入らなかったんですね。

メラグからしたら、特に前世の記憶を取り戻している今なら、ベクターにそうした態度をとるのも無理はない。



メラグに駆け寄るドルベ。

だが、メラグはそれでも立ち上がる。

その鋭い眼光を見て、いつもの調子でベクターがはしゃぐ。



  「いいよ、その調子!その目だよその目!いたぶり甲斐があるってもんだ!」



サルガッソ戦の時も、過去にナッシュと石版デュエルした時も、

相手の苦しむ姿を見るのを、何より喜ぶ、このベクターの残虐性。



同時に、この光景を見ているナッシュも、激しい怒りを見せる。

メラグの事をなにより大事に思い、前世でも今世でも守ってきた者を、

こんなにいたぶられて・・・。

ナッシュがベクターに怒りの制裁を食らわせる日は来るのか?



ベクターはさらに、かつてナッシュとメラグを殺したのは自分だと白状する。



 「今明かされる衝撃の真実〜!ジャンジャジャ〜ン!」



この台詞も、サルガッソ戦以来ですね。

ベクターはこういう白々しい自己演出が好きだな。(笑)



回想シーン。

崖に追いやられ、メラグの首を掴んで人質にとるベクター

追い詰めるナッシュ。



メラグは自分に構わずベクターを!とナッシュに止めを促すが。

ベクターは切羽詰まっている様子。



  「けっ!ふざけやがって!むかつく!むかつくぜテメエら!!

   こうなったら、てめえの妹を地獄へ送ってやるよ!」



どうしてこの状況になったのか?詳しい解説はありませんが。

前世での記憶が無くとも、ベクターはナッシュ・メラグを快く思ってなかった様です。

推測するに、何かベクターの悪事が露見し、ナッシュにその罪を問われたベクターが、

メラグを人質にとって逃げた?とかなのか?



ベクターがメラグをナッシュの妹と言っています。

バリアンに家族や兄弟の関係や概念があるのかどうか謎でしたが、

前世での記憶がないままバリアン世界に生まれ変わったナッシュとメラグの関係は、

前世同様、兄妹だったんですね。



ベクターはトラップを発動させ、一度入ったら二度と出られない黒い渦を崖下に起こし、

そこにメラグを放り込む。

メラグを助けようと、後を追って崖から飛び降りるナッシュ。

二人が手を取り合い、飲み込まれた渦の先でみたものは。



水中で、アビスが二人を迎える。



  アビス「お迎えにあがりました、我らが王よ。」

     「私はアビス。あなたに仕え、あなたを助ける者。」



     「あなたたちの魂は、人間世界で新たな器を見いだすことでしょう。」

     「ただし、これまでの記憶は全て失われます。

      そして、王が再び私と相まみえた時、その記憶を・・・。」



アビスの言葉を信じ、人間世界へと旅立つ二人の魂。



病院でベットに横たわる二人の子供。

モニターは反応を示さず、死んでいる様子。

しかし、二人は生き返り、意識を取り戻す。



これは神代一家がクラゲ先輩の事故に巻き込まれた時の事か。

両親は死に、幼い兄妹も死に。

報道では一家は全員死んだと報じたのでしょうか?

クラゲ先輩は兄妹が生き返った事を知りませんでした。



兄妹は一度事故で死に、ナッシュとメラグの魂を得て、生き返った。

バリアンでの記憶を失い、神代凌牙と璃緒の記憶をそのまま肉体ごと引き継いで。



神代家の屋敷に、ポセイドン王国の紋章のモニュメントがあったのも、

神代兄妹の両親が、アビスとクリスタルゼロに似ているのも、

何か関係がありそうです。

王家の血筋を後世に残し、その末裔が、

後の二人の魂の器となるよう準備したのは、

ポセイドン王国の守り神であるアビスの力なのか?



回想が終わり。

なぜそんな事を!?と問うドルベに、

気に入らなかったからだよ、と正直に答えるベクター

最初からベクターはナッシュの事が全て気に入らなかった、と。



どうしてそんなにナッシュが気に入らないのか?

その理由は、ベクター本人も気付いていないのか?

前世での因縁を考えると、ベクターとナッシュがお互い相容れないのも当然なのですが。

当時の二人はバリアンになる前の、人間だった頃の記憶がありません。

それでも、お互いに感じるものがあったのだと思いますが・・・。



七皇を作ったのがドン・サウザンドなら、わざわざ因縁の三人を七皇にしたのも、

何か思惑があったのか?

もしくは、ベクターが二人を殺す事も、ドン・サウザンドの計画の内だったのか?



続くベクターの語り。



  けどよ?俺も最初は我慢したんだぜ〜?

  いくら気に入らないからって、いきなり殺すのは良くないってー。

  だからポイント制にしたのさ。



  ナッシュが俺をムカつかせる度に1ポイント!

  それが1億ポイント貯まったらぁ〜?

  ぶっ殺す!!

  それまでは我慢だ。



  奴が何か言う度に1ポイント。

  奴が何かする度に1ポイントってやったらぁ〜!

  あらまびっくり〜〜〜!

  とうとうたまっちゃったんだよ、1億ポイントが!



ポイント制の説明をし出すベクターが、得意げで楽しそうです。(笑)

あらまびっくり〜〜〜!の時のおどけた表情と演技。



それを俯いて肩を震わせながら聞くメラグの怒り。



  「バリアンとしての記憶が蘇り、その使命を知ったとき、

   ナッシュがどれ程苦しんだか!!」



メラグの怒りは、自分達を殺した事よりも、

運命に翻弄され苦しんだ兄の事で、でした。

璃緒だった頃と何も変わらない。

いつも大切なのは、兄の事。



メラグの怒りが遂に爆発する!!



メラグがCNo.103 神葬零嬢ラグナ・インフィニティを召喚。



  「ベクター、今度は私がお前を、

   二度と生きて帰れぬよう、氷付けにしてやる・・・!!」



メラグが璃緒と同じ性格をしているなら・・・。

怒らせた璃緒が恐ろしかったように、

メラグの怒りは猛威を振るうはず?

「氷付けにしてやる」と、口調も変わった所に、璃緒らしさを感じます。

璃緒が初めてデュエルした時に明かされた性質、「怒らせると怖い」の設定が、

今もこうして生きているのが、嬉しいです。



その頃、遊馬達の飛行船を巨大な手が阻む。

ジャイアントハンドと共に現れた、ギラグが立ちはだかる。



こちらもデュエルになるのか?

七皇をドン・サウザンドの呪縛から解き放つ方法は既に分かっています。

ここは、ギラグと仲の良かったアリトにも、説得に協力して欲しい所です。

果たして、ギラグもアリトのように元に戻す事が出来るのか?

あと、正気を取り戻したら、ギラグとアリトに、真月の正体と、

二人がベクターに利用された事も気付いてくれるかな・・・?





今回もベクターの演技が面白かったです。

「今明かされる衝撃の真実〜!」の後の、メラグに語る時の、

あのふざけた口調。

こんなにベクターが調子に乗ってるのは、サルガッソ戦以来かな。(笑)



ドルベ役の平川大輔さんのあまりの発音の良さに話題となりネタにされた、

ホーリーライトニング・ブックスが再登場し、その名を呼ばれたのが嬉しい。(笑)

ベクターの「むかつくぜテメエら!!」という台詞に、IVを思い出してしまいました。



いつもの牧内さんらしい、特徴的なキャラ顔。



作監:牧内ももこ)

(脚本:雑破業