遊戯王ZEXAL II  第132話

第132話「我が身を盾に!ドルベ最後の誓い!!」



ベクターに一度殺された事実を知り、怒りに燃えるメラグ。



 メラグ「覚悟しなさい!

     このターンでお前のライフを、全て削り取ってやるわ!」



同じくベクターの裏切りに憤るドルベに、メラグは言う。

ベクターは必ずこの私が地獄に送ってみせる。

後のことはお願い、と。



メラグは覚悟を決めていた。



二枚のマジックでソウル・マリオネッターの攻撃力を下げ、

ラグナ・インフィニティの効果でベクターにダメージを与える。

しかし、このままラグナ・インフィニティでソウル・マリオネッターを攻撃しても、

ベクターのLPを削りきる事はできないとベクターは言うが。



  メラグ「それはどうかしら?」



定番台詞が来ました!

79話の璃緒初デュエル披露回では「そうかしら?」の台詞はありましたが。

(璃緒時代も含めて)メラグがこの台詞を言うのは、もしかして初めて?



先に発動したマジックのもう一つの効果で、

ラグナ・インフィニティは二回の攻撃を可能にする!



まずは私の分!

一回目のラグナ・インフィニティの攻撃がソウル・マリオネッターを襲う。

ナンバーズを装備したソウル・マリオネッターは破壊されず、ダメージを受けるベクター

さあ、今度はナッシュの分!

二度目のラグナ・インフィニティの攻撃を仕掛けた時、

ベクターは永続トラップ、ダメージ・ポットを発動し、ダメージを無効にして凌いでしまう。



ターンを凌いだベクターは、また、ドン・サウザンドの玉座の効果でLPを回復。

ソウル・マリオネッターの攻撃力を上げ、このターンに受けたダメージをメラグに返そうとするが。

その時、ドン・サウザンドが効果の発動を制止する。



攻撃力が変化すれば、変化した数値分のダメージを相手に与える

ラグナ・インフィニティの効果が発動する。

それだけなら回復した今のベクターのLPが削りきられる心配は無いが・・・。

先に発動したメラグのマジック、ディストーション・クリスタルの、攻撃力の変化が倍になる効果で、

ベクターの受けるダメージは二倍に・・・。



ベクターはその事を失念していた??

ドン・サウザンドのアドバイスが無ければ、負けていたのかもしれません。

賢いようで、意外と抜けているのか?



しかし、一旦ソウル・マリオネッターの効果を発動すれば、

メラグも同時にダメージを受ける事に。

メラグはやはり、相討ちを狙っていたのだ。



ベクターはソウル・マリオネッターの効果を発動せず。



  メラグ「無敵と思われたお前のコンボは破られた。

      いくら神を気取ったところで、お前の力は、その程度・・・。」



  ベクター「うるせえ!!

       虫けらの分際で、知った風な口を利くんじゃねえ!」



  メラグ「ふっ、負け惜しみを。」



今まで調子に乗っていたベクターが、逆にメラグに煽られて、ムキになってます。(笑)

しかも、上手く言い返せていない、月並みな台詞です。

そういう所が、子供っぽくて、面白い。



  ベクター「だったらよ!見せてやるよ、てめえらに!

       またまた明かされる、衝撃の真じっつ〜!

       ジャジャジャジャ〜ン!」



「ジャンジャジャーン!」とか、こう言う擬音での表現がベクターは好きですね。(笑)



今までドン・サウザンドの玉座の効果で回復していたLPは、

捕らわれたナッシュから吸収していた事を、遂に明かす。



今までこれを明かさなかったのは、ナッシュが弱った所をメラグ達に見せつけたかったから?

最初からこれを明かして、相手に攻撃をさせにくくする、という手もあったはずですが。

相手の絶望する表情を見たいという、ベクターの残虐性を考えると、

後から明かした方が、確かに効果的なのかもしれません・・・。



自分達の攻撃が、ナッシュの命を削っていたと知り、メラグが崩れ落ちる。

何と卑劣な!と、ドルベが憤慨。

怒りに燃えるドルベのターン。



ドルベがCNo.102 アンホーリー・ライトニング ノーブルデーモンを召喚する。



ドルベのオーバーハンドレットが、光天使なのに対し、

そのカオス化したものが、デーモンというのが、何とも。

カオス化によって、天使が地に落ち、悪魔になったかのようです。



墓地のマジックの効果でノーブルデーモンの攻撃力を上げ、

さらにノーブルデーモンの効果で、ソウル・マリオネッターの効果を無効化し、

その攻撃力を0にする。

これでノーブルデーモンの一撃で、ベクターのLPを削りきれる。



  ドルベ「だが安心しろ、貴様が途中で逃げ出さぬよう、私が地獄まで付き合ってやる。」



発動した墓地のマジックには、もう一つの効果が。

ベクターに与えたダメージを、同時にドルベも受ける事に。

ドルベもベクターとの相討ちを狙ったのだ。



例え差し違えてでも!!という、メラグとドルベの覚悟。

それは、お互い大事な者を傷つけられた怒り、なのだと思います。



しかし、永続トラップ、イービル1(ワン)により、LPを1残し、またもベクターは凌いでしまう。

同時にドルベにこ効果が及び、ドルベのLPも1に。



ベクターのLPを削りきれなかったドルベが、無念の内にターンエンドを宣言。

再びベクターのコンボが作動し。



苦しむナッシュの姿がモニターに映し出される。

この時のドルベとメラグの辛そうな表情・・・・。

二人にとって、大事な存在であるナッシュが・・・。



ベクターのターン、トラップ、イービル1(ワン)を墓地に送り、バトルを放棄して、

フィールド上のカード一枚を破壊する。



さてさて、どいつを破壊しますかね〜?と迷うような素振りを見せるが。

この時のベクターの表情がコミカル。(笑)



破壊するのはラグナ・インフィニティでもノーブル・デーモンでもなく、

ベクターの場のダメージ・ポット。

このカードが破壊された時、吸収したダメージ1300を全員に与える。

残りLPが500のメラグと1のドルベは、この効果を受ければ二人とも敗北してしまう。



  「それでお前ら地獄行きぃ〜 俺無事ぃ〜。

   キヒヒヒヒヒ!あばよ虫けら!」



ここのベクターの表情も、仕草も、演技も、最高にムカつくふざけっぷりです。(笑)



このままでは・・・。

この時、メラグを横目で見つめる、ドルベの目が、優しい。



意を決したドルベが、カウンタートラップを発動。

ダメージ・ポットによるダメージを全て無効化し、

無効化した数値分、ラグナ・インフィニティの攻撃力を上げる。

三人分のダメージが無効化された事で、ラグナ・インフィニティの攻撃力を3900上げ、

その攻撃力は合計6700に。



これだけの攻撃力があれば、次のメラグのターンで、ベクターを倒せるはず。だが。



  ドルベ「メラグ、お別れだ。」



このターン終了時、このカードの効果で無効化された分のダメージを、ドルベは受けなければならない。

身を挺してメラグを守り、ベクターを倒す力を託したのだ。



  「済まないメラグ。

   私にはやつを倒す事が出来なかった。

   非力な私を許してくれ。 」



  「君とナッシュは、私にとってかけがいのない存在。

   人間として、バリアンとして。

   二つの世界で出会えた事を、幸せに思う。」



  「勝つんだ。メラグ!」



非情なベクターのターンエンド宣言で、ドルベをダメージが襲う。



  「メラグ・・・ナッシュ・・・。

   君たちと出会えて、本当に・・・、良かった・・・!」



吹き飛ばされる中、人間の姿に戻るドルベ。

その表情は、安らかでした・・・。



思えば、ドルベが笑顔を見せたのは、本編では殆ど無かった気がします。

(前世でペガサスに乗って天に召されるシーンくらいかな?)

いつも冷静で厳しい表情だったドルベ。

もっと笑顔も見たかった・・・・。

いつか復活する事があれば、OP/EDの様に笑顔を見せてくれるでしょうか?



別れ際に、力及ばなかった事をメラグに謝罪する所も、ドルベらしい。



「私にとってかけがいのない存在」「二つの世界で出会えた事を幸せに思う」

そう言ってくれたのが、本当に嬉しかったです。

この二人の絆の描写がこれまで無かったから、尚更。

前世から、そしてバリアンになってからも、

ナッシュ・メラグ・ドルベの三人は仲が良かったんですね。



ドルベの内にあったメラグに対する感情の中に、恋愛は無かったかもしれませんが、

二人の友情は並みのものではなく、とても強いものだと感じました。



ドルベの死に、涙を流してその名を叫ぶ、メラグとナッシュ。



  メラグ「ドルベ・・・。

      あなたの想い、確かに受け取ったわ。」



メラグを包んだ光が、収束し、メラグの両手の中に消えていく。

まるで、ドルベの想いと力を受け取ったかのように。



  メラグ「あなたが命と引き替えにくれた力で、必ず・・・。」

     「ベクター!覚悟なさい!!」



メラグの表情と語気が一段と凶悪に。



ラグナ・インフィニティの攻撃力は6700。

一方、ベクターのソウル・マリオネッターは

ノーブルデーモンの効果で攻撃力0、モンスター効果は無効化されたまま。

ラグナ・インフィニティの攻撃が通れば、今度こそ!



  メラグ「ドルベ、仇は討ったわ。

      この勝利、あなたがくれた力があってこそ・・。」



だが、爆煙の向こうで不気味に響き渡るベクターの嘲笑。

攻撃は通らず?防がれたのか??





一方、遊馬達の前に立ちふさがるギラグ。

遊馬と小鳥が説得しようとするが、洗脳されているギラグは当然聞き入れない。

ドン・サウザンドの呪縛からギラグを解き放す為には、アリトの時と同じように、

オーバーハンドレットを遺跡のナンバーズで倒すしかない。

なら、俺がやる、と名乗り出たのは、アリトだった。



今のアリトは、バリアンの力を失い、オーバーハンドレットを使う事が出来ないという。



「バリアンの力を失った」というのは・・・・?

ドン・サウザンドの力であるオーバーハンドレットが扱えないだけ、なのか?

この後も、今回、アリトはバリアンの姿になる事はありませんでした。

バリアルフォーゼでバリアン態にもなれない?

それは、もはや、バリアンではない、という事なのか?



バリアンの力を失ったのは、何故だろう?

ドン・サウザンドから得た力を失う事が、バリアンの力を失う事なのか?

それとも、アリトの魂の状態が変化したから?

前世の真実を知り、恨みや憎しみの感情が消えた事で、

魂がカオスから脱し、アストラル世界に相応しい方に変わった、のかもしれません。



例えオーバーハンドレットが使えなくとも、それでも。



  「これは俺がやらなきゃいけねえデュエルなんだ!

   あいつの、一番のダチだった、この俺が!」



アリトが、ギラグを「一番のダチ」と呼んでくれたのが嬉しいです。

一緒に修行したり、互いの拳でお互いを認識したり。

ドン・サウザンドの洗脳を受ける前の二人は仲良しでした。

だからこそ、ここはアリトにデュエルして欲しい。



アリトの覚悟を聞いて、遊馬は遺跡のナンバーズを託す。



もう一人、ギラグと絆の強い存在。

前世で仲の良かった、タヌキのポン太。

遺跡のナンバーズ、No.64 古狸三太夫は確かにポン太の分身でもありますが。

ポン太の魂そのものは、107話ラストでギラグが飲み込んでます・・・。



ギラグの魂に呼びかける存在として、ポン太も重要なキャラのはずですが。

ポン太の登場はあるのかな?

ギラグに飲み込まれたポン太の魂は、今どうしているのか?

もしも古狸三太夫が召喚された時、ギラグとポン太は、どう反応するのか?

ポン太も、アリトと共に、ギラグをドン・サウザンドの呪縛から解き放つ切っ掛けになってくれると良いのですが。



  「必ず元のお前に戻してやるからな!ギラグ!」



ギラグとアリトのデュエルが始まる。



ギラグはバリアンの姿に変身しましたが、

アリトは人間の姿のまま、デュエルディスクを装着し、デュエルを始めます。

バリアンの力を失ったから、もうバリアン態になれないのか?

それとも、何か理由があってわざと人間の姿で?



アリトは先行でモンスターを召喚し、次にギラグがドローしたのは・・・。



ギラグはCNo.106 溶岩掌ジャイアント・ハンド・レッドを召喚。

ギラグは最初のターンで、RUM- 七星の剣(ザ・セブンス・ワン)を引いていたようです。

さらに、No.58 炎圧鬼(えんあつき) バーナー・バイザーを召喚し、

ジャイアント・ハンド・レッドに装備する。



これはアリトの時と同じ、ドン・サウザンドによる呪縛の強化。



バーナー・バイザーを装備した事で、

ジャイアント・ハンド・レッドはダイレクトアタックが可能に。



ジャイアント・ハンド・レッドのダイレクトアタックで激しいダメージを受けるアリト。

さらにバーナー・バイザーの効果で、ギラグが手札を一枚墓地に送るごとに、

アリトは500のダメージを受ける。

いたぶる様に、一枚ずつカードを墓地に送るギラグ。

とどめとなる三枚目のダメージがアリトを襲ったその時。

カウンタートラップを発動させ、LPを半減させる事でダメージを回避する。



  アリト「見せてやる!炎すらも焼き尽くす本当の!熱いハートを!!」



アリトから闘志がみなぎる。

バリアンの力を失ってなお、見事な戦いぶりだと、アストラルも評してます。

それでも、アリトがバリアンの姿になる事はありません。







ドルベの最期の笑顔が、切なかった・・・・。



ドルベには、ナッシュ程に背負うものがあった訳ではありませんが。

自分達がドン・サウザンドに利用されていたと知った今、

ナッシュにバリアン世界を背負い、遊馬達との絆を断ち切る、辛い決断をさせてしまった事、

メラグ同様に後悔しているのではないでしょうか?



ドルベは、自分の記憶がドン・サウザンドの改ざんを受けている事は知らないまま、

消えてしまったんですね・・・。

出来ればその事実を知り、前世での悲劇、仲間達の裏切りの理由も知って欲しかったです。





この放送回中に公開された情報ですが、

今回の「衝撃の真実!」というセリフを「衝撃のしんじっツー!」にしたのは

声優さん(ベクター役の日野聡さん)のアドリブだそうです。

127話の「みざちゅわーん」といい、いいアレンジをしてくれます。(笑)



衝撃の真実は三回目になりますね。

サルガッソ戦のベクターの名台詞が再登場するのが、面白い。

今回もベクターの悪ノリしたふざけっぷりが良かった。(笑)

「それでお前ら地獄行きぃ〜 俺無事ぃ〜。」や、メラグに煽られた時の小物っぽさとか。



キャラを熱血化させる傾向がある雑破さんですが、

ドルベやメラグを過剰に熱血化させず、らしく書いてくれたと思います。

ドルベの最期は、実にドルベらしいと思いました。



思えばアリト初登場回や、山でアリトとギラグが一緒に修行した回も、

雑破さん担当回でした。

熱血が得意な雑破さんに、もしもこのまま引き続きアリトvsギラグ戦を書いて貰えたのなら、

次回が楽しみです。



煽る時の、ベクターのコミカルな表情が楽しい。(笑)

よく見ると、ベクターの胸にあるドン・サウザンドの一つ目も、

ベクターの表情と連動して変化してます。



シーンによってキャラ顔が違う気がしましたが、三人作監だからかな?

OP前のアバンと、前半Aパートと、後半Bパートで絵が違って見えます。

アバンが丸山さん担当だったらしいです。

後半のコミカル顔の特徴や、整ったキャラ顔、アクションの派手さが

原さんのように見えましたが。



作監:原憲一・丸山修二・長田絵里)

(脚本:雑破業