遊戯王ZEXAL II  第130話

第130話「覚醒の熱拳(ねっけん)!!アリト復活の刻(とき)」



アストラルが気付いた、アリトのドン・サウザンドの呪いを解く方法。

遺跡の封印のナンバーズの解放が、ドン・サウザンドの復活に手を貸す事になってしまったが、

一馬が、それを知ってて遊馬達に不利な状況を作るはずがない、と。



遊馬は一瞬、父ちゃんのせいで!っと少し不満顔でしたが、

アストラルは一馬を信じている様子です。

遊馬とアストラルを出会わせるように仕向け、遊馬をアストラル世界に導き、

アストラル世界を変えてくれたのも、一馬のお陰だし。



一馬は、遊馬達がバリアン七皇をドン・サウザンドの呪縛から解放すべく戦う事も、予測していたのではないか?

だとすれば、遺跡のナンバーズにはドン・サウザンドの呪縛を解く力があるのではないか?

というのアストラルの推測。

エストスをライオンハートで倒せば、アリトのドン・サウザンドの呪いを解くことができるかもしれない?



遊馬は虹クリボーをドローし、No.54 ライオンハートを召喚する。

その時、アリトに異変が。



蘇るアリトの前世の記憶。

子供達に囲まれ、人気者の拳闘士、アリト。

その前にフードを被った不気味な男が現れ、忠告する。

皇帝がアリトを嫉み、その命を狙っている、と。

親友である皇帝がそんな事をするはずがない!とアリトは否定するが。



このフードの男は一体・・・。

目が赤く妖しく光ってます。ただ者ではない?



ナンバーズよ、いつものように俺を守ってくれ。

そう呟くアリトの手には、ライオンハートが。

生前からライオンハートはアリトの手にあったんですね。



突如、アリトを兵士達が取り囲み、人を殺めた罪で捕らえられてしまう。

罪人として公開処刑されるアリトに、人々の罵声が降り注ぐ。

その中には、子供達の姿も・・・。



子供に公開処刑を見せるのはどうかと思いますが。(汗)

アリトにとって、無実の罪で処刑される事よりも、

子供達に「嘘つき!」と泣かれる事の方が辛いかもしれません・・・。



絶望の中、あのフードの男の姿と、声が響く。

これがあなたの、呪われた人生。

あなたは親友に裏切られ、人を恨み、世を恨み、怨念と妄執に囚われ、死んでいく。



  アリト「そうだ、誰一人俺を信じちゃくれない。

      親友と思っていたあんたも、この俺を裏切った!

      畜生・・呪ってやる!呪ってやる!!

      そしていつの日か蘇り、この世界に、災いを!!」



アリトの処刑を無表情で見つめる皇帝。

髪型が二色で、ライオンハートにも似ている気がします。

しかし、その目も力なく、赤く輝く・・・。これは・・・?



現実に戻り。動揺するアリトと遊馬、アストラル。

ライオンハートとカエストスが共鳴し、三人にアリトの過去を見せたのだ。



双方にダメージを与えるライオンハートで攻撃を仕掛ける遊馬。

アリトはラプソディ・イン・バーサークを破壊し、ダメージを軽減。

LPが0になった遊馬は、ライオンハートの効果でLP100で復活する。



アリトの中のドン・サウザンドの黒い影が消えていく。

ドン・サウザンドの呪いと洗脳を解かれたアリトが意識を取り戻し。

洗脳される直前の光景から、自分がドン・サウザンドに操られていた事に気づき、

遊馬によってその呪縛から解き放たれた事を知る。



正気を取り戻したアリトは、小鳥を解放。

だが、駆け寄ろうとする遊馬を制止し、まだデュエルは終わっていない、と。

確かにこれまでドン・サウザンドに操られていたが、

それでも俺はバリアン七皇。

過去の憎しみを胸に俺はバリアンに生まれ変わった。

今の俺の居場所はバリアン世界しかなく、それを無くそうとするお前達とは決着をつけなきゃならない。



遊馬とアストラルとのデュエルは、熱く楽しいデュエルだった。

だが、そんなデュエルはもうできそうにねえ!と。



ドン・サウザンドの呪いが解けても、前世での憎しみと、

バリアン世界を守る使命は捨てる事が出来ないのか・・・。



アリトはラプソディ・イン・バーサークを復活させ、RUM-バリアンズ・フォースを使用し、

CNo.80 葬装覇王レクイエム・イン・バーサークを召喚。

さらにバリアンズ・フォースの効果で、ライオンハートのORUは奪われ、攻撃力を0にされてしまう。

レクイエム・イン・バーサークの効果で、遊馬の場の伏せカードも除外され、

レクイエム・イン・バーサークを装備したカエストスが攻撃力を上げ、

ライオンハートの相手にも同じダメージを与える効果は無効化される。



遊馬は墓地のトラップを発動させ、ライオンハートを除外。

ダイレクトアタックを墓地の虹クリボー特殊召喚する事で、ダメージを防ぐ。

ターンの終わりに舞い戻るライオンハート



何とかこのターンを凌いだ遊馬だが、

アリトはドン・サウザンドの呪いが解けても、前世での憎しみに捕らわれていて、

まるで「新しい呪い」にかかったようだ、と遊馬は言う。



アストラルの回想。

バリアン達の遺跡の記憶。

彼らは魂は皆、純粋で崇高。

バリアン世界ではなく、アストラル世界へ行くのが相応しい魂だった、と。

その彼らがなぜ、憎悪と怨念に捕らわれ、バリアンに・・・?



これは遺跡編の時から疑問に思っていた事でした、

ドルベは英雄、アリトは拳闘士、ミザエルは勇者、ギラグは武将、ナッシュは国王で、メラグは国王の妹でした。

唯一例外は、ベクター。王子でありながら人を信じず、残虐な性格でした。

無念の最期と遂げた事が、バリアン世界へ転生する原因になったのかと思いましたが・・・。



その前世の憎悪も、ドン・サウザンドの策謀によるものではないのか?というのがアストラルの推測。

アストラルは、ライオンハートでカエストスを破壊するんだ!と遊馬に言う。

そんなの無理だと言う遊馬に、アストラルが珍しく激しい口調で説得します。

  「それでもやるんだ!そうすれば、何かを掴めるかもしれない!!」

こんなアストラルはあまり見たことがありません。

何がアストラルをそんなにかき立てるのか?



それを見て、遊馬がおどける。

  「お前、俺に似てきた?」

遊馬も自分の性格は把握していて、今のアストラルにそれを感じたんですね。(笑)



少し間を置いて、真顔で「それはない」と言い切るアストラル。(笑)

でも、人を信じる事、遊馬を信じる事、そして時に熱くなる事など、

遊馬の影響を受けているのは明かです。

アストラルもその事に気付いているはずですが。

それを認めないのは、照れ隠しなのか、プライドが許さないのか。(笑)



コミカルなシーンを挟んで、熱いデュエルが再開。



遊馬はドローしたマジック、王者の聖外套をライオンハートに装備させ、

0だった攻撃力をカエストスと同じにする。



ドン・サウザンドが装備を破壊してまで、ライオンハートの攻撃によるカエストスの破壊から守ったのには、理由がある?



攻撃力で互角のライオンハートとカエストスは、互いに装備魔法を破壊することで相討ちを免れる。

王者の聖外套のさらなる効果で、装備を失い元に戻った両者の攻撃力を入れ替えて、もう一度バトルを可能とする。

遂に、ライオンハートでカエストスを打ち破る!



その時、アリトの前世の記憶が蘇る。

捕らわれたアリトを解放するよう命ずる皇帝。

アリトの事を、自分の兄弟も同然、自分が亡き後、次の皇帝の座を継ぐ者だと言っています。

そこまで強い絆があったのか。

血筋は関係なく、指名した者を次の皇帝にできる政治システムは、帝政ローマに似ているようです。



その時、例のフードの男が現れ。

我は、ドン・サウザンド!と名乗る。

男の力で、皇帝は操られ、アリトに死罪を命じる。



この時のアリトに語ったドン・サウザンドの台詞が、全ての真実を語っています。



我はバリアンの神。

我にはお前の力が必要だ。

お前の折れぬ魂と、底知れぬ闘志。

それが我の糧となる。

お前の力、アストラル世界などに奪われてなるものか!



ドン・サウザンドが投げたカード、カエストスが、アリトの中に入り込んでいく。



これでお前の記憶は書き換えられた。

お前は信じる者に裏切られ、抹殺された無念の戦士。

その怒りと憎悪を胸に、バリアンとなって蘇るのだ!



これこそが、アリトの本当の記憶・・・・。



少し分かりづらいですが。整理すると。



103話でゴーシュとドロワが語ったコロッセウムの伝説。

拳闘士は必死に無実を訴え、ライバルの王子も弁護したが

聞き入れられず、結局、大観衆が見ている前で、

拳闘士は無残に処刑されてしまった。



これが史実で、皇帝はアリトを弁護した、のが事実なのでしょう。

しかし、ここでドン・サウザンドが介入した為、

アリトの処刑は実行されてしまう。



ドン・サウザンドがアリトの記憶を「書き換えた」というのは、

多分、ドン・サウザンドが介入した場面だけを記憶から消し、

アリトに「お前は信じる者に裏切られ、抹殺された無念の戦士」と思い込ませた、

という事なんだと推察します。



そうなると・・・他の七皇達の記憶も、同じように書き換えられた?

仲間の騎士達に裏切られ殺された英雄ドルベも、

隣国の回し者だった祈祷師の言葉に惑わされた国民によって疑われ、

隣国の軍勢にドラゴンと国諸共滅ぼされた勇者ミザエルも、

家臣達の寝返りで敗北した武将ギラグも。

それぞれの悲劇の最期には、何者かが関わり、その死に関わった裏切り者の正体こそが、ドン・サウザンド?

それぞれの記憶からドン・サウザンドの存在だけを消して、

憎しみと恨みだけを残して、バリアン世界に転生するよう仕向けた?



ナッシュとメラグの前世での悲劇に関わったのはベクターですが。

この時のベクターは素の状態だったのか?

それとも、やはりドン・サウザンドに操られていたのか?



国民を虐殺したベクター王子の伝説は?

幼き頃より人心を信じず、全ての人間に疑惑の目を向け、これを裁いた、と璃緒が語っていました。

その、人を信じない性格は、生まれ持ったものなのか?

それとも、これもドン・サウザンドが何かを仕掛けて、ベクターをそうした性格に変えてしまったのか?

ドン・サウザンドの介入さえなければ、ベクターの魂もアストラル世界へ行けたかもしれない?

だとしたら、純粋で崇高な魂を、本来のベクターも持っていたのか?



デュエルが終わり、アリトは真実を知る。

ドン・サウザンドに利用されていたのは、バリアンになってからではなく、

人間であった時から、ずっと嘘で操られていたのか・・・。

その感情さえも。



遊馬の仲間達に取り返しのつかない事をしてしまった、と謝罪するアリト。

アストラルは、君はドン・サウザンドの利用されただけだといい、アリトを責めない。

ドン・サウザンドは自分が力尽き、七つの遺跡に封印された時、

既に最後の力を野に放っていた。

やつは、恐るべき用意周到さで、自らを蘇らせる計画を練っていたのだ。



ドン・サウザンドを倒すために協力してくれと言う遊馬に、

俺はバリアン七皇、と言いながらも、今はぶっ潰したい奴がいるといい、

協力を承諾する。



前世の悲劇にドン・サウザンドが介入していた事実を知っても、

今はバリアン七皇であり、バリアン世界を守る使命は変わらない。

けど、ドン・サウザンドを倒した後に、

アストラル世界とバリアン世界の共存の道がみつかれば。

遊馬の言う通り、分かり合える日がくるかもしれません。



他の七皇も記憶を改ざんされている可能性があると言うアストラル。

アリトから、ドン・サウザンドはベクターの中に居ると知らされ、

一行はバリアン世界へと向かう。



一方、アリトが寝返った事をドン・サウザンドはベクターに伝える。

ドン・サウザンドは、すぐにでも他の七皇の力を奪い去るよう、ベクターに指示する。



アリトの様に、他の七皇が改ざんされた記憶を取り戻し、

真実を知って自分達の敵になる事を恐れての事ですね。

ドン・サウザンドの焦りがうかがえます。



しかし、利用されているベクター自身は、各七皇の過去と記憶に

ドン・サウザンドが介入している事など知らない。

もしかしたら、自分自身の過去と記憶にも介入を受けてるかもしれないのに・・・。

もしもこの真実をベクター自身が知ったら、どうなるんだろう?



バリアン世界に戻ったドルベとメラグを待ち構えていたのは、ベクター

ベクターはここで二人を倒し、その魂ごと全部の力を奪うと言う。



今まで仲間を欺き続けたベクターが、遂にドルベ達の前で本性を現したようです。

今までしてきたベクターの悪事全てを、ドルベ達は知る事になるのか?



真月としてアリトを闇討ちした事。

ギラグの敗北に手を貸した事。

ドン・サウザンドと密かに手を組んでいた事。

復活させたアリトとギラグを再び洗脳して利用した事。

そして、かつてナッシュとメラグを殺した事も・・・。



ベクター、ドルベ、メラグの三人は、前世からも因縁のある関係。

特にドルベ、メラグは、今は七皇の仲間だからと、ベクターへの恨みを押し殺してきたのだと思いますが。

ベクターが敵だと分かれば、前世でベクター軍の侵略の為に自らを犠牲にしなければならなかったメラグと、

同じくベクター軍の侵攻で親友であるナッシュを悲惨な目に遭わせたてしまったドルベは、

思う存分、その怒りをぶつけられそうです。



ただ、もしもこの場でベクターに敗北してしまったら、悲惨だな・・・。

出来れば七皇全員、アリトと同じように遊馬とデュエルし、本当の記憶を取り戻して欲しいのに。

何とか生き延びて欲しい・・・。



それと、これまでの前世回想では、

会話するシーンすらなかった英雄ドルベと国王の妹姫メラグの関係も少し気になります。

親友の妹と、兄の親友、というだけの関係だったのかな?

二人の間にもナッシュと同じくらい強い友情や絆があったらいいなと思うのですが。



アリトが正気を取り戻してくれた事、そしてドン・サウザンドの悪事に気づき、

遊馬に協力する事になって、良かった。

例え洗脳が解けても、また以前のように消耗して眠りについてしまったりで、

すぐ退場してしまうのではないかと思ってました。

トロン三兄弟が犠牲となり、カイトと別行動の今、

遊馬たった一人で戦うのは、心許ない。

遊馬と分かり合えた事と、味方が増えたのが嬉しいです。



アリトも、またデュエルで活躍する場面があるといいのですが。

でも、できれば、この危機的状況を脱して、何のしがらみもなく、

純粋に楽しめるデュエルをしてくれたら、と思います。







整った作画。アップ時の力強い線。

遊馬の勇ましい表情。

コミカル時の顔もかわいい。



作監:三浦菜奈・豊田暁子・山田桃子

(脚本:吉田伸)