遊戯王ZEXAL II  第129話

第129話「混沌(カオス)の影 遊馬vs執念の闘士アリト」



VとIIIの犠牲に、泣き崩れる遊馬。

その時、遊馬達を乗せた飛行船の前に、アリトが現れる。

エストスの一撃で、遊馬と小鳥は飛行船から放り出され、異世界の狭間に飛ばされてしまう。



サルガッソでもそうでしたが、大抵の異空間ではモンスターは実体化出来るのかな?



遊馬の前に現れたアリトは、決着をつけようと言うが。

遊馬はアリトと戦いたくないと拒否。

それに対し、ゴーシュの敗北を嘲笑して、遊馬を挑発する。



子供達の希望を背負って戦ったゴーシュの回想が少しだけありました。

子供達の事を口にしてくれたのが、嬉しい。



お前はそんな奴じゃ無かったはずだ!と言う遊馬の言葉も、

「俺は俺だ!」と言い、アリトは聞き入れない。

だが、アストラルは。

 「いいや、君もかつて、ゴーシュと同じだった。

  多くの子供達に希望を与えた存在だったはずだ。」



ゴーシュとアリトは似ています。

熱血で、純粋にデュエルを楽しむデュエルバカな所が。

アリトの前世の拳闘士が、コロッセウムで観戦する子供達に希望を与えたのだとしたら、

プロデュエリストとして活躍する今のゴーシュと、同じと言えます。



アストラルの言葉に刺激され、アリトの遺跡での記憶が蘇る。

回想シーンでは、コロッセウムの観客に子供達の姿がありました。

アストラルの言う通り、アリトが与えていた希望は、ゴーシュと同じだった・・・。



動揺するアリトに、ドン・サウザンドが呼びかける。

惑わされるな。お前にあるのは、呪いの過去だ。

思い出せ。お前が殺された憎しみを!



あの忌まわしい過去があるから、俺はバリアンとなって生まれ変わった!と言うアリト。

バリアンの姿となり、デュエルを拒む遊馬に、小鳥を人質にとってみせる。

やむなくデュエルを始める遊馬。



先行の遊馬がホープを召喚。

その時、アリトからただならぬ気配を感じる遊馬とアストラル。



 「呪われし過去が、俺の拳を漆黒に染める!

  俺の拳が切り開くのは、悲しみの闇地獄!」



アリトは輝く右手で、RUM- 七星の剣(ザ・セブンス・ワン)をドロー。

これは、バリアンズ・カオス・ドローですね。

そして、トロン兄弟達のデュエルを見てない遊馬とアストラルは、

ここで初めてRUM- 七星の剣の存在とその効果を知る。



アリトがCNo.105 BK(バーニングナックラー) 彗星のカエストスを召喚。



この時、ようやくアストラルが気付く。

バリアン世界との融合が進んだ今ならはっきりと分かる。

あのカードは、ドン・サウザンドによって生み出されたカードだ、と。



ナンバーズは本来、全部で100枚。

101以上の番号を持つオーバーハンドレットナンバーズは、

全部ドン・サウザンドが作り出したもの、だとしたら、その存在も納得がいきます。



アストラルが、アリトの中のドン・サウザンドに呼びかけ、

遂にその姿を現す。

ドン・サウザンドと遊馬、アストラルが対面する。



ドン・サウザンドはアリトの事を、

我が力を取り戻す為に蘇らせた魂の一つ、だと言っています。

他の七皇も、同じようにドン・サウザンドによってバリアン世界に蘇らせた魂なのか?



ドン・サウザンドが遊馬に語る。

九十九遊馬、恨むならアストラルを恨むがいい。

この戦い、全ての発端は、

理想より混沌を引き離した、アストラル世界の愚かな決定にあるのだからな!



アストラル世界の意志を弁護するアストラル。

それに対しドン・サウザンドは、理想と混沌、コスモとカオスは表裏一体だと主張する。



それでも、アストラル世界はカオスを乗り越える道に挑んだ、とアストラルの反論。

それは、遊馬によって変わった、今の新しいアストラル世界の事、かな。



ドン・サウザンドの力を封じ込めていたのは、遺跡の七枚のナンバーズ。

そのナンバーズの封印を遊馬達が解いた事で、ドン・サウザンドは力を取り戻す事が出来たと言う。



お前達はパンドラの箱からカオスを解き放ったのだ、とドン・サウザンドは言っています。

パンドラの箱という例えが気になる。

人間界に現れたアストラルの記憶と共にナンバーズが飛び散った事。

残ったのは、アストラルの化身でもある希望皇ホープだった事。

そういた所も、パンドラの箱の伝説と似ている気がします。



99話では、七枚の封印のナンバーズが揃えば、ドン・サウザンドの力は復活する、と言われていましたが。

本当は揃えなくても、封印さえ解かれれば良かったのか。

封印を解かせる為に、ドン・サウザンドは七皇をけしかけたのか?



遊馬達は、飛行船に仕込まれていた一馬のメッセージを切っ掛けに、遺跡のナンバーズを探し始めたのですが。

遺跡にある七枚のナンバーズがバリアンの手に渡れば、彼らに強大な力が蘇る、と言っていたのは一馬だったはず。

一馬は果たしてこの事実を知っていたのか?

知った上で、遊馬にわざとドン・サウザンドの力を復活させる手伝いをさせたのか?

それとも、単に、遺跡のナンバーズに強力な力があるから、それをバリアンに渡すな、と言う事なのか?



アリトの中にあるのは、ドン・サウザンドの本体ではなく、その分身だと、アストラルは言っています。

遊馬達は、アリトをドン・サウザンドの呪縛から救う事は出来るのか?



ドン・サウザンドは姿を消し、アリトとのデュエルが再開される。



アリトはカエストスの効果でホープを破壊し、その攻撃力分のダメージを遊馬達に与える。

続くカエストスのダイレクトアタックに対し、遊馬は手札のガガガガードナーを特殊召喚

ガガガガードナーの破壊と、カエストスの効果によるダメージを防いだものの、LPを大幅に削られ、

残りはたったの200に。



まさかワンターンキルを狙ってくるとは、と言うアストラルに、

アリト相手ならこの程度は覚悟していたと、笑顔で応える遊馬。

それを見たアストラルは、楽しんでいるのか?と問うと、

楽しんではいないが、喜んでいると遊馬は答える。

ドン・サウザンドに操られながらも、そのデュエルにアリトらしさを感じたのでしょうか?



このデュエルに勝利すれば、必ずアリトを元に戻せるという保証もないのに、

遊馬はそれでも諦めない。

そんな遊馬を見て、「以前ならば不安を覚えたが・・・」と言いながらも、

遊馬の人を信じる力を、私も信じようと、アストラルは心の中で誓う。



ゼアルの物語は、セカンドに入ってから「人を信じる事」をテーマにしている様に思えます。

真月とシャークの裏切りにあい、それでも人を信じる事ができるのか?という、過酷な展開も、

そのテーマ故なのかもしれません。



遊馬は遺跡でのゴーシュ達とのデュエルを思い出す。

あの時、アリトによるゴーシュの洗脳を解いたのは、ドロワの思いを込めたデュエルだった。

ならば、自分達も思いをデュエルにぶつけて、アリトの洗脳を解こう!と。



遊馬が召喚したのは、エクスカリバー

ナンバーズ相手に、ナンバーズを破壊出来ないエクスカリバーを呼ぶとは。

思いをぶつけるのには最適かもしれませんが、それはリスクを伴う選択でもあります。



俺達はデュエルを愛した仲間だった!といい、エクスカリバーで攻撃を仕掛ける遊馬。

しかし、アリトは手札のモンスターを特殊召喚する事でダメージを防ぐ。

ナンバーズではないエクスカリバーの攻撃では、カエストスを破壊する事は出来ない。



アストラルは、次のアリトのターン、例えバトルを仕掛けられても、墓地のタスケナイトの効果があれば防げると考えたが。

アリトはNo.80 狂装覇王ラプソディ・イン・バーサークを召喚し、その効果で

遊馬の墓地の全てのモンスターを除外してしまう。

墓地のタスケナイトの事が読まれていたのだ。

さらに、ラプソディ・イン・バーサークを装備し、カエストスは攻撃力を上げる。



ラプソディ・イン・バーサークに、ドン・サウザンドの力を感じるとアストラルは言っています。

オーバーハンドレット以外の通常のナンバーズにも、ドン・サウザンドは力を与える事が出来るのか?



エストスの攻撃を、遊馬はトラップで防ぎ、エクスカリバーに代えてダークロンとクリボルトを召喚する。



遊馬は、アリトの遺跡のナンバーズ、No.54 ライオンハートなら、アリトの記憶を呼び覚ませるはずだと。

その言葉に、アストラルはアリトの呪いを解く方法を見つけ出す。



遺跡のナンバーズは、アリトの記憶。

オーバーハンドレットは、ドン・サウザンドの呪い。



ドン・サウザンドによって生み出されたオーバーハンドレットを、遺跡のナンバーズで破壊すれば、

その呪いを解くことが出来るのか?



だとすると、一馬が遺跡のナンバーズを探せと言ったのは?

遺跡のナンバーズの封印を解き、一旦ドン・サウザンドの力を蘇らせ、

その後に遺跡のナンバーズでドン・サウザンドの力を打ち砕け、という事なのか?



果たして次回、遊馬はアリトをドン・サウザンドの洗脳から救う事は出来るのか?

もしもアリトが正気を取り戻したら、アリトは何を思い、何を語るのか?

アリトが無事正気に戻ることが出来たのなら。ドン・サウザンドがベクターと組んでいた事も、

ナッシュや遊馬達に知らせる事ができそうですが。

そういえば、アリトは自分を闇討ちした真月の正体がベクターだと知っているのかな?





陰影の強さ、メリハリのあるアクション。力強い手のアップ。

アリトの歪んだ顔。ガガガキッドのアクションが細かくて面白い。

クリボルトとダークロンを呼ぶときの遊馬の大胆なアクションが良かった。



作監:Noh Gil-bo)

(脚本:吉田伸)