DRUMP感想

2013年11月2日発売の週刊少年ジャンプ 49号に、

高橋和希先生の新作読み切りが掲載されました!



以下、感想を。(ネタバレありです。)





ドラゴンのかっこ良さ、陰影の付け方、一コマ一コマの迫力。

どれも高橋先生らしさが出てます!



ストーリーは特に奇をてらう事なく、

カードゲームものとしては王道な展開・・・にも見えますが。

最後が少し気になる・・・。



見開きカラーの扉絵。

甲冑の兵士達と、迫力のあるドラゴン!かっこいい。







舞台は2014年、西欧 ドラゴンズ・ヒル遺跡。



主人公のロッソ。髪型がまた特徴的です。

好奇心旺盛で、「伝説」という言葉に釣られやすいようです。(笑)



友達の一人、女の子の方がビアンカちゃん。

冷めてるようにも見えますが、「私は好き・・・ドラゴンがいた世界・・・」

と、意外とロマンチストかな?



もう一人の友達がネーロ。太めの少年。

冒険より部屋でゲームしている方が好きらしく、インドア派かな。

寄宿舎でロッソが起こしたオバケ騒ぎで酷く怯えてた?

本当は恐がりな性格の様子。(笑)



ロッソ達がここに来たのは、伝説の地図に導かれて。

この地図は、ワイン酒場を経営していたロッソの祖父が、

ポーカーの賭けで手に入れたもの。

それなりに値打ちがあるのか?

ロッソはこの地図を納屋で見つけたと言っているので、

この地図の真の価値は今は誰にも分からない様子。



探検や伝説には興味が無さそうなネーロですが、

探検の七つ道具はしっかり持ってます。

実は興味津々。



スペードのマークの場所を掘り起こしてドランプを手にしたロッソに異変が。

右目がドラゴンの目に??

声に導かれ、右目だけで世界を見ると、そこには・・・。

時空を越えて、封印される間際のドラゴンが!!



ロッソの異変に、救急車を呼ぼうとするネーロが意外と冷静で常識人です。



姿を見せたドラゴンが、初対面のロッソに対して、「よっ!」と声かけてます。

気軽なドラゴンだ!(笑)



ドラゴンに対して怯えつつも「大丈夫ですか・・・?」と声をかけるロッソも、

なんだかおかしい。(笑)



兵士達に包囲され、危機的な状況に、

「君は悪い事をしたお尋ね者のドラゴンなの?」と率直に聞いてます。

ロッソの中では、ドラゴン=悪者、ではないんですね。

兵士達の言葉を真に受ける様子でもない。

優しい少年なのかな?



気になるのが「竜の呪い」という言葉。

ロッソの問いにドラゴンは、

「さあな・・・我らは天空に生きる種族、人間などに興味は無い・・・。」

と答えてますが・・・。



「一瞬で人間界など滅ぼせる・・」

「なぁんて今のは冗談」

最初の「よっ!」の挨拶といい、この状況で冗談言ったりして、

恐ろしい姿とは裏腹に、お茶目な所もあるようです。(笑)



この石柱の建つ場所は翼のパワーチャージに最適だった。

「翼のパワーチャージ」というのが謎ですが。



三百年を生きる宿敵の魔女、スペーディア。

これまた派手な衣装と髪型。(笑)

名前がスペードを連想させますが、

衣装にはハートやクローバーの模様もみられます。



スペーディアの目的は、ドラゴンを従わせ、天空の力を手に入れる事?



竜魔封札(ドランプ)には、竜族を封印する魔力が秘められている。

ロッソは、ドラゴンが封印された千年後の世界を生きる者。



それを聞いたロッソが

「トランプなら、剣よりも戦えそうなきがするけど・・・。」

と言ってます。

現代人の少年であるロッソに剣で戦うのは無理。

ですが、「トランプなら・・」というのが気になる。

トランプゲームには自信があるのか??

ロッソの祖父がポーカーの賭けで地図を手に入れた件といい、

代々カードゲームが得意な一家なのかな???



スペーディアがドラゴンを封印しようとしたその時、

カードが跳ね返される。

ロッソの力か??

ドラゴンは「この少年・・・もしや・・」と呟く所をみると、

心当たりがある?

ロッソの事を「伝説の少年よ」と呼んでます。

伝説って??(ああ!!)



スペーディアが結界の存在に気付き、現代に姿を現す。



スペーディアは、ドラゴンが蘇れば世界を滅ぼす、と言うが・・・。

ロッソはドラゴンを信じる!と。

ドラゴンの方を信じるのは、ロッソの優しさ故なのかな。



竜魔封札(ドランプ)を手にした者は、その裁きと運命から逃れる事は出来ない。

解放か、または死か・・・。



ここでスペーディアの言う通りに竜魔封札を元に戻したとして、

果たして三人が無事に解放されるという保証もないし・・・。

ロッソに選択の余地はなさそうです。



覚悟を決めたロッソが「待ってろビアンカ!」と内心呟く・・・。

ネーロくんが心配されていない件。(笑)

(前のページでは一応ちゃんと心配されてますが。

ビアンカちゃんはロッソにとって特別な存在なのかな・・・。)



ルールが理解できないまま、ゲームが始まる。

ドラゴンの声に導かれ、ゲームを進めるロッソ。

ドラゴンは声でルールを教えてはくれますが、戦術まではアドバイスせず。

ロッソ一人で戦う形式です。

現在放送中のゼアルの遊馬とアストラルのような、

二人一組での戦い方ではないんですね。



数字のカードが「フォース(生命力)」

絵札が「パーツ(四肢)」。

フォースの合計で、ゾーン(場)に四肢を先に揃えた方が勝つ。

バースト(爆発)で相手がパーツを揃えるのを妨害できる。

手札にAがあるとき手札のJを無条件で出せる。



ざっとルールをおさらいすると、こんな感じかな?

詳しいルールを解説したページが読み切りの後にありますが、

よく見ると

「※ここで紹介するルールはマンガのものとは異なります。」

と但し書きが・・・。

でも面白そうなのでやってみたいですね。



読んだだけで、素直に

「面白そう」「簡単そう」「遊んでみたい」と思わせる

ストーリーを創作できるのは、高橋先生のマジックだと思います。





ヒドラに食われると聞いて怖じ気づいたロッソに、

「だが、この苦境を覆したら、伝説間違いなしだがな・・・。」

と呟くドラゴン。

「伝説の少年よ」という言葉にロッソが反応したのを、見逃してはいなかった。

ロッソが「伝説」という言葉に弱い事も、しっかりお見通しです。

このドラゴン、侮れない・・・!!(笑)



形勢は逆転され、スペーディアはヒドラの頭、尾、翼を揃え、

「恐怖の四面待ち」状態!

ロッソは一か八かの賭に出る!



ロッソの出したカードを見て、勝利を確信したスペーディアは高笑い。

周囲のゾンビ兵士達も歓喜してます。

ゾンビ兵士はこのゲームを理解してるのか・・・。



ロッソが4と7のフォースでJの胴パーツを復活させた。



ロッソの手札にAがあれば、フォースを使わずJの胴パーツを復活出来たハズ。



つまり、ロッソの手札にAは無かった。

Aが伏せられているハズがない!



・・・とスペーディアは読んだ。

しかし、それこそがロッソの罠だった!

「・・・て思わせたんだよ!!」



復活したドラゴン!全てを吹き飛ばす竜羅旋風(ドランプ)!

勝利を喜び、視線を合わせるロッソとドラゴンのシーンが良いです。



スペーディアの意味深な台詞。

貴様がどれ程の罪を背負うたか、分からぬのか?

解き放った竜が、やがて世界を滅ぼす悪の化身だと、なぜ気付かぬ?



これは単なる負け惜しみなのか、それとも真実なのか・・・。(汗)



そんなスペーディアに対して

「あっちの世界の方が美人だったね。」などと返すロッソ。(笑)

怖い物知らずなだけなのか、脳天気なのか。

もしかしたら悪気は無いのかもしれません。



スペーディアの方も、

「いつかコロす・・」と言い残してるから、別に死んだわけでも無さそう。

元の時空に戻ったのかな?

もしも続きがあるのなら、

少年に軽口を叩かれてしまう、ちょっと惨めで憎めない悪役として、

また登場して欲しいです。(笑)



ロッソの右目は元通り。

「世界を滅ぼすなんて事・・・君はしないよね・・・?」

ロッソは共にゲームを戦ったドラゴンを信じたい様子。

やはり、優しい子なんだろうな。



最後にドラゴンがロッソに語りかける。

「伝説の少年よ・・・お主が生きている間は、滅ぼさないでおくか・・・。」

その声を聞いたロッソの笑顔。



しかし、その後のドラゴンの呟きは届いていない様子。

「・・・なあんてな・・。」



これは・・・・!!

この含みのある台詞!!

ドラゴンは本当に世界を滅ぼすのか??

だとしたら、ロッソはどうする??



このドラゴン、すぐにロッソの扱い方を心得た辺りからして、抜け目ない。

ロッソは優しい少年だから、ドラゴンが悪の化身だとしたら、傷つくだろうな・・・。

できれば少年とドラゴンの友情が育まれてくれたら嬉しいのですが。





去年の春から高橋先生が公式HPを休止していたのは、

この作品の創作に専念する為だったのでしょうか。

単発の読み切りとしては、勿体ないくらい面白いし、

この後連載化してくれたらいいなと思います。









実際にトランプに貼って使える専用シールが本誌に付属。

遊び方は本誌にも載ってますが、

ネットでも見れるようです。



 ・DRUMPゲームルール|集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイト



J-WORLD TOKYOにて、特製モンスタートランプを、

11/2.3.4の入園者様(先着)にて特別配付しているそうです。



 ・J-WORLD TOKYO