遊戯王ZEXAL II 第118話
第118話「青き聖地の神 閃光のエリファス」
虹クリボーに導かれ、アストラル世界に辿り着いた遊馬。
アストラル世界の住人、エナと出会い、アストラル世界の危機を知る。
そして、アストラル世界の代表であるエリファスと、アストラルを賭けてデュエルをする事に。
エリファスは、ニューオーダーズ ランク4 エーテリックアヌビスをエクシーズ召喚。
遊馬はホープを召喚。装備魔法を装備させ、エリファスの伏せカードを破壊し、バトルを仕掛けるが、
エーテリックアヌビスの効果で逆に破壊したはずのトラップが発動してしまう。
ホープの効果でバトルを無効化し、ダメージを防ぐ遊馬。
だが、次のターン、エリファスはシャイニング・ドローを!
アストラル世界の詳しい事情が明かされました。
自分達で選んで選択した結果、自分達を滅ぼす事態に・・・。
全ての災いは、アストラル世界の住人自身がもたらしていた。
その災いは、今やバリアン世界と人間世界を巻き込む事になっている。
元凶はアストラル世界の住人、て事で良いのかな?
何とも皮肉な事です。
アストラル世界とバリアン世界が対立する宿命なのも、今回の説明で分かりました。
アストラル世界から追放されたカオスが、バリアン世界。
もとは一つの世界だったのか・・・。
時系列でまとめると・・・。(個人的な推測も含めて)
アストラル世界の住人が、ランクアップするため、
エリファスを創造。
(アストラル世界の全権をエリファスに委ねた?)
↓
エリファスは潔癖を求めて、アストラル世界からカオスを追放。
追放されたカオスからバリアン世界が出来る。
↓
エリファスは、さらなるランクアップを目指すため、アストラルを生み出し、
バリアン世界を滅ぼすよう使命を与える。
↓
バリアン世界の神、ドン・サウザンドとアストラルの対決。
↓
ドン・サウザンドは封印される。
(アストラルも一度は眠りについた?)
↓
遊馬との出会いとアストラルの復活、ナンバーズが人間世界に飛び散る。
以前、No.96が言っていた台詞。
アストラルの戦う強い意志、諦めない心を、「アストラル世界によく似ている。
ほんの僅かな悪意のシミで崩壊する脆弱な世界。」
と言っていたのは、そういう事か。
潔癖なアストラル世界に対し、対となるバリアン世界のドルベ達が、
悪意に満ちた存在か、と言うと、そうではなく。
仲間思いだったり、強い信念を持っていたり。
その辺りが気になっていたのですが。
なるほど、もとは同じ世界の住人、だからなのか。
バリアン七皇は、ぞれぞれ伝説の中で、悲しい死を遂げています。
そこから生まれる、悲しみ、憎しみ、怒りの感情は、
アストラル世界からカオスと判定されてしまったのか。
そうなると、この三つの世界の存亡を賭けたこの戦いは、どうなるんだろう・・・。
アストラルが復活したとして、ヌメロン・コードを手に入れたら、
アストラルはバリアン世界を滅ぼしてしまうのか?
それとも、バリアンがヌメロン・コードを手にして、アストラル世界を人間世界諸共滅ぼしてしまうのか?
三つの世界を共存させる手立てはないのか?
アストラル世界で遊馬を出迎えたのは、虹クリボー。
父一馬の使っていたカードのモンスターらしい。
この後、ゴブリンドバーグが遊馬を運ぶシーンがありますが。
アストラル世界ではモンスターは実体化するのかな?
虹クリボーの案内で遊馬はアストラル世界へ到着。
そこで目にしたアストラル世界の景色。
高い峰状の建造物と、中央の大きな塔。
色や形は異なりますが、バリアン世界と似ている様に思えました。
海がある所も、両方の世界に共通してます。
町はきれいなのに、周辺は廃墟の様。
枯れたように見えたツタは、遊馬が触れた途端に緑が蘇る。
「九十九遊馬だな?」
「お前はこの世界に来てはならぬ者。」
そう言って、幾度も遊馬の行く手を阻む、謎の存在。
その度に虹クリボーが遊馬を助け、アストラルの元へ導こうとしています。
虹クリボーの変身が可愛くてユニーク。
クリボート、クリボール。
水中で煙幕を吐くクリボウガイ。
どれもちゃんと「クリボ」の文字が入ってる。
よく見るとクリボートは座席が二つあって二人乗りになってます。
遊馬が落ちたアストラル世界の海は、バリアン世界の「悪意の海」の様な強酸の海ではないんですね。
良かった・・・。(汗)
敵をまいて辿り着いた洞窟で、虹クリボーが一馬のメッセージを再生し、遊馬に見せる。
「遊馬、どうせお前の事だ、これを見たら感極まって泣き言のひとつでも言っているだろうが、
この映像はあらかじめ虹クリボーにセットしたものだ。」
映像をみた遊馬の反応も想定済み。
映像の中の一馬は、今は私の話をしている暇はないと、詳しい事を語ってはくれません。
それじゃ、本物の一馬は、今どこに??
Vは以前、一馬はアストラル世界で生きていると言ってました。
(どこからその情報を得たのかは分かりませんが。)
最後に一馬が姿を見せたのは、皇の鍵の中。
アストラルを取り戻す今回の冒険の中で、遊馬は一馬と再会する事はないのか?
メッセージの中で、一馬は、アストラルを救え、と。
カイト達が予想した通り、一馬はアストラル消失というこの事態を予め想定していた。
各遺跡にアストライト製のコインを置いたのも、
遊馬をアストラル世界へ導き、アストラルを助け出させる為だったのか。
アストラルはカオスと判断された、彼はもうすぐその存在を消される、と言う。
こうなる事まで、一馬は見通していたのか?
そもそも、このメッセージが録画されたのは、いつなのか?
(もしかしたら、つい最近?)
よくよく考えたら、一馬はアストラル世界にいるはずなのに、
遊馬に直接会って事情を説明せず、わざわざ虹クリボーを介してメッセージを伝えたのは、なぜか?
直接会えない事情があるのか?それとも、身動きが取れない状態なのか?
遊馬は、本当は父に会いに行きたい気持ちもあるだろうに・・・。
それを堪えて、今は父の言葉に従い、アストラル救出に専念している。
アストラル救出後か、もしくは全ての問題が片付いた時に、
きちんと親子が再会できたら良いのですが・・・。
追っ手に追われる遊馬を助け、匿ってくれたのは、エナ。
アストラル世界に生きる者。
女性のような容姿をしてます。
エナは、この世界の者達を助けて欲しいと。
姿を現した者達は、皆、顔や手足にヒビが入ってます。
病を患い、この命の光が輝いている時は、そう長くはないらしい。
言われるがままに遊馬がアストラル人に触れると、
ヒビは消え、輝きを取り戻す。
エナが言うのは、遊馬からカオスの力を貰ったからだ、と。
「このアストラル世界は、あらゆる悪も憎しみも存在しない。
潔癖な世界。
遙か昔、アストラル世界にもカオスは存在しました。
それが数千年前、カオスを持つ魂を全て追放し、
出来たのが、バリアン世界。」
「カオスとは、自分の為に生きる欲望の力。
それが無くなれば、アストラル世界はランクアップすると信じ、
カオスを切り捨てました。
でも、それは間違いでした。
カオスの中には、誰かを守りたい。
誰かの為に生きていたい。
そう願う心も含まれていたのです。」
誰かを守りたい、誰かの為に生きていたい、という思いがカオスなら、
自分の事はいつも二の次で、自己犠牲を厭わない遊馬と、
璃緒を守りたいシャークと、
ハルトを守りたいカイト。
三勇士は全員カオス判定されてしまいそうです。
しかし、それぞれの強い思いは、時として強い力にもなる。
遊馬がアストラルと共に奇跡を起こしたり、
シャークやカイトが時折赤く発光して不思議な力を発揮するのは、
強力なカオスの力によるもの、なのかもしれません。
「それこそが、生きる力であり、
原始的な生命の源だった。
でも、それを失った為に、
アストラル世界の力は弱まってしまったのです。」
「アストラル世界は、カオスを追放し、ランクアップだけを目指そうとする存在。
エリファスを作り上げてしまった。」
「彼はこの世界の象徴。ランクアップだけを目指す者。」
エリファスを自分達で作って、自分達が追い詰められている。
こんな事情がアストラル世界にあったとは。
何とも皮肉な結果です。
理想の世界を目指し、理想郷を築いたものの、多くの矛盾を覆い隠す事が出来ず、
やがて滅んでゆく、という物語はよくあるパターンですが。
アストラル世界も、そんな世界なのでしょうか。
エナが語る、アストラル世界を救う唯一の可能性。
それが遊馬とアストラル。
遊馬とアストラルで、エリファスを止めろ、という事なのかな?
もしもアストラル世界の住人達が、カオスを追放したのは間違いだった、
自分達はカオスと共存すべきだったと考えているなら、
エリファスさえ止める事ができれば、アストラル世界は救われるのかな?
バリアン世界と歩みより、和解して共存する道が開ける?
遊馬が遂に辿り着いた場所には、結晶の中で眠りにつくアストラルが。
やはり生きていた!
存在が完全に消滅した訳じゃなかったんだ。
しかし、よくみると、左胸が黒くなってます。
これは・・・。No.96のつけた傷跡なのか?
それとも、カオスに汚染されたシミなのか?
遊馬の前に姿を現したエリファス。
この世界の理想を求める者。
エリファスによれば、アストラルはバリアン世界を消滅させ、
この世界を更なるランクアップに導く為に生まれた。
だからこそ彼は潔癖であり続けなければならなかった。
だが、遊馬のカオスで汚されてしまった。
だから、その存在を消さねばならぬ、と。
そう言われて、一瞬動揺する遊馬だが。
アストラルは確かに変わったかもしれないが、アイツは汚されてなんかいねえ!と、
エリファスの言葉を否定する。
アストラルが遊馬との間で育んだ友情、絆。
それによって、誰かを守りたい、誰かの為に生きていたいという感情が、アストラルの中に芽生えた。
それはとても人間らしい感情なのですが。
エリファスにとっては、友を思う心もカオスであり、
排除すべきもの、なのか。
遊馬 「アストラルはいつも言っていた。
デュエルこそが神聖な儀式だって!」
アストラルを賭けたエリファスとのデュエル。
しかし、遊馬が敗北すれば、遊馬の中のアストラルに関する記憶が消されてしまう?
そうなると、遊馬がアストラル世界に関わる事は無くなり、エリファスの思惑通りになりますが。
アストラルどころか、アストラルとの記憶まで奪われたら・・・・。
記憶が無ければ、遊馬が苦しむ事もなくなるが、
それは本当に永遠の別れになってしまう。
エリファスは遊馬の召喚したホープを見て、
遊馬とアストラルの出会いという、イレギュラーによって生まれた異物、だと言う。
遊馬とアストラルの出会いは、皇の鍵によって導かれた運命、だと思っていたのですが、
アストラルが遊馬と出会う事は、エリファスにとっては想定外だった?
(二人が出会うよう仕組んだ者がいたとすれば、それはおそらく一馬だと思うのですが。)
よく考えたら、遊馬一人でデュエルするのは久しぶりです。
エリファスの言葉を否定し、感情的になる自分を戒める遊馬。
相手の戦術を警戒する遊馬が、アストラルの言葉を思い出す。
「遊馬、後は君らしく、かっとビングをすればいい。」
これは、対III戦でアストラルを消された時、遊馬が回想したアストラルの台詞!
あの時の、アストラルの微笑み・・・。
ダメージを防いだ遊馬を褒めるエリファスに。
遊馬 「あったりめぇだ!俺のデュエルはアストラル仕込みだからな!」
この台詞が嬉しい。
アストラルに教えられたこと、戦術だけじゃなく、デュエルの心得も含めて、
遊馬はそれを誇りに思っている。
アストラル世界の本当のデュエルをみせようと豪語するエリファスが。
「最強デュエリストのデュエルは、全て必然。
ドローカードさえもデュエリストが創造する。」
この台詞は!!ゼアルの台詞!
エリファスもシャイニング・ドローが出来るのか??
ゼアルとは、アストラル世界に伝わる伝説の力。
遙か昔、カオスがまだ存在していた頃のアストラル世界の力で、
カオスが追放された今のアストラル世界では失われてしまった。
だから「伝説の力」なのかな?と考えてました。
カオスが追放されたアストラル世界で生まれた、潔癖なアストラルだけでは発動できない力で、
遊馬のカオスの力と絆で初めて発動可能になった、のかと思っていたのですが。
ゼアルではないエリファスにもシャイニング・ドローが出来てしまうのか・・・。
一方、同時進行でドルベ達にも動きが。
何度も自分とナッシュ、メラグの遺跡に足を運び、
バリアントになる前の記憶を取り戻していたドルベ。
「そうだ、私たちは確かに人間であった。」
話を聞くミザエルも、この真実を受け入れざるを得ない。
あれほど見下していた人間が、自分達の過去だった、とは・・・。
どんな気分だろう?
自分に失望し、自信を無くすのか?
それとも、人間を見る目が変わるのか・・・?
シャークがバリアンを嫌っていたにも関わらず、自分自身がバリアンかもしれない、
という事実に苦しんでいるのに似ています。
ドルベ達も、シャークも、お互い自分の正体を知り、戸惑っている。
事実を受け入れた所で、ドルベ達は人間に歩み寄るのか?
それとも、シャークがバリアンに歩み寄るのか?
双方が和解する時は来るのか?
「私はこれから、ナッシュを・・・彼を取り戻す。」
ドルベは、人間となったナッシュを敵とはみなさず。
たとえ相手が敵対する神代凌牙であっても、その正体がナッシュならば、
仲間として受け入れようと考えている。
受け入れるどころか、「取り戻す」と強引な口調。
・・・それほど、ドルベにとって、ナッシュは重要な存在なのか。
前世においては親友であり、
バリアンになってからは七皇のリーダーとして頼りにしてきた。
「ナッシュ、こんな時君がいてくれたら・・・」の台詞に象徴されるように、
ドルベのナッシュに対する執着はかなり強い様です。
一方のミザエルは、そこまでナッシュに執着する様子はありません。
ミザエルは、このドルベの言動を、どう思っただろう?
かつての七皇の仲間であっても、今は人間で敵となった神代凌牙を迎え入れる事に、抵抗はないのか?
それとも、凌牙がナッシュとして覚醒するなら、喜んで受け入れるつもりなのか?
シャークは今も璃緒の側で悩み続けている。
遺跡で見た記憶と、子供の頃の自分達の記憶。
二つの記憶がごちゃ混ぜになって、見ている方が混乱しそうです。
璃緒が目覚めていたら、こんなに悩むこともなかったかもしれない。
璃緒は目覚めた時、悩む兄に、どんな言葉をかけるんだろう?
璃緒自身は、自分達の記憶と真実を受け入れられるのか?
ドルベが突然、シャークの前に現れる。
「凌牙、いいや、ナッシュ。」
「君の目覚めの時だ。」
シャークをナッシュとして迎え入れようにも、本人が強く拒絶する事は容易に想像できるはずですが。
台詞だけみると、何か強引に凌牙をナッシュとして目覚めさせようとしているように思えます。
ドルベは一体、シャークに何をするつもりなのか?
そうまでして、ナッシュを取り戻したいのか?ドルベは・・・。
遊馬の顔、特にコミカル顔がいつも特徴的。
(作監:宍倉敏)
(脚本:吉田伸)