遊戯王5D's  第149話

第149話「蘇った英雄」



ゾーンが未来の真実を語り始める。



 ゾーン「私は未来のあなた自身なのですよ。」



未来の世界で飽くなき進化を求める人間の心が引き起こしたモーメントの暴走。

モーメントは人の意志を読み取る機関。

進化の結果、人の心が誘惑や欲望などの悪意に捕らわれた事で、

モーメントは暴走を始めた。



そして、それに影響を受けた世界を結ぶネットワークが、ある意志を持つに至った。

このままでは地球は滅びる。その元凶である人類を滅ぼせと。



機皇帝が量産され、都市の人々を襲い始める。



そんな世界を滅亡から救い、人々を導く為に未来に蘇った。

それが、私なのです、とゾーンは言う。

故に、遊星の考えが手に取るように分かるのだとゾーンは言い、遊星にプレッシャーを与える。



シェリーは言う。始めてゾーンに会った時、遊星と同じものをゾーンに感じた、と。



続くデュエル。

ゾーンは時械神ラツィオンをデッキに戻し、永続トラップ、虚無械アインを破壊し、

新たな永続トラップ、無限械アイン・ソフを発動。

その効果で時械神ザフィオンが特殊召喚される。



時械神が場にいるとき、他のモンスターを召喚できない。

一体のモンスターなら、くず鉄のかかしで攻撃を無効化できると遊星は考えていたが。

ゾーンはその考えもお見通しだと言い、無限械アイン・ソフの効果で、

更に二体の時械神、時械神サディオンとカミオンを召喚する。



ザフィオンの攻撃はくず鉄のかかしで防いだものの、サディオンの攻撃でゾーンはLPを回復。

そして、カミオンの攻撃で遊星の場の三体のドラゴンはデッキに戻され、遊星はダメージを受けてしまう。



衝撃で地上に衝突しそうになりながら、なんとか持ち直す遊星。



LPを大きく削られ、遊星の場にモンスターはゼロ、手札もなし。

だが、次のターン、ゾーンの場の三体の時械神はデッキに戻る。

ゾーンが時械神をドローできなければ、ゾーンの場はがら空きになるはず。



その遊星に思考をも言い当てるゾーン。

お前は俺なんかじゃない!と否定する遊星に、

なぜ自分は遊星なのか、その理由をお教えしましょうと、ゾーンが自身の過去を語り出す。



科学者として世界を滅亡から救う方法を探していた、若き日のゾーン。

機械の軍隊を止めるには、その根本となっているモーメントの動力源を、

人の心を読み取る遊星粒子を、正しい方向に向かわせるしかない、と。



だが、増長した人々の欲望や負の感情は、もはや彼一人で変えられるものでは無かった。

そんな時、かつてネオドミノシティを救ったという不動遊星の名を思い出した。

どんな困難にも立ち向かい、決して諦めなかったという、不屈の英雄伝説



ゾーンは、世界を救うため、自分が不動遊星になれば良いと考えた。

遊星の人格をコピーし、それと同化すれば、自分は不動遊星になれる。

自分を改造し、不動遊星として生まれ変わったゾーン。

人々の心を正しき方向へ導く者として。



遊星となったゾーンは、人々の前でクリアマインドを発動させ、シューティングスターを召喚し、

その力で機皇帝の軍隊を停止させてみせる。

自分達が正しい心を持ち、己の欲望を捨ててのぞめば、モーメントの暴走は止まる。

そうすれば必ず世界は救われる、と説き、人々を連れ歩き出した。



やがてゾーンの周囲の人々は互いに助け合い、分かち合う事を知り、機械の軍団も人間を攻撃しなくなった。

これで世界を救えると、ゾーンが感じ始めていた。だが。



正しい心を世界の人々に伝える時間は残されていなかった。

人々の負の心の作用によって、モーメントは遂に、破滅的な負の回転を始めた。

それに影響を受けたネットワークが自滅の道を選び、世界中のモーメントが一斉に爆発。

大地が裂け、飲み込まれていく人々。

ゾーン自身もダメージを受け、機械で出来た頭部の半分が露出する酷い有様。

結局、ゾーンは誰一人救う事は出来なかった。

人の心を変える事など不可能だったのだ。



そして、ゾーンは今の結論に至った。

世界を救うには、モーメントを、このネオドミノシティごと破壊し、歴史から抹消するしかないと。



それを聞いて、言葉を失う仲間と、デュエルを見守る市民。



ゾーンの考えを否定し、現在も未来も救ってみせると言う遊星。

ゾーンは言う。



 「あなたが未来に現れても、未来は救えなかった。

  不動遊星の力を持ってしても、滅びの未来は変えられなかった。

  もはや、この街の犠牲を受け入れるしかないのです!」



為す術のない遊星はカードを伏せただけで、ターンを終了。

続くゾーンのターン、三体の時械神はデッキに戻る。

これで手札に時械神が無ければ、遊星に勝機が。

しかし、デッキに戻ったザフィオンの効果でゾーンはカードをドローし、手札を補われてしまう。



ゾーンが手札を補う事を読んでいた遊星が、トラップを使い、自身もカードをドロー。

手に入れたモンスターの効果で、素材モンスターを場に揃え、相手ターンにシンクロ召喚



 龍可「お願い。遊星を守ってあげて。」



エンシェントフェアリーが姿を現す。



対するゾーンも、手札からトラップ発動で、カードをさらに2枚ドロー。

手札に時械神を揃えたゾーンが一気に五体の時械神を召喚する。

時械神ミチオン、ハイロン、ラフィオン、ガブリオン、サンダイオンが現れる。

果たして五体の時械神相手に、どう戦うのか??





という訳で、ようやくゾーンの正体と過去が明かされました。

ゾーンは本物の遊星では無かったんですね。

仮面の模様や乗り物など、わざと遊星を暗示させるような要素をちりばめ、

視聴者に、もしかしてゾーン=遊星?とヤキモキさせる、上手い仕掛けでした。

まんまと騙された。(笑)



遊星になったゾーン。

全ては世界を救う為に。

クリアマインドを可能にする程、精巧に遊星の人格をコピーして頭部に埋め込み、

顔まで変えて、遊星になりきろうとした。

不屈の英雄伝説を持つ遊星に、すがるような思いで変身したんでしょうね。



ただ、いくら同化しても、本物の遊星になれるハズはなく・・・。

自分が遊星になれば世界を救えるという、思い込み。

その辺に何か問題があるように思えます。



本物の遊星なら、どんな絶望の中でも誰かに犠牲を強いる選択はしないはず。

遊星と言う伝説のヒーローの力を借りるのではなく、

ゾーンのままで解決策を探るべきだったんじゃないかな。



たとえ遊星の伝説やカリスマ性を利用したとしても、所詮は偽物。

人々を欺く事になる。それが本当に人々を導く正しい方法なのか?

なんか、インチキ宗教のような手段に思えます。



あと、いくら遊星の人格をコピーしても、遊星と仲間達の絆までは再現できない。

その辺もゾーンに足りなかったモノじゃないかと。

偽遊星で人々を導くこの計画に、協力してくれる仲間は当時居なかったのか?

自分を改造する位だから、誰にも相談せず、一人で全てを背負って計画を実行しようとしたのか。

そうやってたった一人で世界の危機に立ち向かおうとした所も、誠実ではあるけど、危険な所でもある。



勿論、後にアンチノミーパラドックスアポリアという仲間を得る事が出来たのですが。

仲間に時には頼る事、協力し合う事の大切さ。それに気付くのが遅かった?



遊星の英雄伝説にすがろうとした事。

偽物のヒーローで人々を導こうとした事。

真面目過ぎて間違った方向に突っ走ってしまった、哀れな科学者、という印象を受けました。

だから「私の力では世界を救えなかった」じゃなくて

「不動遊星の力を持ってしても」世界を救えなかった、なんて台詞を言ってしまう。

決して遊星が悪い訳ではないのに。



ツイッターでは、ゾーンの行動が理解出来ないという意見と、必死なゾーンに同情する意見とがありました。

確かに、”英雄のなり損ない”と言われても仕方がない・・・。)





ゾーン≠遊星だった事で、いろいろ疑問点整理。

ゾーンが見ていてデータなど見ると、ゾーンが居た世界でも

遊星の顔にマーカーがあったり、遊星達がダークシグナーと戦ったり、

遊星がクリアマインドを会得していたり。



しかし、ゾーンのいた世界はイリアステルの介入を受けていないはず。

ゼロリバースもなく、サテライトもなく。

そもそも遊星にシューティングスターを授けたのはゾーンのハズ。

矛盾してる??と少し混乱しましたが。



シグナーはルーンの瞳同様、歴史改ざんの影響を受けない。

この設定を忘れてました。



それを踏まえて考えると・・・・。

ソーンの居た世界、イリアステルの介入の無い世界。

ゼロリバースは起こらず。サテライトも存在しない。

だが、遊星がマーカーになる何らかの事件はあった。

地縛神との戦いもあった、のだと思われます。



遊星の顔にマーカーが付く事件。

ここは自分の想像ですが。

赤き竜はシグナー達を、ダークシグナーに対抗できる強い戦士に育成するべく、わざと試練を与える様に思えます。

なので、遊星も、孤児にならず両親の元で育ったのかもしれませんが、

それでも何かしら過酷な試練が課せられたのでしょう。

その過程で、マーカーが付く事件があったハズ。



また、イリアステルの介入が無くても、5千年周期で繰り返す赤き竜と邪神の戦いはやはり起こっている。

シグナーとダークシグナーの戦いも。

ゼロリバースは起こってませんが。

イリアステルの介入無しでも、ルドガーはダークシグナーとして覚醒したのかもしれません。

(そういう運命にあった?)



シューティングスターとクリアマインドについては謎ですが。

これも謎のDホイーラーやゾーンの助け無しに、遊星が自ら進化して得たもの、なのでしょうか?



(この疑問には、小野監督がツイッターで答えてます。

http://twitter.com/katsuono/status/40641739551281159

「シューティングスターはそもそも手に入れる予定だったのがゾーンの介入によって早まっただけですね。」)



ところで、今更ですが131話で三皇帝が言っていた、「神の居城、アーククレイドル、イレイティスの眠る地」

のイレイティスとは一体何なんでしょう?

今後この言葉って出てくるのかな?





今回はEDが劇場版映像なし。

次回予告の後に、新番組ゼアルのCM!!

やっと主人公の遊馬の声が聴けました!



主人公が少年という事で、声優さんは女性になるだろうと思っていたのですが。

今作も男性声優を起用したのは、少年向けアニメ的にも良かったと思います。

ちょっと十代さん似かな?少年らしくていい声です!!



作監:奈須川 充)