遊戯王5D's  第146話

第146話「最後の一人 Z−ONE」



太陽ギアへ通じる扉の前で、到着した遊星を迎える仲間達。

互いの無事を確認し、それぞれの戦いの成果を報告する。



腕のアザを遊星に見せ、6番目のシグナーになった事を伝える龍亞。

龍亞のデュエルをお前にも見せてやりたかったぞと、ジャックも嬉しそう。

みんなに褒められて龍亞もデレデレ。



シェリーは遊星と共に戦う決意を遊星に伝える。



一方、姿の見えない謎のDホイーラー(ダークグラス)を探して辺りを見回すアキが、

サングラスの彼は?と遊星に問う。



うつむく遊星が事の顛末を語る。

彼は遊星ギアを守る者、その正体はブルーノだった。

本当の名はアンチノミー。ゾーンの仲間で、未来を変える為に送り込まれてきた。

だが、ゾーンと戦うために必要な新たな力、デルタアクセルシンクロを遊星に伝え、

自らを犠牲にして遊星を守ったのだ。



ブルーノの死を悲しむ仲間達。

遊星ギアの盾にブルーノを利用したゾーンを許せないと、仲間達が奮い立つ。



太陽ギアへ向かう途中で、旧モーメントを目にする遊星達。

これが太陽ギアを動かしていたのだ。

それを見て、自分の因縁はまだ終わっていないと感じる遊星。



たどり着いた中心部。辺りは瓦礫の山。

その上にゾーンは待ち構えていた。

龍亞がゾーンの乗り物と、遊星のDホイールを見比べる。



もう過去は振り返らないと決意を語るシェリー。

未来を救う為にここに来たと言う遊星達に、

ゾーンは遊星達の使うシンクロ召喚とモーメントこそが未来を破滅へと導いたのだと語る。



未来を変える為、ゼロリバースを引き起こし、元凶であるモーメントを消滅させようとした事。

また、パラドックスを過去に送り、根源であるデュエルモンスターズそのものを消滅させようと試みた事。

そして今、アンチノミーアポリアを使い、ネオドミノシティをモーメントごと消滅させようと。



その為に犠牲となったブルーノを思い、遊星が怒りをぶつける。

「俺はアーククレイドルを止めてみせる!

 みんなが住むこの町を、ブルーノが居たこの町を、お前の勝手にはさせない!!」



太陽ギアと連動しているゾーンをデュエルで倒さなければ、アーククレイドルを止める事は出来ない。

遊星がデュエルを受けて立とうとした、その時。

遊星を制止する声が。



そこには、ボロボロの体のアポリアが。

ゾーンに向かい、君の相手はこの私だ!と宣言する。

それが荒廃した未来を共に生き抜いた友としての使命だと。



アポリアは龍亞達とのデュエルで、ある答えを見つけた。

自分がなぜ、あれほどの絶望に耐え生き続けていたのか?

それは、絶望しながらも希望を失っていなかったから。

その事に気付かせたのが、龍亞とのデュエルだったのだ。



アポリア「ゾーン、私は君にも思い出して欲しい。

     君が遊星達に抱いていた希望を!」



なぜゾーンはアンチノミーの記憶を消したのか?

それは計画の妨げにしかならないハズだ。

今、アーククレイドルを止めようとするまでに遊星達は進化した。

もしかしたら、その進化こそが君が望んでいた事ではないのか?

人間のわずかな可能性に最後の希望を託していたからこそ。

その進化を成し遂げ、未来を託すに足りる存在となった彼らをなぜ抹殺しようとするのか?!



その問いに、ゾーンは静かに答える。

希望など、幻想に過ぎないのだ、と。



崩れかけた体でゾーンにデュエルを挑もうとするアポリアは、自分の身を案じる龍亞に語る。



アポリア「少年よ。

     私は君の中に希望を見た。

     私は分かったのだ。

     君の成長、そしてそれを促したチーム5D'sの絆こそが、私の探し求めていた希望であると。

     その希望がある限り、私は戦える!」



瓦礫の中からゾーンの巨大な両腕が出現!

さらに、瓦礫の中の石版が砕け、中から巨大なカードが現れ、ゾーンのデッキに変化する。

いよいよアポリアとゾーンのデュエルが始まる。



先行のアポリアが機皇帝グランエルを召喚。

ゾーンは攻撃力0の時械天使でグランエルを攻撃し、手札から発動したトラップでダメージを防ぎ、

時械天使の効果でグランエルをアポリアの手札に戻してしまう。

さらに、またも手札からトラップを発動させ、手札に戻った枚数分のダメージがアポリアに。

次のターン、アポリアが今度は機皇帝ワイゼルを召喚し、ゾーンにダイレクトアタックを仕掛けるも、

これも手札から発動したトラップで防がれ、さらなるダメージを受けてしまう。



実体化するダメージの衝撃で、倒れるアポリア

ゾーンは「もう・・・辞めましょう。」と言うが。

希望を捨てないアポリアが、果敢に立ち上がる。



ならば本当の絶望を思い出させてあげましょうと、ゾーンが永続トラップ、虚無界アインを発動。

その効果で、遂にゾーンのエースモンスター、時械神メタイオンが召喚される。

攻撃力0のメタイオンでワイゼルを攻撃。

メタイオンは戦闘では破壊されず、ダメージも受けない。

さらにターン終了時、相手フィールドのモンスター全てを手札に戻し、戻した数だけダメージを与えるという。

またも機皇帝が手札に戻され、大ダメージを受けたアポリアの残りLPは500。



時械神は戦闘では破壊出来ず、トラップ・マジックでも破壊出来ないという。

それでも、希望がある限り負けはしないと、アポリアは再び立ち上がる。

アポリアが引いたカードは、マジック、アフター・グロー。

これさえあれば奇跡が起こせると確信したアポリアが、スカイ・コアを召喚する。



このまま機皇帝スキエルを召喚するのか?

スキエルを召喚した所で、再びメタイオンの効果を受ければ、敗北してしまうのに??

アポリアに勝機はあるのか?





アポリアはなぜ、メタイオンの効果を知っているのに、機皇帝を出し続けるのか?

次回予告によると、自分のデッキ破壊を?



アバンで、遊星に再会したシェリー。

遊星の敵に回った事、その自分の選択が間違っていた事を、遊星に謝罪するのかな、と思ってましたが。

特にそんな台詞は無かった・・・。ただ戦う決意を語るだけ。

それでいいの?という気がしましたが。

アキとクロウとのデュエル後の、このシェリーの心境の変化を、遊星なりに理解してその覚悟を受け入れたのでしょうか。



アキが「サングラスの彼」と呼んだ件。

仲間達は誰もその正体を知らず。

姿は見た事あるけど、直接会話した事があるのは遊星だけだっかな?

虹の橋ビフレストを渡るとき、アキのピンチを救ったのがダークグラスだったから、

遊星以外でダークグラスに興味を持つのはアキさんだけなんですね。



呼び名を知らないから、サングラスの彼、という呼び方に納得。

他に特徴無いし。(笑)

あるいは、スリップストリームの彼?かな。



遊星によってブルーノの正体が仲間達に明かされました。

しかし、仲間達も遊星自身も、アンチノミーがブルーノとなった経緯とその真実は知らないんですよね。

遊星の側から見ると、ゾーンの仲間としての記憶は無いものの、遊星を守り導く使命だけを覚えていたアンチノミーが、

記憶喪失のフリをして遊星達に近付き、意図して仲間になった、と思えてしまう。



プラシドに追われ、道路に猫がいたために転落し、記憶喪失になったのであって、そこはアンチノミーのせいじゃない。

その誤解は解かれないまま・・・・。

アンチノミー自身もその真実を遊星に語りませんでした。

残された時間が少なく、詳細を語る暇が無かったのと、

遊星を自分とのデュエルに向かわせるため、あえて事実を伝えなかったのでしょう。

自ら憎まれ役を買って出た所が、ちょっと切ないな・・・。



仲間達は、遊星ギアの盾にされた、と言っているので、

アンチノミーの記憶を消してブルーノに仕立てたのは全てゾーンの仕業、だと思っている様子。

ゾーンが記憶を失ったブルーノを、あえてそのまま放置したのは、

遊星達との絆を深めさせる事で、本当に遊星ギアの盾にするつもりだったからなのか?

それとも遊星の可能性に賭けたから、なのか・・・・。



太陽ギアを動かしているのは、旧モーメント。

遊星達の世界では、暴走してゼロリバースを引き起こし、今は過去の遺物と化していますが。

ゾーン=遊星だとすると、ゾーンのいた世界は、やはりゼロリバースの無かった世界?

旧モーメントは暴走する事なく、そのままモーメントと共に都市が発達したのでしょうか。

だから旧モーメントが未来のネオドミノシティの中心に位置し、今もアーククレイドルの動力として動き続けている?



ゼロリバースは、ゾーンの指示だった様子。

ゼロリバースにイリアステルが関わっているなら、イリアステルの正体=三皇帝だから、

三皇帝のアイディアで彼らの独断での行動かと思ってました。



今回初めて、パラドックスについても言及。

135話の過去回想にはそれらしき人物が描かれてましたが。

ようやくここで劇場版とTV本編が繋がりました。

多分、劇場版公開一年後のこの時期にアンコール上映する予定があらかじめ決まっていて、

そのタイミングに合わせてパラドックスの伏線を本編で回収するよう、始めから仕込んでおいたんでしょね。

この辺りはシリーズ構成が巧みだと感心します。

パラドックスもお前の差し金だったのか!と言ってますから、今ここにいる遊星は、劇場版での出来事をちゃんと覚えている。

パラレルではなく、世界がちゃんと繋がっているのだと分かる。

同時に、今の遊星の中には、十代と遊戯と共に戦い、勇気づけられた思い出があるのだと思うと、少し心強い。



まさかのアポリア二度目の復活。

そして、アポリアvsゾーンという、予想外の対戦。

盛り上がってきました。

しかし、どう見てもアポリアが不利。

遊星の前でデュエルをすると言う事は、敗北覚悟でゾーンの手の内を遊星に見せる為に・・・?

アンチノミー同様、遊星を信じ未来を託して、犠牲になるつもりなのか??



アポリアが、ゾーンが遊星に希望を抱いていたハズだと言ってました。

これはどうなんだろう・・・?当たっているのかな?

確かにアポリアの言う通り、アンチノミーの記憶をわざわざ消してから送り込んだのは不自然だし。

事故で更なる記憶喪失となりブルーノとなった彼を、そのまま放置したのも、疑問です。

上でも書いた通り、それは遊星ギアの盾とするつもりだったからなのか?

かつてダークグラスが遊星に、彼も迷っているのかもしれない、と言っていたのが本当なら(110話の台詞)。

ゾーンにはやはり、まだ迷いがある?





未来組(ゾーン、アポリアパラドックスアンチノミー)は、言うなれば”チーム絶望”ですね。

未来の絶望の中で団結している。

それでも活動を続けてきたのは、彼らにも希望があるからこそ、こうして足掻いていたわけで。

しかし歴史を変えて未来を救おうというこの計画は、過去の人間に犠牲を強いる残酷なものでした。

そうした残酷な方法でしか未来を、自分達を救えないと思い詰めてしまった。

まさに”チーム絶望”。



所が、つい最近まで絶望絶望言っていたそのアポリアが、今は希望を語ってます。

アポリアが龍亞の成長を目の当たりにして、

「少年よ、これが絶望だ」が「少年よ、私は君の中に希望を見た。」に変わった訳です。

デュエルを通して、アポリアと龍亞の間にも、確実に絆が芽生えている。希望という名の絆が・・・。



チーム絶望の、ゾーンを除いた三人の中で、パラドックスだけ救いがないような気もします。

アンチノミーも、アポリアも、遊星達との出会いとデュエルで、希望を見いだせた。

しかし、劇場版で遊星と遊戯、十代の三人とデュエルし、消えていったパラドックスは、何も希望を見いだせないまま

無残に散っていったように見えました。

アンチノミーの希望通り、遊星がゾーンを救う事が出来たのなら、

この四人の中で救われないのは、本当にパラドックス一人だけになってしまう・・・。少しかわいそうですね。

それともこの先、本編でもパラドックスの復活再登場とかあるのかな??



ゾーン=遊星説。

瞳の色が同じ。

遊星の顔のマーカーと同じ模様がゾーンの仮面にある。

わざわざ仮面を被り、素顔を隠す必要性。

龍亞が見比べていた通り、ゾーンの乗り物と、遊星のDホイールの形状が似ている点。

加えて、アンチノミーの回想シーン。

これらの点を考えると、確かに可能性は高いですね。

ただ、もしそうだとすると、顔のマーカーの必要性など、依然疑問が残りますが・・・。



アポリアさんへのツッコミ。

三皇帝時代、プラシドはアンチノミーに2回会ってますよね。

ダークグラスを追い回して事故に追いやり、ディアブロ工場では、居合わせたブルーノに腹パンチで気絶させたり。

アンチノミーの方は記憶がないから気付かないのも仕方ないけど。

同じ計画に関わる仲間だと、なぜ気付かなかったプラシド。(笑)

三つの絶望の人格に分けられた状態では、ゾーンの仲間の記憶もないのか?(ゾーンが記憶操作してる?)

あるいは、若返ったアンチノミーの姿に、気付かなかっただけなのか?

(ゾーンはおそらく、三皇帝達に、アンチノミーを送り込んだ事は伝えてない様子・・・・。

遊星の進化を促す為か?)

何も知らずに仲間同士で足を引っ張っていたのかと思うと、ちょっと滑稽ですね。(笑)



小野監督がツイッターで、この回のサブタイトルがゾーンの名前の意味だとおっしゃってました。

最後の一人 Z−ONE(ゾーン)。

Z-ONE(ゼットワン)とはシェリーの持っている父親の形見のカードの名前・・・。

どんな意味が??と思ったら。

Zはアルファベットの最後の文字。

つまり、”最後(Z)の一人(ONE)”って意味らしいです。なるほど。

しかし、シェリーの持つこのカードと、ゾーンが、どこでどう繋がるのか・・・・??

インフィニティとの関連?





時械神メタイオンの胸に写る顔が不気味・・・・。(汗)



ブルーノの事を語る時の遊星の、かすかに拳を振るわせる仕草。

力の入ったアポリアの表情とアクション。

作監:武藤公春)