遊戯王5D's  第145話

第145話「光よりも速く!!」



続くアンチノミーvs遊星の決死のデュエル。

デュエル空間に大きな爆発が起こり、ブラックホールが生まれ、遊星達の背後に迫る。

TGハルバード・キャノンの攻撃をかわそうと、シューティングスターを除外する遊星だが。



 アンチノミー「それはどうかな?」



ハルバード・キャノンの効果でフィールドに連れ戻され、攻撃力を下げられてしまう。

永続トラップ、エンデューロ・ソウルにより破壊は免れたものの、シューティングスターの攻撃力は更に下がり、遊星のLPは残り100!



さらにハルバード・キャノンには恐るべき効果、召喚封じがあった。

遊星が召喚したモンスターは、即破壊されてしまう。

為す術のない遊星はカードを一枚伏せてターンを終了する。



アンチノミーは遊星の戦術を読み、語ってみせる。

シューティングスターを守備表示にしなかったのは、ハルバード・キャノンの攻撃かダメージを防ぐ手立てが伏せカードにある。

通常の相手ならそう読んで攻撃を躊躇する所だが。

相手の心理を巧みに利用する遊星なら、伏せカードはブラフの可能性もある、と。



アンチノミーがトラップを用い破壊した遊星の伏せカードは、やはりブラフだった。

すかさずハルバード・キャノンで攻撃を仕掛けるアンチノミー

除外したシューティングスターは攻撃力を下げて引き戻され、ハルバード・キャノンの攻撃を受ける。

エンデューロ・ソウルと手札のモンスターの効果を使い、シューティングスターの破壊と自身のダメージを見事に防いだ遊星。



手札のモンスターの効果を使う条件を満たす為に、

わざとシューティングスターを除外してハルバード・キャノンの効果を利用し、攻撃力を下げさせた。

遊星の巧みな戦術を内心賞賛するアンチノミー



しかし、遊星の残りLPは100。シューティングスターの攻撃力も100に下がっている。手札もゼロ。

背後には敗者を飲み込むブラックホールが迫る。

アンチノミーの圧倒的な力の差を見せつけられる遊星。

そして、遊星の手の内を知り尽くしているアンチノミーのアドバンテージ。

果たして遊星に勝機はあるのか?



未来を変える為、遊星が奮い立ち、反撃が始まる!



遊星が召喚したワイルド・ハートには二つの効果がある。

相手にダイレクトアタックして自滅する効果と、他の効果で破壊された時自身を特殊召喚する効果。

そしてシューティングスターの効果、カードを破壊する効果を無効化し、そのカードを破壊する。

これを組み合わせれば、ワイルド・ハートがダイレクトアタックする毎に特殊召喚され増えていく無限ループが完成する。



ハルバード・キャノンの召喚封じによりワイルド・ハートは破壊され、コンボは防がれてしまう。

遊星は墓地からトラップ、リベンジ・リターンを発動。

それはアンチノミーによって破壊された、あの伏せカードだった。

その効果でワイルド・ハートを復活させるが、再びハルバード・キャノンの効果で破壊。



ハルバード・キャノンの召喚封じは素材としたシンクロモンスターの数だけ行える。

これで効果を三回使い切り、再び召喚封じが使われる事はない。



遊星がスピードワールド2の効果を使い、SPC(スピードカウンター)を7つ全て取り除いてカードをドロー。

引き当てたモンスター、バランス・シューターを召喚。



攻撃力の低いシューティングスターでハルバード・キャノンを攻撃しても、破壊され、ダメージを受けるだけだが。

墓地のネクロ・ディフェンダーの効果で、このターン遊星が受けるダメージは0になる。

バランス・シューターの効果を使えば、戦闘破壊を無効化できる永続トラップ、エンデューロ・ソウルが

シューティングスターの攻撃力が下がるのを防ぎ、

変化を防いだ数値分、つまり800のダメージを与える事ができる。

そして、シューティングスターは最高5回の連続攻撃が可能!



シューティングスターの効果発動!デッキの上から五枚カードを確認し、チューナーモンスターの数だけ攻撃出来る。

アンチノミーの残りLPは1800。勝利する為にはここでチューナーを3枚以上引かなければならない。



自分の可能性を信じ、限界を超える覚悟の遊星がカードをドロー。

引いた4枚のカードのうち、チューナーは2体。

間近に迫るブラックホール重力場

この最後のドローでチューナーを引き当てられなければ、ブラックホールに飲み込まれる。

追い込まれながら遊星が引いたカードは・・・3体目のチューナー、ハイパー・シンクロン!



 遊星「これがお前が教えてくれた、限界を超える力だ!」



シューティングスターの三回の攻撃でアンチノミーのLPが0となり敗北。

その時、遊星と共にブラックホール重力場に飲み込まれてしまう。



ブラックホールの闇の中、砕けたサングラスの隙から、アンチノミーの穏やかな笑顔が。

アンチノミーは遊星に、この世界を、そしてゾーンを救って欲しいと語る。



遊星が幾度となく壁を乗り越える姿を側で見てきたアンチノミー

記憶を取り戻した時、彼は遊星の可能性を信じようと決意していた。

遊星なら自分の限界を打ち破る事ができる。

そう信じたアンチノミーは遊星を、新たな力、デルタアクセルシンクロへと導くために、このデュエルを始めたのだ。



 アンチノミー「遊星とは違う形で出会いたかった。

        そうすれば、本当の仲間になれたかも知れない。」



 遊星「アンチノミー・・・。いや、ブルーノ!

    お前は俺たちチーム5D'sの、俺の仲間だ!ブルーノ!」



仲間と言う言葉を聞いて、はっとするアンチノミー

すぐ隣で遊星が差し出す拳を見つめる。



 アンチノミー「この僕を、仲間だと言ってくれるのか?遊星・・・。」



無言で頷く遊星。



 アンチノミー「仲間・・・か・・・。

        僕はみんなを励ましながら、みんなと共に戦っている遊星を見ているのが大好きだった。

        そこに、君の無限の力と可能性を感じていたから!」



煙を上げ、速度が落ち始めるアンチノミーのDホイール、デルタイーグル。

早く飛び移れを遊星が手を伸ばすが。

このコースから抜け出すには、どちらかが消滅するしかない。

君たちと過ごした時間は最高に楽しかったよと言い残し、アンチノミーが最後の力を振り絞ってデルタイーグルを加速。

背後に回って遊星のDホイールを後押しする。



 アンチノミー「遊星!君は僕の希望だ!アクセルシンクロは光りをも超える!

        光を超え、未来を切り開くんだ!

        行けーーー!遊星ーーーっ!」



一気に加速したデルタイーグルが遊星のDホイールをブラックホール重力場の外へと押し出し、

力尽きて減速し、闇に飲み込まれていく。

最期に笑顔をたたえながら・・・。



アーククレイドル内部に戻ってきた遊星。

遊星ギアは回転を止める。

床落ちていたのは、欠けたアンチノミーのサングラス。

ブルーノを思い、涙を流しながらその名を叫ぶ遊星・・・・。







アバンで、アンチノミーがまさかの「それはどうかな?」発動!

アニメ遊戯王シリーズにおいて代々受け継がれている名台詞。

いつもなら主人公かその仲間が発する言葉なのですが、今回は敵であるアンチノミーに言われてしまいました。



仲間達が遊星の身を案じるシーンで、シェリーも一言、遊星の名を呟いてました。

遊星に再会したら、自分のした事を詫びたいんじゃないかな・・・。



勝負の決め手は、遊星の奇跡のドロー。

赤き竜が力を貸していると思うと、ある意味チートドローでもあるのですが。(汗)

生死を決める最後の一枚、それを恐れずにドローできる遊星の勇気。

その勇気があってこそ赤き竜も遊星に力を貸すのだと解釈すれば、遊星の精神力を評価するべき、なのでしょう。



散々遊星にけしかけていたアンチノミーですが、やはりその真実は友情でした。

アンチノミーとしての記憶が戻った時、すでに覚悟を決めていた、のか・・・。

アーククレイドルの遊星ギアを守る使命を捨て、自分の命を賭け、遊星にデルタアクセルシンクロを伝えようと。

ブルーノとしての、遊星との友情、絆が、アンチノミーとしての感情を一瞬にして上回った。

それだけの強い思い・・・・。



親友とのデュエルと言うと、ダークシグナー編でのvs鬼柳戦を思い出しますが。

鬼柳との友情が過去回想でしか描かれなかったのに対し、ブルーノとは1年以上をかけて仲間といて描写があり、

友情と信頼を育んできた経緯を見せられている分、悲壮感が強いです。



遊星がブルーノの名を呼び、お前は仲間だと言った時の、ブルーノのはっとした表情。

真実を明かした今でも、自分を仲間だと言ってくれる、遊星のその言葉。

この僕を、仲間だと言ってくれるのか?と問うブルーノ・・・。

何度見ても胸が熱くなるシーンです。(涙)





OPで遊星が五体のシンクロモンスターを召喚するシーンがあるけど、

いずれ遊星がデルタアクセルシンクロをするようになる伏線?



ゾーンを除くアポリア達が既に死んでいて、遊星達が戦っているのはゾーンにより蘇った人工的な生命である点。

デュエルが殺人にならないようにする為の配慮なのかな、と思ったり。

ダークシグナーとのデュエルもそうであるように、相手はもともと死人だから、

相手が敗北により消滅しても殺人ではありませんよ、という。

デュエルでの勝利=相手の死、では遊星達は戦えない。優しい配慮。



やはりアンチノミーはダークグラスより声高め。

中の人の演じ分け?がしっかりしてるのかも。

アンチノミーの人格がブルーノ寄りである証なのかなと思えます。



後から知ったのですが、最期のシーン、ブルーノが優しく「遊星・・・。」と呟く台詞は、

ブルーノ役の田中宏樹さんのアドリブらしいです。

カットされるのを覚悟で入れたアドリブだったとか。(田中さんのブログ参照)

田中さん自身もブルーノには特別な思い入れでもって演じてくれたそうで。

声優さんが演じるそのキャラを好きになってくれる、というのはファンには嬉しい事です。

田中さん、ブルーノを好きになってくれて、熱演してくれて、ありがとう!!



攻撃時のハルバード・キャノンのアクションが凝ってる。メカっぽい。

陰影の濃い色彩。派手なアクション。

そして、穏やかなブルーノの表情。

最後のシーン、眉間にしわを寄せて悲しみ遊星の表情とか。

作監:原 憲一)