遊戯王5D's  第144話

第144話「終焉の起源 未来の為の死闘!」



アンチノミーvs遊星。



コース中央の灼熱の星。

そこから吹き出すフレアが、コース上の遊星を襲う。

これをかわしながら、命懸けの危険なデュエルが始まる。

先行で、早速シンクロ召喚してくるアンチノミー

遊星は効果ダメージを受けてしまう。



デュエルをためらう遊星に、アンチノミーは語る。

「口では何と言おうと、仲間だった者に対する情を捨てきれない。

 それが君の強さでもあり、最大の弱点だ!」

「見せてみろ!君のデュエルを!」

Dホイールで体当たりをし、遊星にけしかけるアンチノミー



遊星もシンクロ召喚し、アンチノミーのアクセルシンクロを阻止する為、攻撃を仕掛けるが。

その攻撃はトラップにより、容易に防がれてしまう。

アンチノミーは、遊星の戸惑いがデュエルにブレーキをかけていると指摘する。



シンクロチューナを召喚し、いよいよアンチノミーのアクセルシンクロが始まる。

コースの行く手を遮るフレアを突き破り、加速するアンチノミー

アクセルシンクロでTG(テックジーナス)ブレートガンナーを召喚。



なぜ俺にアクセルシンクロを教えた?と問う遊星に、

すべてはアーククレイドルを呼び出すためだったとアンチノミーは答える。

「遊星、君の役目は終わりだ。」

仲間だったブルーノの、信じがたいその言葉に、遊星は驚愕し、苦悩する。



遊星の場のモンスターはブレートガンナーに破壊され、

更に特殊召喚したもう一体のモンスターによりダイレクトアタック。

遊星はLPを大きく削られてしまう。



そんな事ではゾーンには勝てないと言うアンチノミー

ゾーンの正体について語り始める。



アンチノミーの回想。

未来の世界で、彼はプロのDホイーラーとして活躍していた。

デュエルの素晴らしさを知ってもらう事が、人々に夢と希望を与えると信じていたのだ。

彼の時代に伝説として語り継がれている不動遊星がそうであったように・・・。

だが。



シンクロが引き金となり、いつ争いが起こってもおかしくない状況となり。

シンクロが禁止されてしまう。

そして遂に、シンクロとモーメントの影響で、ネットワークが暴走。

世界は破滅へと突き進んでいった。

荒廃した都市を見て、打ちひしがれるアンチノミー。シンクロが間違っていたのか?

自問しながら、目の前に落ちているシンクロモンスターのカードを拾う事も出来ず。

機皇帝に銃口を向けられ、アンチノミーは死を覚悟する。

その時、機皇帝を倒し、彼を救った者が居た。

その姿は・・・遊星??



アンチノミーに歩み寄り、手を差し伸べる遊星。

その正体はゾーンだった。

「僕はゾーンに救われた。

 絶望の中でも希望を捨てずに戦っているゾーンを見て、僕は恥じた。」

ゾーンを中心に生き残った四人は、破滅した世界を救う研究を始めた。

その研究には膨大な時間を要し、彼らの命は尽きていった。

アンチノミーもまた、アポリア同様に、

未来を救う為、ゾーンの僕として蘇る事を、死に際にゾーンに望む。



ゾーンとは、人類最後の一人。

ゾーン以外の仲間は全て死に、未来を救う為、ゾーンの僕として蘇る。

アポリアは三つの絶望故に、三つの人格として蘇り、イリアステルを操っていた。

アンチノミーに与えられた任務は、遊星を守り、成長させる事。



未来を救う為、この計画を阻止させないと言うアンチノミー

人々を犠牲にして救った未来に希望があるはずはないと、遊星は否定する。

遊星達同様に、ゾーンと固い絆で結ばれたアンチノミーは、ゾーンとの誓いが僕の使命だと言い、譲らない。



 遊星「それがお前の為すべき事だと言うのか?ブルーノ!」

 アンチノミー「僕は・・・アンチノミーだ。」



ならば仲間と仲間達の未来の為に戦うと、遊星が覚悟を決める。



スターダストをシンクロ召喚する遊星。

さらにシンクロチューナーを呼び出し、遊星もアクセルシンクロを。

「もう迷いはしない。それが仲間を守る為なら!

 俺の答えはここにある!」

クリアマインド発動で、シューティングスター登場。

シューティングスターの攻撃が通り、アンチノミーのLPを削る。



だが、アンチノミーにはまだ切り札があった。

シンクロ召喚で新たなモンスターを呼び出し、さらにその効果で、ブレートガンナーをエクストラデッキに戻し、

素材のシンクロモンスター二体を復活させる。

これがアクセルシンクロの先にある答えだといい、加速するアンチノミー

限界を打ち破る境地、トップクリアマインド!

TGハルバード・キャノンが現れる。

三体のシンクロモンスターによるシンクロ召喚

これが、アクセルシンクロを超えたシンクロ、デルタアクセルシンクロ!





ブルーノの一人称の変化。

ダークグラスの時は「わたし」、ブルーノの時は「僕」。

アンチノミーは「僕」でした。

という事は、アンチノミーは人格的にブルーノに近いのかな?

声の調子も、ダークグラス時は低め、ブルーノ時は高めな印象。

アンチノミーは落ち着いた口調ですが、ダークグラスほど低くない?



シンクロ召喚と、さらに進化したアクセルシンクロを使うアンチノミー

アポリアは人類の進化と破滅を加速させたシンクロを憎み、自身もシンクロを使わず戦っていましたが。

同じゾーンの仲間であるアンチノミーはシンクロ否定派ではないのか。



迷いのある遊星に、わざとDホイールで体当たりしたりして。

遊星に厳しい言葉を投げかけたり。

遊星の本気を出させようとするアンチノミー

仲間だったからこそ、お互いの本気を出し合い、真剣勝負で決着を望んでいるのか?

敗者は消えるこのデュエル。遊星の勝利は自身の死に繋がるというのに・・・・。



アンチノミーの過去回想。

未来で伝説となった遊星を尊敬し、シンクロを信じていた。

だったら尚更、遊星に対する思いは強いんだろうな。

ゾーンによってアンチノミーとしての記憶を消し、ダークグラスとして現代に来た時、

遊星を守るという使命だけが彼の中に残ったのも、遊星への尊敬と憧れがあったから?



アンチノミーの計画をまとめると。

当初の予定では、アンチノミーとしての記憶だけ消して、

そのままダークグラスとして遊星の危機を救い、アクセルシンクロを教え導くだけの役目だった。

だが、プラシドに狙われ、猫を救う為、転落してさらに重度の記憶喪失。自分の使命を忘れてしまい。

そのお陰でチーム5D'sの一員として認められ、チーム内部から遊星をサポートする事が出来た。

結果的には使命を果たせた訳だけど。



猫を助けて記憶喪失にならなければ、本来なら遊星の仲間になる予定ではなかったんだろうな。

”記憶喪失のブルーノ”となったのは、本人も想定外だった訳だし。

しかし、その事を知らない遊星からしたら、

ブルーノとして自分達の前に現れたのも、アンチノミーの策略だった、という事になる・・。

アンチノミーもまた、遊星の戦意を挫く事を恐れ、わざとその真実を語らない・・・。



想定外で遊星と親しくなってしまった、それ故のアンチノミーの苦悩。

自分との命懸けのデュエルに躊躇する遊星のデュエル。

アンチノミーという真実の名を明かし、遊星の敵となった今も、彼をブルーノと呼ぶ遊星の言葉。

その友情も、アンチノミーにとっては辛いはず・・・。(泣)



戦う覚悟を決めた時、ようやく遊星がアンチノミーと呼ぶようになる。

二人の悲痛な覚悟が・・・。



遊星の姿でアンチノミーの前に現れたゾーン。

なぜ遊星に?と思ったけど、本来の姿がメカメカしく、不気味だから?

シェリーに接触した時は、彼女の父親の姿でした。

ゾーンは相手の心を読み、その人にとって最も大切な人とか憧れる人物の姿を借りる、のかな?





ツイッターで色んな人の考察を見ていると、

あの回想シーンで、ゾーン=遊星と捕らえてる人が多いようです。

個人的にはあれは仮の姿だと思ったのですが・・・・。



瞳の色に注目して見ると、ゾーンと遊星は同じ色に見える・・・。

アンチノミーが語るゾーンの姿、「絶望の中でも希望を捨てずに戦っている」というのは、今の遊星にも似ている。

ゾーンと固い絆で結ばれたアンチノミー達と、遊星と固い絆で結ばれた5D'sの仲間達。

お互い似たもの同士である点。



そうなると、アンチノミーの前に現れたのは、遊星の姿を借りたゾーン、ではなく、遊星本人?

未来の仲間との絆を守る為、過去の仲間の絆と戦っている事になる?



ただ、そうなるといくつか矛盾が。

アンチノミー達がいた未来=イリアステルが歴史に介入していない世界=ゼロリバースが無かった世界。

しかし、「ゼロリバースが無かった世界」では、遊星は両親と死別する事なく、サテライトも存在せず。

従って、顔にマーカーを付けられる事も、

ゼロリバースの事で罪悪感を感じ、街を救うため必死で戦いヒーローとなる事もなかったかもしれない。

でも、アンチノミーの前に現れた遊星の顔にはマーカーがあった・・・。

これは一体・・・?



「ゼロリバースが無かった世界」のアンチノミーの元に、「ゼロリバースがあった世界」の遊星が現れたのか?

それても、「ゼロリバースが無かった世界」でも遊星は何らかの事件で顔にマーカーが付けられ、なおかつ、

ヒーロー的な活躍をして伝説となったのか?

あるいは、アンチノミーの居た世界は、ゼロリバースが起こり、遊星がマーカーとなり、街を救う為に活躍した、

その先の未来、なのか?



ゾーンの口調が基本的に丁寧なのも、遊星らしくないような。

石版により遊星に力を与えたシーンは、過去の自分に力を与えていた事になり、

自分相手に「あなたは自分が正しいと思う道を進んで下さい」と言ったのか?



劇場版を見ると、赤き竜の力を借りれば、遊星も時空を渡り過去へ行ける、という設定も気になる。

歴史を変える事が出来る存在はゾーン一人ではない可能性もあり・・・。



もう一つ、気になるのが、アーククレイドルに居ると思われる遊星の父、不動博士の存在。

ゾーン=不動博士という事も考えられる?

左目だけ露出させている所に共通点があるような。

ゾーン=ゼロリバースが無かった世界の不動博士。

モーメントの中で遊星の前に現れ、遊星を救ったのは、ゼロリバースがあった世界の不動博士。



結局、ゾーンは本当に未来の遊星なのかどうか。あの描写だけではよく分からず。

タイムパラドックスものになると、こういう混乱が絶えないです。



一人取り残されたゾーンの孤独と狂気を思うと、可哀相でもある。

キャラ考察すると、いろいろ奥が深いな。



TGワンダーマジシャンのウィンクがかわいい。





手や目のアップが力強い。斜めや逆さまの構図。

画面を覆うカード裏面のアップからキャラを映す演出。

二人のアクセルシンクロの迫力。

作監:関口雅浩)