遊戯王5D's  第142話

第142話「生死を懸けた闘い!機皇神龍アステリスク」



アバンで前回のおさらい。

倒れたジャックと龍可。一人立ち尽くす龍亞に、アポリアは言う。



 「心が無ければ未来の破滅も無かった。

  少年。これが絶望だ。」





オレのせいだと泣く龍亞を、気を取り戻し立ち上がったジャックが叱咤する。

龍可も立ち上がり。

涙を拭いて、龍亞がカードをドロー。

しかし、アポリアの場には、モンスター召喚時にダメージを与える永続トラップ、レベル・カノンと、

マジック・トラップをセットした時にダメージを与える永続魔法、ロックオン・レーザーが。

下手に動けば、ジャックと龍可にダメージが及ぶ。もうミスは許されない。

怖じ気づいた龍亞は、何も出来ずにターンを終了してしまう。



続く龍可のターン。

LPが残り少ない龍可も何も出来ずにターン終了。

機動要塞フォルテシモの効果で、更なるダメージを受ける。

傷つく龍可を見て、龍亞は何もしなかった自分の愚かさに気付く。



子供相手に、なぜここまでやる!?見かねたジャックの問いに、アポリアが答える。

ネオドミノシティを救う事を諦めてもらう為だ。

その為に私と同じ絶望を味合わせているのだ、と。



絶望などしてたまるかっ!

猛り立つジャックが、クロック・リゾネーターを守備表示で召喚。

レベル・カノンのダメージを受け、LPを100残しながら、踏みとどまる。



ジャックのその姿に、希望を捨てるなというメッセージを受け取る龍亞。

しかし、更なる絶望が待ち構えていた。

アポリアはマジックで手札を増やし、遂に機皇神龍アステリスクを特殊召喚

アポリアのスキエル・アインの効果で、レベル・カノンのダメージは受けず。

場の三体の機械族モンスターの攻撃力を加え、アステリスクの攻撃力は4600!

さらに、シンクロ召喚を行えば相手プレイヤーに1000のダメージが。



シンクロ召喚を封じられ、アポリアの場には四体のモンスター。

このターンで龍亞達全員のLPを0にする気なのか?

このままでは龍可さえ守れない!

龍可のピンチに、いつもただ祈る事しか出来なかった。

何も変わらないと、己の無力さに、再び涙を流す龍亞。

その時、手札を見て、気がつく。



「・・・違う、今はデュエルをしてるんだ。

 今はデュエルで龍可と繋がってる!

 オレはもう、傍観者なんかじゃないんだ!」



いよいよアポリアの攻撃が始まる!

アポリアはスキエル・アインでジャックのクロック・リゾネーターを攻撃。

龍亞の発動したトラップにより、攻撃対象を龍亞のディフォーマー・ステープラーに変更。

ワイゼル・アインの効果で貫通ダメージを受けるが、ステープラーは戦闘では破壊されず。

さらに、アポリアの二体のモンスターを守備表示に変更させ、アステリスクの攻撃力を下げさせる。

ワイゼル・アインの攻撃を受け、ステープラーは破棄されるが、その効果でワイゼル・アインの攻撃力を下げ、

これによりアステリスクの攻撃力をさらにダウン。

龍亞は、攻撃力1500となったアステリスクのダイレクトアタックを受け、倒れる。



自分を盾にし、ジャックと龍可を守り抜いたのだ。

その姿に、ジャックは龍亞の覚悟を知る。



倒れた龍亞に、アポリアはサレンダーをそそのかす。

今サレンダーすれば、お前も仲間も命は助かると。

立ち上がり、しかし、うつむきうなだれる龍亞の姿に、ジャックも龍可も、諦めかけた、その時・・・。

拳を握りしめた龍亞。



 「オレは・・まだ生きてる・・・。

  生きている限り、絶望はしない!!」



龍亞のターン!

機動要塞フォルテシモの効果を使い、D・ラジカッセンを、そして手札からD・ライトンを召喚。

レベル・カノンのダメージを受け、尚も踏みとどまる龍亞。

マジック、二重波紋を発動させ、ジャックのクロック・リゾネーターと自分の場のラジカッセンを墓地に送り、

パワーツールとエンシェントフェアリーを特殊召喚

だが、レベル・カノンとアステリスクの効果により、合計3800のダメージが龍亞に!



 アポリア「少年、絶望して死ぬがいい。」

 龍亞「違う!絶望はしない!希望を繋げたんだ!」



ダメージを受け、LPが0になり、龍亞の心臓の拍動が止まる・・・・。

悲鳴を上げて嘆き悲しむ龍可。

心のダメージが龍可の命を削っていく。

攻撃を受けていないのにも関わらず、龍可のLPが徐々に減り始める。



その時、エンシェントフェアリーが龍亞に語りかける。あなたの使命はまだ残っていると。

龍亞の場に残されたD・ライトンが回転を始める。

守備表示のライトンはプレイヤーのLPが0になった時、回転が緑で止まればLPを100に回復出来る!

回転が緑で止まり、ライトンの光りが龍亞を照らす。

同時に、ジャック、龍可、そして仲間達の竜のアザが輝きだし・・・。



龍亞の背に集まり、浮かび上がる赤き竜の紋様。その竜の手に、新たな紋様が加わり。

龍亞の右腕に、シグナーのアザが現れる!!



目覚めた龍亞にエンシェントフェアリーが語る。あなたが6番目のシグナーなのだと。

龍亞が成長し、シグナーとして覚醒する事を、私も龍可もずっと望んでいたと言う。



龍可の減り始めたLPを見て、龍亞がアザに願いを込める。

オレに力を!!

パワーツールにライトンをチューニング。

姿を現した赤き竜の口から飛び出した、パワーツール。

体を覆う装甲が割れ、中から新たな姿を現す。

これが、六番目のシグナー、龍亞のドラゴン。パワーツールの進化した姿。

ライフ・ストリーム・ドラゴン!!







この展開を!!!!

どれ程待ち望んでいた事か!!!!!!



龍亞がやはり6人目のシグナーだった!

36話の龍可の夢の中の黄色い竜も!

ルチアーノ戦で死のピンチを赤き竜が救ったのも。

全ては、この時の為に!!



龍亞の覚醒が遅れたのは、クロウを活躍させる為に先にシグナー認定したせいだと言う人も居ますが。

5D'sの中で、最も成長が期待されるキャラだけに、最後まで焦らす演出なのだと思われ。

だからクロウは悪くない。クロウの活躍も龍亞の成長を促したと思います。

思えばWRGP編では殆どデュエルさせて貰えず、裏方として頑張ってきた双子。

その苦労も報われたな・・・。



シグナーは5人のハズなのに、6人なのは?

おそらく6人目は隠されたシグナーなんでしょうね。秘密の切り札的な。

だからプレインカ文明でもその存在は語られていないのでは。



新たに浮かび上がった、龍亞のアザ。

形がなんかかわいい。(笑)

赤き竜のアザの全体像で、手の部分に書き加えられてます。

手に持っているのは、心臓?という説もありますが。

竜が持つものと言えば、玉?

(監督さんのツイートによれば、やはり心臓なのだそうです。

http://twitter.com/katsuono/status/22623226857263104



実はシグナー6人居たのに、タイトルは"5D's"?

(これもTwitter情報ですが、5D's の ' が、6人目を意味している、という説が。)



何はともあれ、龍亞、良かった!おめでとう!!



あと、赤き竜は結構意地悪で試練好き、なんじゃないかと思ったり。

例えばアキさんの場合、幼い頃から竜のアザとサイコパワーのせいで、酷く悲しい少女時代を過ごしたのも、

いつか仲間と出会い、両親と和解し、自らの力でその呪縛を解き放つよう、成長を促す為の試練だったのかな、と。

サイコパワーとアザを彼女に与えなければ、こんな辛い人生も無かったと思う。

けど、それでは彼女の成長も無かったかもしれない。

邪神や世界の危機に立ち向かう強い心を持った戦士を育てる、それも赤き竜の役目なのかもしれません。





作監:奈須川充)



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今回の展開とは関係ないけど、気になる事を少し。

イリアステルの歩みと疑問点整理。



順番にたどってみる。(個人的推測も含む。)



1,アポリアの願いにより、彼の三つの絶望から、ルチアーノ、プラシド、ホセの三人をゾーンが作る。

  三皇帝の誕生。

2,ゾーン、三人に破滅の未来を変えるよう指示。

  三皇帝によりイリアステルが作られる。

3,イリアステルによる歴史の改ざん。

    ゴドウィンの話によれば、プレインカ文明の頃にはすでにイリアステルが存在していたから、

    その時代までさかのぼって歴史に介入していたと思われる。

4,それでも破滅の未来は変わらなかった。

  なので、破滅の原因となるモーメントを無かった事にしようと画策。

  ゼロリバースを引き起こす。 

    モーメントの開発が中止された時、ルドガーはナスカの地でイリアステルの男と接触している。

    ここでイリアステルが具体的に何をしたのかは不明。(邪神側への働きかけ?)  

    二つの神の間で苦悩するルドガー、最終的に邪神側へ傾き、強行的にモーメント開発を再開。

    ダークシグナーとして覚醒したルドガーの負の波長が、モーメントの中の、人の心に反応する

    遊星粒子に影響し、モーメントはマイナス回転に暴走、ゼロリバースが起きる。

5,ゼロリバース後もモーメントによる人類の進化と発達は続き、やはり破滅の未来は変わらなかった。

  今度は、ゼロリバース後の、新たなモーメントの元で発達するネオドミノシティの破壊を計画。

  遊星達の時代への介入が始まる。

    アーククレイドルをこの時代に呼び寄せ、これでネオドミノシティを押しつぶす。

    その為にはモーメントを搭載したDホイールとDホイーラーの闘志で描いたサーキットが必要。

    ダークシグナー戦後、サテライトとシティを繋ぐハイウェイに、ライディングデュエル専用ラインを作り、     

    ライディングデュエルを推奨、さらにWRGP開催を計画。

6,準備が整い、三皇帝がネオドミノシティに現れる。





大体こんな感じ?



いくつか疑問点が。



イリアステルが介入する以前に、ゼロリバースの起こらない世界があった?

  モーメントの開発は順調に進み街は発展、ゼロリバースは起こらず。

  遊星達も両親と仲良く暮らしていた世界が、本来の歴史、なのか?

・ゾーンはいつから歴史を操作する力(インフィニティ)を手に入れたのか?

  その、ゼロリバースが起こらない世界で手に入れた?  

  もう一つ、気になるのが、ゾーン=シェリーだった場合。 

  ゼロリバースのない世界では、イリアステルの介入は受けず、シェリーの両親は殺される事も無かった。

  両親と共に成長する幸せなシェリー。父親から何らかの形で、インフィニティの制御キー、Z-ONEのカードを

  譲り受ける。その後、何らかの事情で、破滅の未来を生きる事になったシェリーがゾーンとなって・・・。

  そう考えると、最初からゾーンがインフィニティを操れたのも納得がいく。

・なぜシェリーの両親は殺されたのか? 

  開発中のインフィニティがイリアステルに悪用される事を恐れ、シェリーの父親はカードを隠した。

  しかし、既に時空を渡り歴史に介入する力を持っているイリアステルが、わざわざ制御カードを狙う

  必要があったのか?自分達以外の者がインフィニティを手にするのを恐れた?

・ゾーンはなぜ遊星に新たな力を与えたのか?

  明らかに、三皇帝の計画の邪魔になるハズなのに・・・。

  その力を与えた事でアポリアは敗北、破壊され、今もこうしてアーククレイドルの落下を阻止しようと

  ゾーンに刃向かっている。力を与えた事を後悔してないのか?

  三皇帝に拮抗するほどの力が遊星達に無ければ、白熱するライディングデュエルにはならず、

  サーキットは完成しなかった?それ故に遊星に力を与えた?たとえアポリアが敗北するとしても?

  ある意味賭けだったのか?

・今のネオドミノシティが滅べば、本当に破滅の未来が回避出来るのか?

 他に未来を変える方法はないのか? 

  ヒントがあるとしたら、やはり人の心に反応する遊星粒子、かな?

  戦争を繰り返す人類の、絶望の心が、未来の破滅を呼んだのだから。

  逆に、モーメントを歴史から葬らなくても、戦争をしない未来、または戦争があっても絶望せず希望を

  持ち続ける事ができる、人の強い心があれば、破滅は回避出来るのかも。



「ゼロリバースの起こらない世界」というのが個人的に気になります。

遊星もシェリーも、両親と仲良く暮らしている世界。

過酷な運命がない分、人間的成長も無かったかもしれないけど。

そんな幸福な世界が、本来はあったはずなのにな・・・・。