遊戯王ARC-V  第15話

第15話「目指せジュニアユース選手権!!」



遊矢のランチタイム。

遊矢の弁当箱は、上蓋の表がカードの裏面、内側には遊勝のエースモンスターが描かれている、

なかなか面白いデザインです。(笑)

この世界ならではのキャラグッズですね。



勢いよく弁当を流し込む遊矢の食べっぷり。

呆れる柚子に、ハンカチを差し出す手が。

「やあ!」

沢渡が、爽やかな笑顔でキラキラしてます!(笑)



女の子に気取った態度を取るのは沢渡らしいと言えますが。

自分を罵り「百流デュエリスト」呼ばわりしたした柚子に対しても、この態度。

意外と紳士なのか?それとも柚子を憎からず思ってる?

相手が沢渡と分かった途端に、柚子にはそっぽを向かれてしまいましたが。(笑)



遊矢に対して「レディの前ではしたない」とも言ってます。

柚子をレディ扱い、という事は、

どんなに嫌われても憎まれ口を叩かれても、女性に対しては紳士なんですね、沢渡。



沢渡はLDSの講師がエクシーズ使いに襲われたと言う。

零児がデュエルを中断した理由は、これだった。

沢渡は、遊矢の実力でLDSの講師を倒せるハズがないと、遊矢を疑ってはいません。

自分とデュエルしたエクシーズ使いは、遊矢に似ていたが別人だったと、今は理解しているようです。



遊矢だけがペンデュラムカードを持ち、ペンデュラム召喚が行える事は、不公平で卑怯だと沢渡は言う。

噂でレオ・コーポレーションが独自に開発しているというペンデュラムカードをいつか手に入れ、

必ずお前を倒す!と遊矢に宣言して去って行く。



卑怯な手段で遊矢のペンデュラムカードを奪ったり、

父親に泣きついて遊矢への仕返しを企んだりしていた沢渡ですが、

今回は遊矢にしっかりとライバル宣言しています。少し見直しました。

デュエルでの敗北の悔しさが、沢渡の中のプライドを揺さぶり、

少しだけデュエリストとして成長させたのかもしれません。

これからも遊矢と共に成長し、遊矢のライバルとして活躍して欲しいキャラです。



沢渡の言う不公平さは、いずれレオ・コーポレーションが開発したペンデュラムカードにより解消される事も、

遊矢は知っているし、ペンデュラムカードが普及した後も、自身の腕を磨きペンデュラム召喚の先を歩んでいく覚悟も、

今の遊矢にはあります。

だから、沢渡の言葉に動揺する事もない。



・・・はずですが。ジュニアユース選手権という言葉を聞いて、遊矢は突然慌て出す。

今の遊矢には、ジュニアユース選手権への出場資格がないのだ。



アユ達に、遊矢が説明する。

ジュニアユース選手権に出るのは、ジュニアユースクラスの公式戦で、

年間50戦以上し、勝率6割以上あげなければいけない。

遊矢の現在の成績は、46戦26勝。

目標の50戦まで残り4戦。それを全勝すれば、勝率6割を満たせるはず。



しかし、その残り4戦の対戦相手が見つからない。

チャンピオンのストロング石島に勝った遊矢を皆敬遠し、学校では対戦を断られてばかり。

ジュニアユース選手権なんて顔パスだろ?と誤解される始末。



プロになるには、ジュニアユース選手権で勝ち上がって、ユース昇格試験にパスして、

ユース選手権でも勝ち上がり、プロテストに受からなければならない。

この世界でプロのデュエリストを目指すのはかなり大変なようです。



アユ、タツヤ、フトシ達は小学生で、ジュニアクラス。

中学生のジュニアユースとは、クラスが違う。

柚子は既に出場資格を持っていて、普段から遊矢と練習試合をしているから今更だと断られる。

権現坂には、これまで権現坂道場の弟子達を対戦相手として紹介して貰った恩があり、

これ以上頼る訳にはいかないと、遊矢は言う。



遊矢の決意を聞いた柚子が、私ももっと強くなりたいと言い、一人駆け出していった。

一体、どこへ??

権現坂の事ばかり褒めたから、柚子を怒らせたんじゃないか?と言うアユ達の推測に、

遊矢が慌てて取り乱す。(笑)

「手遅れ」とアユにからかわれて落ち込む所を見ると、

遊矢は素直に、柚子に嫌われたくないと思ってるんですね。



以前素良に彼女と言われた時には

「なんで俺がこんなガサツな、ストロング女と!」などと言ってしまった遊矢ですが、

柚子が居ない所では、こうして柚子への感謝の気持ちをはっきり言う事が出来る。

ただひたすらに親友として柚子を大事に思っているけど、恋愛対象として意識した事はないのでしょう。

それでも、アユ達からからかわれる程の仲の良さ。

見ている方もニヤニヤしてしまいます。



柚子の方は異性として遊矢を多少は意識しているのは分かりますが。

いつかそんな二人の関係に、変化が訪れる時が来るのでしょうか?



遊勝塾では、あのニコ・スマイリーが遊矢を待っていた。

エキシビションマッチでストロング石島に勝った事で、遊矢の実力が舞網市デュエル協会に認められ、

特別枠としてジュニアユース選手権へ無条件で出られると言う。

しかし、遊矢はそれを断ってしまう。



石島の事を尋ねると、あの試合の後。自らタイトルを返上し、

一から自分を鍛え直すと言って海外へ修行に行ってしまったと。

そこで、マネージメントするデュエリストを失ったニコは、遊矢に目を付けたらしく。

協会に掛け合ったのも、私欲のためではなく、遊矢の才能に惚れ込んだからこそと主張するニコに、

遊矢はある頼み事をする。



石島のその後が、なかなかかっこいいです。

遊勝との決着を望んでいた事や、

遊矢に敗北してタイトルを返上し、修行の旅に出てしまう所からも、彼のデュエルに対する誠実さがうかがえます。

その真面目さとは裏腹な、あの派手な衣装とメイクは、プロレスの悪役のような役作りの為で、

エンタメデュエルの彼なりの演出なのかもしれません。

いつか再登場して、遊矢とまたデュエルする日が来るといいな。



レオ・コーポレーションのビルの前で様子を伺う素良。

零児がレオ・コーポレーションの社長と分かったものの、ビルの入り口は厳重な警戒で、

零児に会うのは難しい様子。

「あ〜あ、戦いたいな、アイツと。」

素良は零児とデュエルしたいのか?

遊矢とも出会った当初はやたらデュエルしたがっていたのを思い出すと、

素良は常に強者とのデュエルを望んでいる様にもみえます。

それは単なる好奇心からなのか?それとも他に目的があるのか?



そこに現れた柚子。

素良が遊勝塾に顔を出さないのは、赤馬零児を狙っていたからだろうと、図星を突かれる。

「遊矢に近づいた時と同じ。興味を持つとすぐ付いていこうとするんだから。」

柚子は素良の性格をよく分かってます。

柚子が素良の腕を引いて連れて行く姿を、ビルの隙間から見ていたのは、あの黒マスクの男!



マルコ襲撃事件の現場に来た真澄、北斗、刃の三人。

そこに居たのは、LDSのトップチーム、制服組。

三人がLDSの生徒だと名乗ったのを聞いて、制服組のティオが自ら対応する。

マルコ先生を心配し、事件の真相を気に掛ける三人に、

今は何も話せないが、必ず上層部が事件の真相を解明するから、

大人しく帰るようにと優しく諭すティオ。



制服組とは、プロテストまでを全てトップクラスの成績でクリアした超エリート集団。

北斗と刃はその制服組に憧れているようです。



先生が無事かどうかすら「話せない」と言われたら、やはり察してしまう。

ティオの話に納得できない真澄は、他を探すと言い、一人その場を離れ走り出す。

呆れ顔で真澄を見送る北斗と刃。「ったく、あいつは・・・。」



マルコ先生が心配で一人突っ走る真澄に、北斗と刃が付いてきてくれた所からしても、

この三人は仲よさそうです。

三人の連携や協力による活躍が見たいですね。



柚子は倉庫に素良を連れ込み、融合召喚を教えて欲しいと頼み込む。

ここは、沢渡達のアジトがあったあの倉庫?

真澄に負けた事を悔やみ、遊勝塾を守る為、真澄に勝つ為にも、もっと強くなりたい。

だから、真澄と同じ融合使いの素良から融合召喚を習いたいと。



柚子の頼みにためらう素良。

しきりに「いいのかな〜?」と言い、何かを迷っています。

「僕が教えたら絶対強くなっちゃうし。」とも。(笑)

素良はデュエルの腕前だけでなく、指導力にも相当自信があるようです。



その様子を影から見ている黒マスクの男。

なぜここに・・・・・?



マジックカード「融合」を柚子に渡し、融合召喚を教える素良。

「(あ〜あ、教えちゃってるよ。優しすぎるのが僕の唯一の欠点だよなぁ。)」

内心ぼやく素良が、面白い。(笑)



講義の途中で、黒マスクの気配を察知した素良の表情が変わり、黒マスクを追って駆け出す。

倉庫の中で、素良に追われて逃げ回る黒マスク。

二人はデュエルディスクを起動させ、ディスクで刃を交える。



デュエルディスクでつばぜり合い。(笑)

ディスクはもはや武器ですね。

DMの闇遊戯の「カードが剣ならば、デュエルディスクは盾」という台詞を思い出させます。



ディスクを構えて対峙する二人。

 素良 「君、何者?こっちの人じゃないよね?」

 黒マスクの男 「お前も・・・。」



このやり取りから、二人がこの世界の人間ではない事をにおわせます。

しかし、二人に面識はなく。

召喚方法やデュエルディスクの形状の違いを考えると、素良と黒マスクの男は同じ世界からきた訳では無さそう?



柚子が黒マスクに気づき、沢渡とデュエルしたエクシーズ使いだと素良に伝える。

「今度の事件もあなたがやったの?」という柚子の問いには黙って答えず。

「あなた何者なの?沢渡とデュエルしたのは、私を助ける為?それとも、LDSに恨みが!?」



男が答えようとしたその時、倉庫の扉が開き、真澄が現れる。

最初の事件の現場に行けば何かあるかもと、ここにやってきたのだ。

刑事のような勘の鋭さです。(笑)



黒マスクの男を、マルコ襲撃事件の犯人とみた真澄が、

デュエルディスクを装着し、デュエルを挑もうとする。

柚子が制止したその時、柚子のブレスレットが輝き、男は姿を消した・・・。

そこに柚子を探しにやってきた遊矢が。

真澄は遊矢を黒マスクの仲間と思い込み、あいつを出せと遊矢に詰め寄る。

素良の機転が、真澄を追い払う。



素良は柚子が融合召喚の特訓をしていた事を遊矢に明かす。

柚子が、こんな倉庫で特訓しようとしていたのは、やはり遊矢に秘密にしたかったのかな?



遊矢は残り4戦の相手探しにニコが協力してくれる事になったと柚子に報告する。

選手権の話題に興味を持った素良。

試合数が少なくても負けなしの六連勝なら出場資格が得られると聞き、楽勝じゃんと喜び、

対戦相手をニコに紹介して欲しいと言い出す。



一方、柚子はブレスレットを見つめ。

これであの男と遭遇するのは二度目。「一体私の周りで何が起こってるの?」と困惑の様子。



そして、レオ・コーポレーションのビルの前に、謎の人物が。

青いコートに、赤いマスクと黒のサングラス。

黒マスクと同じ円形型のデュエルディスクで、何かを調べている?

こいつは一体・・・??



デュエルディスクの形状からして、黒マスクの男の仲間か?

マルコを襲撃したのも、この男なのか?

新キャラの登場で、謎が深まります。







今回はデュエル無し。

各キャラが顔合わせをして各々の事情を知り、ジュニアユース選手権を目指す過程が示されました。

選手権出場を目指す遊矢と、周囲で起こるエクシーズ使いの事件。

二つが今後の展開の柱になりそうです。



登場人物の相互関係も複雑になってきてます。

黒マスクの男は、今回は素良と真澄にその姿を見られ、それぞれと因縁ができました。

真澄はマルコ襲撃事件の犯人だと思っているようですが・・・。

柚子は男を犯人だと決めつけてはいません。

自分を守ろうとした男が、襲撃事件の犯人であるはずがないと思ってるのかな?

柚子の問いかけに、黒マスクは何と答えようとしたのか?



素良の「こっちの人じゃないよね?」の台詞を聞いて、柚子はどう思っただろう?

素良に何か秘密があるにしても、柚子が聞いたところではぐらかされるだろうし。



そして、遊矢だけが黒マスクの男を目撃していない。

黒マスクと柚子、沢渡、素良、真澄が関わった事も詳しくは知らず。

柚子の様子が一時期おかしかった原因や、素良が「こっちの人じゃないよね?」と発言した事など

も知らずに、遊矢一人だけがこの事態を把握していません。

それを知った時、遊矢はどう反応するのか?



柚子の側に遊矢が居ないときに黒マスクの男は現れ、

柚子のブレスレットが光る時、男が消え、遊矢が現れる。

男の出現条件は、「柚子の側に遊矢がいない事」?

遊矢が自分とよく似たこの黒マスクに出会う事はないのか?



黒マスクの方が、遊矢と出会う事を避けている、としたら・・・・。

過去又は未来の自分と出会ってはいけないというタイムパラドクス的な設定も思い起こさせます、



黒マスクは、常に柚子を見守っているのか?

それともレオ・コーポレーションを見張っている時に偶然柚子を見つけただけなのか?

レオ・コーポレーションのビルから柚子を付けてきたのは、何故か?

やはり柚子の事が心配?



柚子のあのブレスレットは一体?

一体いつから、どんな理由で身につけているのか?

黒マスクがこの世界の者ではないとしたら、なぜ黒マスクは柚子を知っていたのか?

柚子が修造と血の繋がった親子なら、柚子はこの世界の人間で間違いないと思いますが・・・。

それとも、黒マスクの男の世界に、もう一人の柚子が居るのか?



権現坂の友情にそのまま甘える事を自分で禁じた遊矢。

無条件で選手権に出場できたのに、それを断ったり。

遊矢が迂闊で単純な性格じゃない事が分かりました。

支えてくれる友人達の事、自分の今後のあり方もよく考えてる。

今回の遊矢の描写で、遊矢の好感度が少し上がった気がします。





キャラの心情や考えを、台詞の中で一つ一つ丁寧に言葉で説明するのは、分かりやすさを重視しているからかな。

台詞のやり取りで間接的に表現するタイプとは違っていて、上代さんの脚本の特徴のようにも思えます。



コミカルな場面での表情が特徴的。



作監:宍倉敏)

(脚本:上代務