遊戯王ARC-V  第14話

第14話「熱血!!修造劇場」



零児達が去った後、落ち込む遊矢。

ゴーグルを装着して、完全に落ち込みモードです。



LDS組とデュエルした面々を労う修造に対し、「勝ったのは遊矢だけじゃん」と素良が言う。

デュエルをしなかった素良の辛辣なツッコミに、タツヤ達は猛烈に怒る。

「お前なんか遊勝塾の仲間じゃない!」とまで。

そんな子供達に素良は「はいはい、ごめんね。」と愛想笑いでその場を去る。



熱血そうな刃とのデュエルを避けたり、こうした場面での発言を見ても、素良はかなり冷淡な性格のようです。

情熱、友情、根性、といったものが苦手なように見えます。

遊矢のその後を見届けず、引き留める修造の声も無視してどこかへ行ってしまいましたが。

どこへ行ったんだろう?

零児と遊矢のデュエルを見て、素良なりに何か考えがあって行動しているように思えますが。



またLDSの奴らが来たら今度は僕が戦う!だからまた僕らを鍛えてよ!と遊矢を励まそうとするタツヤ達。

それに対し、「ペンデュラムは俺だけのものじゃない!」と遊矢は声を荒げる。

その場から去ろうとする遊矢の腕を、修造が掴み引き留める。「逃げても現実は変わらんぞ。」



その頃、マルコ襲撃事件の詳細な報告を聞く、零児と日美香。

舞網市内NLD38地区で感知された強い召喚反応、召喚方法はエクシーズ。

その時刻、遊矢は日美香達と共にいた。

今回のデュエルで遊矢はエクシーズが使えない事を直に確認した零児は、

沢渡襲撃事件の犯人は遊矢ではないと確信する。



マルコの消息は今だ判明せず。

ティオ室長は事件現場に残されたマルコの所持品である破損したデュエルディスクとカードを零児に見せた。

紫枠のカードが混じっています。マルコは融合使い?



引き続きLDSの総力を挙げてマルコの行方を追うよう指示する零児。

市内のデュエル反応を監視するこのシステムや人員といい、

レオ・コーポレーションにはかなりの権力や組織力があるようです。



一方、LDSではエース三人組がマルコを心配していた。

無事だと聞かされているのに、マルコ先生に会わせて貰えず、苛立つ真澄が、

真相を確かめると言い、駆け出す。



今までクールだった真澄が、今回は苛立ち、怒り、焦ったりと、意外な面を見せ始めました。

「マルコ先生も私の顔を見れば喜ぶはすなのに。」の発言からして、

マルコ先生を強く尊敬し慕っているのが分かります。

先生から信頼されているという自信もあるようです。

沢渡の事は「ドヘタ」呼ばわり。(笑)



アクションフィールドでもないのにマルコが怪我をさせられた事に疑問を感じる刃。

召喚方法はエクシーズ。

・・・と考えると、7話で登場した黒マスクの男を思い出させます。

果たして、犯人はあの黒マスクの男なのか?

だとしたら、マルコの仇を討つために、真澄が黒マスクの男にデュエルを挑む展開もあり得るかな?



ペンデュラムカードは自分だけに与えられた力だと信じたかったのに、

他にもペンデュラムカードを使う者が現れてショックなのだろうと、修造に図星を突かれる遊矢。



零児がペンデュラムカードを手に入れた理由を、

修造は、零児の会社、レオ・コーポレーションが開発したのかもしれない、と推測しています。

零児は、デュエルシステムの世界ナンバーワンシェアを誇るレオ・コーポレーションの社長。

彼の会社ならペンデュラムの秘密を解き明かすことなど、難しい事ではないかもしれない、と。



ならば、いずれ世界中にペンデュラムカードが溢れ出るだろう、という修造の言葉に、遊矢はショックを受ける。

修造は遊矢にデュエルしろと迫る。

「お前のその、すぐ後ろ向きになる性格、俺の熱血指導で叩き直してやる!」

修造を止めようとする柚子を、権現坂が制止する。塾長は遊矢に真剣勝負を挑んでいる、と。

嫌がる遊矢を無理矢理デュエルに持ち込む修造。



フィールド魔法はマジカル・ブロードウェイ。

それは遊矢の父、榊遊勝が最も得意としていたアクションフィールドだった。

毎回OP前にある口上「質量を持ったソリッドヴィジョンの実現により生まれた〜」

のシーンに登場するのも、このフィールドですね。



遊勝先輩に代わって本物のエンタメデュエルをみせてやる、という修造の挑発に乗り、遊矢がデュエルを受けて立つ。



先攻の修造は、モンスター効果を使い、三体のガッツマスターを揃える。

修造のガッツマスターは、剣道、フットボール、サッカーと、それぞれスポーツをモチーフにしています。

華やかなブロードウェイのフィールドに、暑苦しいモンスターは似合わないとアユ達に突っ込まれる始末。(笑)



遊矢のターンに、修造はトラップを発動させ、遊矢の手札を公開させる。

星読み時読みが揃っているのを見て、ペンデュラム召喚を使わないのか?と煽る修造。

「負け犬の遊矢さんよ〜!」などと言ったりして、ワザと挑発する修造がイジワルです。(笑)



遊矢はペンデュラム召喚を使わず、二体のモンスターを召喚しバトルを仕掛けるが、

三体のガッツマスターの効果の連携により、遊矢のモンスターは破壊され、

残るウィップバイパーの攻撃も、アクションカードの効果で守備表示となり、バトルを阻止されてしまう。



調子に乗る修造に怒る柚子。

駆けつけた洋子が「相変わらず不器用なんだから、修造くんは。」と、笑顔で見守る。

デュエル開始前に柚子が電話していたのは、洋子を呼ぶ為だったのか。

夫・遊勝の後輩である修造を「修造くん」と呼び、その性格もよく知った素振りで、

三人とも昔から親しかったのがうかがえます。



修造が語る榊遊勝。

彼は、誰よりも華麗で誰よりもかっこいいエンターテイナーだった。



 「だが、最初からそうだったわけじゃない。

  榊遊勝は、アクションデュエルにスリルとスピードを持ち込んだ。

  しかし、その曲芸のようなデュエルスタイルは、多くの批判を浴びた。

  だが、罵声はやがて熱狂に変わり、

  榊遊勝はアクションデュエル界に燦然と輝く、本物のスターとなったんだ!」



遊勝のデュエルスタイルは、初めから受け入れられた訳ではなかったんですね。

当初は多くの批判を浴びたという作中の遊勝と、

未だに遊矢のエンタメデュエルに馴染めない視聴者が、少し重なって見えます。



修造は二枚のマジックを使い、遊矢の手札の星読みと時読みを奪い、

遊矢の前でペンデュラム召喚を行ってみせる。



遊勝は新しい扉を開いた。そのデュエルスタイルが広まっても笑顔を見せ、己の腕を磨き、

やがて「アクションデュエルの隆盛を築き上げたパイオニア」として人々から尊敬される存在となった。

遊矢もまた、ペンデュラム召喚という新しい扉を開いたが、それはもう遊矢一人のものでは無い。

お前も後に続く者達の模範となれ!と、修造は遊矢に熱く語る。



修造が遊矢に、デュエルを通して伝えたかったのは、コレだった。

この思いの伝え方を、洋子は「不器用だ」と言っていたのか。



修造はプロでもっと成功できたはずだと、洋子は言っています。

修造もかつてはプロのデュエリストだったんですね。

洋子の言葉が本当なら、プロとして活躍し続ける事が可能な程の実力者で、

「勝利よりも大事なものがある」という信念の為に引退した、と考えられます。



プロ時代に互いに腕を競い合ったであろう遊勝と修造の友情ドラマや、

遊勝と洋子の出会いや馴れそめなども気になります。

三人の過去話もいつか見れるかな?



五体のモンスターを揃えながら攻撃せずにターンを終了する修造。

遊矢は修造の言葉を受け止め、笑顔を取り戻し、エンタメデュエルで反撃に出る。



アクションカードで場の全てのモンスターを守備表示にする事で、ガッツマスターの効果発動を封じ、

ペンデュラム召喚でオッドアイズを召喚。

貫通効果を与え、相手モンスターのレベルを上げてオッドアイズのダメージ二倍効果を発動可能にし、

さらにアクションカードで、オッドアイズの三回の攻撃を可能にする。



三回の攻撃を受けた修造は敗北し、熱血修造劇場は幕を閉じた。

もっと腕を磨き、いつか父さんみたいな皆を笑顔にするデュエリストになると、笑顔で修造に誓う遊矢。

修造のお陰で完全に立ち直れた様です。







今回修造に指摘された、遊矢の「すぐ後ろ向きになる性格」。

これまでもデュエル中によく落ち込み、泣きそうになる事もしばしば。

歴代主人公達に比べて、遊矢はメンタルが弱いのではないか?とも言われていますが。



第1話から、生まれ変わろうとする主人公の必死な姿が描かれているのを考えると、

アークファイブは、これから逞しく成長していく主人公の物語なのかな、と思います。

遊矢への共感を通して、すぐ弱気になったり、自分に自信が持てなかったりする視聴者に、

勇気を与えて励ます、というようなメッセージも込められているのかもしれません。



修造が遊矢を諭し、導き、大人としての役割を果たす。

子供が主役の物語において、こうした大人の活躍は、

これまでの遊戯王では珍しいタイプのエピソードで、面白いです。

「もう大丈夫、私の出る幕じゃないよ」とウインクして去って行く洋子も、かっこいい大人です。





アイライン強めで綺麗なキャラ顔。

「イリュージョン・ダンス」の効果で踊り出すモンスター達。

調子に乗る修造の仕草やコミカルな表情も楽しい。

オッドアイズの攻撃にイーグルが重なり火の鳥になるシーンが、かっこいい。

(小川純平さん作画?)



修造が榊遊勝について「周囲も彼にならって切磋琢磨し」と語るシーン、

遊勝の右下に牛尾によく似た髪型のシルエットが。

スタッフのお遊びのようです。(笑)

(ゼアルで、アストラル世界の住人の中に牛尾似の髪型のキャラが登場した121話と今回は同じ演出さん。)





作監:豊田暁子)

(脚本:上代 務)