遊戯王ARC-V  第12話

第12話「DDD 異次元の王」



零児とのデュエルを前に、ゴーグルを下げた遊矢をみて、アユ達が心配する。

遊矢がゴーグルを装着したのは、プレッシャーを感じているから、と権現坂は思ったようですが。

素良は、「むしろやる気満々、戦闘準備オーケーって感じ?」と受け取ってます。



付き合いの短い素良の方が、よく遊矢の様子を見て理解しているのが、面白い。

年齢的には遊矢達より年下に見えますが、デュエル上級者のような発言を繰り返したり、

どこか食えない感じがする素良は、精神面では遊矢達より年上かもしれません。



日美香が「零児さん」と呼ぶのを聞いて、修造が零児の正体に気付く。

ディスプレイには「史上最年少でプロ資格取得」の記事が。



勝負に集中する遊矢の表情を、アユが怖いと言う。



 柚子 「でも、あれじゃ遊矢じゃない。」



柚子が意を決し、マイク越しに遊矢に語りかける。



 柚子 「遊矢、笑って!

     遊勝塾は、明るく楽しいエンタメデュエルの塾でしょ。

     忘れないで!笑顔を!」



その言葉を受けて、遊矢はゴーグルを下ろし、笑顔が戻る。



アクションフィールドの選択を任された修造は、零児を警戒する。

本物の赤馬零児なら、その実力は相当なもの。

ならば遊矢の為にと、遊矢が得意とするフィールド、アスレチック・サーカスを選択する。



修造の脳裏に浮かぶ、赤馬零児に関する記事の数々。

ジュニアユース選手権初優勝の文字と、まだ幼い零児の写真が。

よく見ると「LEOコーポレーション御曹司である赤馬・・・」

「LEOコーポレーションOCEへ就任予定の・・・」などの文字が。



ジュニアユースというのは、遊矢達が属するデュエルクラス。

志島北斗はジュニアユース選手権の今年の優勝候補。

ですが、零児は既にこのクラスの選手権で優勝していた。

さらにプロ資格も持っている。

かなりの実力者なのがうかがえます。



北斗戦でも触れられてましたが、デュエリストによって得意なフィールド、というのがあるようです。

ばら撒かれるアクションカードの種類、出現タイミングや隠されている場所が、

フィールド毎にある程度決まっていて、それを熟知している者が有利になる様子。



フィールドを選ばせてもらったお礼だといい、遊矢は先行を譲る。

それを聞いた零児は「君はそういう思考をするのか」と。

遊矢の性格を分析するかのような口調。



先行を譲られた零児は、三枚の「契約書」と名の付く永続魔法を発動。

二枚のDDと名の付くモンスターをデッキから手札に加え、

この二枚を素材に融合魔法無しで融合召喚。DDD烈火王テムジンが現れる。

だがその代償に、三枚の契約書により次のターンのスタンバイフェイズ、

零児は合計3000のダメージを受ける事になる。



零児が手札に加えたDDと名の付くモンスター。

ディファレント・ディメンション、異次元の事だと素良が解説してくれました。

首を傾げて同じポーズをとるフトシ・タツヤ・アユの三人が面白い。(笑)



零児の融合召喚をみた素良の目付きが変わる。

「なんか・・・全然違う。もしかして本物?でも・・・。」

デュエル上級者で融合使いの素良から見ても、零児の召喚は凄い、という事か?

素良の言う「本物」とは、一体どういう意味なのか?



修造によれば、零児はこれまで融合を使ったという記録はない。

ならば、融合を手に入れ更に力を付けたのか?



残りの手札全てを伏せ、手札ゼロでターンエンドした零児だが、

しきりにアゴに指をやり、遊矢の様子を観察するかのような仕草で、余裕の表情をみせる。



いよいよ遊矢のターン。

ウィップ・バイパーを召喚し、その効果でテムジンの攻撃力を下げさせ、攻撃を仕掛ける。

零児は永続トラップでテムジンの攻撃力を上げ、

対する遊矢はアクションカードでウィップ・バイパーの攻撃力を上げたが。

零児もアクションカードを使い、このバトルを無効にしてしまう。



契約書と名の付く新たな永続トラップを発動した事で、次のターン、

零児は合計4000のダメージを受けて敗北する事になる。

だが、零児に怯む様子はない・・・。



遊矢の勝利を確信し浮かれる仲間達に、素良は「それはどうかな?」と疑問を投げかける。

攻撃直前にテムジンの攻撃力が下がった事を、素良は見逃してはいなかった。



零児は遊矢に「君はとても心根の優しい人間のようだ。」と語る。

これが、零児が直接遊矢を観察し分析した結果のようです。

遊矢が勝利が約束されているにも関わらず、ターンエンドをためらうのは、その優しさ故だと指摘する。

余裕を見せる零児を警戒しているようにも見えますが。

結局、カードを伏せてからターンエンドした所をみると、やはり遊矢は零児を警戒している。

零児に気圧されているように見えます。



いよいよ零児のターンだが。



「契約書?そんなもの・・・。」

零児は既にトラップカードを発動していた。

これにより、四枚の契約書を全て破壊。

攻撃直前にテムジンの攻撃力が下がったのも、契約書の効果を失ったから。

さらにデッキから四枚をドロー。



遊矢は零児の「甘い」という指摘を受け入れ、それでも俺のデュエルで勝ってみせると宣言する。

信念を貫こうとする遊矢をみて、榊遊勝の名を口にする零児。

零児が遊勝を知っているのも、遊勝が逃げ出した元チャンピオンとして有名だから当然だと言う北斗と刃に、

「黙れっ!」と突然声を荒げる零児。

その声に震え上がる二人を横目に「バカ」と呆れる真澄。(笑)



これまで冷静だった零児が、これ程声を荒げるとは。

よほど遊勝を尊敬しているのか?

クールに見えて、意外と熱い一面があるのかもしれません。



真澄ちゃんが他の二人をからかったり呆れたりする様子をみると、

普段からこの三人は仲が良さそうです。

三人それぞれの名前がサブタイトルになった事を考えると、今後もまたデュエルで活躍してくれそう。



零児は遊勝について、

「現在のアクションデュエルの隆盛を築き上げたパイオニアとして心から尊敬している」と語る。

その遊勝のデュエルを継承した遊矢に対して、私の本気を見せると宣言する零児。



DDD疾風王アレクサンダーをシンクロ召喚

さらに続けて、アレクサンダーとテムジンの効果を使い、

墓地から素材を引き上げ、怒濤王シーザーをエクシーズ召喚する。



「DDDとはすなわち、ディファレント・ディメンション・デーモン。

 異次元をも征する王の力、たっぷりと味わうがいい。」





融合、シンクロ、エクシーズと三つの召喚方を自在に操る赤馬零児の凄さを見せつける回でした。

過去シリーズにおいても、三つの召喚方を操るキャラは居ません。

それゆえに、融合、シンクロ、エクシーズが入り乱れるデュエルは、視聴者がずっと待ち望んでいた展開でもあります。

今後のデュエルも盛り上がりそうです。



融合モンスターのテムジンが赤、

シンクロモンスターのアレクサンダーが緑、

エクシーズモンスターのシーザーが青、

のオーラをそれぞれ纏っています。

視覚的にも分かりやすい演出。



社長という肩書きなのに契約書を「そんなもの」と言って破壊する零児が、悪役じみてて面白い。(笑)



少しテンポが悪い?との指摘もありますが。

会話やデュエルの合間に情景や仕草の描写が入って間延びしてるからかな?



シンクロ召喚のシーンで、モンスターがアクロバットを演じるのがサーカスらしくて楽しい。





作監:藤田正幸・重松晋一・千光士海登・佐藤道雄)

(脚本:上代務