遊戯王ZEXAL II  第145話

第145話「『わが名はアストラル』最強の決闘者(デュエリスト)!!」



続くアストラルと遊馬のデュエル。



アストラルの場には、バトルを終えた五体のホープが並ぶ。

さらに、アストラルは、マジック、エクシーズ・トレジャーで五枚のカードをドロー。



あまりにも一方的なデュエルに、動揺する仲間達。

劣勢に追い込まれ、立ち上がれずにいる遊馬に対し、本当に心が折れたのか?と挑発するアストラル。

だが、遊馬は笑い出す。



 すっげぇかっこいいぜホープ

 

いつもホープの後ろ姿した見れなかった遊馬は、

戦う五体のホープの姿を正面から見て、歓喜する。

ただ一つ、悔しいのは、俺がそのホープを使えない事だ、と。



 お前の事だから言うまでもねえが

 きっちり使いこなせよ、アストラル!



立ち向かってくる遊馬に、アストラルが内心で呟く。



 (そうだ遊馬、もっと本気で来い。

  でなければ、君が失ったものは取り戻せない!)



遊馬が失ったもの、とは一体??



遊馬のターン。

遊馬もマジック、エクシーズ・トレジャーを発動し、五枚のカードをドロー。



それは直前にアストラルが使用したのと同じ、

フィールド上のエクシーズモンスター一体につき、カードを一枚ドロー出来るカード。

二人とも、エクシーズの大量召喚合戦になる事を予想し、このカードをデッキに入れていたのか。



遊馬がモンスター効果とトラップを使い、

ガガガガンマンと、ガガガザムライをエクシーズ召喚。

ガガガザムライの効果で、ガンマンとザムライは二回の攻撃を可能に。

ガガガガンマンの効果でガンマンの攻撃力を上げ、相手モンスターの攻撃力を下げる。

はずだが。



この時、アストラルが、遊馬の効果宣言に途中で割り込み、代わりにその効果を言ってみせる。

アストラルは遊馬のデッキのモンスター効果も、当然全て把握しているのだ。

そして、ビヨンドの為に、アストラルの場のモンスターはガンマンの効果を受け付けない。



今のガガガガンマンの攻撃力では、アストラルの場の五体のホープを倒せない。

だが、遊馬は墓地のモンスター効果で、ガガガガンマンの攻撃力をアップ。

ガンマンの二回の攻撃で、ホープレイとホープレイVが破壊される。



ナンバーズはナンバーズでしか破壊できない。

特殊召喚時に効果を無効化されているホープレイとホープレイVは、

「ナンバーズでしか破壊できない」という効果も無効化されているから、

ナンバーズでなくとも破壊可能、という戦術、なんですね。



しかし、このままでは残り三体のホープは破壊出来ない。

遊馬は速攻魔法を使い、ビヨンドの名前と攻撃力を得たガガガザムライで、ビヨンドを攻撃し破壊。

ナンバーズの名前を得たザムライは、ナンバーズを破壊出来るのだ。

ザムライ自身はバトルでは破壊されず、さらに、ビヨンドの攻撃力分のダメージをアストラルに与える。



二回目のザムライの攻撃で、ホープレイ・ヴィクトリーを攻撃し破壊。

寸前でアストラルは速攻魔法を使い、LPを回復して、これを凌ぐ。



アストラルは、遊馬に戦術を読まれていた事を知る。

遊馬は、五体のホープが揃う事を予想していたのだ。

その上で、ホープを破壊する為の、この戦術を用意していた。



言い当てられて、やんちゃに笑う遊馬。

 「ヘヘヘ、ばれたか!」

ホープの登場に驚いたのも、遊馬の演技だった。



このデッキを作る時間、人生で一番頭を使ったぜ!と遊馬は言う。

そしてその間、ずっと思い出しいた。

お前と一緒に戦ってきた事を。



アストラルと一緒に乗り越えてきた困難が、

自分の人を信じる力に、強さと自信をくれた。

だから、アストラルにも、人を信じる力を信じて欲しい。

その為にも、このデュエル、絶対に勝ってみせる!と決意を語る遊馬。

対するアストラルも、全力で戦うと宣言する。



観戦する三兄弟が、二人の意見が食い違っている事に気付く。

アストラルの使命、バリアン世界を消滅させる決意は変わっていないのだと知る。

遊馬の気持ちを知っていながら、アストラルはなぜそんな事を?

このデュエルに、別の目的があるのではないかと、Vが察する。



アストラルのターン。

アストラルがホープで、ガガガガンマンに攻撃。

遊馬はトラップで破壊とダメージ半減を狙うが、

それを読んでいたアストラルは、トラップで破壊の無効化のみを打ち消す。

ガガガガンマンは破壊され、遊馬はダメージを受ける。



互いに手の内を知り尽くしている、このデュエル。

だから、手加減はしないとアストラルは言う。



これまで共に戦い続けてきた、希望皇ホープ

だが、今は遊馬の前に立ちふさがるこのホープを、遊馬は乗り越えなければならない。



遊馬はマジックでガガガガンマンを復活させ、

攻撃力で劣るガンマンで、ホープに攻撃宣言。

この攻撃が通れば、ガンマンは自爆し、ダメージを受けた遊馬は敗北してしまう。

なぜこんな事を!?



動揺したアストラルだが、遊馬の表情を見て、確信する。

アストラルはホープの効果を使い、この攻撃を無効に。

その時、遊馬がトラップを発動させ、ホープの攻撃力を下げる。

ガガガザムライでホープを攻撃し、これを破壊する。



ガガガガンマンの攻撃をアストラルが無効化する事と読んで、

このトラップを仕掛けていた遊馬。

デュエルの勝敗さえもブラフに使うとは。



アストラルの性格を知っているからこその戦術、ですね。

もしも、このブラフにアストラルが引っかからなかったら、

即敗北のリスクがあった訳ですが。遊馬には確信があった。

攻撃力の低いモンスターで攻撃したら、用心深いアストラルなら、必ずホープの効果を使って無効にすると。



特殊召喚時に効果を無効化され、破壊耐性を失う事。

相手のモンスター名を得る事。

ブラフでORUを使わせ、トラップの発動に繋げる事。

五体のホープを倒す為の、この戦術。

遊馬は一晩かけて、これを考えていたのか・・・!



これそこ、君にしかできないデュエルだと、アストラルが微笑む。

アストラルとのデュエルが楽しいと感じる遊馬だが、

アストラルのバリアン世界を消滅させるという言葉だけが、気がかりだった。



遊馬はもう一度、アストラルへの説得を試みる。

エリファスとのデュエルを忘れちまったのか!?と問いながら。



アストラルが静かに答える。



 忘れない。

 忘れる訳がない。

 君の言葉、君と過ごした時。

 たとえ一瞬でも。



 君には、いつか交わした、私との約束を果たしてもらう!



遊馬とアストラルが交わした約束、とは一体??

過去に、そんなシーンがあったかな・・・・?



アストラルが速攻魔法、ランクダウンマジックを発動。

ランク1、No.39 希望皇ホープ・ルーツが現れる。

さらに、装備魔法で攻撃力を上げ、エクストラデッキのナンバーズ二体、

No.32 シャーク・ドレイクと、No.62 ギャラクシーアイズ・プライム・フォトン・ドラゴンを、

ホープ・ルーツのORUにする。



アストラルが心の内に語る。



 遊馬、私は決して忘れはしない。

 君と共に、そしてシャークやカイト、仲間と共に戦った事を。



 だが、運命は君に過酷な苦難を与えた。

 君は、身も心もボロボロになりながら、耐え、乗り越え、

 私達に勝利をもたらしてくれた。



 しかしそれは、君自身も気づかない内に、

 君から一番大事なものを奪ってしまった。



 だから、私は・・・。



ホープ・ルーツがガガガガンマンに攻撃するが、

遊馬はガガガザムライの効果で攻撃対象を変更し、守備表示に。

しかし、この効果はトラップで無効化され、ガンマンは破壊されてしまう。

さらにアストラルが永続トラップを使い、ルーツの連続攻撃を可能に。

ガガガザムライも破壊されてしまう。



アストラルが叫ぶ。



 取り戻すんだ、君が失ってしまった、一番大事なものを!





白熱する遊馬とアストラルのデュエル。

お互いをよく知り尽くしているからこその戦い方でした。



さて、遊馬が失った、「一番大事なもの」とは一体何なのか?

この放送の後、あちこちで議論されていました。



遊馬自身も気づかない内に失ったもの。

それは、取り戻す事が可能なもの、なのか?

ヌメロン・コードを使って?

扉の言葉、「一番大事なものを失う」と関係があるのか?



それは、GXの十代と同じく、デュエルでの「ワクワク」ではないか?という説も結構みかけました。

しかし、今回のデュエルをみていると、遊馬はちゃんとデュエルを楽しんでいる。

ワクワクではないと思えます。

歴代のシリーズをリスペクトしていても、ここで同じテーマを持ってくるとは思えません。



そうなると、「一番大事なもの」とは・・・。

推測ですが、それはやっぱり遊馬の未だ戻らない仲間、シャークとカイトの事ではないかな?

ホープ・ルーツのORUにするエクストラデッキのナンバーズ二体に、

わざわざドレイクと銀河眼を選んだ理由を考えると、そんな気がします。

ドレイクと銀河眼を遊馬に見せ、シャークとカイトの事を思い出させようとしているのでは?



ヌメロン・コードで、全てを無かった事にする、という選択は、遊馬は否定しています。

そして、戦いの中で犠牲になったシャークとカイトの事を、今の遊馬は諦めてしまっている。

Vの言葉によれば、ヌメロン・コードで彼らを蘇らせる事も可能な様子。



アストラルは敗北による自身の消滅と引き替えに、遊馬にヌメロン・コードの使用権を移し、

ヌメロン・コードを使って、シャークとカイトを蘇らせろ、と言っているような気がします。

アストラルがそれを素直に打ち明けないのは、自身の消滅と引き替えだから・・・。

遊馬にデュエルさせる為に、バリアン世界を消滅させる、などと脅して。



遊馬は今回、アストラルへの説得を続けています。

それはまだ、アストラルの真意に気付いていないから。

Vはもう気付いてるのかな?

次回、その真実は明かされるのか?





今更ですが、EDの遊馬とアストラルが、今のこの展開を暗示していたのだと気付きました。



いつもの、牧内さんの特徴的なキャラ顔がかわいい。

ややつり目で、プニプニとふっくらした頬と艶。

遊馬の大胆なポーズ、ニカッと笑うやんちゃな表情。

アストラルが微笑むシーン、その柔らかい笑顔がきれいで、せつない。

ホープが五体並ぶ場面、手書きの所も多くて作画が大変そうです。





作監:牧内ももこ)

(脚本:吉田伸)