遊戯王ZEXAL II  第113話

第113話「新しき希望の力!!友情合体『アトランタホープ』」



ナンバーズと仲間の記憶を賭けた蝉丸とのデュエル。

IIIが遊馬に協力し、二対一のデュエルが始まる。



1ターン目から攻撃ありの強制ルールで、先行の蝉丸がNo.3 地獄蝉王 ローカストキングを召喚。

遊馬はホープを召喚し、永続魔法「クイック・リザベーション・リワード」と、

速攻魔法「ダブル・アップ・チャンス」のコンボで、

ホープの攻撃力を4倍にし、貫通ダメージを与えるハズだったが。

ローカストキングの効果でホープの効果は無効化され、コンボは不発に終わり。

さらにローカストキングは守備力を上げてしまう。



IIはNo.33 先史遺産-超兵器 マシュ・マックを召喚。

マシュマックの効果はローカストキングにより無効化され、バトルで自らダメージを受けるIII。

これにより速攻魔法「石の心臓」の発動が可能となり、

遊馬が伏せた「クイック・リザベーション・リワード」の効果と合わせて、

攻撃力を倍にしたマシュマックで二度目の攻撃を仕掛ける。

蝉丸は永続トラップでローカストキングを破壊から守ったが、大ダメージを受ける。



蝉丸は永続トラップで攻撃力を上げたローカストキングで遊馬の敗北を狙うが、

IIIがトラップを発動させ、遊馬を庇い、ダメージを受ける。

だが、蝉丸が発動した永続トラップで、次に蝉丸のターンが回ってきたとき、

LPの残り少ない遊馬とIIIの敗北が決まってしまう。



遊馬はマジック「リリース・リバース・バースト」を使い、

ホープを墓地に送り、蝉丸の伏せたトラップを破壊。

IIIにダメージを与えるリスクを背負ったモンスターを特殊召喚する。



IIIは遊馬がフィールドに残したモンスターと、マジックを使い、

No.6 先史遺産-アトランタルを召喚。

墓地のホープを装備し、攻撃力を上げる。

遊馬はこれを狙い、ホープを自ら墓地に送ったのだ。



さらに永続魔法の効果を使ってアトランタルの攻撃力を上げても、

蝉丸をこのターンで倒すには及ばない。

だがこの時、遊馬が発動させたトラップが、アトランタルの攻撃を無効に。

これにより冒頭に遊馬が伏せた「ダブル・アップ・チャンス」が発動し、

不発に終わった「クイック・リザベーション・リワード」とのコンボが、遂に発動。



攻撃力を4倍にしたアトランタルで。ローカストキングを破壊し、勝利する。







IIIと遊馬の友情のデュエル、盛り上がって良かったです!!

家族の問題が解決した今のIIIは、とても凜々しく、逞しく、カッコ良かった!



 III「(遊馬、君にとってアストラルなしでのこのデュエルは、大きな試練だ。

   これを共に乗り越え、君が立ち直る姿を見るために、僕はここに来た!)」



ノローグで、IIIの決意が語られています。

遊馬が立ち直るまでサポートするIIIの覚悟、その献身的な友情。



最初に遊馬がドローしたカードは「ダブル・アップ・チャンス」。

アストラルとの最初のデュエルで、二人を勝利に導いたカード。

今回の、アストラルなしの最初のデュエルで、このカードがデュエルの鍵となる所、

デュエル構成での演出が良かったです。



遊馬が、このカードを見て、アストラルを思い出しながら決意する。

 「(俺は一人になっても、前に進まなきゃならねえ。)」



それでも召喚したホープをみて、またアストラルとの思い出を思い出しそうになり、

頭を振って、デュエルに集中しようとする遊馬。

アストラルを思い出すシーンが度々あって、遊馬の辛さが伝わってくる。



「クイック・リザベーション・リワード」と「ダブル・アップ・チャンス」のコンボを見抜いたIIIが、

言葉に出さずに遊馬を賞賛する。

 III「(遊馬、ナイスなコンボだよ!

   やはり君はアストラルと歩む事で、デュエリストとして成長していたんだね。

   そして、アストラルを失ってなお、前に進もうとしている。)」



ローカストキングの効果でコンボが不発に終わり、ダメージを受けた遊馬が

Mr.ハートランドに馬鹿にされる中で。



 III「(遊馬、君は一人じゃない。

   アストラルを失った今、これまでデュエルを通して育んできた絆が、

   きっと大きな力になる事を、僕が必ず気付かせてあげる。



   これは、僕がやらなきゃいけない事なんだ。

   かつて、君からアストラルを奪おうとした、この僕が!)」



言葉に出さずに、遊馬の勇気と強さを信じるIIIの思い。

自分がかつて遊馬にした事、アストラルを奪った罪を、IIIはちゃんと自覚してる。

遊馬を思う友情のあつさ、その影にアストラルを奪った罪の意識と償いの覚悟がしっかりある。



この描写がないと、IIIの友情が薄っぺらいものになりかねない、重要な部分です。

IIIの罪の自覚を描いてくれて、本当に良かった。



かつてアストラルを奪った者が、今アストラルを失った遊馬を立ち直らせようとしてる!

この構成も、胸に来る。



自らダメージを受けながら、遊馬の永続トラップを活かして蝉丸にダメージを与えたIII。

 III「思い知ったか!これが共に戦う仲間の力だ!」

IIIの台詞が誇らしげです。



トラップを使い、遊馬の敗北を回避し、自ら大ダメージを受けたIIIに、なんで・・・と問う遊馬。

 III「遊馬、言っただろ?

   僕は君の剣となり、盾になるって。」

ボロボロになりながら立ち上がるIIIの健気さ。



IIIはかつて、デュエル中に遊馬が仲間を庇う場面を何度も見てきました。

そして、その行動に興味と疑問を抱き、

「どうして君は、あんなに人の為に必死になれるの?

 君の力は、一体何なの?」

と遊馬に問う事もあった。(46話)

そのIIIが、今は遊馬を、その身を挺して守ろうとしている。

ここも感慨深い場面です。



記憶を奪われたハズの小鳥達から、遊馬を励ます声が。

ナンバーズクラブの仲間達との絆を、遊馬に思い出させる。



IIIと遊馬のデュエルも、サルガッソでの決戦も、側で遊馬のデュエルを見守り、

遊馬を励ましてきたナンバーズクラブ。

決してお荷物なんかじゃなくて、

彼らも遊馬を支える大事な絆です。



友情ごっこか?とハートランドに煽られて。

 III「黙れ!記憶を奪われても、魂に刻み込まれた友への思いは、変わらないんだ!」



その言葉に、仲間との絆を思いだし、奮い立つ遊馬。

IIIにホープを託す。



遊馬はIIIとデュエルし、アトランタルの効果を知ってるから、

それを活かす用、ホープを自ら墓地に送り、

アトランタルの召喚素材となるモンスターを特殊召喚したのか。

特殊召喚と引き替えにIIIにリスクを負わせたのも、IIIの勝利を信じていたから。



墓地のホープアトランタルに装備するシーンの台詞。

 III「見ろ!戦いの中で結ばれた、友との絆で蘇る希望の光を!」



LP5100の蝉丸が勝ち誇る。

 蝉丸「バトルで発生するダメージは、たかが1200!」

 III「それはどうだろうね。」



この「それはどうだろうね」の台詞がIIIらしくて、カッコ良かった。

「それはどうかな?」は、遊戯王の伝統の一つですが、IIIにそのまま言わせずに、

「それはどうだろうね」とアレンジさせた所、とても良いと思います。

家族の問題が片付いて、成長した今のIIIの精神的な余裕。

少し物腰が柔らかくおだやかな感じ。

そこにIIIらしさが良く出てると思う。



攻撃力を4倍にしたアトランタルで。ローカストキングを攻撃する時。

 遊馬/III「人知を超えた神の遺産が、希望の光宿す時、

     熱き絆の裁きが下される!

     行け!これが仲間の力だ!

     ホープ剣 クロス・アトランタル・スラッシュ!!」



二人で声を揃えて攻撃口上を言うシーンが、盛り上がる!!



勝利後、消えた蝉丸と、去って行くハートランド

記憶を取り戻した小鳥達に遊馬と一緒に、IIIも歩み寄ってます。



遊馬とデュエルした時、

ナンバーズクラブの仲間達の絆が遊馬を支えているのを知って、

その絆を断ち切ろうとしたIII。

異次元の狭間に共に落ちそうになり、巻き込んでしまった事もありました。

この再会の時、詳しい描写は省かれたけど、IIIは謝ったりしたのかな?

ナンバーズクラブも、IIIが何かを背負って悲痛な思いでデュエルしていたのを知っているから、

IIIを憎んだり嫌ったりはしていないと思います。

これから小鳥達がIIIと仲良くしてくれるといいな。



IIIは遊馬が戦う気持ちを取り戻すのを見届けたら、すぐ去ってしまうのかと思ってました。

遊馬からNo.3のカードを受け取った所をみると、もうしばらく一緒に居てくれるのかな?

これは心強い!!



そして、最後の遊馬。

 遊馬「(アストラル・・・今日のデュエル、見ていてくれたか?

    俺、お前が居なくなって、悲しくて、もうダメかと思ったけど、

    俺には仲間はいた。

    落ち込んでなんかいられねえや。

    でもな、アストラル。俺・・・。)」



遊馬が涙ぐんでました。

アストラルの死の悲しみを乗り越えるのは、まだまだ難しい事を物語っています。

勝利の後に、それでもアストラルを思う遊馬で最後を締めた、余韻を残すこの終わり方も良かったです。



問題は次回です。

予告を見るとシャークと璃緒の危機に、IV再登場?

この三人が揃うと、キャラの関係性や心理描写が凄く複雑になりそうです。

IVには罪と償いの気持ちがあるだろうし、どんな覚悟で、どんな態度と表情でシャークの前に現れるのか?

シャークはそんなIVを、どう思うのか?

以前シャーク自身が言っていた様に、IV達を許した訳ではないだろうし。

璃緒が目を覚まし、IVと対面する事はあるのか?

それとも、璃緒が目を覚ます前にIVが去って行くのか?

璃緒はIVを、どう思っているのか?

兄と自分を陥れた憎むべき存在だと思っているのか?

それとも、自分を炎の中から救出してくれた事を、感謝しているのか?

三人のそれぞれの葛藤がどうなるか気になります。



IIIくんが遊馬達と同じ制服を着ているカットも、予告で見えました。

3期EDに制服姿のIIIが居たのを思い出させます!

放送当時はIIIがハートランド学園に転入するのか?と思われましたが、

そんなシーンはなく、そのままセカンドに。

ようやくあのEDのカットの伏線が回収されるのかな?

どんな理由で制服を着る事になるのか?楽しみです!





今回の脚本で、面白かった所少し。



・蝉丸「III(スリー)、貴様がなんと名乗ろうが、真の3番は、この俺様のナンバーズよ。」

  3という数字へのこだわり。

・遊馬「うるせえ、ハエ野郎!」

 Mr.ハートランド「ハエはブンブンうるさいものさ。」

  ハエが気に入ってるのか?(笑)

・Mr.ハートランド「一人で頑張ってみた所で、所詮トンマはトンマ。

         アストラルが居なくては、ただのゴミデュエリストに過ぎないって事だな。」

  遊馬をトンマ呼びしたのは、今までアストラルとオービタルだったかな?

・蝉丸「ふん、バカでかいだけのガラクタナンバーズで、一体何ができる?」

  マシュマックをガラクタナンバーズ呼び。



前回に続き、煽りがコミカルで面白いです。(笑)

オイリーセミ、スイミンミン、セミ・ファイナル、と、蝉丸の使うカード名が凝ってます。

「蝉鳴くバリア ミンミンフォース」は「聖なるバリア ミラーフォース」をもじったのかな?



トロン一家はかつて遊馬達と敵対していたから、味方として再登場するにあたって、いろいろ複雑な心理があります。

IIIの罪の意識と、償いの覚悟をしっかり書いてくれた今回の脚本家さんに感謝! 



余談ですが、脚本家の山下憲一さんも、この回の放送をご覧になっていた様です。(放送後のツイッターより)

山下さんと言えば、46話でIIIが遊馬の家を訪問した回を担当された脚本家さん。

IIIの優しさ、無邪気さ、戦う決意をするに至った心の変化を、丁寧に描いてくださった方です。

IIIというキャラの育て親の一人と言っても良いのかもしれません。

現在はゼアルの脚本には携わっていませんが、自分の手を離れた後も、キャラを見守っていてくれたのでしょうか。

キャラがスタッフに愛されているのは、ファンとしては嬉しいです。



OPのトロン三兄弟の影が取れました。

三人のイキイキした表情が良い!

(このパートの原画は丸山修二さん?)



蛯名さん、今までも原画で参加されてましたが、ゼアルでは初作監回。

デュエルのアクションもよく回って大胆。

作画も綺麗!線と影が強くて、キャラ顔は幼い感じでかわいい。



作監:蛯名秀和)

(脚本:雑破業