遊戯王ZEXAL II  第110話

第110話「滅びゆく3つの世界!究極暴走No.96!!」



アストラル世界、バリアン世界、そして、人間世界に異変が。

全ては強大な力を手にしたNo.96の仕業だった。

No.96により、遊馬、アストラルと、小鳥、シャーク、そして偶然駆けつけたカイトごと、

異空間へ引っ込まれてしまう。

決着を付けるため、No.96と遊馬のデュエルが始まる。



No.96は早速、CNo.96 ブラック・ストームを召喚する。

対する遊馬も、CNo.39 希望皇ホープレイ・ヴィクトリーを召喚。

しかし、この展開は全てNo.96の策略の内だった。

No.96のトラップにより、ホープレイ・ヴィクトリーはCORU(カオスオーバレーレイユニット)を失い、攻撃を封じられる。

No.96はフィールド魔法、カオス・フィールドを発動させ、ランダムに遊馬のナンバーズを奪い、カオス化してしまう。

CNo.69 紋章死神(デス・メダリオン)カオス・オブ・アームズがホープレイ・ヴィクトリーの攻撃力と効果を奪い、

攻撃を仕掛けるが、遊馬はトラップを使い、ホープレイ・ヴィクトリーをリリースし、永続魔法、炎の護封剣を発動させ、

相手の攻撃を封じ、守りを固めた。



次にNo.96はCNo.92 偽骸虚龍 ハート・アース・カオスドラゴンを召喚。

その効果で、炎の護封剣は無効化され、遊馬のフィールドにセットされたカードは発動できない。

守りを失った遊馬は、No.96の攻撃をかわすことができるのか?







体の中で暴れ回るカオスの力に苦しむNo.96。

その力に飲み込まれそうになりながらも、アストラルへの執念で、それを克服し、

強大な力を手に入れる。



 No.96「奴を・・・アストラルを倒すためならば、

     この身が引き裂かれようとも!!

     この力を我がものに!」



No.96の、アストラルに対するこの凄まじい執念は、

一体どこから来るのか?



アストラル世界とバリアン世界に異変が起きる。

No.96がアストラル世界を攻撃し、その余波がバリアン世界にも。

そして、その影響が遊馬達の世界にも及び、各地で異常現象が。



No.96はアストラルを吸収し、世界を司る神になろうとしている?



前回から眠り続ける璃緒が、またしても謎の予言を。

遊馬の危機と、悲劇の幕開けだと告げています。



以前から璃緒にはバリアンを感知し、遊馬の危機を察知する不思議な力がありました。

思えばこの力も、璃緒が本来はバリアンだから、なのか?



海底遺跡から戻ってから、シャークの様子がおかしい、と遊馬は言っています。

シャークは遺跡で見た記憶の事を、まだ遊馬に伝えていない。

シャークと璃緒がバリアンである事を知っているのは、遊馬の周囲では、シャーク自身とアストラルのみ。



 アストラル「シャークはいずれ、君に重大な相談をしてくるかもしれない。」

      「彼が自分から話さないのなら、今、何を言っても仕方の無い事だ。」



No.96にとってもアストラル世界は故郷のはず。

それをなぜ破壊し、消し去ろうとするのか?



 No.96「神である俺に、故郷など必要ない。」



No.96には、故郷を必要としないのか?

なぜ神になろうとするのか?

その破壊の衝動は、一体どこから来るのか?



No.96はデュエルの舞台に、バリアンズ・スフィア・フィールドを展開。

これはアストラルと遊馬に負担を強いるフィールド。

アストラルと遊馬の表情が辛そうです。



遊馬の為にも自分が倒れるわけにはいかないと、決意したアストラルの

「遊馬!このデュエル、勝つぞ!」の台詞と笑顔が、

無理をしているように見えます・・・。



大変な事になってきました。



前回の遺跡で、シャークと璃緒が、バリアン七皇の残り二人、ナッシュとメラグである事が判明。



アビスが見せた遺跡の記憶の幻影を見ていない遊馬は、まだその事に気付いていない。

アストラルは遺跡の記憶を見て、シャークと璃緒の正体を知っているが、

本人が語らないのなら、と、遊馬には知らせていません。

シャークの気持ちを配慮してくれたのかな。



遊馬がこの事実を知ったとき、どうするんだろう?

例えバリアンだったとしても、シャークはシャークだ!と、

受け入れてくれそうです。

何より、遊馬はバリアンを信じたと願っている。



アストラルは、シャークをどう思っているのか?

人間としてのシャークのこれまでのデュエルや苦悩も見てきたし、

まだ遊馬に打ち明けていないシャークの気持ちを察してくれた所からすると、

バリアンだからシャークも敵だ、とは思っていない?



それでも、バリアン世界を滅ぼす事がアストラルの使命だから、

相手が今まで共に戦ってきた仲間でも、遊馬にとって大切な親友でも、

自分はシャークの敵に回らなければならない。

そういう覚悟が、アストラルにはもうあるのか?



カイトはいつこの事実を知る事になるのか?

知った時、どう反応するのか?



そして、シャーク自身は、この事実をどう受け止めているのか・・・。

まだ遊馬にも打ち明けていないし、遊馬の台詞から、思い悩んでいるのが分かります。

あれほど憎んでいたバリアンが、自分自身だったとは・・・・。

ならばなぜ、今の自分は人間なのか?疑問も感じているかも。

思い出したのは前世の記憶だけで、バリアン七皇のナッシュだった頃の事は、まだ思い出せていない?

ナッシュがベクターに殺害された事も、思い出せていないのか?



シャークは、これからどうするつもりなのか?

俺は俺だ!と自身で言っているし、そういうシャークの性格を考えると、

バリアンだから、人間だから、という理由で立場や考えを変える事は無いと思う。

すぐに遊馬の敵に回るような事はないと思いますが。



それよりも、今のシャークにとって大事なのは、目覚めない璃緒の事。

璃緒はまた眠りについてしまった様子。

シャークにとって璃緒が側に居ない、というのは影響が大きいです。

璃緒の事故を切っ掛けに、罠だったとはいえ大会で不正してしまった事、

落ちぶれて札付きのワルになっていた事。

ナンバーズの影響もありますが、一時はIVへの復讐心に捕らわれていた事。

その一方で、璃緒が目覚めてからの、シャークのあの明るい表情。



今後、璃緒が目覚めないまま、シャークはバリアンである事実を一人で抱え込んで、苦悩し続けるのか?



璃緒は、どうなんだろう?

目覚めた時、遺跡の記憶も覚えているのか?

自分がバリアンだと知ったら、どう思うだろう?

それよりも、兄思いの璃緒なら、凌牙の事を気にかけそうです。

璃緒は、いつ、何を切っ掛けに目覚めるのか・・・・。



No.96の暴走。

カオスの力を完全に制御し、強大な力を手に入れた自身を神だと言っています。

そして、アストラル世界のみならず、バリアン世界も、さらに人間世界までも影響を及ぼす。

三つの世界、全てを滅ぼすつもりなのか?



アストラルとのやり取りから、No.96の故郷はアストラル世界であるのは事実のようです。

(全てではありませんが、一部のナンバーズには持ち主を乗っ取る禍々しい力があるので、

もしかしたら本来はバリアンのものなのか?とも思いましたが。)

その故郷を破壊しようとする。神に故郷は必要無い?

全てを破壊し、混沌とした世界を望んでいるのか?

それとも破壊の後に自分で新たな世界を創造しようと言うのか?



自身を神と称するNo.96が、最初にアストラルを倒し吸収しようと企む。

No.96がアストラルに拘るのは何故か?

容姿も似ていて、ある意味もう一人のアストラルとも言えるNo.96。

かつてはアストラルの支配下にあったからこそ、アストラルを憎んでいる?

冒頭で、例えこの身が裂かれようとも、と言っていた所からも、アストラルへの執念を感じさせます。



アストラルがCNo.(カオスナンバーズ)を取り込めないのは、No.96の力がないから。

以前のNo.96の台詞。

「悪を認めるのだ・・・悪を・・・。」

「お前は必ず、悪を必要とする未来が待ってる。」

これらの台詞が意味するものは・・・?



アストラルを倒し、取り込もうとするNo.96は、やはりアストラルと対をなす存在、なのかな?

人の意識の中に潜む悪意。時として暴れ回り、その人格と乗っ取ろうとする。

乗っ取られた人間は、悪意に染まってしまう。

悪意に支配されないよう、常に自分の中の悪意と戦う人の意思。

アストラルとNo.96の関係は、そういうものを象徴しているのかもしれません。





作監:宍倉敏)

(脚本:広田光毅