遊戯王ZEXAL II  第109話

第109話「シャークvs激瀧神アビス!激突、2体のNo.!!」



続くシャークとアビスのデュエル。



シャークは速攻魔法、絶対零度で、ORUがゼロのゴルゴニック・ガーディアンの攻撃力をゼロにし、

さらにゴルゴニック・ガーディアン自身の効果で自滅させる。

モンスターを召喚し、アビスにダイレクトアタックでダメージを与える事に成功する。



アビスは次のターン、 No.73 激瀧神(げきろうしん) アビス・スプラッシュを召喚。

その効果で攻撃力を二倍にしたアビス・スプラッシュの攻撃を、

シャークはトラップでかわすが、その代償にLPを半分支払い、残りLPは100に。



過去の記憶での悲劇を再現したアビスが、空中から璃緒を落下させるが、

遊馬がこれを救う。

シャークの手には璃緒の化身のナンバーズが。

シャークはNo.94 極氷姫(きょくひょうひ)クリスタルゼロを召喚。

その効果でアビス・スプラッシュの攻撃を下げ、バトルで破壊し、デュエルに勝利する。



遺跡は姿を消し、シャーク達は飛行船に戻ってきた。

しかし、璃緒は・・・。









冒頭のドルベと遊馬の会話。



白馬伝説の遺跡でドルベに助けられた事のある遊馬は、できればドルベとは戦いたくない様子。

しかし。

 ドルベ「所詮、我らは戦わねばならぬ宿命。」



元は人間であったバリアンが、

なぜアストラルと戦わなければならないのか?と疑問をぶつける遊馬。

ドルベは自分達が人間であった事を否定する。

激しい動揺をみせた所を見ると、やはり受け入れがたい事実なのか。



 ドルベ「バリアン世界はアストラル世界と対となる世界。

     そして、敵対する世界だと運命づけられている。」



 遊馬「なんだよ、それって・・・。

    じゃあ、お前もアストラルも戦う本当の意味を知らないって事じゃねえか!

    そんなくだらねえ事で戦ってんじゃねえ!!」



遊馬の指摘が鋭い。

この言葉にドルベもアストラルもはっとしてます。

バリアンを信じたい、できれば戦いたくないと思う遊馬だからこそ言える台詞。



 ドルベ「お前が何と言おうと、我々が共に生きることはない。そうだな?アストラル!」



 アストラル「私の使命は・・・バリアン世界を滅ぼす事。」



ここで初めて、アストラルの使命を遊馬が知る事に。

ドルベの台詞からすると、どうもバリアン世界とアストラル世界に共存はあり得ないらしい。

必ず、どちらかが滅び、どちらかが生き残る運命なのか?



二つの世界に共存の道はないのか?

しかし、アストラルもドルベ達も、なぜ「敵対する世界だと運命づけられている」のか、

その本当の理由を知らない?

ただ、自分達の世界の存続の為に、他方の世界を滅ぼすという方法しか知らないのだとしたら、

共存しようという考えは、思いつきもしないだろうな。



遊馬は、果たして、二つの世界を共存させる鍵となるのか・・・?



シャークは再び幻覚の中へ。

 璃緒「お兄様。皆がお兄様の指示を待っています。」

   「そうです。この国の国王であり指導者である、お兄様の指示を。」



何度も幻覚を見せられ、混乱するシャークに、今の立場と状況を伝える璃緒似の妹姫。

この世界(前世?)では、「凌牙」ではなく「お兄様」と呼ばれているんですね。



 シャーク「ふざけるな!指導者だと?

      俺に貴様等の人生を押しつけるな!」



この幻影の世界での国王という立場を、まだ受け入れられず、

さらに、唐突に国王としての責務を負わされ、取り乱すシャーク。

突然苦しい戦況の中に放り込まれ、指示を仰がれたら、混乱するのも無理はない・・・。



「貴様等の人生を押しつけるな!」という辺り、この状況で国王として指示を出す事が

いかに責任重大な事なのか、ちゃんと理解している。



 璃緒「お兄様は、このポセイドン海の連合国を束ねてきた指導者じゃない!」



璃緒姫は兄に対して常に敬語という訳ではなさそう?

兄妹二人だけの場では敬語無しで会話する、今現在の凌牙と璃緒と同じような感じなのかな?



この台詞から、シャークが治めていたのは、海上小国家の連合国の様です。

橋で繋がれた小さな島々の映像が見られます。

連合国の指導者として上手く統治してきた実績もある様子。



取り乱すシャークに、鏡の中のシャークの姿を借りたアビスが語りかける。

 「乗り越えろ。試練を乗り越えろ!

  この世界の戦いも、デュエルにも勝つのだ。

  さすれば、お前は・・・。」



鏡を叩き割ったシャークが、何かを思いつく。

 シャーク「俺は指導者なんかじゃねえ。

      だが、こんな世界でも、デュエルでも、負けるのはイラッとくるぜ!」



ここで現実に戻ったシャークがドローしたカードは、前回迷路で拾った、璃緒のカード、

速攻魔法「絶対零度」。

このカードも、アビスがシャークを試す為に与えたのか?



幻覚の世界でも、国王は鏡の盾でゴルゴンの怪光線を反射し、ゴルゴンを石化させて倒しています。

この辺り、ギリシャ神話のペルセウスの話に登場するゴルゴン(メデューサ?)を思わせる展開です。



アストラルが、まだ姿を現さないバリアン七皇の残り二人の事をドルベに尋ねると。

 ドルベ「その二人とは、我らがバリアン七皇のリーダー、ナッシュ、そしてメラグ・・・。

     彼らは必ず生きている。

     そして戻ってくる!」



特に遊馬達に隠す事もなく、あっさり教えてくれました。

そして、ドルベは二人の生存を信じている、と言うよりそう信じたいのかな。



水の流れる先が迷宮の出口が。

これを思いついたアストラル賢い。

一寸法師の昔話もアストラルは知っているのかな?



ゴルゴンが破壊され、反撃を受けるベクター

部下を殺し、血の代償と引き替えに、全能の神を呼び出す。



アビスの見せるこの幻覚の世界に、ドルベとアストラルも引き込まれ、

シャークの伝説(前世?)を目の当たりにする。



遺跡の記憶の中では、アビスは全能の神で、海の神。

血の代償で神と契約をする事で、ベクターはアビスを味方につけたらしい。

これを浄化するには・・・。



璃緒を人質にし、降伏を迫るベクター

そこに駆けつけたのは、ペガサスに乗った英雄ドルベだった!

「我が友よ、何を驚く!

 私が君の危機に、駆けつけないと思ったか!」



意外な事に、英雄ドルベは前世で国王シャークの友だった!



シャークがバリアンのナッシュ、だとすると・・・・。

前世で親友だったナッシュとドルベは、

バリアンに転生した後も、やはり親友だった?

現在のバリアンのドルベがナッシュに拘るのは、ドルベにとってナッシュは信頼する大事な友だから?



しかし、矢によってペガサスは遠ざけられてしまし、ドルベは手出しすることが出来ない。



このシーンも何だかシュールです。

颯爽とカッコ良く爽やかな笑顔で登場したのに、結局シャークと璃緒のピンチを救えない英雄ドルベ。

役立たず。(笑)



ただ、仮にここでドルベが璃緒を救出した所で、ベクターに味方するアビス神をどうにかしない事には、国王シャークに勝ち目はない?



前世で璃緒を救えなかったドルベですが。

ドルベがこの遺跡に来た際、海底遺跡に穴を開け、海水を流入させた事が、

遊馬が迷宮を抜け、シャークの元に駆けつけて璃緒を救う切っ掛けとなった事を考えると、

間接的にはドルベが璃緒を救った、ことにもなるかな?



 璃緒「邪の呪印を解くには、聖なる代償で神を浄化するしかない。」

   「お兄様、私の魂がアビスを浄化するわ。」



ベクターが部下を犠牲にしてアビス神を味方に付けたのは、「血の代償」と引き替えのの契約、「邪の呪印」。

それは「聖なる代償」で浄化する事ができるらしい。

その「聖なる代償」とは、璃緒自身の命・・・。

璃緒は自ら海に身を投げ、そこに新たな神(?)が現れる・・・。



ここで幻覚は終わり、シャークはこれが自分の記憶だと知る。

前世でシャークは璃緒を救えなかった?



このフィールドは、シャークの心そのものだとアビスは言う。

お前の心の弱さが、大切なもの全てを失わせると、璃緒を空中から落下させる。

それを救ったのは、遊馬だった。



アビスが指摘した、シャークの心の弱さ。

前世において、苦しい戦況で指示を仰がれ、取り乱して鏡を叩き割ったり。

現世においては、罠だったとはいえ、妹の事故で取り乱し、デュエル大会で不正をし、

デュエル界から追放されて、落ちぶれて札付きのワルになってしまったり。

そいいう所は共通しているのかな?



カイトはどんな時でもぶれる事のない、強い精神の持ち主ですが、

対照的にシャークは迷ったり、悩んだりしています。

そういう弱さも人間味があって、シャークというキャラの魅力の一つだと思う。



前世での不幸、妹を救えなかった事実を、

デュエルとしう試練の中でアビスは再現してみせましたが、遊馬が璃緒を救い、

悲劇が再現される事はありませんでした。



アビスが海の神であり、シャークのナンバーズの化身で、味方だと考えると、

璃緒を落としたのは、悲劇の再現の為に璃緒を殺そうとした訳ではなく、

その前に迷宮の上空にシャークのデュエルする姿を映し出し、

遊馬がシャークの元に駆けつけるよう仕向けて、

最初から遊馬に璃緒を助けさせるつもりだった、のではないでしょうか。



シャークの前に現れた、璃緒の化身のナンバーズ。



アビス「さあ凌牙、我を倒し、自分の記憶を取り戻し、

    王として世界を導くのだ。」



この台詞、「王として世界を導く」とはどうい事だろう?

今のシャークは王ではないし。

バリアン七皇のリーダー、ナッシュとして、という意味か?



シャーク「ふざけるな。俺は誰でもねえ。

     俺は、俺だ!!」



過去の記憶に捕らわれず、誰かの思惑にも惑わされず、今の自分を生きる、

シャークの力強い台詞。



デュエルに勝利したシャークが、アビスに、なぜこんな事をさせたのか理由を問う。

アビス「我は、そなたの命令に従ったまで。

    そなたの記憶を呼び覚ますという命令に。」



前世の国王シャーク、もしくはバリアンのナッシュが、

いつか自分が転生し、記憶を無くす事を事前に予測して、

来世の自分に記憶を取り戻させるようアビスに命令したのか?



遺跡の記憶は、その後の詳しい描写はありませんでした。

妹姫の命を代償に、新たな神(クリスタルゼロ?)が呼び出された後、一体どうなったのか?



このデュエルが前世の再現、ならば、クリスタルゼロはアビスを破壊し、

アビスを失ったベクター王は敗北したのか?

そてとも、撤退して、後に「悲鳴の迷宮」の伝説通り、国民を皆殺しにしたのか?



国王はどうなったのか?

ベクターの侵攻を防ぎ、王国は守られた?

妹を失った国王は、その後、どうしたのか?

助けに駆けつけた英雄ドルベは、この後に「白馬伝説」にある通り、

国に戻って謀反を起こした騎士達に殺されてしまうのか?

「白馬伝説」にあった、英雄の故郷というのが、このポセイドン王国?



アビスとは、一体何だったのか?

これまでの例だと、ナンバーズとなる者は、伝説の主と縁のあるもの、という事を考えると、

その後アビスはシャーク国王の味方になったのかな?

ベクターの「邪の呪印」は璃緒の犠牲により解かれ、ポセイドン王国の守護神となった?



飛行船に戻った所で、璃緒はまだ意識を失ったまま。

このまま再び眠りについてしまうのか?

目覚めた時、璃緒は前世の記憶を取り戻しているのか?

自分がバリアンだと知ったら、璃緒はどう思うのか・・・?



これで七つの遺跡巡りが終了。

ドルベ、アリト、ギラグのナンバーズは遊馬の元へ。

ナッシュのナンバーズは、シャークの手に。

メラグのナンバーズもシャークが持ってる?

ミザエルのアンバーズは、カイト?

ベクターのナンバーズは96かな?

バリアン側のナンバーズが一枚しかなく、圧倒的に不利なようです。

ベクター達は、遊馬達の持つ封印のナンバーズを一気に奪う事は出来るのか?



ドン・サウザントがベクターに語るのは、

今回の二枚のナンバーズは自分達の手に戻るはずだと。

何を企んでいる?



ドン・サウザンドが、さらに衝撃の事実を語る。

ベクターも人間であった事と、

死後、バリアン世界に転生し、ナッシュとメラグを殺した、と。



前世での因縁から、ナッシュとメラグの失踪にベクターが関わっているかも、

と予想はしましたが、やはりそうだったのか・・・。



そうなると、ポセイドン王国の伝説の国王と妹姫は、バリアン世界に転生し、

バリアン七皇となり、その後ベクターに殺害されて、

今度は人間世界に再び転生した、という事?



ドルベは今もナッシュとメラグの生存を信じています。

もしもベクターによって殺害されたと知ったら、ドルベはどうするのか?



ベクターが真月に化け、アリトを闇討ちした事。

ギラグの敗北は、真月だったベクターが遊馬に味方した為だった事。

この二つの事実は、ドルベとミザエルは未だに知らないのか?

これらのベクターの悪事が全て露見した時、どうなるのか?



次回、No.96が動き出す?





「俺は俺だ!」「イラッとくるぜ!」と、過去の台詞持ってくる脚本。

ゼアルを第一話から見てるファンには嬉しいし、

シャークはこれまでいろいろあって変わった所もあるけど、

基本は変わっていない事を印象づけられます。

「イラッとくるぜ!」が使われるのは、吉田さんの脚本回の時が多いのかな?



荒ぶるシャークの髪。

良く揺れる璃緒の衣装。

デュエル時のシャークの表情の気迫。デュエルアクションが勢いあって大胆でかっこいい。

驚いた時のドルベがいつもより表情豊か。

作監:原憲一)

(脚本:吉田伸)