遊戯王ZEXAL II  第106話

第106話「ミザエル伝説! No.となった神の龍」



続くジンロンとカイトのデュエル。



マジックの効果とコストとして自分のLPを削る事で、ドレイン・ドラゴンの攻撃力を下げ、

遂にドレイン・ドラゴンを打ち破るが、カイトの残りLPは200に。



しかし、ドラッグルーオンには相手のドラゴンを奪う効果があった。

カイトがギャラクシーアイズの破壊を選択する事でジンロンに奪われる事を防ぐ事も出来たが、

カイトはそれを選ばす。

永続トラップでダイレクトアタックを回避。

さらにマジックの効果で、ジンロンの場のギャラクシーアイズを使い、ネオギャラクシーアイズを召喚する。

墓地のモンスター効果を使い、攻撃力が上回ったネオギャラクシーアイズでドラッグルーオンを攻撃、

ジンロンの発動したトラップを回避し、カイトが勝利する。



ジンロンはミザエルの伝説を語り、カードをカイトに託す。

遅れて駆けつけたミザエルは遺跡の崩壊により、カイトとのデュエルは果たせず、去って行った。







ミザエルの伝説。

やはり悲しいお話でした。

回想シーンで、ドラゴンを頭を抱え、庇うようにして倒れたミザエルの姿が、切ない・・・。





カイトの戦術を見越したアストラルとシャークの発言と、それに気付かない遊馬。

遊馬に対するアストラルの言葉も辛辣。(笑)



最後の試練は、銀河眼を奪われる試練。

自分のデッキの最強のモンスターが敵になる、という状況は盛り上がる。



「貴様には分かるまい。

 俺とギャラクシーアイズの絆の強さを。

 俺無くしてギャラクシーアイズはあらず。

 ギャラクシーアイズ無くして俺もあらず。

 ましてや、貴様に言われてギャラクシーアイズを破壊する事などありえぬ!」」



銀河眼(ギャラクシーアイズ)を破壊せず、ジンロンに奪わせたのは、

ダイレクトアタックを回避し、超銀河眼召喚の可能性を信じたから、かな。

その可能性こそが、銀河眼とカイトの絆。



「運ではない!必然だ!」

「最強のデュエリストは、ドローカードさえ自らが導く!

 それが、俺とギャラクシーアイズの絆だ!」



最強デュエリストは〜の下りは、ゼアルのシャイニング・ドローの口上を思わせます。



カードをドローしたカイトが一瞬ニヤリと笑い、勝利を確信したカイトのカッコ良さ。

ジンロンを侮らず、トラップを伏せておいたカイト。



「受けよ!我らが一撃!」



「俺の」ではなく、カイトと超銀河眼揃って「我らの」と形容する所、

一緒に戦っている感じが出ていて、実にカイトらしい。



ミザエルの伝説を語った後、ジンロンはカイトに、

「お前にはどんな窮地に立っても、決して己の運命を諦めない力がある、

自らの命を諦めたミザエルと違ってな。」と。



カイトを前回、ミザエルと似ていると言っていたジンロンですが、

二人の違いは、「己の運命を諦めない力」。



或いはジンロンは、ミザエルに、

自害を選択せず、自分の運命を諦めずに生きて欲しかった、のかもしれません・・・。

そんな思いが、カイトに与えたこの試練であり、

ジンロンは自分が見たかった「己の運命を諦めない力」を、カイトに見いだすことが出来た。のかな。



結末はドルベの白馬伝説とも似ていますが、

ペガサスを庇い、仲間の剣を受け、命を落としたドルベと、ドラゴンを庇い自害を選んだミザエルとで、

少し結末が違います。

この違いが、今のドルベとミザエルの性格の違いにも影響しているのでは?という説もみかけました。



前回ミザエルが人間を愚かしいものと言ったり

今回も「下等な人間」などと言い、人間を見下している理由も、

もしかしたらこの伝説に関係あるのかもしれません。

人々に裏切られ、信じて貰えなかった悲しみ、憎しみ。

記憶が無くても、今のミザエルにそうした思いが影響している?



ジンロンの正体は、伝説でミザエルと共に命を落とした、この地を守る龍。

これまでの遺跡の伝説同様、伝説の主と関わりの深い者がナンバーズとなり、

自身がナンバーズを守る守護者(ガーディアン)になる様です。



ジンロンは現れたミザエルを見て驚き、

「お前の魂にミザエルを感じる」と言っています。

相手の魂を見抜く力が、ナンバーズのガーディアン達にはあるのかな。

だとしたら、白馬伝説の遺跡のガーディアン、ペガサスのマッハは、英雄の魂を持つドルベに気付いていたのか?

悲鳴の迷宮にいた処刑人らしきガーディアンは、王子の魂を持ったベクターに、

コロッセウムの王子らしきガーディアンは、拳闘士の魂を持つアリトに、

それぞれ気付いていた?



マッハはドルベに対して特に言及も反応の見せていませんが。

悲鳴の迷宮では、処刑人らしきガーディアンは居ましたが、側に居るベクターに反応がありません。

コロッセウムのガーディアン、おそらくはライバルだった王子は、ナンバーズを奪おうとしたアリトに、気付いていた様子。



伝説の中ではそれぞれに強い絆があったのに、

現世でナンバーズとバリアンとして再会しても、感動の再会とならないのがもどかしい。

そして、必ずしも各ナンバーズが伝説の主の手元に渡らない。

いつか、洗脳が解け、記憶を取り戻し、自身の魂の過去を受け入れたバリアン達が、

ナンバーズとなったかつての相棒と対面し、語り合える時が来たら良いのですが。



ドラゴンの魂は、ナンバーズに触れ再び蘇り、ナンバーズを守ってきた。

ジンロンのこの話も、これまでの話と辻褄が合います。

ナンバーズが世界中に散らばったのは、遊馬が扉の声に応え、アストラルが現れてから。

しかし、古くからある遺跡に、なぜナンバーズがあるのか?

その答えが、このジンロンの話にあるようです。



バリアン達と関連のある遺跡に、それぞれの伝説の中で、バリアン達と関連の深い者の魂が眠っていた。

アストラルが遊馬の元に現れ、ナンバーズが飛び散った時、ナンバーズがそれぞれの遺跡に現れて、

「バリアン達の魂と関連の深い者」の魂を蘇らせ、自身をナンバーズと一体化し、

ナンバーズを守るガーディアンとなってこれを守ってきた。

総合すると、こんな感じでしょうか。



今回もカイトとミザエルの決着は付かず。

次に二人がデュエルするのはいつになるのか?



ミザエルも遺跡で感じるものがあり、さらに、自分にまつわる伝説を聞いてしまった。

それでも、激しく否定して、自分が人間であった事を受け入れられない様子。

自分が見下していた人間が、以前の自分の姿だったとは、信じたくない?



ジンロンは、カイトを、ミザエルに似ているが、自分の運命を諦めなかった所が違っている、と。

カイトとミザエルがどうして似ているのか?なぜ二人とも銀河眼使いなのか?

二人にどんな因縁があるのか?については、今回は語られませんでした。

ジンロンはその因縁を知っていたのかな・・・。



遺跡が崩壊し、消え去ったのを見ると、あの遺跡そのものが幻影だったのか?



最後、アストラルの衝撃の台詞。

アストラルの使命は、バリアン世界を滅ぼす事!?

これは・・・・。



アストラル世界を救う事 = バリアン世界を滅ぼす事、なのか?

アストラル世界を救うには、 バリアン世界を滅ぼさなくてはならない?

一方のバリアン側も、バリアン世界を救う為にアストラル世界を滅ぼそうと考えている様子。

アストラル世界とバリアン世界、どちらかが滅ばないと、もう片方の世界は救われないのか??

共存の道はないのか?



そして、アストラルが本当の使命に目覚めた事で、遊馬との決裂の予感がします。

遊馬はバリアンを信じたいと、今も思っている。

遠からず、二人は選択を迫られる事になりそう・・・。



アストラルが今回、ジンロンの言葉に、かつてバリアンと戦った記憶を取り戻した様子。

99話やOPで暗示されていたのは、やはりこれの事だったのか?

アストラルが戦っていたのは、ドン・サウザンド?



ジンロンが語った話、遙か彼方、天空で戦う神々しい光と光、数百日にも及んだ戦いというのは、

一体、いつの出来事なんだろう?

遙か彼方、というのは、この人間の世界とは違う場所なのか?



戦いの後、封印されたらしいドン・サウザンド。

アストラルも同様に封印されていたのか?

だとしたらアストラルの封印を解いたのは誰か?何の為に?

一馬がこれに関わっている??





力強い線。アップ時のカイトの眼光の強さ。

ドローの時に表情。指先のアップから始まる大胆なアクション。

カイトの顔の擦り傷が痛々しい。

伝説に登場するミザエルが美人。



カイトの台詞も熱い。

「あらず」「ましてや」「ありえぬ!」などの古風な言い回しのカイト。

よくその気風が武士に例えられるカイトですが、今回もまさに武士風でした。(笑)

そして、「俺無くしてギャラクシーアイズはあらず〜」の下り、

いかにカイトが銀河眼が大好きなのかを物語っていて、面白い。(笑)



作監:奥野浩行・おのかずひろ)

(脚本:待田堂子