遊戯王ZEXAL  第98話

第98話「限界突破!!『希望皇ホープレイ・ヴィクトリー』」



遊馬はアストラルの心の中の世界で、アストラルに謝罪する為、

幾多の困難を乗り越え、アストラル像の最上階を目指す。



一方、サルガッソでは、ダークゼアルがデュエルを続ける。

ダーク・ゼアル・ウェポン キメラクロスホープレイVに装備。

その効果で、破壊耐性を身につけたホープレイVは、攻撃力が上回るシャイニングを攻撃し、

その度にLPに100のダメージを受け、攻撃力を二倍にして、攻撃を繰り返す。

ベクターが発動したトラップ、ハンドレット・オーバーの効果で、

シャイニングの攻撃力は常にホープレイVを100上回るのだが、

それでも暴走したダークゼアルは攻撃を繰り返し、LPを自ら削り続ける。



悪意に染まったアストラルの暴走を止めようと、遊馬がアストラルに飛びついたその時、

ゼアルは解除され、遊馬とアストラルが姿を取り戻す。

残りLPをギリギリ残し、遊馬はホープレイVの攻撃を止める。



遊馬の残りLPは100。デッキはたったの一枚。

ベクターはRUM-バリアンズ・フォースを発動。

CNo.104 マスカレード・マジシャン・アンブラルを召喚する。

ホープレイVに装備したキメラクロスは破壊され、攻撃力は元に戻ってしまう。

遊馬はトラップを発動させ、ダメージを回避し、ホープレイVの代わりにホープを場に特殊召喚



最後の一枚をドローした所で倒れる遊馬だが、遊馬を信じたいと願うアストラルと合体し、

進化したゼアルが姿を現す。

リミテッド・バリアンズ・フォースをRUMーヌメロン・フォースに変え、

CNo.39 希望皇 ホープレイ・ヴィクトリーを召喚。

アンブラルを破壊し、勝利する。











悪意に取り込まれたゼアル。

「暗き力は、ドローカードを闇に染める。ダークドロー!」

いつものシャイニング・ドローに対して、ダークゼアルはダークドロー。



通常のゼアルは声が遊馬で、言動も遊馬主体でしたが、

ダークゼアルの声はアストラル。

ダークゼアルは、暴走し悪意に染まったアストラルが主体の様子。



アストラルの心の中の、巨大なアストラル像。

その内部の階段で、天井が崩壊していくのは、

アストラルの心が壊れかけているからなのか?

階段の途中に立ちはだかる、黒いオオカミの様なモンスター達も、

アストラルの心が生み出したもの?

アストラルの心そのものが危機に瀕している。

最上階でアストラルに再会した時、遊馬がボロボロでした。



アストラル

「遊馬、君は悪だ。

 私を裏切り、私の中に怒りを、疑いを、悲しみをもたらす悪なのだ。」

「私は、もう君を信じる事はできない。」



前回は、ベクターの煽りにも動じず、あれほど冷静だったアストラルが、

これまでにない程、自分の感情をあらわにしてます。

あの時は、自分の中にあるこうした感情に気付いていなかっただけ、なのか・・・。



やっとアストラルの元へ辿り着いた遊馬に、

「遊馬、何をしに来た?」と問うアストラル。

謝ろうとする遊馬に対しても、

「謝る?何を?」

「確かに君は、私を裏切った。

 そして、私は君を信じる気持ちを失った。

 だが、その代わりに、私は新なら力を手に入れた。」



ここまで、アストラルの声が不気味なほど冷静・・・。



「悪だよ・・・遊馬。

 知らなかったよ、悪が・・憎悪が・・こんなんも強い力になるとは。」

「分かる・・・分かるぞ。力が満ちてくるのが!

 もっとだ!もっと憎悪を!怒りを!疑いを!

 それが私を満たすとき、私は更に強くなる!」

「遊馬、君には感謝しているぞ。

 この力をもたらしてくれたのは君だ。

 全身を満たす憎悪が、全てを壊す力を与えてくれる!

 黒く・・黒く染めるんだ!!私の全てを!!」



狂気に満ちた表情と、この台詞。

あの、いつもクールで冷静だったアストラルが、こんなに変わり果ててしまって・・・。

これは見ていて辛かったです。



ベクターが言っていた通り、純粋で疑うことを知らず、裏切られる事に耐性のないアストラルだからこそ、

容易にここまで悪意に染まってしまうのか。



真月が使っていたモンスターはシャイニングと名の付くモンスター。

そして、ベクターの召喚したオーバーハンドレットナンバーズの名が「マスカレード・マジシャン・シャイニング」。

ベクターはアンブラルの名の付くモンスターを使い、

シャイニングをカオスエクシーズチェンジしたのが、「マスカレード・マジシャン・アンブラル」。

エースモンスターの名前も、シャイニングとアンブラル、光と影が、対になってます。

ベクターというキャラクターそのものも、光と影を象徴しているのかな。

ゼアルとダークゼアルも、シャイニング・ドローとダーク・ドローで、同様に光と闇で対になってるのも面白い。



窮地に立たされた遊馬が、アストラルを守ろうと一人で奮闘。

サルガッソの効果ダメージを回避したり、

ホープのORUを復活させたりと、上手く墓地のモンスター効果を使ってます。

今まで墓地に送ったカードから、最後にデッキに残った一枚が何のカードなのかもちゃんと把握出来てる。

遊馬の成長が読み取れるシーンです。



最後の一枚をドローした所で倒れる遊馬。



「遊馬、私はもう、これまでのように君を信じる事は出来ない。

 だが、どんな窮地に陥っても希望を信じて戦う君を、

 私は信じたい。」



シャークとカイトが、遊馬の勝利を信じている様に、

アストラルもまた、遊馬を信じたいと願う。

諦めない心を持つ遊馬は、みんなに必要とされる希望なのだと思います。



璃緒が目前で起きる奇跡を詩的に語ってくれました。

「希望に輝く 心と心。

 二つを結ぶ強い絆が奇跡を起こす。」



アストラルが遊馬を支えて立ち上がる!

人間界では触れ合う事ができない二人が、ここでは手のひらを合わせたり、肩を貸したりできるのが、

見ていて何だか嬉しいです。



話が逸れますが、漫画版では勝利の後、

ハイタッチをようとする遊馬とアストラルの手が突き抜けて、お互い苦笑する場面があり、

そこが何となく切なく感じました。



新たなゼアルの登場。

デザインも大分変わり、よく見ると後ろ髪が伸びてる。

いつものゼアルより、大人びた感じ?



勝利時のARビジョンでの表示がZEXAL II となってました。

このゼアルの進化形の名称がゼアル・セカンド?

WDC編が終わってから、タイトルにセカンドが付くようになりましたが、

単なる続編という意味じゃなくて、

このゼアルの進化形の名前だったのか!



リ・コントラクト・ユニバースで、リミテッド・バリアンズ・フォースを

RUMーヌメロン・フォースに変える。



このシーン、いくら何でも手札のカードの書き換えはズルイ!という意見もよく見かけますが。

台詞に「奇跡の光が闇を払い、リミテッド・バリアンズ・フォースの真の姿を呼び覚ました。」

とあるから、ヌメロン・フォースが本来の姿なのかな。

都合良く書き換えたのではなく、元のカードに戻した、という解釈なのだと思います。



ホープレイVはバリアンの力を得ているせいか、どことなく禍々しいデザインでしたが、

ホープレイヴィクトリーは、白と赤が基本の色で、ゼアルの色調と合わせてあります。



新たなゼアルの力がサルガッソのバランスを崩し、崩壊し始める。

ドルベとミザエルも撤退。



ベクターの去り際の台詞。

「いいか、アストラルの心を汚した悪のシミは決して消せやしねえ。

 汚されたという思いは永久に残り、それがお前達の絆を蝕んでいく。」



これはただの負け惜しみなのか?

それとも、重大な暗示なのか・・・。



アストラルが悪意によって汚され、もう元に戻せないとしても。

人が成長する過程で様々な感情を知っていくように、

アストラルも新たな感情を知り、それを受け入れていかなくてはならない。

精神的に成長していく、と言うよりは、より人間らしくなっていくのかな。



そして遊馬とアストラルの絆もこれから変化していくのだと思います。

それは時として悪い方向への変化かもしれないけど。

アストラルの、遊馬に対する不信感は完全に消えてないし、

ベクターやNo.96の予言を見ると、まだ何か一波乱ありそうです。 



遊馬とアストラルが仲直りして一件落着!という様な気楽で安易な展開ではない所、面白いです。



アストラルは純粋さ故に、自分の感情を隠す事を知らない。だから正直に

「私はもう君を信じる事はできない」と繰り返す。

それでも遊馬を「信じたい」と願ったアストラルの気持ちに、ぐっと来ました。



これまで二人が築き上げてきた絆を、そう簡単に見捨てられるハズもなく。

何よりも、絶対に諦めない遊馬の姿は、アストラルや仲間達の、そして視聴者の心を引きつける。



ヌメロン・フォースを引き出したゼアルII。

ゼアルの力はヌメロンと関係があるのか??



またも決着をつける事が出来なかった、ミザエルとカイトの銀河眼対決はどうなるのか?

ドルベの言っていた男とは、一体誰だったのか?

ベクターはボロボロでしたが、まだ何か企んでいるのか?



ここで一段落で、次回から新展開。

今後がいろいろと楽しみです。







最後、敗北して吹き飛ばされるベクターが凄かった。

翼や、体のあちこちが欠けてく様子とか、



ツイッター情報ですが、

ベクターの酷いやられっぷりは打ち合わせで決まってたそうです。(笑)



作監:原憲一)

(脚本:雑破業