遊戯王ZEXAL  第84話

第84話「蘇れ!!遊馬VSシャーク復活の決闘」



前回のスフィアフィールドでのダメージで、

皇の鍵の中での休息を必要とするほど消耗していたアストラル。

遊馬の心と体の傷を思い、心配していた。



一方、シャークと共に入院中の遊馬。

大事には至らなかったものの、遊馬の悩みは晴れない。

ミザエルとのデュエルを思い出し、うなされる始末。



そんな遊馬を見て、苦々しい顔つきのシャーク。

遊馬に活を入れようと、デュエルを挑む。

追い詰められた遊馬が、大事な事に気付いた時、アストラルが現れ、二人で逆転勝利。

笑顔を取り戻した遊馬に、シャークも、そして離れて見守っていたカイトも安堵する。







シャークがとにかく優しい回でした。



今回は久々に、デュエル中悪ぶってますが、シャークの性格を考えれば、

遊馬に活を入れて目覚めさせようとしてるのは明か。



皇の鍵を奪ったのはデュエルにおびき出す為。

その証拠に、

「返して欲しかったら俺をデュエルでぶっ倒してみろ」とか言ってたのに、

デュエルが始まれば、

「やっぱりテメェ一人じゃ話にならねぇ」と、すぐ返しちゃう。

遊馬に本気を出させるため、一切手加減せず。

今のお前は臆病な負け犬だ!と挑発したり。



「どうした?アストラルは出てこねぇのか?

フッ、お前の腰抜けぶりに愛想を尽かしたか。

フハハハハッ!」

口の悪さは、流石シャーク。(笑)



行動の一つ一つが遊馬の為にしている事で、

その為なら嫌われ役も厭わない覚悟が。

本当に優しいな・・・。



深夜にうなされてた遊馬に文句言おうとして、

看護師さんに怒られる場面なんかもあったり。(笑)



「タクティクスもまともに言えねぇくせに!」

横文字に弱い、デリバリー、もとい、デリカシーのない遊馬。

こんなシリアスな場面でも、無理して難しい言葉を使おうとする遊馬も遊馬だけど。(笑)

イライラしながらも、ちゃんとツッコンでくれるシャークの優しさ。(笑)



以前のいろいろな問題が解決したせいもあって、

セカンドになってから、日常の中でのシャークの素の表情が

いろいろ見られるのが楽しい。



遊馬の重荷になっているとアストラルが自分を責めてしまわないか

心配してたのですが、杞憂でした。

アストラル自身は、今の自分たちに何が必要なのか、ちゃんと分かってたんだな・・・。

そういう思慮深さが、アストラルらしい。



入院中の遊馬が、ため息ついて、食が進まない・・・。

いつも元気にバクバク食べてる遊馬だからこそ、

食欲がない遊馬というのが、いかに異常なのかがよく分かる場面。

デュエルで守りに入ってしまうのも、弱気な時の遊馬の癖が出てます。



アストラルを守らなきゃって思いより、一緒に戦いたい!という思いが大事で、

助ける・助けられる、守る・守られるというような、相手に依存する関係ではいけない。

共に歩んでいかなきゃダメなんだと、気付かされた遊馬。



付き合いが長くなり、気付かぬうちに、すれ違ってしまったり、勘違いしてしまう。

一方的に思い詰めて悩んだり。迷ったり。

そうやって紆余曲折を経て共に成長していく遊馬とアストラルの関係が良いです。



「シャーク、遊馬が立ち直ったのは君のお陰だ。

 君には私から礼を言おう。ありがとう。」

アストラルとシャークが会話する場面は、これまでにあったかな?

もしかして、今回が初めて?

前回といい、今回といい、アストラルがシャーク、カイトの二人と

会話するようになったのが嬉しい。



「バカ野郎、そんなんじゃねぇ。」と返す、いつも通り、

素直じゃ無いなシャーク。(笑)



最後に、仲間とはいいものだ、と言っていたアストラル。

人間同士の友情に、少し憧れている所もあるのかな?とも思える。

自分自身は異世界人だし、直接関われるのは遊馬一人だから、

アストラルには仲間と呼べる存在は遊馬だけ。

バリアン勢にも仲間がいるし。

そう考えると、アストラルが少し寂しい気がする。



カイトが、ハルトに「ダメだよ兄さん!」って怒られたり。

一人でお見舞いに行くと言いだしたハルトに少し動揺見せたり。

兄弟の仲の良いシーンが見れて良かった。



実はお見舞いに行く気満々だったのか。(笑)

遊馬の元気の無さを、カイトなりに気にかけていたんですね。

今回はカイトの出る幕はなかったけど。

シャークがあそこでデュエルをしていなかったら、

カイトもきっと同じようにデュエルで遊馬に活を入れていただろう、

と言っていた方がいて、同感しました。



シャークの使ったモンスター。

WDCではシャークドレイクバイスがエースでしたが。

今回はナンバーズは使わないデュエルという事で、

懐かしいエアロシャークとブラックレイランサーが久しぶりに登場。

パンサー・シャークと、イーグル・シャーク。

名前の元ネタはサンバルカン

マジック、スリースライスって三枚おろしの事かな。(笑)



対する遊馬が召喚したエクシーズが、ゴーシュに貰ったエクスカリバー

ホープ以外だと、結構活躍が多いですね。

効果を使って攻撃力を上げて殴る!という戦法が、遊馬の性格に合ってるのかな。

ところで、今頃、ゴーシュとドロワはどうしてるんだろう?



病室での明里の小言に、璃緒が静かにして欲しいと。

少し神経質?かと思ったら、実は遊馬を助ける為の粋な気遣い。

良く出来た賢い妹さんだな、璃緒。



嫁のもらい手に苦労する、なんて突っ込まれてた明里姉ちゃん。

明里があれほど怒っていたのは、心配をかけたから、ではなくて、

友達にも怪我させたから、なんだろうな。

祖母と弟を養うために、一人で働き。

ネットニュースの配信の仕事を選んだのも、

失踪した両親の情報を得るためだと思うし。

カッコ良くて逞しくて素敵な姉だけど、

辛いときに支えてくれるような恋人とかいないのかな・・・。

幸せになって欲しい。



次回、いよいよバリアンが本気を出してくる?

真月は操られてしまうのか?

バリアンズスフィアキューブを使えば、確かに本来の姿で戦えるけど。

もしもここでアリトが敗北したら、やはりアリト達が消滅してしまうのか?

ギラグもアリトも、どこか憎めないキャラなので、消えて欲しくないな・・・。

遊馬とも少し仲良くなったので、敗北=消滅だと知ったら、遊馬は戦いにくいかもしれない。





皇の鍵をデュエルのだしに使ったり、

エアロシャークやブラックレイランサーなど、

初期のシャークのエースモンスターが活躍したり、

シャークが悪ぶって遊馬を煽って見せたり。

第1話や初期の頃のシャークを思い起こさせる構成が上手い。

雑破さんはセカンドになってからの参加だけど、

ちゃんとゼアル序盤のシャーク回を見て構成練ったのかな?



今回もしっかり「イラッとくるぜ!」の台詞がありました。

セカンドになってから、シャークにこの台詞を積極的に言わせるようになったな。(笑)



デュエル時の天候の変化。

始めると同時に降り始めた雨が、

アストラル登場で遊馬が立ち上がった後から、雨がやみ、

最後は雲が切れ、晴れていく。

遊馬の心情とリンクしてます。

こういう描写も細かくて丁寧。



作画、崩れがなくてキレイ。お肌ツヤツヤ。

デュエル時の大きいアクションと、アップからの引き、かっこいい!



作監:横田明美

(脚本:雑破業