遊戯王ZEXAL  第58話

第58話「シャーク覚醒!新たなるカオス・ナンバーズあらわる」



シャークは自分を支配しようとするシャーク・ドレイクの呼びかけに、必死に抗い、苦しむ。

永続魔法でシャーク・ドレイクを除外し、ヘブンズ・ストリングスの効果による敗北を回避。

シャーク・ドレイクの誘惑に打ち勝つ。



優位に立つIVは勝ち誇るが、

トロンにより、ヘブンズ・ストリングスに装備された

装備魔法、デステニー・ストリングスの弱点を指摘される。

デッキから墓地に送ったカードがモンスターでなかった場合、

攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了することになる。



俺をそんなに信用できないのか!?と訴えるIVに、

トロンは冷酷にも答える。誰も信じていないと。

トロンの本音を聞いたIVは、

俺は使い捨ての駒にはならない!と奮い立ち、

ヘブンズ・ストリングスで攻撃を仕掛ける。

だが、引いたカードはモンスターでは無かった。



手札のモンスターとヘブンズ・ストリングスで攻めるべきだったと、

アストラルがIVのプレイングミスを指摘する。



IVはヘブンズ・ストリングスをリリースして新たなモンスターを召喚し、

エクシーズ召喚に繋げる。

姿を現したのは、IVの真の切り札、

無敵のナンバーズ、No.88 ギミックパペット−ディスティニー・レオ。

ORUを全て無くした時、このデュエルに勝利するという、恐るべき効果を持っていた。



劣勢に追い込まれたシャークに、語りかけるトロン。

IVに対しては「別にいいよ、勝たなくて」とまで言い切る。

シャーク・ドレイクを呼び戻し、IVを倒せと、シャークをそそのかす。



復讐を遂げるため、シャークドレイクを受け入れたシャーク。

場にシャークドレイクを復活させ、

さらにシャーク・ドレイクをカオス・エクシーズチェンジ。

CNo(カオスナンバーズ).32 海咬龍シャーク・ドレイク・バイスが現れる。

その効果でディスティニー・レオの攻撃力を下げ、バトルで破壊。

IVに勝利する。



IVはシャークの妹を傷つけた経緯を告白。

父を救ってくれと言い残して去って行く。







意外とあっさりした結末でした。



IVを完全に見放したトロン。

しかも、隠そうともせず堂々と本人の前で。

これは酷すぎる。

IVを煽ることで力を引き出そうとか、そういう裏がある訳でもなしに。

なぜそこまで息子を傷つける??

IVを追い詰め、苦しめる必要がどこにある??



残忍な性格故に、相手が傷つき苦しむ姿を楽しんでいるのか?

例えそれが息子であっても、心が痛まない?

倒れたIIIに対しては、何か思うところがある素振りでしたが。

やはりトロンには、息子に対する愛情は、一欠片もないのか?



全てトロンの為にしてきた、それなのに俺を信じてくれないのか!?

という、IVの叫びが辛い。

父親を慕いたい、昔の優しい父に戻って欲しい、自分を認めて欲しいと、

そういう息子としての思いが、IVにもあったのか・・・。



だた、残忍な父親を受け入れるしかなかったIIIやVとは違っています。

トロンから、信じていないと断言された後、

それでもヤケにはならず、

凌牙を倒し、Dr.フェイカーを自分の手で倒すと宣言した。

父親としう壁を乗り越えようと、必死にもがいているように見えました。

もしここでシャークに勝利していたら、

カイトの様に、父親の呪縛から自分を解放する為の戦いをしたかもしれません。



敗北後のIVの告白。事件の真相もついに明らかに・・・・。

トロンに言われるまま、シャークの妹とデュエル。

でも、IV自身には彼女を傷つける意志は無かった。

トロンに渡されたカードを使用したとき、炎が巻き起こり・・・。

二人は炎に囲まれる。

IVは彼女を炎の中から救い出し、その時に顔に傷を負った。

OPの、あの炎の中の二人は、IVとシャークの妹だったのか。



何も知らされず、トロンに渡されたカードを使用したら大惨事、

というのは、IIIの破滅のカードの時と同じ展開。

渡したカードで、デュエルの相手も自分の息子も

共に傷つく結果になっても構わないという、トロンの恐ろしい思考。



あと気になるのは、シャークの妹が、大会決勝直前のシャークに言った言葉。

凌牙、勝って・・・。

兄の決勝の相手がIVだと知っていて言った言葉、なのかな。



しかし、妹は自分がデュエルした相手がIVだと、シャークには伝えていない様子。

(WDC予選前に、IVの口から告げられるまで、

妹を傷つけた犯人がIVだとシャークは知らなかった。)

もしかしたら、妹はあの時点で、兄の決勝の相手がIVだとは知らなかったか、

もしくは、自分がデュエルした相手の名前を知らなかった?

ただ、自分の事は気にせず、大会に集中して欲しい、という意味だったのかも。



まだ名前も明かされず。

今現在、どうしているのかも不明な、謎の多いシャークの妹。

今回の回想を見る限り、髪の色はシャークを同じ。髪型も少し似てる。

しかも、デュエリスト

兄を名前で凌牙と呼ぶのは、兄に対しては生意気な妹なのかと思いましたが、

歳が近い、もしくは双子の妹なのかもしれません。

素顔が気になるけど、もしもシャークにそっくりなら、きっと美人だ。



敗北後の素直に謝罪するIV。

父親から酷い仕打ちを受けたのは分かるけど、

ここでいきなり謝るのは卑怯だ、とも感じました。

シャークもふざけるな!と、言ってます。

あれだけ酷い目に遭わされて、今更謝られても、怒りは収まらない。



それでも、IVはこの場で謝るしかなかった。

敗北の後は、IIIやVの様に紋章の力を失い、眠りについてしまう。

だから・・・・。



IIIが遊馬に、Vがカイトに託した様に、IVはシャークに託した。

父を救ってくれと。

IVには他に託せる相手もいない。



ここで謝るなんてズルイ。

謝ってもその罪が消える事はない。

でも、IVの置かれた状況は、同情せざるを得ない・・・。

なんだか複雑な心境です。



こんな状況で、シャークはIVに何も言わなかった。

許してはいないけど、それ以上責める事もしなかった。

怒りを堪えて、IVの謝罪を受け入れたんだろうな。



IVにもシャークにも譲れないものがあって、

憎しみや復讐の先にあるものは空しさだけで。

このデュエル、どちらが勝っても、悲しいだけだと思い知らされました。



IVが託した言葉、

ずっと待っている、兄と弟と共に、

と言っていたのが気になる。

IIIやVのあの眠りは、死ではないけど、

もう目覚めることは殆ど無い、死に等しい、長い眠り、のように思えました。

あの眠りは、紋章の力を使った事による反動とか副作用のようなものなのか?

この先、もしトロンが敗北し、一家全員が眠りについたとして、

彼らが目覚める日は来るのか?

復讐から解放され、トロンが元の優しい父に戻り、息子達と笑顔を取り戻す。

IIIもきっと望んでいた、そんな時は果たして来るのだろうか・・・?



気になるシャークの今後。

必死にシャーク・ドレイクを拒み、嫌だ!と繰り返すシャーク。

一度はナンバーズに乗っ取られた事があるシャークだからこそ。

何度かナンバーズに取り込まれかけたけど、その度に遊馬の言葉に救われてきた。

しかし、今回は・・・。

結局、妹の復讐の為にシャーク・ドレイクを受け入れ、力を手にしてしまった。



けど今の所、心配していたような事態にはならなくて良かった。

ナンバーズに人格を乗っ取られなかったし。

トロンに操られる事も無かった。

シャークはきちんと自我を保ってる。

これは・・・シャーク・ドレイクに飲み込まれたのではなく、

シャーク・ドレイクの力に打ち勝ち、シャーク自身の意志で支配下においた状態なのか?

(または共存?)



トロンはこの状況を期待していたようだけど。

シャークを操ると言っていたのは?

催眠術のようにシャークの意志を操作する、という事ではなくて、

結果的にトロンの望む相手とデュエルするよう仕向ける事、なのか?

トロンの操り人形になる事や、Dr.フェイカーの刺客になる事をシャークが拒んでも、

結局はトロンの復讐に利用されてしまうのか?



ヴァリアン界についても、今回少し触れられてました。

アストラル世界と対をなすと思われる、もう一方の世界。



遊馬を拘束した鎖は、ヴァリアンの力でできていた。

それは、アストラル世界の力しか持たないアストラルには解くことが出来ない。

ヴァリアンの力と、アストラル世界の力は互いに干渉できない?

異なる世界の力だから、かな。



誰も信じないと言ったトロンが、唯一頼りにしているのは、

自分を救ったヴァリアン界だけ。



異世界の扉を開くために、Dr.フィカーによって生け贄にされた一馬は、

皇の鍵に繋がる世界(=アストラル世界?)にいる。

アストラルとも接触可能で、アストラルをこの世界に送ったのも一馬?



一方、同じく生け贄にされたバイロンは、ヴァリアン界に居た?

一馬はアストラル世界から帰還できないのに、

どうやってバイロンはヴァリアン界から帰還したのか?

彼らに救われた、と言っていたけど、一体何があったのか?



トロンの持つ、あの紋章の力は、ヴァリアン界からもたらされたもの?

その力を息子達にも与えた様だけど、それを失うと昏睡状態になってしまうのは、なぜ?



そういえば、オービタル7の動力はヴァリアン界からもたらされたヴァリアライト。

オービタル7を作ったのは誰なんだろう・・・。

やはりDr.フェイカーなのかな。

異世界の扉を開き、そこでヴァリアライトを手に入れ、

息子達の面倒をみるロボット、オービタル7を作ったのか?



今回の展開にあまり関係ないけど、遊馬の母親、未来さんは今どうしてるんだろう?

回想で、自分達が子供達の前から姿を消す事を知っていたかのような発言があったけど。

一馬も、Dr.フェイカーの裏切りに遭う以前から、こうなる事を予期していたのか?



IVはこれで退場なのかな。

OPのような、邪悪さ全開でイキイキとデュエルする姿は、

ある意味、凄く楽しそうで、IVの魅力だったと思う。

それだけに、今回のような悲惨なデュエルは見ていて辛かった・・・。



IVのプレイングミスは、トロンが誘導した結果だから仕方ない。

あそこでIVが冷静だったら、シャークに勝っていたはず?

一度はシャーク・ドレイクの誘惑に勝ったシャークを、

敗北させずにもう一度窮地に追い込んで覚醒を促そうと、トロンは狙っていたのか。



もしも、IVが眠りから目覚め、家族の問題が全て解決したとしても、

それで性格が穏やかになるとは思えないけど。(笑)

またいつかファンサービスなIVのデュエルが見たいです。

今度は家族のしがらみとか無しで。



IVの中の人(細谷佳正)の熱演も良かった。

「俺はそこまであんたの事を思って・・・。

 あんたの為に非道なことをしてきた!!」

の所の、声の震え方とか。





IVもシャークもキリっとしてかっこいい。

顔が崩れない。

IVの顔芸、シャークの葛藤シーンも演出良かった。

作監:原憲一)