遊戯王ZEXAL II  第114話

第114話「悲哀なる決闘者「地獄人形」冥動!!」



自分がバリアンかもしれないと悩むシャークは、ある場所へと一人向かう。

昔の屋敷で、幼い頃の記憶をたどり、自分達兄妹は人間だと確信する。

そこに、バリアンの刺客、クラゲ先輩が現れ、シャークは毒を受けてしまう。

璃緒を助ける為には、デュエルでクラゲ先輩を倒すしか無い。

シャークの助っ人にIVが現れ、二対一のデュエルに。



クラゲ先輩はNo.4 猛毒刺胞 ステルスクラーゲンをエクシーズ召喚。

その効果でシャークの場の水属性モンスターは破壊され、攻撃力分のダメージをうけてしまう。

IVは遊馬から託されたNo.15 ギミック・パペット ジャイアントキラーを召喚し、

効果によりステルスクラーゲンを破壊し、クラゲ先輩にダメージを与える。

しかし、ステルスクラーゲンが破壊されたはずのクラゲ先輩のフィールドには、二体のモンスターが。







Mr.ハートランドベクターの前で語る、次なる刺客。

水属性デッキ最強の使い手。

気むずかしく、上下関係には特に厳しく。

Mr.ハートランドの先輩にあたる人物だと。



しかし、Mr.ハートランドの為に、闇デュエル界四悪人の残り三人を用意したのは

ベクターなのだから、三人の刺客の実力や個性は把握してるのでは?

Mr.ハートランドがわざわざ説明する必要はない?

それとも、Mr.ハートランドと縁があるという理由だけで三人を呼び寄せただけで、

詳しい事はベクターは知らないのか?



そもそも、「闇デュエル界四悪人」とは一体何なのか?

バリアンには不老不死のイメージがありますが、

バリアンに先輩・後輩の関係はあるのか??

或いは、彼らは元々は人間だったのか?



クラゲ先輩の毒を受け、苦しむシャークを見た時。



 クラゲ先輩「ん?お前の面、どこかで・・・。」



クラゲ先輩は、シャークに会ったことがある?



今回のシャークの回想シーン、両親が事故に遭う場面で、衝突してきたトラックの運転手の後ろ姿が、

クラゲ先輩に似ている(髪型が)という指摘も。

遺跡巡りでナンバーズのガーディアンと、各遺跡の伝説の主にそれぞれ絆や縁があったように、

シャークに関係する人物が、バリアンの刺客となったのか?



病室で璃緒を見つめるシャーク。

海底遺跡で見た記憶に、戸惑い、悩んでいる・・・。



 シャーク「俺は・・・俺達は何者なんだ?

      璃緒・・・ 俺達は、すっと一緒だった。

      この世界で。

      なぁ、そうだろ?」



シャークは自分達兄妹の記憶を確かめる為に、ある場所へと向かう。



シャークの悩み。

自分がバリアンかもしれない、人間ではないかもしれない不安。

きっと、璃緒が目覚めていたら、ここまで悩むことも無かったのだと思います。

シャークはこれまでにも「俺は、俺だ!」と、自分を貫いてきた。

璃緒と自分達の過去や記憶を語り合い、確認出来たら、こんなに不安になる事もないはず。

遺跡で見た記憶や、バリアンである事実にも、振り回される事無く、自分を貫く覚悟が出来たのでしょう。



シャークにとって、妹が元気で幸せである事がとても重要な事。

思えば、遊馬と出会った頃、そしてWDCの頃のシャークは、

OPアニメで暗示されるような、路地裏で一人雨に打たれるキャラでした。

璃緒が眠り続けていた頃と、セカンドに入って璃緒が目覚めてからの、シャークのこの変わりよう。

妹が側に居ないと、この人は本当にダメなんだな・・・と思えます。



IIIが九十九家で朝食を。

春ばあちゃんに、お陰で遊馬の元気が戻ってきたと感謝されるIII。



 III「いいえ、僕もこんなに美味しいものが食べられてラッキーです。」



とても美味しそうにデュエル飯やデュエル唐揚げを頬張る姿が、見ていて嬉しい。



以前、IIIがこの食卓で食事したときは、

デュエル飯片手に、明里と遊馬のやり取りに思わず微笑み、

同時に自分達家族の過去を思い出して、泣き出してしまう子でした。

それが今は、笑顔で美味しそうに頬張っている。

家族の問題が解決して、幸せになったんだなと感じさせます。

よかったね、III。



IIIの台詞によると、九十九家に泊めて貰い、着替えが無いので遊馬の制服を借りて着ている、とのこと。

IIIがハートランド学園の制服を着るとしたら、ハートランド学園に転入する事になるのか?と噂されてましたが。

着替えが無かった、だけなんですね。(笑)

普段の衣装はかなり派手なので、町中で活動するには、この姿の方が目立たず良いのかもしれません。



思わずアストラルに話しかけてしまう遊馬。

アストラルの事を思い出して気まずくなり、笑って誤魔化そうとする。

明里も春ばあちゃんもアストラルの事はもう知ってるのかな?



この後も、降り出した雨に、遊馬がはしゃいだふりして駆け出す場面があったり。

アストラルの居ない生活に、遊馬はまだ慣れていない。

その辛さを誤魔化す為に、無理に明るく振る舞おうとしたり。

この悲しみを乗り越えるには、まだまだ時間がかかりそうです・・・。



遊馬によると、カイトは何かの調査に行っていて連絡がとれないと。

まだミザエルの事を調べているのか?

それとも、アストラル消滅を目の当たりにして、何か別の調査をしているのか?



 ナース「困りますよ。一体何を・・・!」

 クラゲ先輩「あぁ!?テメエ、何コ下だ?口のきき方、気をつけろ!」



登場して、いきなりこの台詞。(笑)

クラゲ先輩のキャラが面白いです。

なるほど、Mr.ハートランドが「上下関係に厳しい」と言っていたのは、この事か。(笑)



璃緒がクラゲ先輩の毒を受け、次はシャークを狙うと聞き、

連絡の取れないシャークを遊馬達が探そうとしたその時。



 「どうした?III。」



この声は!!!



IIIとIVの本当の名はミハエルとトーマスだと判明していますが、

今でも兄弟はコードネームで呼び合っているんですね。

もともとはフェイカーへ復讐する目的で、正体がばれないようにする為のコードネームなので、

今はコードネームで呼び合う必要もない気がしますが。

これまでの自分達の罪を償い、全ての元凶であるバリアンの問題を片付け、

けじめを付けるまでは、コードネームのままでいるつもり、なのかな?

いつか、遊馬達に自分達の本当の名を告げる時が来るのでしょうか?



そして、もう一つ気になる謎。

なぜ、あの場にIVが居たのか???

IIIを追いかけてきたのか?

それとも・・・もしかしたら、璃緒を見舞いに来ていた??

あるいは、璃緒は全く関係ない何らかの事情で病院に来ていたのか?



もしも、璃緒の見舞いに来ていたのだとしたら・・・。

IVが璃緒に抱いている感情は、とても重いものになりそうです。

そこまでするつもりはなかったとは言え、炎に包まれる大事故に巻き込み、

長く意識不明の状態に追いやったのだから、罪悪感に苦しんでいたのかもしれません。

WDCで残忍なファンサービス野郎になってしまったのも、父親の豹変と、璃緒の事件の件で、

後戻り出来なくなり、ヤケを起こした結果とも考えられます。

この件について、IV自身が今後言及する事はあるかな?



 璃緒「凌牙、お家に帰ったら、またデュエル教えてね。」

 凌牙「いいけど、璃緒はすぐ泣くからな。」

 璃緒「璃緒、泣かないモもん!」



むっとする幼い璃緒ちゃんがかわいい。

兄にデュエルで勝てず、悔しさから思わず泣いてしまうのかな?

兄が妹に対して「すぐ泣く」と言ってからかう場面は、現実の世界でも幼い兄妹にはよくある光景のように思えます。



神代兄妹の衝撃の過去。

幼い頃に事故で両親を失い、二人きりになってしまったのか・・・・。

以前、授業参観の回で、小鳥や鉄男の家族が登場するシーンはありましたが、

シャークの家族は今まで璃緒以外登場した事が無く、兄妹以外の家族について語られる事もありませんでした。

なるほど、こういう事情があったからなのか。



昔は大きな屋敷で、裕福な暮らしをしていた様子。

その後、二人はどうしたのか?

施設暮らし、というような印象はありませんが、親戚に引き取られた?



神代兄妹が揃っている時は、二人とも明るい様子で、こんな悲しい過去があるとは思いもよりませんでした。

兄妹の絆が普通の兄妹以上に強いように思えたのも、

二人きりの家族だから、と考えると、切ないです。



幼い頃に両親を亡くした故に、強い絆で結ばれた兄弟というと、

DMの海馬瀬人・モクバ兄弟を思い出します。



シャークは、両親が居ないからこそ、俺が妹を守らなきゃ!と、余計に妹を大事にしてきたのでしょう。

普段は口では厳しい事を言っていますが。

けど、璃緒ちゃんの方が、そんな兄の気持ちを察して、

私が強くならなきゃ!凌牙の足を引っ張ってはいけない!と、自分に厳しくなり、

その結果が、才色兼備な優等生で、男子にも負けず、泣き虫だった頃の面影はない、今の凜々しい璃緒ちゃん、なのかもしれません。



デュエルで兄に勝てなくて悔しくて泣いたり、

兄がお揃いの指輪をしてくれなくて泣いたり、

兄が自分を庇って怪我して泣いたり。

昔の璃緒ちゃんは泣き虫だったんですね。



シャーク探しを手伝う鉄男、キャットちゃん、委員長、徳之助。

アストラルの事を思いだし、しんみりしてました。

彼らはアストラルと直接会話した事がある訳ではありませんが。

こうして、アストラルが消滅した事を悲しんでくれているのを見ると、

鉄男達にとっても、アストラルは仲間だったんだな、と思えます。



回想シーンで、凌牙が父親から貰ったカード(ビック・ジョーズ)を、凌牙だけズルイ!と、璃緒が奪い、

それを追いかけ回す兄妹の姿が。

弾みで倒れた鎧から璃緒を庇い、幼い凌牙は肩に傷を負ってしまう。

今も残る傷の疼きが、幼い頃の記憶が現実であった事を、シャークに実感させる。



両親を失ったのが、あまりに幼い時期だったので、自分の記憶に自信が持てなかったのかもしれません。

両親が居て、妹が居て、人間として生きてきた、確かな記憶。

それが、自分がバリアンであるはずが無い、と信じさせてくれる。



怪我を負った幼い凌牙が、折角父さんに貰ったカードを、血で汚してしまったと、父に謝る場面が。

傷が痛むはずなのに、先に父親への謝罪の言葉が出るあたり、健気に思えます。

父親が大好きで、尊敬し、父親の前では礼儀正しい子供だったのかな。



毒におかされたシャークを前に、クラゲ先輩が、

毒が完全に体を蝕むまで時間がある、よって、今から俺とデュエルしろ、と。

これも何だか理不尽な気がします。(笑)

普通に考えると、毒でシャークが動けなくなるのを待ってナンバーズを奪えばいいような気もしますが。

やはり、ナンバーズはデュエルで相手に勝利しないと奪えない法則なのか。

デュエルを拒否できないように仕向ける為に、わざと毒を打ち込んだ?

実際、シャークは「誰がテメエみたいな雑魚と!」と、デュエルを拒否しようとしていました。



 IV「どうした?

   忘れちまったのかよ、凌牙。

   お前の一番のファンを顔を!」



遂に!IVが現れる!!

しかし、この台詞と、威勢の良さ。(笑)



33話で、IVの前に現れたシャークの台詞が

「忘れたのか、お前の一番のファンの顔を!」でした。

それを受けての、この台詞。楽しいです。(笑)



シャークを罠にはめ、散々酷い事をして、最後はシャークに敗北し謝罪して去って行ったあのIVが。

どの面下げて!!という印象があります。(笑)

しかも、ファンサービスというキーワードも健在で、その威勢の良さは以前と変わらず。

家族の問題が解決し父親と和解した事で、IVも元気になったんだとは思いますが。

調子に乗ってる様子が、何だかおかしくて。(笑)



IVが駆けつけた理由。



 IV「頼まれたんだよ。IIIの奴に、お前の面倒をみろってな。」

 シャーク「クッ!誰がテメエの助けなんか!」

 IV「オメエの事なんて知らねえさ。

   だが・・・お前の妹がよ。」

 シャーク「璃緒・・・。」

 IV「またお前の妹が苦しんでるってのは、流石に寝覚めが悪いんだよ。」



あのIVが!璃緒の事を気にかけてる???

やはり、璃緒を事故に巻き込んだ事を、今も悔やんでいるのか?



「また」と言う事は、今回の件だけではなく、例の事件後璃緒が眠り続けている間も、

IVにとっては寝覚めが悪かった?

苦しんでいる璃緒を、放っておけない?

璃緒が苦しみから解放され、元気を取り戻す事を、IVは本気で願っているのか?



III同様に、IVも神代兄妹に対して償う覚悟があるのかもしれません。

しかし、シャークを助けに来たのに、

IIIに頼まれたと理由をつけるあたり、素直じゃない。(笑)



 IV「だから、俺様のファンサービスでとっととコイツをぶっ倒してやっからよ!」



「寝覚めが悪い」と真剣な声で語った直後に、

威勢の良い、久しぶりの「ファンサービス」宣言!(笑)



デュエルでは、クラゲ先輩のLPは8000、シャークとIVはそれぞれ2000と、

前回の蝉丸戦と同じ形式。

二対一のデュエルなので、このくらいのハンデは当然かな?



No.4が召喚された時のIVの反応。



 IV「ナンバーズ4だと!?

   4は俺の専売特許だ!

   特別な数字だ!

   それが何が悲しくてナンバーズ4がクラゲなんだ!」



「4」という数字に特別な思い入れがあったのか。(笑)

IVという名は、もともとはコードネーム。

フェイカーにバイロンの息子だとバレないようにする為の偽名に過ぎないと思っていましたが。

この名で、極東エリアのデュエルチャンピオンになり、ファンを獲得したので、

それなりに拘りがあるのか?

それとも、父が付けてくれたコードネームだからこそ、思い入れもある?



ステルスクラーゲンの効果でダメージを受け、吹き飛ぶシャークに、

一瞬IVが慌てた表情をみせますが。



 IV「ケッ、それくらい、どうってことねえよな、凌牙?」



すぐに前を向き直り、この言葉。

シャークのダメージを心配しながら、強がっているのが分かります。(笑)



ジャイアントキラーの効果発動時。



 IV「俺のファンサービスだ、受け取れ!!」



ここでもファンサービスのフレーズを忘れない。

流石サービス精神溢れるIVさんです。(笑)



ジャイアントキラーのカードは、病院で遊馬に会った時にIVに託されたのか。



 IV「本来の持ち主が使ってこそ、光り輝くってもんだぜ。」



クラゲ先輩にジャイアントキラーでダメージを与えて、得意げです。(笑)



次回、三人のデュエルはどうなるのか?

今回のサブタイトルに「悲哀」という文字がありますが。IVの「悲哀」とは?

IVの、シャークの助っ人に入るにあたっての過去の罪と償いの覚悟や葛藤は、次回語られるのかどうか。

そこに注目したいです。







クラゲ先輩とシャークとIVで、全員口の悪いキャラばかりで、お互いの罵り合いが楽しい。(笑)



 「テメエだと?オメエ、どこ中だ?何コ下だと思ってンだよ!」

 「先輩の本気はここから始まる。しっかり見とけよ!」

 「偉大なる先輩、ここに降臨!」

 「10コ下の後輩風情が、調子乗ってんじゃねぇってんだ、この野郎!」

 「野郎じゃない、先輩だ!」

 「たっぷりとみせてやるぜ、クラゲ最強伝説をな!」



クラゲ先輩の迷言の数々。(笑)

年齢差と、どこの中学出身かでランクが決まる、という、この古風な発想。

クラゲ先輩役の声優さん(安原義人さん)も、かなりのベテランなので、それを合わせたネタ的台詞なのかもしれません。

とても楽しそうにノリノリで演じてくださったように思えます。



相手の台詞や質問に対する受け答えの仕方を、前回の蝉丸と、今回のクラゲ先輩で比較すると、

クラゲ先輩は唐突で理不尽な台詞が多く、これは脚本家さんの個性ではないか?という説をみかけました。

コミカルな回では迷言が多い脚本家さん、という印象が確かにあります。(笑)



脚本・演出共に、

人気のキャラIVの再登場回だから、最高にカッコ良く登場させて活躍させよう!!という意気込みを感じました。



IVの「流石に寝覚めが悪いんだよ」の台詞、低い静かな声で、IVの真剣な思いを感じさせる。



IVのデュエルディスクセットと、Dゲイザー代わりに目の周囲に文様が浮かび上がる時の指の動き、

かっこいい。

効果でカードをドローする時の、手のアップ、力強い指の表情、



作監斎藤圭太・三浦菜奈)

(脚本:鈴木やすゆき)