遊戯王ZEXAL  第97話

第97話「敗北へのカウントダウン!デッキ破壊の恐怖」



マジックの効果で墓地のシャイニングを復活させたベクターは、

戦闘をせず、その効果で遊馬のデッキのカードを一枚墓地に送り、残りデッキ枚数を二枚に追い詰める。



シャークはドレイクを破壊されるが、トラップで復活させ、

フィールド魔法サルガッソのダメージを受け、自らLPを削る事で条件を整え、

シャーク・ドレイク・バイスを呼び寄せる、



カイトはネオギャラクシーフォトンドラゴンを、

そしてミザエルがネオギャラクシータキオンドラゴンを召喚。

遂に、二体のネオギャラクシーがこの場に揃った。



小鳥達を乗せた飛行船が、サルガッソに突如出現したブラックホールに吸い込まれそうになる。

小鳥達はなんとか飛行船を操縦し、このピンチを脱する。

遊馬とアストラルがゼアル化しようとした、その時。



ベクターの言葉で、暴走したアストラルにより、黒く変色したゼアルが姿を現す。







黒いゼアルの登場!

アストラルの変化は予想外でした、



「私も迂闊だったのだ。

 バリアンのカードを戦力にするなら、相応のリスクを深く考えるべきだった。」

と言うアストラル。

自分を責めてしまう所が、真面目なアストラルらしい。



一方の遊馬もアストラルに隠し事をした事を後悔し、自分を責めてしまう。



執拗に遊馬をなじる、ベクター

「お前は相棒よりも、俺との友情を選んだ裏切り者だ!」

自分でそう仕向けておいて、ワザと誤解を招くようなこの煽り。

璃緒の「下品な戦い方ですわ。」の通り。



アストラルが、ベクターに翻弄される遊馬を見て、

このままではいけないと冷静に考える一方で、

自分の中の異変に気付く・・・。



アストラルが感じた、「まるで闇の欠片が生じたような」「言い知れない不安」。

冷静に状況を見極めようとする中で、

自分自身の感情には気付いていないようにも見える。



遊馬と出会った頃のアストラルは、「感情が無かった」のではなくて、

「感情を知らなかっただけ」とある人が言っていて、納得しました。



遊馬との交流で、様々な感情を理解するようになったアストラル。

けど、深く悲しんだり酷く激怒したり、嫉んだり人を疑ったり、

そういうネガティブな負の感情に乏しいように思えます。

それはアストラルが人間ではないから、とも言えますが。



段々と、人らしい感情や表情を得ていくアストラルにとって、

人と同じ負の感情を知る事は、どんな変化をもたらすのか・・・。



ベクターが、ブラックホールに吸い込まれる飛行船を救う代わりに、

ナンバーズを全て寄こせと要求してました。

ここでこういう取引を持ちかけてくるベクターの狙いは一体・・・?



遊馬がその要求に従ってナンバーズを渡したとしても、

ベクターが飛行船を救うという約束を守ってくれる保証はない。

それより、わざわざそんな取引をしなくても、ベクター自身が遊馬とアストラルを倒せば

ナンバーズはベクターの手に渡るはず。



飛行船を救う気なんてさらさらなく、単に遊馬が苦悩する姿を見たいが為のでまかせ??

アストラルと小鳥達、どちらかを選べと選択を迫るのは卑怯だ・・・。

遊馬はどちらも選べない。それを知ってて・・・。



以前にもWDCで、アストラルかシャークか、どちらかを選べと選択を迫られ、

やはり選べなかった遊馬。

遊馬には、こうした残酷な選択は無理なんだな・・・。

それは、優しさという遊馬の長所でもあり、

決断できない幼さ、未熟さという欠点でもある。



ベクターは、ヌメロンコードを狙っているのか?

真月がカイトに興味を示したり、ヌメロンコードの話に反応した場面が今も気になる。

ベクターが、ドルベやミザエルと協調する様子も無かったし。

もしかしてベクターがヌメロンコードを欲しているのは、バリアン世界を救う為、ではなくて、

その力を我が物にする、個人的な野望の為なのではないか?と疑ってます。



「何を迷ってるの遊馬!

 アストラルとデュエルを続けて!

 私たちは大丈夫だから。

 私たち、遊馬の足を引っ張る為にここに来たんじゃない。



 あなたの使命は、アストラルを守ること。

 そう誓ったはずよ。



 勝って。絶対にこのデュエルに勝って!

 人を信じることや、友達や絆を大切に思う事が、

 間違ってないって事を、

 あなたが間違ってないって事を!証明して!」



小鳥のこの台詞、良かった!

真月に裏切られ、人を信じる事を否定された今の遊馬に、

これ程響く言葉はない。



混乱した仲間達。

「逃げなきゃ!」というキャットちゃんや

「死にたくないウラ〜」という徳之助のネガティブな発言もみられたけど、

小鳥のこの言葉で正気を取り戻す。



いつも仲良しなナンバーズクラブのメンバー。

所詮はまだ子供だし、命の危険にさらされる事を覚悟の上で付いてきた、

という程ではないのでしょう。

それでも、遊馬の危機を救いたい!という思いだけは本物で、

その気持ちは、遊馬の心の支えになってる。



自分達の力で自分達の危機を脱したナンバーズクラブ。

もう遊馬のお荷物とは言わせない、この展開、良かったです。



オービタルが駆けつけてくれた!

カイトの計らいですね。

単なるカイトのお供ロボ、じゃなくて、こういう時にホントに役に立つ、頼れるロボ!

オービタルにもちゃんと活躍の場面があるのが嬉しい。



小鳥の今回のこの大活躍、本当に良かったです。

こういう時の為のヒロインなんだ!

無駄に遊馬の側でデュエル見てきた訳じゃない。



真月の裏切りは、かなり残酷でしたが、

鬱な展開が長引かなかったのが、個人的には嬉しいです。

遊馬には、やっぱり笑顔でいて欲しい。





「本当に遊馬と一つになれるのか?

 お前は今、心の底から遊馬を信じているのか?」



「自分の心の奥底までよ〜く覗いてみるんだ。

 よ〜くな・・・。」



ベクターが遊馬を責め続けてきたのは、

その裏でアストラルの心に疑いの根を張らせ、怒りという芽を出させる為だった、

と、ここでも衝撃の真実が明かされる。



ベクターはこれを狙ってたのか!

小鳥達の危機に唐突に取引を持ち出したのも、

天秤にかけられたアストラルの不安を煽る為。



「貴様は純潔で疑う事を知らない。

 そして、裏切られる事に免疫がない。

 だから、わずかな黒い小さなシミで十分。

 それだけで命取りだ。」



繰り返し響く、No.96の言葉。

「悪を認めるのだ・・・悪を・・・。」



アストラルの分身でもあるホープが、

バリアンの力でホープレイVになっているのも、影響している様子。



暴走したアストラルの、黒く変色した不気味な姿。

No.96の様に真っ黒という訳では無く。

心に生じた黒いシミが、清く透明だった体に広がったような・・・。



「ゼアル・・・ゼアル・・・」と繰り返し、遊馬に迫る。

これは、強制的なゼアル化?



そして、黒いゼアルの登場。

肌も浅黒く、全体的な色も薄黒く濁ってる。



以前から、No.96が合体したら黒いゼアルになるのでは?

と、期待されてましたが、まさか本当に黒いゼアルが登場するとは、

しかも、アストラルが原因で・・・。



デザインと色調はダークヒーローっぽくてカッコイイのですが。

不気味な笑みが気になる・・・。





この回、放送前は、遊馬が闇落ちすると予想していた方が多かったのですが、

まさか闇落ちするのがアストラルの方だったとは!

これは予想外でした。

そして、それがベクターの本当の狙いだった事も。



ベクターはこれまで、何度も自分の計画をゼアルに邪魔されてきから、

ゼアルには相当警戒してるはずだし、遊馬を精神的に追い詰めたのもゼアル化阻止の為だと思ってました。

本当の狙いはアストラルの闇落ちだったとは・・・。

しかし、黒いゼアルの登場には、ベクターも驚いていたから、

アストラルの暴走の結果、ダークゼアル化までは予測してなかった?



この暴走したアストラルを救うには??

いずれ悪を必要とする時が来ると予言した、No.96の力が必要になるのか?

それとも、遊馬が導いてくれるのか?



怒り、憎しみ、そういう悪の感情を、アストラルが認めて受け入れる事が出来たら、

何かしら変化がアストラルに起きるのかもしれません。



ベクターの、あの強烈な個性。

5D'sのルチアーノも口調や笑い方が異常なキャラでしたが、それには悲しい理由がありました。

ベクターのあの異常さにも、何かそういった理由とかあるのか?

それとも、特に理由などなく、もとからああいう残忍な性格なのか?

この辺りも気になる所。





「命を削っての特殊召喚、見事だ。

 私は、お前のような男を知っている。

 お前は、あいつの事を思い出させる。

 その荒ぶる言動の裏にある真っ直ぐな魂を感じる。

 お前とは、こんな形では無く、真っ当なデュエルで渡り合いたかった。」



シャークに語ったドルベの台詞。

こんな時に、何を言い出すのかと思ったら。

ドルベの言う、「あいつ」とは、一体誰なのか?

その男は、シャークと何か関係があるのか??



シャークがナンバーズに取り憑かれず、その力を操る事が出来る事、

同じ血を分けた兄妹である妹の璃緒に、時折、バリアンの襲来を感知する不思議な力がある事。

これらとも何か関係がありそうな・・・。



今までは三勇士の中で、シャークだけが異世界の力を持たない存在でした。

個人的には、できればシャークには、このままバリアンやアストラル世界と

特別な関わりも持たずにいて欲しかったな。

ナンバーズに取り憑かれないのは、特殊な力がシャークにあるから、ではなくて、

ただの人間だけど、誰よりも強い精神力を持っていたら、だと嬉しい。



しかし、トロンがIVをシャークと璃緒にけしかけ、最初からシャークの力を狙っていたあたり、

やはりシャークのこの力には、何か理由がありそう。

トロンはベクターから、シャークの持つその力の秘密を聞かされて知っていたのか?



ドルベの言うその男とは・・・・?

神代兄妹の両親が登場していない事から、シャークの父親なのでは?と思ったのですが。

実は神代兄妹はバリアンの血をひいていたとか?

シャーク自身が記憶を無くしたバリアンである、という説もみかけました。



ネオギャラクシータキオンドラゴンが遂に姿を現す。

前回は姿を現す前に退場してしまいましたが。

黄金に輝く神々しい姿でした。

しかし、今回もモンスター効果は披露されず。次回かな?







カイトが今回、いつもより声のトーン高め。

超銀河眼対決でテンションも高い?



キャラの顔が幼めで、特徴が高橋和徳さんに似てるけど、今回の作監は宍倉さん。

シャークの、シャーク・リベンジ・スプラシュ発動時の、握り拳から指さしまでの派手で力強いアクション。

ミザエルの指のアップからの手の動き。

ミザエルやシャークの不思議な、というか謎ポーズ。



小鳥の呼びかけに、遊馬の周囲が一瞬暗転し、遊馬の心に言葉が響く演出、良かった。


作監:宍倉敏)

(脚本:広田光毅