遊戯王ZEXAL  第70話

第70話「戦慄の最凶龍現る!偽骸神龍ハートアース・ドラゴン」



ハートアースの効果で特殊召喚された、新たなナンバーズ、

No.92 偽骸神龍ハートアース・ドラゴンがフェイカーの場に現れる。

さらにトラップで遊馬達にダメージを与えようとするが、

カイトの手札のモンスター、クリフォトンの効果でダメージを逃れる。



フェイカーは、ダメージをはね返す効果を持つハートアース・ドラゴンで攻撃を仕掛けてくる。

シャークと遊馬のトラップが、受けるダメージを最小限にとどめ、これを凌ぐ。



遊馬はホープレイを召喚、速攻魔法でフェイカーに効果ダメージを与えることに成功。

シャークがシャークドレイク・バイスを召喚し、マジックを使ってダイレクトアタックを仕掛けるが、

フェイカーのトラップに阻まれ、さらにフェイカーはLPを回復してしまう。

苦しむシャークの脇腹から血が滲んでいる事に気づく遊馬。



ハートアース・ドラゴンの効果で、

ホープレイ同様、バイスとシャークの伏せカードが除外されてしまうが。

嘲笑するフェイカーに対し、不敵に笑うシャーク。

「引っかかったのはてめぇの方さ!」

シャークが伏せていたのは、除外された時に発動するトラップ。

その効果でレベル8のモンスター二体を特殊召喚し、カイトに託す。



カイトがネオギャラクシーアイズをエクシーズ召喚。

残された力を振り絞り、ハートアース・ドラゴンを攻撃し、フェイカーに大ダメージを与える。



追い詰められたフェイカーが、真実を語り出す。

ハルトが生き続ける為には、アストラル世界を滅ぼすしかない、と。



ハルトはバリアンの力が無ければ、生きてはいなかった。

生まれながらに虚弱で弱かったハルトを救うために、

異世界へと行かなければならなかったフェイカー。

その為に遊馬の父・一馬とバイロンを犠牲に。

フェイカーはハルトを救うと決めた時、友も仲間も、全てを捨てる覚悟をしたのだ。



扉の向こうで待っていたのはバリアン。

彼らの世界は、実体の存在しない、ある種のエネルギー世界。

この世界にはない、高次の能力を持っていた。

そこでフェイカーは、ハルトを生かす力を得る代わりに、

アストラル世界を滅ぼすという取引をした。

その約束を守らなければ、奴らはいずれハルトを奪いにくると言う。



どうして真実を今まで言わなかったのか?カイトの問いにフェイカーは答える。

「言えなかった・・・。

 言えば必ず、お前は一人でその業を背負おうとするだろう。」

何も言わずにナンバーズハンターとして働くカイトを、これ以上苦しめたくなかった、と。



そんなフェイカーに、カイトは答える。

「それは違う・・・。

 なぜ、家族を信じない!?

 なぜ、そいつらを信じ、俺を信じてくれない!?

 父さん!!」

バリアンがハルトを奪いにくるのなら、命に代えても守ってみせる!

そのカイトの言葉に、遊馬とシャークも力を貸すと。



「父さん、もう何も捨てなくていい。

 俺たちを信じてくれるだけで。

 俺たちが何もかもケリをつけてやる!」



カイトの言葉に涙するフェイカー。

そのとき、バリアンと名乗る赤い影がフェイカーを取り込み、

デュエルを続行する。

破壊されたハズのハートアース・ドラゴンが復活する。





フェイカーとカイトの和解、良かった。

カイトが初めて、フェイカーを「父さん」と呼びました。



フェイカーと遊馬達のデュエル。

それぞれに戦う理由がある。

けど、カイトにとっては父との戦いでもある。

どんな想いでデュエルしていたのかな、カイト。



Vとのデュエルで、父親からもらったカードをデッキに入れていたのだから、

やはり血の繋がった父親を、憎みきれなかったのだと思う。

きっとカイトには辛いデュエルだったはず。



フェイカーの告白は驚きました。

ええ??世界征服じゃなかった??

ハルトを救うのが真の目的だった??

そんな今更・・・・。

今までカイトが、ハルトが、どれだけ苦しんできたと思ってるんだ!!



しかし、落ち着いて考えてみると、いろいろと辻褄が合う。



55話、Vがカイトに語ったフェイカーとの因縁、

回想で、フェイカーが「私には時間がない!」と言って焦っていたのは、

なるほど、ハルトの事だったのか。



世界征服と言い始めたのも、遊馬がハートの塔に来た時。

あれも、本当の目的を知られないようにする為のブラフ。



ハルトの心配はするのに、カイトの心配をしなかったのも、そういう事か・・・。



フェイカーがカイトに真実を話さなかったのは、全てを背負い込ませない為。

カイトはカイトで、ナンバーズハンターとしてその罪を背負い込む覚悟だった。

何という、すれ違いな親子。

お互いを思うあまり、自分一人で抱え込んで、互いを傷つけ苦しめていたのか・・・。



息子に罪を背負わせない為に、「世界征服」などと盛大な嘘をついて、

息子達に恨まれる悪役を演じていたフェイカー。

ハルトを救う為に全てを捨てる覚悟をしたと言っていたけど、

友も仲間も捨て、息子達から憎まれ、そうまでしてでもハルトを救いたかったのか。



自分の息子さえ助かれば、と言うのは、もの凄い親のエゴだし、

そうした理由があったとしても、

その為に親友を裏切り犠牲にした事、

遊馬やトロン三兄弟から父親を奪った事、

息子に人々の魂を狩らせた事、

そうした諸々の罪は許される事ではない。

この罪の償いは、いずれしなくてはならないだろうな。



真実を知ったら、ハルトはどう思うのかな。

優しい子だから、自分を助ける為に、父や兄が罪を重ねたり、

人を傷つける事は望んでいなかったと思う。

かと言って、自分を救う為に必死だった父や兄を責めることも出来ない・・・。

きっとハルトも辛いハズ。



今回も遊馬、シャーク、カイトの三人の連携が良かった。



シャークがトラップで攻撃対象をホープに変更した時、

気付け!と言ったのは、過去の遊馬とのデュエルで、

トラップのハーフ・アンブレイクが遊馬のデッキにある事を知っていたから。

それを使うよう促したのか。



残りLP100で追い込まれ、ボロボロの三人の様子。

カイトは二人に「よく凌いでくれた」と言ってくれたのに、

シャークは「そんな様でも上から目線かよ!」と、相変わらずの調子。

一方の遊馬には「弱音を吐くんだったらそこで寝てろ」と挑発して、奮い立たせる。



いきなり三人仲良しという訳にはいかないし、

特にカイトとシャークは険悪な雰囲気なんだけど、

同じ目的の為、一人として引く者が居ない、その闘志。

まさに三勇士という感じがします。



遊馬のかっとビングが出ると、カイトもシャークもニヤリとして嬉しそう。



遊馬が、ホープレイを召還後、自分ターンに出来る事を必死に考え、

速攻魔法を利用してダメージを与える事に成功しました。

アストラル無しでも、ちゃんと考えられるようになった。



「引っかかったのはてめぇの方さ!」の時のシャークの不敵な笑いも、盛り上がった。



新しいクリボー系モンスター登場。

クリフォトンかわいい。

鳴き声も、定番のクリクリ声。

カイトのデッキに、こういうかわいい系モンスターが入っているのが、意外でした。



最後に、バリアン登場。

バリアンの謎も次回明かされる?





あと、最後に一つ。



トロン一家に続き、フェイカーも、実は悪いやつじゃなかった、という結末に、

納得いかない!!という批判が、この回多かったです。



個人的な意見を言うと。



ゼアルは全体的に優しいお話なので、最終的に全員救われるハッピーエンド仕様だと思う。

本当に悪い奴は、この世界にはいない。

だから、フェイカーやトロンが改心して、息子達と和解し、救われるなら、それでいいと思う。



救い難い凶悪な悪者を倒して爽快感を与える、勧善懲悪のヒーローもの、

ではないんですよね、ゼアルは。

だから、最後まで悪を貫き通す、魅力的でかっこいい悪役である必要はない。



けど、勧善懲悪ヒーローの物語を期待していた人にとっては、

がっかりだったのかもしれません。

(批判が多かったのは、それを期待していた人が多かったから、かな?)





フェイカーの「バ〜カめぇ!」が凄く馬鹿にしてる感じで良かった。(笑)

衝撃で転がる遊馬の描写。



作監:Kim Hye-jeong)

(脚本:吉田伸)