遊戯王ZEXAL  第56話

第56話「宇宙大決戦!ネオ・ギャラクシーアイズの逆襲」



ダイソン・スフィアの無敵の能力。

オーバーレイユニット(ORU)があるとき、相手の攻撃を無効にする事ができる。

カイトにデュエルを教えた自分には、カイトの考えが手に取るように分かると言うV。



さらに、ダイソン・スフィアには、

ORUを使い、ダイレクトアタックが可能になる、恐るべき能力があった。

カイトはトラップでこれを回避しようとするが、Vのトラップにより無効化されてしまう。



大ダメージを受けたカイトを励ます遊馬に対し、Vは問う。

いずれは君も狩られてしまうかもしれないのだぞ?と。

だが、遊馬は答えた。

あいつがどう思おうと、あいつは仲間だ!

そして、俺の目標なんだ!と。



カイトはマジックを使い、ダイソン・スフィアのORUを墓地に送って無敵効果を失わせ、

ダイソン・スフィアの破壊を可能にする。

その行動をも読んでいたVは、ダイソン・スフィアのさらなる効果を発動。

ORUが0で攻撃を受けた時、墓地からORUを復活させ、無敵効果を取り戻してしまう。



次のVのターン、ダイソン・スフィアのダイレクトアタックが来る!と、思いきや。

Vは装備カードでダイソン・スフィアの攻撃力をアップし、ギャラクシーアイズに攻撃を仕掛ける。

ただ勝つだけではなく、カイトの象徴であるギャラクシーアイズを粉砕することで

このデュエルは完結すると、Vは言う。

カイトはトラップでLPを半分にして攻撃を凌ぎ、敗北は免れるが。

残りLPはたったの100。



敗北する事で、カイトを全ての苦しみから救ってやれると言うVに対し、

「俺はこれまで一度だって、ハルトを俺の苦しみだと思った事などない!」

と答えるカイト。

「あいつは・・・ハルトは、俺の全てだ!生きがいだ!

 あいつは俺に、希望を与え続けてくれた。

 俺は諦めない。俺の事も。ハルトの事も。」



その時、カイトがドローしたのは、マジックカード、未来への思い。

運命を感じながら、その効果を発動させる。

それはVも知らなかったカード。

なぜなら、人生でたった一枚、カイトが親父から貰ったカードであり、

そして、これまで一度たりとも、使った事のないカードだった。



父を憎むカイトがなぜそのカードを?

動揺するVに、遊馬が答える。

「当たり前だろ、そんな事!

 誰だって家族は守りたい!

 あんた達が家族を守ろうとするようにな!

 だから、カイトもそのカードを持っていたんだ!

 自分の家族にだって、希望があるって!」



マジック、未来への思いの発動から、ネオ・ギャラクシーアイズのエクシーズ召喚に繋げる。

ダイソン・スフィアの効果を無効化し、攻撃力を上げたネオ・ギャラクシーアイズが

ダイソン・スフィアを破壊する。



心のどこかで、Vに追いつこうとしていたカイト。遂にその時が訪れた。

Vはデュエルディスクを構える腕を下ろし、静かに敗北を受け入れる。

だが、その顔には、満足そうな穏やかな笑みが。

「カイト・・・これが君の強さか。」



本当は父を救いたかった。だが、父の復讐を止める事が出来なかったと語るV。

それに対し、カイトは言う。

「俺は、親に抗うために戦っている。

 いつかハルトの事が解決した時、

 この手で、Dr.フェイカーとケリを付ける為に。」



「君たちは、私の本当の弟だ。」

そう言い残してVは去って行く。



トロンとDr.フェイカー。

二人が動き出したとき、アストラルはこの世界に送り込まれた。

それは、遊馬とアストラルで、トロンとDr.フェイカーを止めろと言う、

アストラル世界に居る遊馬の父・一馬の意志。

「おれもガツンといってやる!自分勝手な大人達に!」

決意を新たにする遊馬。







うおおぉぉ!!盛り上がった!!!

Vとカイトの決着!

師弟の絆!

それぞれの父親への思い。



トロン一家の過去の詳細も明らかに。

47話でIIIが言っていた台詞、

「やっと取り戻した僕の家族、ボロボロだった!すっかり歪んでいた!!」

の意味がようやく分かりました。



Vの本名は、クリストファー・アークライト。

バイロンが失踪後、一度はバラバラになった兄弟。

幼いIIIとIVは施設へ。

Vは父の手がかりを求めて、Dr.フェイカーの元に残る。



高貴な家柄の様に見えるけど、弟達の面倒を見てくれる母親とか、

父の遺産とかは無かったのかな。

もしも母親がすでに亡くなっていて、父親も生死不明では、

未成年のV達ではどうすることも出来なかったのかも。



ハルトとカイトの姿に、Vは自分の弟達を重ね合わせて見ていた、

というのが、何だか泣ける。

ハルトの為に強くなりたがっていたカイトに、デュエルを教えるV。

この頃のVは笑顔で優しそうだ。



この後、トロンの帰還と、Dr.フェイカーの裏切りについて真実を聞かされ。

カイトの元を去るV。

雨の中追いかけてきたカイトを振り払った時の、Vの表情が。

憎しみに満ちていて怖かった・・・。

この辺りから、Vは変わってしまったんだな・・・。



恐らく、この後、Vは施設にいたIIIとIVを迎えに行って、一家が再会を果たす。

しかし、Dr.フェイカーへの復讐に捕らわれたトロンとVを前に、

IIIはどうする事も出来なかった・・・。

だから、「やっと取り戻した僕の家族、ボロボロだった!すっかり歪んでいた!!」。

・・・なんて悲しい家族なんだ・・・・。(泣)



そして、復讐の為、四人は名前を捨てた。



デュエル中、Vはカイトを責めてます。

カイトを励ます遊馬をも。

父を裏切ったDr.フェイカーの息子を、君は許せるのか!?と。

でも、そんなの言い掛かりだ!と言わずにはいられない。

罪はあくまでDr.フェイカーにあるのであって、息子のカイトには関係ないじゃないか。

それとも、父の罪は、息子の罪でもあるのか・・・?



カイトのデッキに入っていた、今まで一度も使った事のないカード。

それは父フェイカーから貰ったカードだった。

しかも、このカードが、カイトの窮地を救う事になる、とは・・・。



回想を見ると、幼い頃のカイトは笑顔でフェイカーからカードを受け取っていた。

きっとその頃は、父親の事も大好きだったはず。

その後、何かがあって、父親を憎むようになり。

それでも、今のカイトのデッキに、そのカードが入っていた、という事は。

憎んでいながらも、断ち切ることができない、父親への思いが、やっぱりあるんだな・・・。

親子だからこそ、愛憎があって当然。



最後に、カイト自身も、言ってくれてます。

いずれ父親とも決着をつけるつもりだと。

カイトにとってフェイカーは、「乗り越えるべき壁としての父親」なんですね。



原作における海馬がそうであったように。

父親越えは大事なテーマだと思うので。

カイトとフェイカーの因縁の詳細はまだ不明ですが、

この親子の決着は丁寧に描いて欲しいな。期待してます。



ハルトの事を、自分の苦しみだと思った事などない!と断言したカイト。

守るべき弟を、重荷だとは全く感じてない。

むしろ、自分に希望を与えてくれる存在だと。

なんだか、兄弟というより、息子を愛する父親のように見える。

この兄弟の絆の強さには、父親の事も含めて、何か理由があるのかな・・・。



俺の事もハルトの事も俺は諦めない、と言ってるから、

カイトが限界の近い体でデュエルを続けるのは、

ハルトの為に自分を犠牲にしたり、ヤケになっている訳ではなく。

その言葉に、少し安心しました。



一方のVは・・・。

カイトに敗北する覚悟が出来ていたようにみえました。

もしかしたら、デュエルを始める以前から、覚悟していたのかも。

デュエルの敗北によってもたらされたのは、

弟子が成長して、師である自分を超えていく喜びと、

復讐に捕らわれた自分との決別。

Vにとってはこれで良かったんだろうな。



復讐の先にあるのは空しさだけだという事を、最初から分かっていたと、自身で言ってます。

本当は父親を救いたかった。

復讐の愚かさに気付いていながら、トロンを止める事がVには出来なかった。

それも親子だからこそ。



父親を憎み、超えようとするカイトと、

父親を慕うあまり、父親の復讐を止められないV達と。

対照的に思えました。



デュエル後のVの表情が良かった。

復讐から解放されたかのように、穏やかな表情。

カイトの成長ぶりに、目を細めて喜んだり。

こっちが本当のVの、クリスの素顔なんだな。



最後、IIIの眠る部屋に行き、紋章を失って倒れるV。

紋章を失うと、こうなってしまうのか・・・・。



トロンはこの結末を知って、どう思うのかな。

眠るIIIに対しても何か思うような素振りはあったから、

息子達の敗北に、多少は心を痛めているとは思うんだけど。

それでも、復讐の道具として息子達を巻き込んだ自分の愚かさには気付かないのか?

それは、息子達の死の危機を目の当たりにしても、変わる事はない??

息子達の悲痛な思いとか、父親同様、友と絆を守りながら戦う遊馬の姿とか、

そうしたものは、トロンの心に届くことはないのか?



残るはIV一人ですが・・・。

次回、シャークとの因縁の対決は、どうなるのか??



去って行く時のカイトとオービタルの会話も良かった。

相変わらずオービタルに対してはつれない態度のカイトと、

ドギマギしながらカイトの命令に従うオービタルと。

この二人、なんだか微笑ましい。



遊馬の台詞も良かった。

この因縁の対決の場面で、

カイトのデッキに父親から貰ったカードが入っている事を、

当たり前だ!!と、肯定してくれた。

父親を憎みながらも、どこかで憎みきれずにいる。

そんなカイトに、この言葉は響いてるだろうな。



息子としての父親への思い。

そういう純粋な感情を、否定しなくていい。

遊馬の台詞は、そう言っているようにも聞こえました。

ここでその台詞を言う、遊馬の存在と役割は重要。



アストラルがこの世界に来た意味も、ようやく理解!

まだ記憶の全てを取り戻した訳ではないけど、

その使命が何となく分かってきた!



自分勝手な大人達にガツンといってやる!と言ってる遊馬。

この戦いの、本当の意味、それぞれが背負っている父親との因縁、

そして自分達がすべき事も、ちゃんと理解してるな。



いずれはカイトとも戦わなくてはいけない。

アストラルの記憶も取り戻したい。

病気のハルトも助けたい。

家族を救って欲しいというIIIとの約束も果たしたい。

そして何より、父親を捜し出したい。

本当はいろいろ大変なんだけど、今の遊馬は、もう悩まない。

まっすく前を向いて、友を大事にしながら、ひたむきに進んでいく。

そんな遊馬は、見ていて凄く爽快で、そしてとても強いなと思う。

ゼアルの良さは、主人公のこの魅力にあるんだなと、改めて思います。





OPに、キャットちゃんのカットが!

何週か毎に、小鳥ちゃんのカットの所がアンナちゃんとキャットちゃんで入れ替わるのかな??

本編では二人ともあまり出番がありませんが。

その分、OPで見せ場が出来てちょっと嬉しい。



カイトの反撃開始からのBGMがドラマチックで良かった!盛り上がる!!



カイトが転がるシーンの作画が凄かった・・・・・!

作監:横田明美