時をかける少女
TV放送も見逃して、今頃やっとDVDみました。
評判だったのでずっと気になってましたが。
作品全体は良くできていると思います。
ただ、主人公がちょっと引っかかるな。
ひょっとしたら男女で感想違うかも。
主人公、マコト。
やんちゃな女の子ですね。結構がさつで。（笑）
正直、あんまり好感もてるキャラではないかな・・・。
この子の行動がね。
この年頃で、いつも男子二人とつるんでる事自体、おかしい。
自分の気持ちとか、この状況が三角関係な事に、気づけ。（笑）
当初、仲良し３人組の関係が壊れそうになるのを恐れてましたね。
自分の気持ちも、相手の本音もうやむやに、このままで居たいというのは、
随分自分勝手だなぁと。
二人の男の恋心を弄んでいるような。曖昧な態度が許せないというか。
まあ、等身大の高校生を描こうとしたら、友情と恋愛の狭間で悩む姿は
ごくありふれた描写なんだとは思うのですが。
タイムリープの能力を得てからのチアキのやりたい放題っぷりが、面白い。
自分に降りかかる災難を全て回避。
・・・・けど、そのせいで、他の誰かが災難を引き受ける事に。
魔女叔母さんの言っていた通りになってます。
チアキの告白をなかった事にしてしまう。これもチアキがかわいそうだ。
チアキの気持ちに気づいて、距離を置いてしまったり。
そのクセ、チアキに彼女が出来ると、落ち込むし。
コースケと後輩をくっつけようとタイムリープを繰り返して奮闘。
いや、そのやり方じゃダメだろ！（笑）
最後のやり方は上手かったけどね。
人の為にタイムリープを使えたと、自己満足。
しかし、コースケ自身の気持ちを無視している点は、どうなんだろう？
前兆はあったとはいえ、タイムリープを使い果たした為の悲劇。
これはあんまりな結末。
と思った所で、チアキにより救われました。
チアキが全てを語る。ここだけ別キャラ。
未来へ帰る機会を失ってまで、マコトやコースケを助け、
自身は過去に来た目的も果たせないまま、姿を消さなければならない運命。
健気というか、切ないです、この人。
その後、後悔で大泣きするマコトには、同情は出来ないな。
自業自得な所あるので・・・。
なるほど、タイムリープを使い果たす以前に戻ればいいのか。
（ん？パラドックスとかないのかな？カウントはどの時間でも一人に対して？？？（謎））
過去に戻って、もう一度タイムリープの能力を得るってのもないのか。
チアキに片思いだった、友人のユリに、
最後、ちゃんと自分の本心語ったマコト。
ここだけは偉かった。
結局、チアキを（タイムリープの存在を知られた罪から）救う事も、
目的だったあの絵を見せる事も、できないのか・・・・・。
成功できたのは、ちゃんとお別れを言って、未来に返してあげる事だけ。
チアキとのお別れのシーン。
チアキからの告白を待っていたのに、がっかりなマコト。（笑）
だったら、自分からちゃんと気持ち伝えろ！後悔するぞ！
とか思ったのですが。
”未来で待ってる”っていう、チアキの約束も、罪な気がしますね。
チアキの語る未来は、そうとう遠そうなので、再会は無理そうだけど・・・。
再会出来ても、マコトだけ年取ってたら寂しいな。
その他。
魔女叔母さんが素敵。切ない過去背負ってるけど。
チンピラ風の教師、立木さんの声が渋くて良い。
コースケは、親が医者なんですね。
幼なじみなせいか、マコトの方は全く気がないというのは哀れ。
チアキとマコトの仲を心配してくれたり。いい人なのにな。
二人が付き合うような事があっても、それはそれで見守ってしまいそうだ。
学校内の描写がいいですね。
だれでも高校時代を思い出すような、
ゆっくりと時間が流れていた頃の雰囲気というか。
あと、気になっていた事が一カ所。
冒頭の、三人でキャッチボールしているシーン。
マコトが誰かの呼ぶ声を聞く。
”お姉ちゃん”だったかな？
これって、何の伏線だったんだろう・・・・・？
結末に繋がるのかと思ってたんだけど。
最後まで、どこにも繋がらなかった・・。
マコトの妹が、後に何かの切っ掛けでタイムリープの能力を得るとかじゃないの？？（謎）
あと、あの絵とチアキの関係も、気になる所。
タイムリープの能力をもっと計画的に有効に使えれば・・・。
でも、どう使えば、チアキを救えたのが。
全員を幸せにできたのか。
どの時点からやり直せば、一番良かった？
っていうのは、考えると難しいですね。
一番いいのは、時間をいじらず、あるがままにする事なのかな。
けど、この能力を使わないと、マコト自身が死んでしまうし。
結局、誰も死なない未来を選べたけど、チアキだけは何だか救われないなぁ。
せめて最後、別れ際にマコトの方からちゃんと告白出来ていれば、とも思います。
それを言わない（言えない？）所も、やっぱりズルいぞ、マコト。
